ヮヮヮヮ ―――
ヒュゥゥゥ ・・・・
チュ ♪
マヒワが鳴いた・・・
座った僕のお腹の前。
モグ
トラックの荷台の上に座って、男がおもちを食べてる。
あんこスープにおもちが入っているのだ。
「・・・・」
リフも食べてる。
おいしいみたいで、すでにおかわりしているのだ。
画面は斜め。
クネクネできるワイヤーがあって、それを曲げてスタンドにしているのだ。
「ニャ~」
僕はたべない。
ちょっと前に朝ごはんをたべたばかりである。
お腹減ってない。
カールさんのミニ飛行機は、谷を何往復もしてる。
折り畳みの傘じゃなくて、ミニ飛行機に頼めば僕も飛べるかもしれない。
「・・・」
でも、そしたら傘がいじけるかな。
「―――」
後ろで転がっていたニャッティラが、4つの足を伸ばしてあくびしてる。
風が朝よりもあたたかくなって、お日様もいるからポカポカする。
モグ
―― !!
「・・・私ももらってこようかな」
ハットさんが体を伸ばしてる。
ねぇ !
ニャ
荷台の下から声。
ギィ
ギィ
バレッタさんがのぼって来た。
「どうしたね」
「――さっきの場所、キラッてしたんです」
「・・・・」
「・・・金属?」
「そんな感じでした」
「見てみよう」
「車かな・・・」
「・・・・」
ト
ノッポさんも来る。
「・・・・」
谷の左の方を見てる。
ミニ飛行機はそっちに飛んで行った。
「・・・そこから再生してください」
「うん」
カールさんは、ずっとゴーグルみたいなの着けてる。
「上から角度を付けよう」
「うん」
ノッポさんも、筒もってミニ飛行機を追ってる。
「ここです!」
「・・・・」
ハットさんとバレッタさんが同じ画面を見ていて、男とリフも覗き込んでる。
「ニャ~」
自分のがあるんだから、それ見たら。
「・・・もう少し森の中が見えるといいんだけどね」
「またそこに行きますよ」
ノッポさんは今度は上の方を見てる。
ニャ
ミニ飛行機は高い場所にいる。
「降下しながら角度を付けて撮ります」
「うん」
ト
男たちが戻って来た。
―――
自分の画面を見るみたい。
僕の指摘で気付いてくれたのだ。
「黄色と緑の木の横だったね」
「――ここ」
バレッタさんは、ハットさんと一緒にみてる。
「!」
―― 車だ !
「――車だね」
「はい」
「・・・ほんとだ」
「そろそろ上げよう」
「うん」
ト
男がミニ飛行機の方を見てる。
「西だな」
「うん」
「ドローンを戻そう」
「はい」
ギィ
お椀と画面を持った男が、ハシゴを下りていく。
「・・・見つかった」
「無事だといいね」
「はい」
―――
「・・・・」
カールさんがゴーグルを外した。
「疲れたかい」
「大丈夫です」
「ありがとう」
「・・・別の車かもしれないし、近くでまた飛ばそう」
「うん」
「後は勝手に戻ってくるのかね」
「はい」
みんなでミニ飛行機を見てる。
ト
僕は男を追う。
―――
「チュ」
マヒワもくる・・・・
――― ♪ ♪ ♪
ヮヮヮヮヮヮ ・・・・・
ゥゥゥウウ ・・・・
チュ ♪