赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

中国 直近の対日観 コラム(69)

2015-11-08 00:00:00 | 政治見解



コラム(69):中国 直近の対日観


ここ四回は「中国の歴史認識とどう向き合うか」という論点を確認しました。ここからは直近の中国、とりわけ習近平氏が何を考えているのかを分析します。

最強の軍事同盟

日中韓首脳会談と日中首脳会談が三年半ぶりに開催されました。今回は習氏の代わりに首相の李克強氏が出席しました。(李氏が出席した理由は current topics(119)ご参照)

会談の直前、中国外相の王毅氏は「この三年間、首脳会談が開催されなかったのは歴史認識を巡る日本側の態度が問題」と非難し、日本に揺さぶりをかけました【※1】。

【※1】安倍総理は常に「対話の扉は開いている」として、中韓首脳に積極的に声をかけていたので、実際には中国と韓国の事情が主な理由。

このような中国政府の態度の根底には、日本に対する恐怖心があります。実は中国にとっての主敵国はアメリカではなくて日本に他ならないからです。

安倍政権は従来の政権と異なり中国追随の路線を取らず、地球を俯瞰する外交を進め、周辺国との連携を強めています。中国にとっては、それが中国の覇権戦略にとって大きな障害となり苛立ちを感じています。

安倍政権はこの一年で安保法制を成立させ、日米同盟を強固なものにしました。これは、中国にとって自国に敵対する最強の軍事同盟が成立したことを意味します。軍の近代的組織化が遅れている中国にとり最大の脅威と映っているのです。


日本の防衛能力

日本人にとって自衛隊は「対外的な侵略行為をせず、国土防衛のための自衛組織」と認識している通り、防衛のための戦力は保持しても対外的な侵略的攻撃能力はないと確信しています。

しかし、諸外国では自衛隊は通常の軍隊として認識されています。ここに日本人が気づいていない国際社会とのギャップがあります。

実際、安保法制の審議の際、韓国は「日本に侵略される」と言い、中国は「日本軍国主義の復活」「日本は戦後国際秩序に挑戦している」と発言しました。紛れもなく中国も韓国も自衛隊を軍隊として見ているのです。

中国の習近平氏は国家主席に就任した2013年のはじめ、日本に戦争を仕掛けるつもりだったと言われています。しかし、民主党政権時代に流出した日本の防衛資料を見た軍部が、日本の防衛力の高さに驚愕して、習氏に戦端を諦めさせたという経緯がありました。その後、習氏が軍拡路線に突っ走ったことは周知の事実です。


中国の最大の敵

中国は、安保法制の成立阻止のために日本国内のあらゆるエージェントを使ってきました。日本共産党や小沢一郎氏、民主党、自民党内の親中国勢力、さらには、朝日新聞、毎日新聞、NHKなどのマスコミも総動員して阻止を図りました。しかし、中国が期待したほどの成果は得られず、成立阻止には至りませんでした。

また、中国は日本共産党の国民連合政府構想に一縷の望みを託していますが、共産党の力不足のため構想自体が忘れ去られようとしています。

しかし、中国の最大の敵は、日本であり安倍総理であることに変わりはありません。今後もあらゆる手段を使い攻撃を仕掛けて来ることが予想されます。


つづく



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