あんこ

2017年01月02日 03時56分05秒 | 黒猫のひとりごと

                                ヮヮヮヮ  ―――

                                                    ヒュゥゥゥ  ・・・・

                   チュ ♪

マヒワが鳴いた・・・

座った僕のお腹の前。

                  モグ

トラックの荷台の上に座って、男がおもちを食べてる。

あんこスープにおもちが入っているのだ。

「・・・・」

リフも食べてる。

おいしいみたいで、すでにおかわりしているのだ。

画面は斜め。

クネクネできるワイヤーがあって、それを曲げてスタンドにしているのだ。

「ニャ~」

僕はたべない。

ちょっと前に朝ごはんをたべたばかりである。

お腹減ってない。

カールさんのミニ飛行機は、谷を何往復もしてる。

折り畳みの傘じゃなくて、ミニ飛行機に頼めば僕も飛べるかもしれない。

「・・・」

でも、そしたら傘がいじけるかな。

「―――」

後ろで転がっていたニャッティラが、4つの足を伸ばしてあくびしてる。

風が朝よりもあたたかくなって、お日様もいるからポカポカする。

               モグ

                      ――  

「・・・私ももらってこようかな」

ハットさんが体を伸ばしてる。

                ねぇ !

ニャ

荷台の下から声。

          ギィ

                         ギィ

バレッタさんがのぼって来た。

「どうしたね」

「――さっきの場所、キラッてしたんです」

「・・・・」

「・・・金属?」

「そんな感じでした」

「見てみよう」

「車かな・・・」

「・・・・」

          

ノッポさんも来る。

「・・・・」

谷の左の方を見てる。

ミニ飛行機はそっちに飛んで行った。

「・・・そこから再生してください」

「うん」

カールさんは、ずっとゴーグルみたいなの着けてる。

「上から角度を付けよう」

「うん」

ノッポさんも、筒もってミニ飛行機を追ってる。

「ここです!」

「・・・・」

ハットさんとバレッタさんが同じ画面を見ていて、男とリフも覗き込んでる。

「ニャ~」

自分のがあるんだから、それ見たら。

「・・・もう少し森の中が見えるといいんだけどね」

「またそこに行きますよ」

ノッポさんは今度は上の方を見てる。

ニャ

ミニ飛行機は高い場所にいる。

「降下しながら角度を付けて撮ります」

「うん」

      

男たちが戻って来た。

            ―――

自分の画面を見るみたい。

僕の指摘で気付いてくれたのだ。

「黄色と緑の木の横だったね」

「――ここ」

バレッタさんは、ハットさんと一緒にみてる。

「!」

                    ――  車だ !

「――車だね」

「はい」

「・・・ほんとだ」

「そろそろ上げよう」

「うん」

     

男がミニ飛行機の方を見てる。

「西だな」

「うん」

「ドローンを戻そう」

「はい」

            ギィ

お椀と画面を持った男が、ハシゴを下りていく。

「・・・見つかった」

「無事だといいね」

「はい」

             ―――

「・・・・」

カールさんがゴーグルを外した。

「疲れたかい」

「大丈夫です」

「ありがとう」

「・・・別の車かもしれないし、近くでまた飛ばそう」

「うん」

「後は勝手に戻ってくるのかね」

「はい」

みんなでミニ飛行機を見てる。

       

僕は男を追う。

           ―――

「チュ」

マヒワもくる・・・・

             ―――    

                              ヮヮヮヮヮヮ  ・・・・・

                                               ゥゥゥウウ  ・・・・

                       チュ ♪