2流のチーム
昭和の時代の新日本プロレスは凄まじい人気を誇っていました。
テレビ視聴率は毎週20%を超え、大会場はどこも札止め。
でもそこに至るまでには当然苦難の時代がありました。
そんな不遇の時代に創立者のアントニオ猪木が最も頭を悩ませたのは、客を呼べる
人気外人レスラーの不在でした。
毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」、当時のマット界を支えた
名脇役の活躍を振り返っています。
今週は「金髪のタッグ屋ハリウッド・ブロンドス」です。
リーダーが185cm104kgのジェリー・ブラウン、パートナーが182
cm110kgのバディ・ロバーツ、二人合わせてハリウッド・ブロンドス(以下ハリブロ)。
派手なタイツにサングラス、金髪をなびかせたふたりは正直言って2流のタッグでした。
1971年10月と74年1月に国際プロレスに登場。
来日の度に木村・杉山・草津のIWA世界タッグ選手権に挑戦しますが毎度敗退していました。
まさかの結果
国プロで出番が無くなった頃、今度は新日本プロレスから声が掛かります。
当時の新日はNWA加盟を申請するも却下され、アメリカマットの大物を呼べずに
興行的に非常に苦しい状況でした。
全国的に名前が売れていた外人レスラーはタイガー・ジェット・シンただひとり。
そんな新日にすれば、国プロ時代にテレビ中継で名前が売れたハリブロは魅力の
あるチームです。
しかし言ってみれば国プロのお古、ただ登場させたのでは沽券に関わります。
そこで猪木は策を凝らしました。
いきなり国内で試合を組むのではなく、坂口と保持する北米タッグ選手権にロサンゼルス
で挑戦させたのでした。
国プロで負け続きのチームですから、当然軽く一蹴すると日本のファンは予想します。
ところが結果は猪木が大流血の挙句に王座預かり。
それを受けて75年9月にハリブロは新日に初登場します。
しかしこの時猪木は体調不良でシリーズを休みがちでした。
その為新チャンピオンを決める試合には小林が代打として出場します。
ところが結果はまたもファンの予想を裏切り、何とハリブロが新チャンピオンになって
しまいました。
これには新日ファンは混乱します。
もしかして猪木以下の新日勢は木村以下の国プロ勢よりも力が劣るのか?
いやいやそうじゃ無い、ハリブロが急速に力を付けて来たのだ、無理やりそう納得
しようと努めたのでした。
俄然期待が高まった次の選手権試合には、復帰した猪木と坂口が臨みました。
10月2日大阪府立体育館に5400人のファンを集め、見事猪木組が王座を奪還します。
他団体をお払い箱になった2流チームを使って、猪木は見事に視聴率を稼いで大会場
に客を呼び込みました。
してやったりの猪木はきっと心の中でこうつぶやいたでしょう。
「ハサミとハリブロは使いよう」
昭和の時代の新日本プロレスは凄まじい人気を誇っていました。
テレビ視聴率は毎週20%を超え、大会場はどこも札止め。
でもそこに至るまでには当然苦難の時代がありました。
そんな不遇の時代に創立者のアントニオ猪木が最も頭を悩ませたのは、客を呼べる
人気外人レスラーの不在でした。
毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」、当時のマット界を支えた
名脇役の活躍を振り返っています。
今週は「金髪のタッグ屋ハリウッド・ブロンドス」です。
リーダーが185cm104kgのジェリー・ブラウン、パートナーが182
cm110kgのバディ・ロバーツ、二人合わせてハリウッド・ブロンドス(以下ハリブロ)。
派手なタイツにサングラス、金髪をなびかせたふたりは正直言って2流のタッグでした。
1971年10月と74年1月に国際プロレスに登場。
来日の度に木村・杉山・草津のIWA世界タッグ選手権に挑戦しますが毎度敗退していました。
まさかの結果
国プロで出番が無くなった頃、今度は新日本プロレスから声が掛かります。
当時の新日はNWA加盟を申請するも却下され、アメリカマットの大物を呼べずに
興行的に非常に苦しい状況でした。
全国的に名前が売れていた外人レスラーはタイガー・ジェット・シンただひとり。
そんな新日にすれば、国プロ時代にテレビ中継で名前が売れたハリブロは魅力の
あるチームです。
しかし言ってみれば国プロのお古、ただ登場させたのでは沽券に関わります。
そこで猪木は策を凝らしました。
いきなり国内で試合を組むのではなく、坂口と保持する北米タッグ選手権にロサンゼルス
で挑戦させたのでした。
国プロで負け続きのチームですから、当然軽く一蹴すると日本のファンは予想します。
ところが結果は猪木が大流血の挙句に王座預かり。
それを受けて75年9月にハリブロは新日に初登場します。
しかしこの時猪木は体調不良でシリーズを休みがちでした。
その為新チャンピオンを決める試合には小林が代打として出場します。
ところが結果はまたもファンの予想を裏切り、何とハリブロが新チャンピオンになって
しまいました。
これには新日ファンは混乱します。
もしかして猪木以下の新日勢は木村以下の国プロ勢よりも力が劣るのか?
いやいやそうじゃ無い、ハリブロが急速に力を付けて来たのだ、無理やりそう納得
しようと努めたのでした。
俄然期待が高まった次の選手権試合には、復帰した猪木と坂口が臨みました。
10月2日大阪府立体育館に5400人のファンを集め、見事猪木組が王座を奪還します。
他団体をお払い箱になった2流チームを使って、猪木は見事に視聴率を稼いで大会場
に客を呼び込みました。
してやったりの猪木はきっと心の中でこうつぶやいたでしょう。
「ハサミとハリブロは使いよう」