〜ウルトラのレポの前に〜
「第4回壱岐ウルトラマラソン」が開催される故郷壱岐の島は,神社庁に登録された神社だけでも150社,それ以外のものを含めるとその数は1,000社を超え,「神々の住む島」などと呼ばれています。
このうち「延喜式」に記載された式内社が24社,九州全体の式内社が109社ということを考えると壱岐の神社密度の高さがわかります。
このように神社がたいへん多い島ですが,お寺も少なくはないですよ。現在島内には35寺あり,そのうちの27寺が禅宗系(曹洞宗17寺・臨済宗10寺)ということです。ちなみに私の実家は,臨済宗大徳寺派(二等地)東光寺の檀家になっています。
話しを神社に戻して・・・,最近はご朱印帳を手にした神社女子の来島も多いようです。そんなみなさんのためにいくつかの
神社巡りのプランが用意されています。昔はそんなものはありませんでしたね。^^;
◯七社巡り:壱岐の正月は,三社参りではなく七社参りです(実は知りませんでした ^^;)。住吉神社→本宮八幡神社→聖母宮→箱崎八幡神社→國片主神社→興神社→白沙八幡神社
◯パワースポット巡り:男嶽神社→女嶽神社→月讀神社→爾自神社→小島神社→塞神社
◯四十二社巡り:風の路・海の路・里の路・山の路と4つのコースが用意されています。
せっかくなのでフェリーが着いた港から実家に戻る途中,お詣りして100km完走のお願いをしてきました。
その前に・・・,
この春にオープンした漁師レストラン「かもめの朝ごはん」さんでお昼をいただきます。
注文したのは「まぐろカツ丼」,壱岐産の近海まぐろの大きなカツが載って800円!
すぐ横の郷ノ浦漁協セリ市場から入る新鮮な魚介類の朝ごはん(昼ごはん)バイキングが人気のお店です。
お腹を満たしたのちにお詣りしたのはパワースポットのひとつ「月讀神社」です。
(このあたりは,
あおぞらさんの専門分野ですが・・・^^;)
古事記によると,黄泉の国から帰った伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の左目から生まれた天照大神(あまてらすおおみかみ),右目から生まれた月讀命(つくよみのみこと),鼻から生まれた素戔嗚尊(すさのおのみこと)を日本の三貴子(みはしらのうずのみこ)と呼ぶそうです。
そして,天照大神は伊勢神宮(内宮)に,素戔嗚尊は出雲(須佐神社)にそれぞれ祀られ,月讀命が祀られているのがここ壱岐の島です。
京都市西京区にある月讀神社は,忍見宿弥(おしみのすくね)により487年に壱岐から分霊されたもので,これにより日本の中央に古神道が根付いたことから,その元宮である壱岐の月讀神社を「日本神道発祥の地」とする説もあるほどなんですね〜。
伊勢(伊勢神宮・内宮)や出雲(須佐神社)に比べればずいぶんと小さな神社ですが,どこか威厳も感じます。
階段を上がった正面に「月讀命」が
境内右手の赤い鳥居の右に月弓命,左に月夜見命がそれぞれ祀られています。この三柱はいずれも同神です。
【月讀神社由緒 より】
◯月讀命:讀むというのは月齢を数えることであり,日を数えるのは暦(大陰暦)である。したがって月讀と,稲作,潮の満ち干とはたいへん深い関係がある。
◯月夜見命:月夜というのは単に月のことである。月は夜出るわけであるから月夜といった。見は心霊を表す。したがってこの見は月を神格化した。
◯月弓命:三日月は弓の形をしている。そこから月讀が月弓に音が変化するのに伴って漢字も弓が当てられた。
神社裏手には磐座があり,これが月讀神社の「元」だそうです。
久しぶりの参拝だったのでご朱印もいただきました。
神社を後に途中本屋さんに寄り,今回手に入れたかった本を無事ゲット!
こんな本ですからこの島の本屋さんにしか売っていません。^^;
島を離れて数十年,使わなくてなるとだんだん忘れてきますが,やはり故郷の香りがする言葉は大事にしたいものです。
その足で「ブティック・ヒグチ」さんを訪れ,IKI MAP Tシャツを入手,素材がコットンなのでさすがにウルトラで着るにはちょっと躊躇われます。社長に次はドライでお願いします。と伝えておきました(笑)。
樋口社長は,高校の後輩です。年明けには壱岐の島新春マラソンに参加の予定だそうです。
これがあれば地図やガイドブックがなくても,島の観光名所を廻ることができます。ただ問題は,プリントが背中だけなので自分で見ることができない・・・(><)
実家に戻り母としばらく話しをして,地元町内の神社まで出かけました。
例大祭を終えたばかりでお詣りの方も少なくひっそりしている「聖母宮」です。
ここ聖母宮は,神功皇后の三韓征伐に因む神社で,征伐に勝利したことから勝負の神様として知られています。また,皇后がこの地で応神天皇を身籠り凱旋後に無事に出産したことから安産の神様としても知られています。
祭神は「息長足姫尊(神功皇后)」,「足仲彦尊(仲哀天皇)」,そして「上筒男尊」,「仲筒男尊」,「底筒男尊」の住吉三神です。
宮司さんも奥様も不在でご朱印をいただくことはできませんでした。
10月は,12日例祭,14日例大祭,そして15日勝本港祭りと長崎県でも有数の漁業の町が賑やかになります。
例祭の模様(写真は借り物です)。今年の宮世話人には同級生が二人います。
15日の港祭りのメインは,漁船による海上パレードと陸上での仮装行列なのですが,今年は時化のため海上パレードは中止となったようです。
この日の夜はウルトラマラソン前夜祭です。会場に向かう途中,毎回52km過ぎで応援してくださる「おとめさん」に挨拶をと訪れましたがこちらも不在・・・
こんな手作りボードまで用意してくださいます(マラソン当日に撮影),ありがたいことです。
時間を確認してもしかしたらと思い,内海湾に浮かぶ壱岐のモン・サン・ミッシェル「小島神社」へ・・・
この神社,通常は海中に鳥居が浮かんでいるだけにしか見えませんが,干潮時に海が割れ参道が現れて,一日のうち数時間だけお詣りができる神社です。
島全体が聖域のため,枝一本,小石ひとつも持ち帰ることはできません。
海が割れるのよ〜 道ができるのよ〜・・・
おー,干潮!ちょうどいいタイミングで到着しました。
約150mほどの海の道を歩き,島の裏手からの道を上ってお詣りします。
祭神は「素戔嗚尊」
この写真は翌日のレース中に撮ったものですが,潮が満ちるとこんな状態なので,のんびりしていると帰れなくなります(笑)。
もう一ヶ所,島の最高峰「岳の辻(212.8m)」に寄り道,天気がいいと島全体が見渡せるのですが,この日はあいにくの雨・・・
ある方の説によると,全国の龍が年に3か月間この壱岐に集まるのだそうです。壱岐には龍が住んでいると言われ,龍に関する伝説やスポットも多く存在しています。その中のひとつ「龍光大神(祭神は龍神)」がここ島の最高峰の地にあります。
鳥居と小さな祠がある程度の神社ですが,そこに立つ龍神は,なんと7つの爪を持っています。
龍の像や絵を見ると通常爪は3本ですが,中国では所有者の身分に拠って爪の数が異なるようで,3本の龍=庶民,4本の龍=貴(皇)族,5本の龍=皇帝 とされているのだそうです。日本の龍は,中国でもまだ3本爪が一般的で前述のような区分がないころに伝わってきたため3本が多いのだとか・・・
ところがここの龍は7本・・・,全国の龍が集まる訳はこのへんなのかな?笑
すぐ側には狼煙台が・・・,有事の際には,狼煙を使って 対馬→壱岐→九州(太宰府)→・・・大和朝廷 と報せが行ったのでしょうね。
18時からの前夜祭は「壱岐焼酎で乾杯」で始まり,壱岐牛や地鶏,郷土料理のひきとおし,うに飯のおにぎり(うにぎり),壱州豆腐などをいただいたり,子供達のダンスを楽しんだり,お久しぶりのランナーさんにお会いしたりとあっという間の時間でした。
あれっ,中学の同級生・・・^_^
本来ならホスト側の主役である(白川)壱岐市長は,出張先の長崎からの飛行機が欠航したため無念の欠席・・・しかし,長崎から福岡に移動して深夜0時発のフェリーで真夜中に帰島し翌朝の開会式にはちゃんと間に合ってスターターを務めていらっしゃいました。
長崎からのランナーさんも,同様の手段で来島されたようですが,
この方たち,ほとんど寝る間もなく100kmレースに挑まれました。
そのうちのひとり じゅりーさん,淡々と走って5位入賞,さすがでした。
ウルトラマラソン本編は,また後日・・・^^;