AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

新鮮な体験と共に

2020年10月25日 | しねしねシネマ
Perfumeが『Reframe』なる催し事をやっているのはなんとなく知っていたが、その内容がどういうものなのかは殆ど把握してなかった。


『Reframe』は、Perfumeの20年来の戦友、演出・振付でお馴染みのMIKIKO先生、インタラクションデザインアート集団のライゾマティクスらが、今までPerfumeが創り上げてきたパフォーマンスを新たな視点から再構築(Reframe)し、最新技術を駆使して構成されたライブプロジェクトで、2018年にNHKホールで初めて敢行された。

普段のライブでは立ち上がって声援を送る観客たちも、本企画では着席して鑑賞。
Perfume・・・というか、あ~ちゃんのお家芸である長時間のMCや観客を煽るといったパフォーマンスも一切ない、Perfumeとしては非常に珍しい厳かすぎるステージ。
公演終了後、あ~ちゃん曰く「こんなに何も言われない(歓声がない)のはインディーズ以来!」だったとな。

『Reframe 2018 NHKホール』



昨年、それをさらにスケールアップさせ、“LINE CUBE SHIBUYA”として新しく生まれ変わった渋谷公会堂のこけら落とし公演として再演された。




そして結成20周年を迎えた今年の9月に、それを劇場版で『Reframe THEATER EXPERIENCE with you』と題して、2週間限定で全国ロードショーされてたんだが、それも完全に見逃しており、残念な気持ちを抱いていた。

ところが、それを兵庫県の塚口サンサン劇場という映画館が、今更ながら上映してくれるという大変ありがたい情報をキャッチしたので、先週の土曜、秋の冷たい雨が降りしきる中、尼崎まで観に行かせてもらいやした。

それにしても、ガラケーを卒業して1年ちょっと経つけど、スマホを持ったら知らない土地でも道に迷うことは絶対ないと堅く信じていたのに・・・見事に迷ってしまった。
確かに塚口駅で降りたんだが、なんか映画館などありそうもない寂れたところで、マップに載ってる付近の店が全然見あたらない。
と思ったら、鉄道会社を間違えてたんだな。JRの駅と阪急の駅と。
私は30年前にも尼崎で同じ過ちを犯してたりする。
予約して席とってたから焦った焦った。危うく映画見損ねるところだったぜ。




上映時間ギリギリに着いたので客層がどうだったかは全然わからなかったが、先月梅田のシネコンに観に行った人間椅子の映画の4、5倍は入ってたかと。
何と比べてんだ!って感じですけど、まぁソーシャルディスタンスがなければもっと入ってたんじゃないかな。

本作品はライブをそのまま丸ごと上映するというものだが、以前やった海外でのライブを日本の劇場に生中継で配信してみんなで盛り上がろうぜってのとはちょっと違っていて、最新技術を駆使したデジタルテクノロジー映像と、Perfumeの寸分違わぬ驚異的なライブパフォーマンス、そして中田ヤスタカ氏の卓越した極上のエレクトロサウンドを特別音響仕様で、大スクリーンでじっくりと堪能するといった、1つのヴィジュアルアート作品としての趣があったかと。
もちろん本ライブの抽選に外れて生で見れなかった人たちにも、このアーティスティックなPerfumeの世界を味わってもらおうという配慮もあったと思う。

副音声上映と書いてあって、なんのこっちゃいと思ってたんだが、どうやらスマホでリンクしてイヤホンで視聴したら副音声でライゾマティクスのスタッフ、Perfume3人らの解説が聴けるという仕組みのものらしかったが、まぁ事前にこのシステムを知っていたとしても利用はしなかったであろう。

映画「Reframe THEATER EXPERIENCE with you」オンライン舞台挨拶で解説してくれてます。



オープニングはのっけから『Cling Cling』のB面曲「DISPLAY」から始まるという変化球!
いや、本プログラムにはまさにうってつけのスターティングナンバーであるかと。
この攻めた冒頭に、私と同じく興奮したファンは結構多かったのではないだろうか。
この曲に注目してないのはMマガの連中くらいだろう。

このプログラムで度肝抜かれたのが、あ~ちゃんの独唱で始まる曲があったこと!
エフェクトされてないあ~ちゃんの歌唱力は以前から定評があったが、これほどプロフェッショナルに歌う崇高なあ~ちゃんの姿を観たのは今回が初めてで、ちょっと感動すら覚えてしまった。
この曲が実は「VOICE」で、このままこの雰囲気で行くのかなぁ~と思ったら、しばらくしてちゃんと後の2人が加わりいつもの「VOICE」になった。

3人によるマイクチェック「ワンツーワンツー」から始まる、その場で声をRECして多重ループを構築していくという演目もあって、これはSalyu × Salyuのライブ演出を彷彿とさせるものがあり、なかなか感銘を受けた。

それからも、Docomoの5Gのプロモーションでも見せつけた「FUSION」、ここぞというときの定番曲「Edge」などのバキバキのダンサブルなテクノナンバーでは、その場にいた鑑賞者やスクリーンの中の観客の殆どが立ち上がって体を揺らしたい衝動をジッと堪えていたに違いない。
ここら辺の曲では特別音響設備の重低音が脳髄にガンガン響いて実にいい塩梅。

「無限未来」での、3人が照明と社交ダンスしているかのような光の演出も良かったし、本編ラストの「Dream Land」では、帳カーテンだけの実に幻想的な演出に、本当に夢の国にいるような感覚に陥り、ドームツアーで聴いた時よりグッとこみ上げるものがあった。




「チョコレイトディスコ」や「ジェニーはご機嫌ななめ」みたいな、ポップで皆で盛り上がれる曲が皆無な代わり、そのアルバムのツアーでしか演奏されたことのない裏名曲みたいなのがけっこう演奏されてるのもよかったし、確かに3人のMCがないのはちょっと寂しいが、個人的に苦手なPTAのコーナーがハショられたライブってのは、以前より私の望むものであった。

まぁPerfuemのアーティスティックな部分だけを切り取ったというか、とにかくユルい部分がなく、この厳かなテクノロジー演目がいつものライブみたいに2、3時間続いたら多少肩が凝ったかもしれない。
これまでのPerfumeの楽曲のポーズをとりながらメドレー式に紹介していく部分はちょっと退屈だったかな。それなら1曲の楽曲フルでもっと攻めてほしかった。


本編が終わり、やっとあ~ちゃんのユル~いMCがあって、その後にアンコール的にお披露目された新曲「Callanger」は、Perfumeこれからもガンガン攻めまっせ的な宣言も込めて演奏されたものに違いない。

いやいや、この幻想的でアートライブともいえる『Reframe』は、一度生で拝みたいものである。


ところで、今回訪れた塚口サンサン劇場は、そこいらのシネコンと違って、「ザ・映画館!!」な、昔からこの街に根付いてるかのような温かみのあるよい雰囲気の映画館だったので、ちょっと探索してみることにした。

最初スクリーン1つの典型的なミニシアターって勝手に思ってたんだが、どうやら地下にもあと2つスクリーンがあるようだ。
劇場のスタッフに映画のチラシはどこにあるかと尋ねたらB1Fにあるというので降りてみた。




どうやらB1Fは休憩室(兼イベント広場?)になっていて、壁にはこれから上映される作品のポスターがベタベタと貼りめぐらされていたんだが、部屋に入ってふと右側の壁を見ると・・・・

私が狂喜するような映画の特大ポスターがデーーーーンと貼ってあるではないですか!!




まぁ実は『Reframe』始まる前に映画『人間椅子 バンド生活三十年』の予告が流れて(横の人プって笑ってたな)、その時この映画館で上映されることを知って、それでチラシがあるんじゃないかとノコノコ階下に降りて行ったのであるが。




それにしても、なんというやる気に満ち溢れた劇場なんだと、オジサン嬉しくなっちゃったよ・・・
それに比べて、先月観に行った梅田のナントカいうシネコンのやる気のなさといったら・・・上映一週間前に訪れたんだが、チラシ一枚も置いてなかったがな。

塚口サンサン劇場さんで無事ゲット!感謝!



B2Fもあってそこは売店となっていて意外と規模デカい。

2年前訪れた十三の第七藝術劇場といい、この辺の阪急沿線はホント映画愛溢れる素敵なミニシアターが多いな。
こういう映画館はずっと残っててほしい。


なんか、段ボールで作った戦車とか飾られてあった。いいね。
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ニコニコギター

2020年10月11日 | やっぱりメタル!!
10月7日、NHKの朝っぱらからの報道番組で、突如VAN HALENのニュースが流れた時は、「え?なんで?!」となった。

そして、それはあまりにもショッキングなニュースだった。


エディ・ヴァン・ヘイレン死去。


私を含め、メタル、ハードロックを愛聴する者の殆どがこの訃報にはショックを受けただろうし、ツイッター上でも朝から大変な騒ぎで、音楽ライターや全世界中のミュージシャンから嵐のような追悼ツイートが続々寄せられていた。

まぁでもハードロックや音楽に興味ない若者にとっては「エディ・ヴァン・ヘイレンて誰?」ってなった人も少なくなかったのではないだろうか?
「まぁ有名なミュージシャンなんだろうな」ってぐらいで軽く流されていたのだろう。

おそらく一番馴染みどころではこの曲のシンセフレーズをつくった人ってことでピンとくるかと。



「なんだキーボード上手い人だったのか」と早合点してはいけない。中間のエディがニコニコとした余裕の笑顔で弾きまくるギターソロシーンを見てほしい。
今の若者の感覚ではどってことないと思われるかもしれないが、この右指で弦を高速でハジくという“ライトハンド”というギター奏法を世に広めた人物こそ、このエディだったのです。
まぁ左利きの人がこの奏法をやったら“レフトハンド”になるので、このピックを使わず指でハジく弾き方を総じてタッピング奏法と呼んでおります。

「Jump」はヴァン・ヘイレンの大ヒットアルバム『1984』に収録されていますが、当時私はまだ小学生で洋楽にハマりだした頃だったとはいえ、このバンドには認識がなく「Jump」はよく耳にしていたとは思うけど、それほどひっかかる曲でもなかったんだと思います。




まぁエディの関わった曲として、一般的に最も有名なのがマイケル・ジャクソンのこの曲かと。
中間の切れ味鋭いギターソロを弾いているのがエディ。




中学に入学すると同時にメタル狂時代に突入し、そこでようやくエディの存在を認識します。
ヴァン・ヘイレンの作品で最初にリアルタイムで聴いたのは、ヴォーカルがサミー・ヘイガーに交代してからの作品『5150』で、まずそのダイナミックなサウンドに興奮したのを覚えています。
ちなみに、この『5150』というタイトルの由来は、エディ家の裏庭にあるスタジオの名前からきてるもので、まぁエディのトレードナンバーみたいなもので、車を運転しててもし「5150」のナンバープレートの車を見かけたら、その運転手は99.9%ヴァン・ヘイレンのファンで、車中では「Good Enough」が爆音でかかっているんだなと思ってもらって全然かまいません。
YAZAWAステッカーばりにけっこう見かけますんで、日本でもエディがいかに愛されてるかが窺い知れようというものです。




ただ、私がエディのギターの魅力に初めて気づいたのは、「Hot For Teacher」のPTAの親御さんらが観たら激怒すること間違いなしの、80'sアメリカンバカな(但し完成度はすこぶる高い)破廉恥PVをMTVで目撃した時でした。
同時に観た「Panama」での強弱のサジ加減の絶妙なエディのプレイも秀逸だったが、「Hot For Teacher」の冒頭からのド派手なライトハンド奏法に、中坊のメタル少年であった私は一発でノックアウトされたのでした。




このPVを見て興奮した私は、「サミーもいいけど、やっぱヴァン・ヘイレンはデイヴ時代だな」と、『5150』以前の作品全部を集める決意を胸に中古レコード屋に赴きたまたま安くで見つけたのが3rdアルバム『Woman and Children First(暗黒の掟)』だったのでした。




まぁこの作品確かに「Loss of Control」みたいな疾走感のある派手な曲も存在するんですが(この曲はパンテラのあの曲の元ネタとか)、全体的になんか地味な作風で最初「ん?」てなったが、「Fools」、「Take Your Whiskey Home」など、なんだか渋くてクセになってくる曲も多く、今なお愛聴してるスルメアルバム。
ただ、アナログ時代に意気込んで購入したのは結局この1枚だけで、あとは中古CDと、レンタルで何枚かかりたくらいに留まってしまった。
それほどヴァン・ヘイレンにはハマらなかったってことです。


スイマセン、あんまリスペクト&追悼記事になってませんね。
エディがいかに世界中のギタリストや日本のギター小僧たちに影響を与えたか、エディのギタープレイがいかに別格であるかは、他の大勢の人たちが散々語ってくれていると思いますので、ググってみて下さい。

以前にも紹介したと思うのですが、個人的にエディのギターテクニックの凄さが集約されてる映像がこれだと思うのですが。

途中ちょっと失敗してる?



最後に7年前、大阪市中央体育館で見た最初で最後のエディの雄姿の写真を貼っておきます。




R.I.P. Edward Van Halen ......
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