鈍足親父の独り言

50歳目前でジョギングを始めた鈍足な親父が

ランネタを中心に日常生活を思いつくままに綴った徒然日記

令和の千人同心(前編)

2019-06-21 | 大会レポ(ウルトラ)
6月15日(土)・16日(日)の二日間にわたり開催された「第一回 日光千人同心街道四十里ジャーニーラン」に参加してきました。距離は自身最高となる161.6km,この距離の間に設定されたチェックポイント(CP)32ヶ所を通過し,その証として写真を撮る必要があります。




まずは,千人同心街道と大会趣旨(大会プログラムより)
〜江戸時代,徳川氏の関東入国に伴い,農民でありながら武士身分を与えられ,江戸城と甲州口の防備にあたっていた八王子千人同心。往時,その名のとおり1,000人の同心が八王子千人町を中心に居住していたという。後に日光東照宮の火の番が彼らの主たる任務になり,八王子千人町から拝島宿・坂戸宿・館林宿へと北上し,天明宿(佐野市)で例幣使街道,楡木宿(鹿沼市)で壬生街道,今市宿で日光街道に合流して東照宮に至る四十里の道程を50人ずつ交替で参じることになる。
この道筋こそが千人同心街道で,承応元年(1652年)から慶応4年(1868年)までの間に1,000回を超える勤番のための往来があったといわれている。
歴史の舞台から彼らの姿が途絶えて150年の時が流れた今,私たちはその史実を追体験する旅に発つ。〜

もうひとつ聞き慣れない言葉かもしれませんので,ジャーニーランについて(by SAJ舘山会長)

ジャーニーラン(走り旅)は,走りを主体としたウルトラマラソンとは違い,旅を主体とした超長距離走で,①自分で地図を読みながら目的地を目指す。 ②必要なものはすべて携行するか,途中で調達する。という解釈のもと「主催者が定めたルール以外は,最後まですべて自分の意思で判断し,責任をもって行動し,目的地を目指す。」というものです。もっといえば,レース中に主催者に道を尋ねることは認められません。また,自分がどこにいるのかわからなくなったり体調不良で動けなくなって救援を要請することもNGで,そうなる前にレースを終了しなさい。ということのようです。(そうは言っても・・・^^;)

【結果】

27時間13分くらいでなんとか完走することができました。


【スタート前】

金曜日仕事が終わって八王子入り,夕食は以前れいさんが紹介されていたご当地八王子ラーメン。ここ!と思った店は早仕舞いのため,野猿街道沿いの「でんでん」さんにお邪魔しました。八王子ラーメンとカレーのセットで英世さんからお釣りがきました(笑)。なんでも元は電気屋さんで店名もそこから命名したのだとか・・・




当日朝は,前夜に買い込んだおにぎりなどを口にしてお腹を満たし,雨のなか会場の興岳寺さんに徒歩で向かいます。
会場で雨が避けられるのは本堂の軒下くらいで、みなさんここで準備に余念がありません。




この雨の中,八王子在住のラン友 れいさんが差入れもたくさん携えて応援に来てくださいました。こんな嬉しいことはないですね。さらになんと傘まで用意してくださっています。開会式会場は屋根もないため,荷物を預けてしまうとただ濡れるだけだったのでこのお心遣いはほんとにありがたかったです。
れいさんからいただいたカステラとSTC OVERBLAST(NO CRAMP)でスタートに備えます。




チームおっさんメンバーのおうまさんと晴れ男さん




ド笑夢な◯ン◯イさんが多く集まるこういう大会にはあまり縁がないので,スタート前にお会いして話しをしたのは,おうまさん,晴れ男さん,のび太さん,ココアさん,cozyさん くらいでした。


【〜AS1】

舘山会長の挨拶の後,8時ちょうどに興岳寺のご住職や千人町自治会長さんたちのお見送りを受けてゆるゆるとスタートしました。


(写真:れいスポーツ)

スタートしてしばらく走ると八王子千人同心屋敷跡という石碑が建っていました。




信号待ちをしていると年配のおじさんが,「どこまで走るの?」と聞いてこられたので「日光です。」と応えると,「千人同心街道?40年も昔だけど自分も歩いたよ。頑張ってな!」と見送ってくださいました。

市街地を抜けて坂を上ると,4.0km地点のCP01小宮公園に到着です。(8:34)
ここで写真を撮って,さらにCP到着時刻記録表に時刻を記入します。しかしこの雨の中で記入すると記録紙が濡れてどうしようもなくなると判断し,このあとは写真の撮影時刻を見て最後にまとめて記入することにしました。




前後にはまだまだ人がいますが,このあたりから晴れ男さんと一緒に走っていました。
そうこうしているうちに,8.4km地点のCP02拝島宿中宿公会堂に到着しました。(9:05)




このあたりから,笑顔がステキなKちゃんと前後するようになります。
100kmは3回ほど完走したそうですが,100km超については一度150kmにチャレンジしたものの完走できなかったので,今回はなんとしても完走したい!という強い気持ちでチャレンジしているそうです。
10.7.km地点のCP03日光橋に到着。(9:23)




10kmを過ぎて前後のランナーさんが少なくなってきました。区間によっては見える範囲に誰もいないということも少なくありません。
横田基地を右に走っているとこんな丸型ポストが目に入ってきました。




ポストを過ぎて20分ほどで 17.2km地点のCP04箱根ヶ崎宿大橋に到着。(10:09)




この大会,まず地図がないとどうしようもありません。主催者から渡される地図は20枚,これにルートとCP,AS,注意箇所等が記載されています。私はこれを小さくコピーして百均のファスナー付ビニールケースに入れてザックに下げていました。しかし,これは大失敗(>_<)。
これまでは,同じ百均のビニールケースでも写真右のようなジップロック式を使っていたのですが,出し入れの利便性を優先して左のものにしていたところファスナー部分から雨が染み込み中の地図も濡れてしまいました。




紙ですから濡れと地図同士がくっついて使い物になりません。もちろんほかの手段も講じていました。それはスマホの地図アプリにルートを読み込ませて利用する方法です。それもグーグルマップとルートラボの二本立てで用意していました。




しかし,スマホは水に弱い・・・濡れると反応しなくなり,へたするとCPの写真も撮れなくなってしまいます。そのため,スマホも必要最小限の使用にとどめていました。

雨のレースになるのは分かっていましたから,実は念のため紙の地図はもう1セット用意していました。こちらはモンベルの防水仕様マップケースにいれてザックのボトルホルダーに入れていました。




それでも地図の順番を入れ替えたりする間に濡れるのは同じです。

今回勉強したこと・・・
長時間雨に晒されるレースの場合,かさばろうとも地図は1枚(あるいは表裏2枚)ごとにラミネートして雨中でも気にせず見られるようにすること。またスマホも防水機能のカバーに入れれば使いやすいこと。

ちょっとだけよかったこと・・・
地図を2セット用意していたこと。スマホ画面と指先を拭けるように,手拭いをジップロックのビニール袋に入れていたこと(ポケットに入れていたハンドタオルはぐしょぐしょで使えず)。

そうこうしているうちに19.6km地点のCP05二本木宿上宿道標に到着。(10:27)




拝島駅でレインウエア(下)を着替える(前後逆に着ていたらしい ^_^)といって一旦後方に離れられていた晴れ男さんが,このあたりで追いついてこられました。
20.9km地点のCP06(AS01)入間市博物館に到着。(10:36)




【〜AS2】

エイドを過ぎてからはまた晴れ男さんと一緒に走ります。雨は相変わらず降り続いついます。
24.8km地点のCP07扇町屋宿上町道標に到着。(11:06)




Kちゃんが少し遅れ気味になってきました。あとで聞いたところによると,ルートがよく分かっていなかったので付いては見たものの,自分のレベルより速い位置に付けていたので意図的に下げたとのことでした。
親父と違って冷静な判断ですね。
28.3km地点,CP08根岸宿日光脇往還標柱に到着。(11:29)




写真を撮って先に進んでいると数名の方が逆走してこられました。CPを見逃してしまい戻ってきたとのことでした。私も含めてそうですが,数キロから十数キロと長短はあるものの,みなさんプラスαの距離を走られていたようです(笑)。

根岸坂上の交差点を過ぎたあたりで,晴れ男さんから「山田うどん」に寄るけどどうですか?と声をかけていただきましたが,私はレインウエアの下を着ていなかったので,さすがにビショビショのまま入店するのはまずいだろうと思い遠慮させていただきました。しかし,これが後々・・・

33.6km地点,CP09高萩宿金比羅大権現石碑に到着。(12:.08)




40kmが近くなるあたりで少し喉の渇きを覚えたので,ボトルから水分補給をしようと口にすると・・・なんとボトルが空です。
最初から入れ忘れていたようです。それにしても40kmも気づかないなんて・・・^^;
坂戸市の街中に入るあたりからまたひとり旅になってきました。
40.5km地点のCP10坂戸宿延命地蔵に到着。(13:04)




これまでも付いたり離れたりしていたランナーさんの姿が見えたので,次のCPまで必死に追いすがっていました。
昔を偲ぶよすがの場所の少し手前のAS02に到着。(13:23)
エイドスタッフのENDーさん(九十九里町)たちのもてなしを受けます。




【〜AS3】

エイドを出て 1分ほどで42.9km地点のCP11昔を偲ぶよすがの場所に到着です。(13:26)




坂戸宿をすぎ,高坂の宿場に入ってきました。街道沿いには大きな旧家が並んでいます。高坂なんて関越のSAとして知っでいるくらいで,まさかその町を自分の足で走る日がくるとは・・・
46.1km地点のCP12高坂宿六地蔵に到着。(13:55)




東松山市の市街地に入ってきました。
前を行く集団を追っていると,突然後ろのランナーさんが「落ちましたよー!」と声をかけてくださいます。なんと地図を入れていた百均袋が切れ落ちて水没・・・
50.7km地点,CP13松山宿馬頭観音に到着。(14:32)




50kmを6時間半弱,ほぼ予定どおりです。
次のCPまでは10km弱,熊谷市,吉見町と進んで大芦橋で荒川を渡り鴻巣市です。
60.5km地点,CP14吹上宿中山道間の宿道標に到着。(15:47)




CPをすぎ,R17熊谷バイパスの高架下で雨を避けながら地図の整理をしていると急に震えがきて寒気がしてきました。レインウエアのフードを被っていなかったことや,ファスナーをちゃんと上まで閉めていなかったことで雨が中に染みてきて熱を奪い始めたようです。
このあとも動いている分には問題なかったのですが,立ち止まると冷えて震えなくるようになりました。何かで低体温症の症状で「震えの段階ならまだ震えるだけの体力が残っている証」と読んだ記憶があるので(震えることさえできなくなったら危ないので,この段階で対処する必要があったのですが 次はエイドだし ^^;)雨が止むのを祈りながら前に進んでいました。

実はスタート直前までバーサライトにするかゴアテックスのトレントフライヤーにするか悩んでいたのですが,軽さ優先でバーサライトにしたのが失敗でした。大雨が長時間続くことが明らかだったので,安全性優先でゴアテックスのウエアにしていればこの問題はなかったかもしれません。

行田市に入り,64.2km地点のCP15(AS03)忍城に到着。(16:30)






行田市といえば池井戸潤さんの作品で,ドラマ化もされた「陸王」の舞台です。
事前にもしやと思い調べてみると,なんと「こはぜ屋」さんがルートから250mのところにあったのです。これを見逃す手はないと寄り道です。
イサミコーポレーション(スクール工場)さん,やはり足袋を作られているようです。




役所広司さん演じる宮沢社長が,「よーっ!」とてをあげながら出てきそうな雰囲気です(笑)。


ルートに戻って64.9km地点,CP16忍宿御本陣跡石碑に到着。(16:49)




次のCPまではわずか600mほどです。
65.5km地点,CP17船着き場跡碑到着。(16:58)




行田市から羽生市に入り,埼玉県もあとわずか・・・
相変わらず雨は降り続きあちこち冠水しているので,最初の頃こそ避けていた水溜りも途中からバシャバシャくるぶしよりも上まで水に浸かって走るようになりました。
これで怖いのは,足裏のふやけによる水ぶくれとシワです。たしかにふやけている気配は大ありなんですが,スタート前にガーニーグーを塗り,インナーファクトの靴下を履いた両足に,水ぶくれやシワの重なりができている様子はありません。

71.7km地点のCP18新郷宿旧本陣「須永家」に到着です。(17:56)




羽生市の昭和橋で利根川を渡り群馬県に突入です。しかしここで痛恨のロスト,完全な思い込みで群馬県最初のCPを500m以上行き過ぎていました。すごすごと戻り,74.3km地点のCP19川俣宿道標に到着。(18:28)




このロストでKちゃんとまだ一緒になりました。
先ほどまでの寒さは和らいできたものの,なんとなく身体の調子がおかしくなってきました。これはどうもハンガーノックを起こしかけているようです。たしかにここまでエイド食も携行している補給食もあまり口にしていませんでした。
館林市に入ったので,吉野家のような立ってでも食事ができる外食屋さんがあったら入るつもりで走っていましたが・・・お店がほとんどない・・・,エイドも近いので補給食の黒糖わらびとVESP PRO で急場をしのぎました(笑)。
この黒糖わらび,最近使い始めましたが,食べやすく,美味しいので補給食としてお勧めです。




結局Kちゃんからも遅れてヘロヘロ状態で,ほぼ中間点80.4km地点のCP20(AS04)館林駅に予定より30分ほど遅れで辿り着きました。(19:26)




ここで手持ちの食料やエイドのパン・お稲荷さんなどをとにかく詰め込み,熱い紅茶をいただいてエネルギーを蓄えます。
すごいもんですね,なんとなく力が湧いてきた気分になります。
さらに携行した黒糖わらびとSTC OVERBLAST(BCAA)で後半に備えます。

駅前のエイドということもあり,止むことなく降る雨で疲労度も増して,ここでリタイアを宣言する人も出始めたようです。

そんな中,ENDーさんの奥さんmikiさんが到着,後方の点滅灯が壊れたようで困られていたので,ふたつ付けていたうちのひとつをお渡ししてエイドを後にしました。(事故防止のためのライトや点滅灯,反射材を装着していないと失格の可能性があります。)


〜後編へ続く〜









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6 コメント

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Unknown (kurukuru0015)
2019-06-22 09:06:38
親父様、凄いですね。
気力充実ですね。80キロで中間点なんて😅
旅ランですね。ウルトラとはまた違いますね。
レポートで元気もらいました❗午後から大学講座頑張ってきます。kちゃんの登場で苦しいレースも少しは癒されますね👍後編が楽しみです。
Unknown (ナガイモ)
2019-06-23 13:01:04
地図の話、さすが、用意周到ですね。
雨量と距離と心拍数で、ウィンブレかゴアか、悩ましいですね。ゴアは昔よりかなりしなやかになったから、微妙な時はゴアを選んだ方が安全な感じですね。
Unknown (イケネコ)
2019-06-24 00:59:58
こんなシビアなジャーニーランに、何人もド笑夢なお知り合いが参加されているなんて…(;´∀`)
差し入れ、至れり尽くせりだったのですね!
日光まで行くと言っても驚かれない千人同心街道を昔歩かれた方にも驚きです。
行程の半分、駅前、夜、雨…離脱の誘惑ありすぎますが、よく親父さんかわして進みましたね!
Unknown (鈍足親父)
2019-06-24 09:59:20
>kurukuru0015さん

はい,80kmはハーフです(笑)。
CP32ヶ所というのが意外とプレッシャーになります。雨で地図を読むのが面倒になり,ついうっかりで見逃すと大きなロスになりますしね。
kurukuruさんのaちゃんに対抗してみました。^^;
Unknown (鈍足親父)
2019-06-24 10:10:55
>ナガイモさん

地図は念のためと思って用意したのが役に立ちました。晴れ男さんは後半地図を失くした方を一緒に走ったとおっしゃっていましたし,こういうレースではかなり重要なアイテムということを再認識しました。
ゴアのレインは値段も張りますが,身を守るためにはやむを得ないですね。モンベルのレインは少しはリーズナブルなので助かります。
モンベルのトレッキング用の折りたたみ傘を持った人もいらっしゃいました。
Unknown (鈍足親父)
2019-06-24 10:18:18
>イケネコさん

いやー,周りの話しが凄すぎて・・・,川の道500kmだとか鳥の旅250kmだとか・・・もう異次元の世界です。^_^

本来雨も嫌いじゃないので,離脱したいというような気持ちにはならなかったですよ(偉い?)。スタートしたら最後まで行く ということにこだわりたいので,ハセツネの二度のリタイアだけは後悔だらけなんです。(>_<)

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