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国語のおさらい:新語を作る

2024-05-02 06:29:29 | 日記
赤面の過去

 毎週木曜日は国語をおさらいする日。
今週取り上げるのは「ゆうぜん」です。
 如何にも自信ありげに「ゆうぜん」と構えている。
「ゆうぜん」とした語り口を聞いていると自然と心が和む。
この場合の「ゆうぜん」は漢字でどう書くか?
答えは「悠然」もしくは「裕然」これが世の常識でしょうが、ちょっと前
までそれに抗う者がひとりおりました。
私です。
 どうしたことか「勇然」と書くのだと思い込んでいたのです。
何故そんな思い込みになったのか、あるいは世の中に同様の誤りをして
いる人はいるのか、その観点から今週のおさらいがスタートします。

 悠然の意味は<物事に動ぜず、ゆったりと落ち着いたさま>(goo辞書 より)
<落ち着いたゆとりのあるさま>(weblio辞書 より)
「物事に動じない姿」から勇敢、勇者、勇壮、勇躍などを思い浮かべた私。
となれば「ゆうぜん」=「勇然」の公式が普通に成り立ってしまいます。
 改めて調べると<勇:①勇ましい、おおしい、たけだけしい ②思い切りが良い 
③勢い込む ④つわもの>(漢語林 より)
この漢字には「ゆったり」とか「落ち着いた」などの要素は欠片も無い
ことが分かります。
 一方で<悠は気分がゆったりしているさま。
然は他の語に付けて状態を表す語>(二字熟語の百科事典 より)
 最初から辞書に当たっていれば「勇然」なんて間違いはしないで済んで
いたものを。
これに気付いたのはつい最近。
ってことは過去に何度か「勇然」を人前で披露したことがあったはず。
思うだけで赤面してしまいます。

中国で誕生

 ところで悠然は人の心の内を表すだけじゃないそうで。
<のんびりした様子や落ち着いた心の状態を表す言葉。
それ以外にも自然や風景を描写するときにも用いられる。
更に美しい情景や心地よい時間を連想させる言葉としても使われる>
 誕生したのは大昔の中国。
<中国の古典に悠然という表現が多くみられる。
室町時代に多くの漢詩や仏教の教えが日本に伝わったが、その中に悠然と
いう言葉も含まれていた。
江戸時代には文人や歌人が歌や俳句の中で四季や自然や風景を表現する
際に用い、美しい響きと共に多くの人を魅了した。
近代に入っても日本語の美しさや感じの良さを表現する言葉として大切
にされている>(コトバスタ より)

 悠然の長い歴史に対し鬼っ子の勇然は一瞬で消え失せました。
ちなみに私と同じ間違いをしている人が他にもいないかと検索したけれど、
その手の情報は一切出てきません。



コメント
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