―― ・・・
ォォォォ ・・・・・
チュチュン ♪
キッチンはにぎやか・・・
お日様が来て、みんな起きて来たのである。
崖で見張りの手伝いをしていたレトリバーも、戻って来てくつろいでいる。
ト
しまネコも横で、一緒に転がってる。
「・・・」
ちょうどいいのだ。
しまネコは寝ている訳ではないし、レトリバーの上での合図をみせるのだ。
ト
「ニャ~」
背中にのるよ。
「・・・クゥン」
くつろいでいるレトリバーの背中に、僕はのる。
パチ
シッポで合図すると、レトリバーは起き上がった。
人はたくさん。
僕の合図で、みんなをよけながら進むのだ。
「?」
しまネコはレトリバーが起きたから、頭を向けて注意を向けている。
「・・・」
まず、右前足で合図を送って右に曲がるのだ。
―― パタタ
「チュ♪」
ニャ
僕が合図を送る前に、マヒワが飛んできた。
僕の頭の上。
レトリバーのシッポから僕のシッポを伝って、跳ねてくることもできたのに。
ツン ♪
マヒワが僕の頭に前進の合図。
パチ
僕は前足で、レトリバーに前身の合図をする。
「クゥン」
ト
すると、レトリバーは歩き始めた。
「♪」
「♪」
うれしい。
ツン
パチ
前にゴムさんがいるから、マヒワの合図を伝えてレトリバーが右に曲がる。
ト
「ミャ~」
しまネコが床でそれを見ている。
「仲がいいのね」
上から、ゴムさんの声。
ツン
パチ
こんどは左に曲がって、ゴムさんをよける。
「・・・」
レトリバーは、マヒワが最初に合図を出しているのは気付いていないと思う。
ふふん。
クゥ ♪
下にチワワ。
僕らを追ってる。
「わざわざここまでするなんて、すごい財宝なのかな」
「そうなんじゃない」
ゴン
「?」
僕らをみながら歩いていたから、チワワがウェーブさんにあたった。
ツン
パチ
僕はよそ見していても平気である。
マヒワがちゃんと前を見て指示をくれるのだ。
それをレトリバーに伝えるだけだから、楽である。
前見ないでいいし、歩かないでいいのだ。
人が多い。
でも、上手くすり抜けるのだ・・・・
チュ ♪
ォォォォ ・・・・
―― ・・・
クゥ