AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

B-DASH!!

2020年11月29日 | カテゴライズできない
へへへ・・・・
いいブツが入りやしたので、紹介します。

なんと!うれしなつかしのゲームウォッチ(GAME&WATCH)です。
ゲームウォッチといっても、今の若い世代は知らん人が多いだろう。
私が小学生低学年の頃に流行った、まぁ日本で最初と言っていいくらいの初期家庭用ゲーム機なのです。
ケチな我が家でもゲームウォッチは買ってもらってて、姉のを合わせて4台は所持してたと思います。
ポパイ、オクトパス、マンホール、タートルブリッジ、オイルパニック、ドンキーコング・・・
学校から帰ったら中毒のように遊びましたし、どこへしまったか忘れて見あたらない時は、半泣きになりながら必死こいて家中を探したものです。

ゲームウォッチ国内外50タイトル【GAME & WATCH】



私の一番のお気に入りだったのが、4ボタン操作のミッキーマウスでした。
ゲームウォッチはどっかに置き忘れてきたり、友達にかりパクされたりして、今では一台も残ってはおりませんが、現在はPCのエミュレータなどで遊ぶことができます。

最後の方は鬼のように卵が転がり落ちてきて、なかなかエグいゲームでした。



で、今回私が購入したのは、35周年を記念してニンテンドーから発売された『スーパーマリオブラザーズ』で、そうあのファミコンソフトのスーパーマリオがそのままゲームウォッチの画面で遊べちゃうという画期的な商品なのです。

ああ、懐かしのゴールドパッケージ。箱見ただけでワクワクが止まらない。



まぁDSなんかでもこういうのプレイ出来たとは思うんですが、やっぱ昭和期に少年時代を過ごした我々としては、このレトロなフォルムのゲームウォッチ画面で、これまた昭和期に全国の小学生を熱狂させたスーパーマリオをプレイ出来るなんてのは、2倍のタイムスリップ感が味わえちゃうという、絶妙すぎるコラボレーションなワケでございます。

数か月前にこの商品の発売情報を知ったのですが、もう即購入を決意しましたね。
まぁ自分、小学時代は親が変に厳しいところがあって、どんだけ頼んでもファミコン機だけは買ってもらえなかったんですよね。
だから転々とファミコンを持ってる友達の家に入り浸っては、夕飯時に「早よ帰れや!!」とキレられて家を追ん出されるという悲しい少年時代を過ごしておりました。
「こんなファミコンソフトがあればいいな」などと、自由ノートに描いて空想のゲームを考案したりもしたっけな。
そんな健気で寂しい少年時代を送った自分へのちょっと早いクリスマスプレゼントといったところでしょうか。


「SUPER MARIO BROS.」「SUPER MARIO BROS.2」両方とも収録されてます。



小学生の頃以来やってなかった「SUPER MARIO BROS.」は、30代になってからPCのエミュレータでキーボード操作で必死こいてやってて、その時に初めて全面クリアしました。
ここで1upキノコが出てくるとか、豆の木が出てくるとか、亀の甲羅を使って延々1upする裏ワザとか、結構覚えてました。
どんだけ友達の家に入り浸ってマリオをやっていたのか窺い知れるというものです。そらキレられるわ。




さっそく今回のゲームウォッチ版をプレイしたところ、最初ボタンが小さくてちょっと操作しづらかったですが、すぐに慣れました。
画面ももちろん小さいんですが、全く問題なく遊べます。
ボリューム調整は出来ますが、全くの消音モードにしてしまうと、やっぱあの楽しいスーパーマリオサウンドが楽しめなくて味気がなくなってしまう。
ジャンプ音、ブロックを崩すボコボコ音、コインを取得した時のチリン音、土管に入っていく時のジョコジョコ音、海の中でのプヨプヨ音・・・・等、これらの電子音には一種の中毒性があって、それゆえにこのマリオゲームがあの頃の小学生どもを熱中させた最大の要素でもあったと思うのです。
イヤホンジャックもないので、今の時代公共の場でプレイするには向いてないかと。


で、今回はやったことなかった「SUPER MARIO BROS.2」に初めて挑戦。
家帰ったら小学生の頃みたいにずーーとやってて、現在余生の無駄使い状態です。
しかし、さすが2ともなるとなかなか難しいもんですね。どこにキノコが隠れてるかも全然わからんし。
毒キノコとかもあるんですね。1upキノコと間違えて喰ってしまい死んでしまいました。
2の方はなかなかブレーキ技術が問われるゲームで、けっこう身投げ率高めです。


そしてなんと!初代ゲームウォッチ「ボール」もプレイできるスグレモノ。
顔はマリオになっててちょっと残念。
ただお手玉するだけのシンプルなゲームなんだが、1回アウトでゲームオーバーって、そんな殺生な!
しかし、昔のゲームは単純やけど難しい。




ゲームウォッチと呼ばれるだけあって、ちゃんと時計モードもあります。
常にマリオが画面中を動き回っていて、時間に合わせて背景も変化します。
インテリア感覚で置いておくのもいいのですが、残念ながら後ろにスタンドが付いてなく、画面焼け防止のためか、すぐにスリープモードに変わってしまうという。

夜モード。




スーパーマリオ盛り上がりついでに、2005年にプチブレイクしたトンガリキッズのこちらのシングルも紹介。



トンガリキッズは、ニポポ、アナベベ、ハニホヘニハーの3人からなる日本のテクノユニット。
スーパーマリオのBGMをサンプリングし、テクノサウンドにのせてマリオあるあるネタを歌ったハイセンスな冗談ナンバー「B-DASH」は、昭和生まれのオッサンの心をくすぐり大ヒット。
その後フルレンスアルバムを出すも全く売れず現在は行方不明。
この昭和ネタ全開のテイストといい、歌詞のユルさ感といい、世間をなめきってる感といい、トンガリキッズの正体は電グルだと勝手に思ってたんやけど・・・
個人的には、カップリング曲「MEGANE(Ver.HANAGOE)」の方が中毒性があって好き。


トンガリキッズ「B-DASH」
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手塚治虫のばるぼら

2020年11月18日 | 二酸化マンガ
さて、今週末にようやく日本で、待ちに待った手塚治虫原作の映画『ばるぼら』が上映されるのでありますが。


まぁ原作のマンガに関しては、だいぶ前に「オカルトエロマンガ」というタイトルですでに紹介済みなので、いまさら別に書くこともないんですが。
https://blog.goo.ne.jp/amashin666/e/86ee049eec99a7bfd82a36b600512732
じゃあ書かなきゃいいんだけど、せっかく実写化されてから約2年間、様々な障壁を経て上映されるに至ったことを祝して(でも次はコロナ禍第三波が・・・)、も一度この1973年の傑作黒手塚マンガを振り返ろうかと。

その前に、その障壁というのは、これは確かなことではないんだけれど・・・
今回映画『ばるぼら』の主人公の美倉洋介を演じるのは、元SMAPのメンバー稲垣吾朗氏。
で、私もようは知らんのやけども、2、3年前なんかあったじゃないですか?SMAPのメンバー3人がジャニーズ事務所から抜けるって騒動?
最近もよう騒がれてるけど、なにが問題なんかよーわからんけど、ジャニーズ事務所を抜けるのは、その支配力からの相当のプレッシャーがのしかかってくるみたいで。
で、その抜けたSMAPのメンバーが全然メディアに出れなくなった時期があって、それは事務所の圧力というか制裁というか、そういうのがあったって。
『ばるぼら』を撮った手塚眞監督も、そういったことをSNSでほのめかしてもいた。
な~んか業界の気持ちの悪いところが垣間見られた瞬間だった。裏社会とも繋がってるっていうし。
ジャニーズ関係がなにをしようが一生関わりないと思っていたけど、まさか自分の好きなマンガ関連の事で影響してくるとはねぇ・・・・


まぁばるぼらなんかは闇黒界に通じてるんですが・・・・




私が最初に『ばるぼら』を読んだのは高校生の時で、姉が手塚治虫好きの友達から何冊か借りてきた中にあった大都社版のやつでした。
それまで私も周りの同年代の男子と同様、少年ジャンプに載ってるような、人気にかこつけて薄っすい内容でダラダラダラダラ連載引き延ばしてるような、キャラ先行の浅はかな子供向けマンガしか読んでなかったので、この手塚治虫の幻惑的なアダルトマンガ『ばるぼら』を読んだ時は、ほんとうに衝撃でした。

後に古本屋で購入した大都社サタニックカヴァー。



まぁその頃は、ユーライア・ヒープやキング・クリムゾン、ブラック・サバスなどの70年代ブリティッシュハードロックを探求していたのもあって、その影響でオカルトや黒魔術にも興味津々だった時期でもありましたので。
手塚先生はこの作品を「オッフェンバックの『ホフマン物語』を現代版として描きたかった」と、解説でおっしゃってますが、このオペラとオカルトがなんで結びつくのかよくわからんのですが、『ばるぼら』後半の悪魔主義的な展開や解説部分は、ピーター・ヘイニングの『魔女と黒魔術』(主婦と生活社出版)という書物を参考に描いたそうです。




手塚治虫没後に角川文庫から大量に出版された文庫版。
上、下に別れていて、ま、赤盤青盤といった趣でしょうか。



実は、大都社版のは、どうしても一冊にまとめたかったのか、いくつかの話がハショられていて、後に刊行された文庫版にはそのハショられた物語が掲載されています。
『ばるぼら』の前半は、1話1話小ネタ読み切り変態短編集みたいな構成となっており、まぁ別に読まなくてもいいような話もあるのだが、第7章の「狼は鎖をもて繋げ」の話は、これはハショるべきではない重要な話だったのではないかと。

この大道占い師がここで今後の展開の伏線となる予言をしているのだ。



この頃の手塚先生の内部事情も相当ヤバかった時期で、虫プロが倒産して少年誌で手塚マンガが全然売れなくなるという。
その鬱屈とした手塚のダークサイド部分が、アダルトコミックという舞台で大爆発を起こした時期だったのだ。
まぁ確かにこの『ばるぼら』を全編通して読んでると、相当病んではるのが見て取れる。
それを主人公の美倉洋介を通して、自分の変態性を好き放題曝け出しまくっているというのが真相なのではないかと。

これは、オーストリアのウィーン幻想派画家のルドルフ・ハウズナーの作品を模写したもの。
(第9章『狂気の世界』から)



美術館の幻想画を閲覧してるうちに狂気に陥る美倉。ヤバい!



カメオ出演的に実在の?作家仲間や美倉コレクターも出てきます。


筒井康隆ならぬ筒井隆康。美倉のサタニックヌーディスト結婚式に付き添う。



松本零士ならぬ松本麗児。マンガ家で美倉のファン。




とまぁ、色々とディープな内容で、手塚眞監督は父親のこんなタブー満載の変態マンガをいかようにして映像化したのか?
手塚マニアの間では、この作品けっこう人気あると思うから、相当プレッシャーだったんじゃないかと。
まぁでも、この方二世の割には物怖じしない人みたいだから「ただ撮りたい!」って欲求だけでやり遂げたんだと思われるが、今のところ期待半分ってとこですかね。
観てみないとわからんですからなぁ。
『MW』の二の舞にならんことだけを願う。

最新情報では、イタリアの『ファンタフェスティバル』に出品したところ、最優秀作品賞を受賞したとか。
海外では、黒テヅカ作品がどれだけ浸透しているのかも気になるところではある。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サバス出戻りサバス

2020年11月08日 | やっぱりメタル!!
先日キタのユニオンで、タバコ臭難アリというだけで中々のお手頃価格で入手したブラック・サバスの『Dehumanizer』の紙ジャケ2枚組デラックスエディション。
(確かに開封したらヤニ臭けっこうきつかった)


1992年にロニー・ジェイムス・ディオとヴィニー・アピスが再びサバスに合流して『悪魔の掟』以来の強力ラインナップで制作された渾身の話題作だったが、当時サバス作品とも思えぬB級スラッシュメタルバンドみたいな幼稚くさいジャケットにピンとこず、見向きもしなかった。
ていうか、その頃は大御所のバンドが何をリリースしようが興味が持てなかったというか、まだ全盛期の名盤も把握しきれてない有様だったので気が回らなかったというか。

1981年のラインナップ。1992年に再び集結。



80年代に出したロニー期のブラック・サバスのアルバムは2枚ともすでに聴いていた。
ただ、ロニー期のサバスはクラシカルな様式美が混在していてカッコいい曲もあるんだけど、なんかオーソドックス過ぎて退屈な曲もわりとあって、それほどハマってはいなかった。
実をいうと、私ロニー期のレインボーもそれほどハマってなかったんよねー。なんか歌唱が暑苦しすぎるというか。
ようはロニーにハマってなかったのかもしれない。

ジャケットはめちゃくちゃカッコいい。『悪魔の掟』なんか、ほんと冒涜的でサイコー。



で、ロニー復活作である90年代サバスの音源はどうだったかというと・・・・・


いやいやどうして!めちゃくちゃカッコええーーやないですか!!
も~~、何で誰も教えてくれなかったの~~??
いや、これは、ロニー期の最高傑作なんじゃないだろうか??

本作は、タイトなリズムに徹底してダーク且つヘヴィ。
1曲目「Computer God」の冒頭からして重量感のあるヴィニ―のドラムが打ち鳴らされ、ロニーが厳めしいビブラートで歌い出す。
もうのっけから展開の激しい曲で、中盤のアルペジオからのアップテンポ展開。ここでのトニーのギターソロが「きた!これぞサバス!」って感じでもう最高。

2曲目「After All (The Dead)」はモダンでスローなドゥームナンバーで、「ロニーにこういう曲を歌わすか!」とかなり意表をつかれたと同時に、ロニーの適応力にも驚いた。いや、いままでで一番表現力の広がったロニーの歌を聴いた気がした。

3曲目「TV Crimes」はシングル曲でPVも存在する。「Symptom Of The Universe」を想起させる疾走スラッシュナンバーで、そこにいつものロニー節がのっかる感じ。

80年代を引きずった安っぽいこの典型的ダサメタルPVはなんとかならなかったのか。



そして、「Master Of Insanity」はロニーの力量が遺憾なく発揮された本作のハイライトともいうべき名曲かと。
ギーザーの歪んだベースがフィーチャーされた、節々に見られるプログレッシヴ展開も絶妙。

まぁ「Children Of The Sea」、「南十字星」らと並べるとチト聴き劣りするけど、「Too Late」のような、ロニーのあの透き通るようなクリスタルヴォイスでの様式美ナンバーも健在。

とにかく、全編通して捨て曲というものが見当たらなく、メタルが失速、迷走し始めたこの頃の作品にしては、堅実にして非常に完成度の高いヘヴィメタル作品であり、元祖ドゥーム/ストーナーバンドの貫録というものを見事に見せつけている。


ロニーが「Too Late~♪」と歌うように、本当に聴くのが遅すぎた・・・・
「28年も経ってから、今さら何興奮してるの??」と、メタラーの方たちから嘲られても仕方がない。
あの頃の私は本当に、サバスを、ロニーを侮りすぎていた。猛反省。

思えば、1992年はCathedralの出現により、ドゥーム/ストーナー系メタルの気運が一気に高まりつつあった時代ではなかったか。
この年、Cathedralは『この森の静寂の中で』、Troubleは『Manic Frustration』、人間椅子は『黄金の夜明け』と、いずれも超傑作アルバムを続々とリリースしていた。



私も上記のサバス直径のこれらの作品群を聴きまくってた時期だったのにも関わらず、同じ年に出してた大御所様の作品をスルーしていたとは・・・・・愚鈍にもほどがあるというものです。


これだけの強力な作品を完成させたのにも関わらず、この時期のラインナップは残念ながらこの1枚で終了。
ロニーはまたソロに戻ってしまったのであるが・・・

ライナノーツに掲載されていたトニー・アイオミのインタビューによると、サバス在籍時のロニーは中々難アリの人物だったらしく、歌詞を書かせても虹のことばっか書いてるっていうレインボーに未練タラタラな奴だったらしい(「虹を見~れば思い出す~~♪」みたいな?)。
あと、『Dehumanizer』制作時、最初レコーディングに参加していたコージー・パウエルともだいぶ確執があったらしく、交代で入ったヴィニ―ともウマが合わなかったとか。
トニーも苦労してたんやな。


思えば14年前のラウドパークで初にディオのライブを観た翌年、Heaven And Hell名義でまたこの時のラインナップで集結して来日したんだっけな。
その時もこの『Dehumanizer』から何曲か演ったと聞いている。
このライブを見逃したのはほんと不覚だった。
ヘタしたら14年前のディオのライブの時も、こっから演ってたかもしれない。
知らない曲は全部ディオのソロ曲だと思っていたので。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

涙のリクエストベスト

2020年11月03日 | まったり邦楽
Cocco の3回目のベストアルバム『20周年リクエストベスト+レアトラックス』をようやくゲット。
3CD+1DVDの4枚組で、それに豪華フォトブックが付属した限定BOXセットである。


とにかく寿感がハンパない。



パッケージに沖縄伝統衣装に身を包んだ幼少の頃のCoccoの大写しが掲載されるなど、この20周年を祝さんがゆえの出血大サービスぶり。
まぁこれは彼女自身のための記念盤であるという趣が強い。



フォトブックの内容はなかなかよかった。



シングルジャケットのアナザーショットが満載されていたのはうれしかった。



本作がリリースされた3年前に購入することを躊躇したのは、その当時も言ったと思うが、音源を殆ど持っていたからである。
とにかくベストアルバムというものは、元々ファンである者にとっては殆どメリットのないシロモノであるし、今回のはファン投票で選ばれたベスト盤ということだったが、それこそいよいよ興味が沸かない。

レアトラックスがあるぢゃないか!と思われるかも知れないが、まぁCoccoが活動中止を発表した2000年以降当初は、それこそ熱心にCoccoの動向を注視していた中々のストーカー野郎だったので、絵本を出してそれに付属されたCDなどはもちろん、沖縄限定のVHS+シングルCD『風化風葬』、『ジュゴンの見える丘』沖縄限定盤などはわざわざ琉球レコードの通販で取り寄せたし、ゴミゼロ大作戦のDVD『Heaven's Hell』付属のCD(まぁ参加したからね)、塚本晋也監督の映画『ヴィタール』の主題歌「blue bird」が収録された8cmCDももちろん持ってる(今回収録されてないけど)。
松田聖子、尾崎豊の一連のトリビュートアルバムに参加したときのカヴァー曲もレンタルでかりて音源は保存してある(まぁこれらはレアだけど、いらんよなぁ)。
今回目新しかったレア曲は、これも沖縄民謡のカヴァー曲?「オジー自慢のオリオンビール」くらいか。




まぁせっかくなので、Disc1から順に曲目を見ずに聴いていきました。
聴いてて思ったのが、「え?これってCoccoのベスト盤しか持ってない人たちばっかが投票したの?」っていうくらいシングル曲、PV曲オンパの定番セレクション。
2、3曲そうじゃない曲もあるけど、「おお、これが入選したか!」みたいな意外性は殆ど感じられなかった。
意外といえば、Coccoが3年前のインタビューで、投票の結果「手の鳴る方へ」が1位だったって言っててこれは意外やなぁとは思ったけど、正直「はぁ?」て感じ(個人の感想です)。
あとレアトラックス枠なのか、くるりとのコラボバンドSINGER SONGERの楽曲を入れるのはちがうんじゃないかと思うんだが、でもこれもCoccoの20年間の音楽活動の内のひとつなのでアリということか。
まぁ久々(10年ぶりくらい?)に聴いた「ジュゴンの見える丘」や「箱舟」などの、ちょっと忘れかけていた楽曲の秀逸さを再確認できたのはよかったかな。


などと、投票にも参加してないクセに、ここまで散々コアなファン特有の捻じ曲がった能書きたれときながらも、なぜこのベスト盤を入手したのかというと、もうおわかりですね?

そう、本作には、活動中止前最後のライブとなった、2000年10月6日に行われた日本武道館でのツアーファイナルの全プログラム映像が収められたDVDが付いていたからに他ならない。




この2000年の武道館ライブ映像は、Coccoが活動中止を新聞の一面で発表した後、SSTVで放映されたもので、当時VHSに録画してテープすりきれるくらい何回も観たものさ。
このライブ映像がいつDVD化され、正式に映像作品として市販されるのかと、20年も前からずっと切望し続け待っていたんだが。
まさか、こんな形でのDVD化になるとはね。


で、先週の土曜の晩、家族の者が寝静まってからリヴィングで明かりを消して、野菜ジュースを片手にフラットテレビで鑑賞。

思ってたより画質も音質も悪くて、ちょっと残念な気分になってしまった。
まぁ20年前撮られた映像だからなぁ・・・元々のマスターが今と比べてそんなに良くはないのだろう。
ライブ始まる前に、オープニングで流れてた緊張感高まる壮大なADIEMUSの「魂の歌」も版権の都合かハショられてた。




いや、しかし、この映像も10数年ぶりに観たけど、やっぱこの頃のCoccoは凄い。
この歳になって、久々に20代の頃のようにお茶の間でひとり憚りもなく興奮しちまったい。
(だから家族が寝静まるのを待ったんだ)

もちろん今のCoccoもライブでは凄い迫力だ。常に全力投球だし。
でもやっぱプロらしくなったというか、昔と比べて余裕があり、もの凄く丁寧に歌いあげてるし、ちょっとした歌唱テクも使うようになった。
まぁそりゃ20年間も歌手やってりゃこなれてもくるよ。

しかし、この頃のCoccoは、荒削りと言うか、やみくもと言うか、余裕というものがなく、歌唱も不安定でとにかく無心に歌い続けるといった野性的な本能のみに依ってオーディエンスを圧倒する破壊力があった。
もう目がどことなくイッてるし、観客とも壁を作ってて一体感などもってのほかという感じ。




音楽的な教養もなく、元々歌手など目指してなかったCoccoは、ズブの素人からデビューした類稀なる天然のロックシンガーだ。
メチャクチャ声量があるというわけでもなく、ビブラートをきかせるといったテクニックもない。なのに、多くの人が彼女の歌に魅了されるのはなぜだろう。
もちろん毒がありながら、とてつもなく美しい言葉でサラっと綴る詞の魅力もある。
Coccoの歌声には、音楽理論上では説明の難しい人智を超えた原始的なパワーというか、とてつもないエナジーが内包されていると思うのだ。
理論的な音楽雑誌がCoccoを取り上げないのは、そういうところがあるからかもしれない。




この頃のCoccoは大のライブ嫌いで、ツアー回りがイヤでイヤで仕方がなかったらしい。
ただ、一度覚悟を決めて「やる!」となったときの爆発力が、この人は凄いのだと思う。
張り詰めた緊張感の中、愛憎、煩悩、そして沖縄への想い・・・・
Coccoの色んな感情が魂の叫びとなって発信され、超ド級のライブ感を伴ってオーディエンスに響いてくるのだ!




この時のツアーのライブは、私も大阪城ホールで初に観てるんだが、かなり後ろの方の席だったにも関わらず、ステージから放たれてくるCoccoの鬼気迫るライブ感はほんとうに凄まじかった。
長い髪を振り乱しながら全身を使ってヘッドバングする彼女の姿には度肝抜かれたものさ。




この頃のバックバンドもまた良かった。ほとんどレコーディングメンバーだけど。
向山テツ氏の大振りのボンゾばりのドラミングに、ハウリングぎみにCoccoの感情を掻き立てるかのようにかき鳴らす、堀越&長田氏両者のギターワーク。地味に壮大な演出を担当する柴田氏。ときにギター以上に効果的な音色を奏でる武藤氏のヴァイオリン(特に「ポロメリア」でのアレンジ、「カウントダウン」、「星に願いを」でのソロワークが秀逸)。
そして、バンマスでもあり、Coccoを最強のロックシンガーに仕立て上げた張本人と言ってもいいベースの(時折バックコーラスも務める)根岸宗孝氏。

公表前だったが、もうみんなこれがCoccoの最後のライブになるとわかっているので、この時の演奏にはサポートバンド以上の、まるで長年やってきた1つのバンドさながらの一体感というものが生まれているように思う。
ラスト曲「羽根」でCoccoがバレリーナ式のお辞儀をして、マイクを置いてステージから走り去った後の、その感動の余韻を引きずるかのように残されたメンバーでの演奏の感情の入り方も凄まじいし、根岸氏などは感極まれりといった感じで、最後雄叫びを上げているのがかすかに聞きとることができる。




本DVDを観終えて思ったのが、「あ、そうか。このDVDこそが私にとってのリスエストベストなのだ!」と。

このライブ映像のDVD化は長年待ち望んでいたことだし、このツアーは3rd『ラプンツェル』リリース時のツアーなので、3rdから中心のセトリでまさに私のドストライクなセトリになるのは必至であり、「濡れた揺籃」、「眠れる森の王子様 ~春・夏・秋・冬~」などの初期のヘドバンキラーチューンも演奏されるわ、まだ未発表曲だった「風化風葬」、「荊」、「羽根」、そしてCoccoが出来たてホヤホヤソングとしてはにかみながらあどけないアカペラで歌いだした「歌姫」(なぜかパッケージにはクレジットされていない)などの名曲の数々も演奏されている。


いや、近年ちょっとこのライブ映像を超える内容の作品には、なかなかお目にかかれてない気がするなぁ。


ところで、このライブの時、根岸氏が着てたTシャツって、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのバンドTかな?

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする