ベイエリア独身日本式サラリーマン生活

駐在で米国ベイエリアへやってきた独身日本式サラリーマンによる独身日本式サラリーマンのための日々の記録

ヒラー航空博物館

2017-02-23 22:10:43 | 生活
 ヒラー航空博物館は、サンカルロス市にある博物館だ。2000年代に入り大量の情報を簡単にやりとりできるようになり、“ヒトはどこにいても仕事ができるようになる”と言われていたが、やはりヒトは図書館に行かないと勉強ができないように、相応しいステージに立たないと相応しい役割を演じることは難しいようで、情報通信の発達と共にヒトを運ぶ手段としての航空システムの利用はむしろ増加しているようにも思える。我々のような独身日本式駐在員が未だに存在しているのもそれが大きな理由であろう。このヒラー航空博物館は、情報通信技術と同じくらいに世界を変えた航空技術と、“空を自由に飛びたいな、翼をください”という夢を叶えようとした人々の展示物を見られる施設であり、我ら日本式独身サラリーマンにとっては暇つぶしに相応しいステージだ。


この施設の特長は以下のとおりだ。参考にしてもらいたい。


①アクセス・概要
この博物館は、ヘリコプターの製造メーカーであるヒラークラフト株式会社の私設博物館である。創業者であるスタンリー・ヒラーは若干15歳で世界初の実用ヘリコプターを開発したとされている天才だ。彼の偉大な功績と、全人類の航空飛行に対するイノベーティブな心を讃えるために設立されたそうだ。サンカルロス空港に隣接されている。このサンカルロス空港は、非常時にサンフランシスコ国際空港等の主要空港の代替、及びプライベートセスナーの離着陸に使用されているようだ。


②屋内展示
大人の入場料は16ドルと高額だ。小児を連れた家族連れで賑わいを見せている中で、受付の女性に『大人ひとり』と伝えるのがこの施設で一番勇気が要る瞬間だ。展示もなかなかどうして面白く、童心に帰れる。鳥人間たちが琵琶湖で飛行したようなマシンから、初期のレトロなヘリ、そして最新式ヘリまでの変遷を実物大の模型で見ることができる。それぞれのマシンの操縦席には“オー!マイキー”を思い出させる欧米風マネキンが比較的無気力な表情で乗り込んでおり、興味深い。その他軍用機やホバリング機の展示も充実しており、航空マニアや軍事マニアでなくてもそこそこわくわくできる。あとは航空機操縦体感ゲームや、ドローンラジコン遊びコーナー等の体験コーナーがあるが、総じて小児に占領されている。広い施設内には昔のジャンボ機のシートがところどころに配備されており、そこで疲れた足腰を休めることができる。


③屋外展示
屋外展示場は、サンカルロス空港の広い滑走路を眺められる広いエリアに、セスナー2機と、レトロなジャンボ機の前半分がポツンと置かれているだけだ。何かイベントがあった際の会場になるようだ。レトロなジャンボ機は機内へ入ることができ、小さならせん階段を上るとコックピットがある。



 世界には2種類の男が存在する。“コックピットに入ったことがある男”と、“そうでない男”だ。筆者は前者の男になるべく、高鳴る興奮を周りに悟られぬよう平然を装って、小児達が並んだ行列の最後尾についた。このときコックピットからわずか2m。しかし後から来る別の小児たちにどんどん抜かされてしまう。小児の親御さんは筆者を“コックピットの中にいる子供を待っている父親”と勘違いしているようで、無礼な悪童たちが筆者を抜かす行為を咎める様子もない。まさか40近い男が“おい、俺が先だぞ”と小児を叱り飛ばすこともできず、泣く泣くコックピット入りを断念したのであった。 果たして世界には“コックピットに入ったことがある男”と“コックピットに入りかけた男”と“そのどちらでもない男”の3種類の男がが存在することとなった。

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