読み方は判明
毎週木曜日は国語をおさらいしています。
半世紀以上も日本語を使っていながらいまだに読めない書けない、そんな漢字が
数多あります。
とは言え、大抵の場合にはある程度読み方は推察できるし、正確には書けなくても
だいたいの模様くらいは頭に浮かぶものです。
でも今回出くわしたこの字にはお手上げ。
「膂力」って読めも書けもしない相手です。
臀に似ているので苦し紛れに「でんりょく」と読んでみましたが、当たり前ながら
そんな言葉は存在しません。
細部がよく分からないので、「方」+「乍」+「月」だと見当を付けましたが、
それも辞書にはありません。
ルーペで拡大して漸く「方」+「乍」では無くて「旅」が「月」の上に乗っている
のだと判別でき、漢和辞典を探って「膂」を見つけました。
<膂(リョ):①せぼね ②筋骨のちから ③になう>
30以上の椎骨が連なってできている背骨の意味を表していると説明されていました。
(漢語林 より)
それに力を添えたら読み方は「りょりょく」になるけれど、背骨の力っていったい
何さ?って気分です。
意味の使い分け
膂力を辞書で引くと<物を持ったり担いだり受け止めたりする肉体の力>と書かれ
ています。(新明解国語辞典 より)
コトバンクにはもっと簡潔に<筋肉の力、特に腕の力>と出ています。
この段階では、筋力や腕力と同じ意味なのかなと思いました。
<筋力は筋肉を発揮してできる力を意味する。
全身のどの筋肉にも使える。
一方膂力は筋肉の力だが主に腕の力を指す。>(WURK より)
筋力との使い分けは分かりました。
ならば腕力との違いは?
辞書で引くと<腕力:腕の力>(新明解国語辞典 より)とあるので、膂力と同じ
意味に思えます。
ところが厄介なことに膂力の項にはこんな追記があるのです。
<俗に誤って腕力の意味に用いられる>(新明解国語辞典 より)
腕力とは一線を画す様です。
更に探るとこうありました。
<膂力は日常会話で使うことは少なくて、書き言葉として小説などで使うことが多い。
普段の会話で膂力を使いたい場合は腕力や筋力に言い換えるのが良い。>(WURK より)
何やら禅問答のような堂々巡りに陥ってしまいました。
意味の探求はこれで結構、手も足も出なかった漢字を読めるようになっただけで充分です。
手も足も出なかったのは、私だけじゃないみたいです。
世間の皆様も膂力には悩まされているって話がありました。
<膂力を正確に読めた人は56%とかなり少ない。
誤った読み方はたんりょくが21%、でんりょくが23%。>
私と同じ間違いが23%もいるとはうれしい限りです。
多少気分が良くなったところに非情な指摘がありました。
<幾ら読めないと言っても膂のつくりが旅であることに着目すれば、「りょ」と推察
できるはず。>(毎日ことば より)
だから、細かい部分が見えなかったんだって。
小さな声で言い訳をしました。
毎週木曜日は国語をおさらいしています。
半世紀以上も日本語を使っていながらいまだに読めない書けない、そんな漢字が
数多あります。
とは言え、大抵の場合にはある程度読み方は推察できるし、正確には書けなくても
だいたいの模様くらいは頭に浮かぶものです。
でも今回出くわしたこの字にはお手上げ。
「膂力」って読めも書けもしない相手です。
臀に似ているので苦し紛れに「でんりょく」と読んでみましたが、当たり前ながら
そんな言葉は存在しません。
細部がよく分からないので、「方」+「乍」+「月」だと見当を付けましたが、
それも辞書にはありません。
ルーペで拡大して漸く「方」+「乍」では無くて「旅」が「月」の上に乗っている
のだと判別でき、漢和辞典を探って「膂」を見つけました。
<膂(リョ):①せぼね ②筋骨のちから ③になう>
30以上の椎骨が連なってできている背骨の意味を表していると説明されていました。
(漢語林 より)
それに力を添えたら読み方は「りょりょく」になるけれど、背骨の力っていったい
何さ?って気分です。
意味の使い分け
膂力を辞書で引くと<物を持ったり担いだり受け止めたりする肉体の力>と書かれ
ています。(新明解国語辞典 より)
コトバンクにはもっと簡潔に<筋肉の力、特に腕の力>と出ています。
この段階では、筋力や腕力と同じ意味なのかなと思いました。
<筋力は筋肉を発揮してできる力を意味する。
全身のどの筋肉にも使える。
一方膂力は筋肉の力だが主に腕の力を指す。>(WURK より)
筋力との使い分けは分かりました。
ならば腕力との違いは?
辞書で引くと<腕力:腕の力>(新明解国語辞典 より)とあるので、膂力と同じ
意味に思えます。
ところが厄介なことに膂力の項にはこんな追記があるのです。
<俗に誤って腕力の意味に用いられる>(新明解国語辞典 より)
腕力とは一線を画す様です。
更に探るとこうありました。
<膂力は日常会話で使うことは少なくて、書き言葉として小説などで使うことが多い。
普段の会話で膂力を使いたい場合は腕力や筋力に言い換えるのが良い。>(WURK より)
何やら禅問答のような堂々巡りに陥ってしまいました。
意味の探求はこれで結構、手も足も出なかった漢字を読めるようになっただけで充分です。
手も足も出なかったのは、私だけじゃないみたいです。
世間の皆様も膂力には悩まされているって話がありました。
<膂力を正確に読めた人は56%とかなり少ない。
誤った読み方はたんりょくが21%、でんりょくが23%。>
私と同じ間違いが23%もいるとはうれしい限りです。
多少気分が良くなったところに非情な指摘がありました。
<幾ら読めないと言っても膂のつくりが旅であることに着目すれば、「りょ」と推察
できるはず。>(毎日ことば より)
だから、細かい部分が見えなかったんだって。
小さな声で言い訳をしました。