AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

いとやんごとなき演奏会

2022年03月27日 | コンサート
先週、少し寒の戻りが肌に凍みる三連休のド真ん中日、神戸三宮から二駅先のところにある湊川神社に赴いた。




湊川神社は、明治5年に南北朝時代の名将、楠木正成公をお祀りするため創建された神戸の名社で、地元では“なんこうさん”という呼び名で親しまれ、安産祈願、お宮参り、七五三、厄除、家族の人生の節目に多くの参拝者が訪れる・・・・




なんてことはどうでもいい。


実はこんな神聖な由緒正しき神社の境内で、Salyuのライブが行われるということで訪れたにほかならない。

スペェシャルライブ。



Salyuに関しては、1月にリリイ・シュシュのライブで見たばっかだし、今回もまた市川和則氏(羊毛とおはな)とのタッグということで、このユニットは約1年前にも見たし神戸まで足を運ぶのはどうかと思ったが、神社境内の神能殿というこんないとやんごとなき場所には、Salyuのライブでもない限り一生訪れることはないだろうと思って。


普段はこういう人たちが演るところ。





オオ~~・・・・いとやんごとないやないかい!



つか開場時間過ぎた頃に着いて、しかも悠長に境内を散策してたもんだから正面側の席は全て埋まっていた。
これは大失敗だった。


心斎橋PARCO時代のクラブクアトロ会場と同じく真横からのアングルで観れる構造となっており、ここから観るのもありかなと。




正面側の升席も魅力的。
でもどうやらSTAFF ONLYみたいだったので、升席の前の通路に補助席椅子が何個か設けられてあったのでそこを選択。




約10分押しでSalyu一行が登場。
最初前置きでSalyuがMCでしゃべってたんだが、音量が小さすぎて何を言ってるのか解らなく「ここのPA大丈夫か?」と不安になったが、ライブが始まると普通だったので安心した。

いきなりリリイ・シュシュの楽曲から「飽和」と「光の束」が演奏された。
いや、こないだ聴いたばっかやし。
「光の束」は2020年末の海辺のポルカでのライブの時も演っててもうレア感はない。
それにしても、この伝統ある厳かな会場の雰囲気に緊張してたのか、Salyuの歌唱が少し不安定。
羊毛さんとのギターともちょっと合ってないような気がした。

ただ、今回は加藤哉子さん、そしてSalyuのライブではお馴染みヤマグチヒロコさんの2人がコーラスで参加していて、アコギライブが苦手な私としては大変心強く、今回ライブに行こうと思った決め手でもあった。

羊毛さんとのオリジナルデュオ曲も2曲ほど演奏され、その時コーラスの2人が舞台からハケたときは、「え?コーラス曲はもう終わり?」と一瞬焦ったが、そんなワケはなく、再び戻って来てくれた。

今回は二部構成となっており、マイフェイバリットソング「HALFWAY」が演奏され、そこで加藤哉子さん奏でるウィンドチャイムやリング、特にヤマグチヒロコさんによるバス的な打楽器音が加わってようやく気分がノッてきたところで第一部が終了。


休憩15分ほどはさまれ、第二部。
Salyuがピアニカを携えて出てきたので、もうあの曲演るの確定という感じ。
そして今回メトロノームまで用意され、カチカチカチカチとリズムを刻みだし、Salyu × Salyuの「ただのともだち」が演奏される。

思えば2014年の大阪城公園の特設丸の内ドームでSalyu × Salyuのライブを観て以来、小山田圭吾氏の編曲による、坂本慎太郎くん作詞のこの驚異的なコーラス技の名曲を再び生で味わえる日が来ようとは・・・




続けて「Sailing Days」も演奏されたんだけど、Salyu × Salyuコーナーはここまでで、もっと演ってくれると思ってただけにちょっと少なすぎるなと残念に思った。

まぁでもSalyuのMCによると、かつてのコーラスメンバーも今となっては家庭の事情もあって召集は難しく、やっぱSalyu × Salyuの楽曲は構成が複雑で難しいので、一緒にやってくれるメンバーがなかなか見つからないんだとか。
なので今回も時間なくて、多くの曲を演るのは難しかったんだろう。
昨年の夏、下世話な吊し上げ報道でひと悶着あって、日本特有のヒステリックなキャンセルカルチャーでタブーな雰囲気もある今日この頃、小山田氏の関わる楽曲を演ってくれただけでも本当にありがたい。


本人に取材や確認もせず、一般人の匿名よごれブログや匿名よごれツイートを元とした書き込み内容を、確認された真実であるかのように報道した大手新聞社やテレビ局、そして良識ぶったコメンテイターや芸能人たちの無責任な発言。
そんなテレビに出てる人間らの発言にいつまでも左右されてばっかの一般大衆が、一緒になってその人の人格をこれでもかと踏みにじるこの陰湿な日本で、イジメが横行するのは当たり前だろう。
まぁ大衆社会ってのはそういうものだし、小山田氏の音楽に興味のない人にとっては、どーでもいいことだろうけど。


Salyu × Salyuの楽曲はやはり海外でも評価が高く、そのYOUTUBEの映像がミニマムミュージックの代表的な作曲家のひとりとされているテリー・ライリー氏の目にとまり、昨年彼プロデュースの佐渡島での「さどの島銀河芸術祭」というイベントにSalyuが起用され、Salyu × Salyuのコーラス隊と共に参加したのだとか。



やはり優れた音楽家は、悪質で無責任なメディアの雑音に左右されない揺るぎない感性を持っているのだろう。

そのテリー・ライリー氏の楽曲も今回演奏され、他、Salyuが子供の頃参加していた聖歌隊時代に大好きだったという讃美歌「天使と羊飼い」、アルヴォ・ペルトの「鏡の中の鏡」など、3人のコーラス技がフィーチャーされた、この神聖なる神能殿ならではのゴスペルチックな楽曲が続き、正直厳かすぎてついていけなかった。


で、定番曲「to U」が演奏され、本編の終演を迎えたが、「まさかこれで終わりなんてことはないだろう?」と思ってたら、やっぱり予定調和のアンコールがあってホッとした。

そして待ってましたの「続きを」が演奏され、この坂本慎太郎くんによるシンプルな歌詞と和やかなコーラスワークにポップな楽曲の雰囲気、そしてSalyuによるピアニカの演奏にホッコリした気分になる。

ええ曲や。



ラストはモーツァルトのなんだかよく知らないカヴァーで〆。


いや~、今回はなんだかすごく厳かだったなぁ。
でも、この編成けっこういいいかも。
パーカスの音が加わると、どの曲も映えるし眠くならない。
また演ってほしい。





あと、演者さんみんな足袋履いてた?
聞くところによると、能舞台は足袋を履かないと上がれないらしい。


一応拝んでから神社を後に。



帰りは元町を散策しながら三宮まで。


もう、蔓防関係あらへんがな。
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ちょいちょい一反木綿

2022年03月20日 | カテゴライズできない
水木しげる生誕100周年だからというワケではないですが、水木しげるアイテムを爆買いしてしまった。

まぁ爆買いってほどでもないんですけど、通販の妖怪舎(本舗?)を利用したのは今回が初めてで、こんなに水木グッズを一度に購入したのも初めて。


でっけー箱で送られてきた。



梱包のテープもええ感じ。なんとか保存しようかと思う。



キッカケはこのケロリン風呂桶をSNSで見かけて、なんか衝動的に欲しくなったのだ。
今考えると、自分でもよくわからん衝動であった。




水木グッズは高価なイメージがあり、通販となると送料がバカにならんという思いもあって、今まで避けてきたきらいがあるが、今回は「ま、このくらいだろう」という珍しく太っ腹な気持ちで購入にふみきった。

でもやっぱり送料を浮かしたいというシミったれた根性は拭い切れず、そのためついでにいろいろ購入してしまったといういつものパターンである。

そのひとつがコップのフチの妖怪フィギアシリーズ。
全種セットもあったが、今回は2個だけ購入。もちろん箱詰めでなんの妖怪が当たるかわからんシステム。




したら大本命であったバックベアードを見事引き当てた!



もうひとつはこなきじじい。



まぁ箱持った重量感で「バックベアキタ!」という手応えはあった(or ぬりかべ)。

う~ん、募金もしたし、日頃の行いの良さもあって、私の祈りが天に通じたかと。


いや、バックベアードのカップ&ソーサーも注文していたので、スタッフが気をきかせてくれたのかもしれない。



なぜかちょいちょい一反木綿。




最近のゲゲゲの鬼太郎アニメでも、悪役妖怪の総大将になってるのがこのバックベアードで、今では人気妖怪のひとつとなっている。

この水木特有の点描感と貞子みたいなギョロリとした一つ目がいいよね。



ところでこのバックベアード、ネット上でもよく指摘されてるんだけど、日本の妖怪「一目連」とよく間違われがちなんだってね。

じつは自分もそうだったんです。
こいつをずーーっと一目連だと思ってたんです。




バックベアードってのは西洋の妖怪らしく、昔水木しげるの妖怪図鑑で見たことあると思うんだけど、なぜかずっと一目連って認識を持っていた。
確かに最近の鬼太郎アニメでバックベアードって呼ばれてるのは知ってたんだが、「最近の子供に合わせて、カッコつけて横文字で呼んでんだろ、ケッ」なんて勝手に思ってた。
ずっと日本の妖怪だと思ってたし、そもそもバックベアードって名前がこの妖怪の見た目にはそぐわないというか、妖怪ネーム的に馴染めない。

だって一目連って名前の方がカッコええやん。



なぜかちょいちょい一反木綿。
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IMAXでビートルズ

2022年03月07日 | しねしねシネマ
先日、職場近くのイオンに寄ったら、入口にビートルズのドキュメンタリー映画『GET BACK ルーフトップ・コンサート』の宣伝ポスターを見かけ、どうやら2月上旬くらいからIMAXで上映されとったみたいで、またアンコール上映されるということで、仕事終わりに鑑賞してきた。


まぁ高校生の時なんとなくかじってた程度で、それほど熱心なビートルズファンってわけでもないので、昨年末辺りからやけにこの映像作品が話題に昇ってたのにも関わらず、興味深くはあったがそれほど気にもとめてなかった。
だからこの映像が、実は半世紀にも渡って封印され続けてきた57時間以上にもおよぶ貴重ドキュメンタリー映像であったことなんかもよくわかってなくて、ちょっとしたフィルムコンサートのようなものだろうというノリで観に行った。
まぁあまりビートルズのライブ映像とか観たことないし、大スクリーンで拝めるんならなかなか見応えあるんやないかと。


ディズニープラスで三部作に分けられ配信された長丁場のドキュメンタリー映像で、劇場版はライブシーンはそのままに、それを1時間に編集したもの。



客は少なめながら、奈良にしては結構入っていたように思う。
やはり私より年寄り目の方ばかりだったが、それでも60年も昔のバンドのコンサート映画を、この奈良でも観ようっていう人が結構いるのは、ビートルズの普遍的な偉大さの顕れだと思う。
若者の姿は皆無だったのが寂しかった。今の若者は洋楽自体聴かないっていうしなぁ。


冒頭ではビートルズ結成時からの軌跡を追ったダイジェスト映像が流れる。
そして、1969年の1月30日、ロンドンのアップル社の屋上で突如行われた、ビートルズの4人が揃う最後のライブとなった“ゲット・バック・セッション”という名のゲリラライブの模様が、ノーカットで展開される。

いや、確かに半世紀前の映像で、この色鮮やかさと編集力は感動もんである。
まず、メンバーが屋上に登場するシーンが映し出され、セッティングやメンバー間の音合わせの様子も克明に記録されていて、とにかくビートルズの面々がカッコいい!
特にカッコいいなと思ったのが、ひとり派手な真っ赤なジャケットを着たリンゴの佇まい。
この頃のビートルズってのは、デビュー当時のギャーギャー騒がれてた頃の、マッシュルームカットのアイドルバンド時代とはワケが違うからね。

そして、またこのビルの屋上っていうロケーションがいいよね。
板張りの特設ステージに、機材やシールド、様々な配線がゴチャゴチャと設置されていて、その周囲をラッキーな関係者のオーディエンス達が取り囲む。
この感じは、ポーティスヘッドのPNYCローズランド・ニューヨークの様相を彷彿とさせるものがあった。
ポールが当時煙たがってたというジョンのパートナーであった若かりし頃のオノ・ヨーコの姿もカメラが克明にとらえていて、彼らの演奏姿をじっと見守ってるその堂々とした聡明感溢れる佇まいがなかなか印象深かった。ちょっと柴咲コウさんに似てるなと思ったのは私だけだろうか?


まず演奏されたのは「Get Back」だったが、連続でまたも「Get Back」が演奏される。
そこで「あ、そうか、最初のはリハだったんだな」と納得したんだが、このコンサートで「Get Back」はなんと計3回演奏される。
で、このライブで録った音源はそのままアルバム『LET IT BE』に収録されるということで、これはライブであると同時にレコーディング作業でもあるので、その場で3テイク録っておいたんだと理解したが、さすがに3回目はウンザリさせられた。
おかげでこの曲べつにそんな好きな曲じゃないのに、鑑賞後数日間は頭の中でずっと流れてた。

他、演奏されたのは、私の記憶が正しければ「Don't Let Me Down」、「Dig a Pony」、「I've Got A Feeling」、「One After 909」・・・だったかな。
「Don't Let Me Down」以外はアルバム『LET IT BE』に収録されている。
上記の曲の中では、ビリー・プレストンの軽快なオルガンが心地いい「One After 909」の演奏シーンが和気藹々感があってよかった。
つか私ってやっぱジョンの歌う曲に惹かれるんだな。

この分割画面編集も実に効果的。



この映像の面白いのが、演奏シーンと同時に映し出される、たまたま居合わせた街頭の人々の当時のインタビュー映像。そこで賛否両論、様々な意見が交わされている。
ライブも全然やってなかったし、小難しいことをやりだしてデビュー当時と比べてファンも減ったのか、そこまで興奮してる人やはしゃいでる人もおらず、みな冷静に傍観してる感じ。ていうか姿は見えないし未発表曲ばかりなので、どちからというと戸惑ってる感じ。
近くのビルの屋上に上がって見学してる人達も当然いて(意外と少ない)、彼らからの声援に応えるメンバーの姿も微笑ましかった。

それにしても、これは当時のロンドン市民にとってはかなりセンセーショナルな出来事だったのではないだろうか?
日本で言うなら、渋谷のタワーレコードのビルの屋上で・・・・ええ~っと・・・・・だめだ、比べられる日本のアーティストが思いつかねぇ。


そしてこの“騒ぎ”の通報を受け、駆けつけた警官2名の様子もカメラがずっと追っていて、演奏を止めさせようとアップル社のビルの中に入ってからも「屋上にあがらせろ」と言って、そこのスタッフになんとなく誤魔化され、下でずっと待機させられイライラしてる様子とかもバッチリとらえられている。
ついに警官たちが屋上まで来て、これがけっこう緊迫するシーンで、今にもライブが中断されそうで観てる側もハラハラさせられる。
普通なら、演者たちも気が気でなくなり、演奏もストップしてしまいそうだが、マネージャーにやいやい言う警官を横目で気にしながら、メンバーは全く演奏を止める気配はない。途中でアンプを切られても、「何しやがる!」って態度で自分でスイッチを入れにいく一番大人しいイメージのジョージの反抗的な態度も印象深かった。


ライブシーンが終わり、後はスタジオでのレコーディング風景が中途半端に編集収録されていて、尻つぼみ感ハンパなかった。
約60分しかない映画ってのを知らなくて、割高のIMAX特別料金払ってるだけに正直モノ足りなかった。
ディズニープラスの三部作の予告映像では、興味深いレコーディングシーンけっこうあったので、そっからもう1時間くらい編集して収めてくれてもよかったんじゃないかと。

色々特典もろたけど。



まぁしかし、ビートルズ最後の貴重なフルライブを、いい映像と音響で体感できるってのは、ガチのビートルズファンにとってこれほど贅沢なことはないんではないかと思うので、わたしが言うのもなんですが、ファンの方は是非。
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