赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

共産党の「国民連合政府」構想は革命の手段 コラム(64)

2015-10-26 00:00:00 | 政治見解



コラム(64):共産党の「国民連合政府」構想は革命の手段


中国にせかされる日本共産党

日本共産党は中国の支援なしには存在し得なくなっています。情報筋によると、ここ数年、共産党は中国から毎年61億円もの資金援助を受けていました【※1】。8月1日の真相《41》参照。しかし、それが現在停止されている模様です。

【※1】日本共産党は本来、ソ連共産党に近く中国共産党とは疎遠だった。しかし、7年前あたりから中国共産党が日本共産党に「資金援助」を口実に接近してきた模様。これは朝日新聞社も同様で、資金援助の申し出は日本の反体制勢力を篭絡するために使われる。

中国資金が停止した理由は集団的自衛権行使容認と安保法制の成立にあります。日米の連携強化は中国の覇権戦略の大きな障害となるからです。中国は日本共産党の不甲斐なさに苛立ち資金援助を停止し、安保法制の破棄のためにあらゆる手段を駆使するよう求めて来たようです。

背に腹はかえられぬ志位氏は、「安保法制破棄の一点」で野党共闘を呼びかけ、国民連合政府構想を打ち出さなければならなくなりました【※2】。

【※2】志位氏は日本外国特派員協会で野党連立政権=「国民連合政府」が実現した場合、「党綱領で掲げる日米安保条約廃棄は求めずに維持する考え」を示し、自衛隊も「急迫不正のときに自衛隊を活用するのは当然だ」と述べている。


「国民連合政府」は偽装

現在の共産党の基本方針は同党のカリスマ的な存在である不破哲三氏が定めたものです。これを逸脱することは志位氏といえども許されません。不破氏の理論は党内では絶対的なのです。

その不破氏が安全保障政策について「党としては廃棄の立場で運動をやるが、党が参加する政権としては凍結する」と述べています【※3】。

共産党には「二段階革命論」という理論があります。先に「民主連合政権」=「国民連合政府」を樹立させ、次に、その政権の権力を共産党が握り、憲法を停止し、一挙に共産主義革命を起すという考え方です【※4】。

最初は革命政権の樹立を言わず、耳障りのいい「国民連合政府を構築しよう」と言って、穏健なイメージで偽装しているのです。

【※3】1998年共産党第3回中央委員会総会 中間発言「“二重のとりくみ”を、現在の発展段階に対応する党活動の基本姿勢に」。

【※4】日本共産党綱領(2004年1月17日第23回党大会で改定):四、民主主義革命と民主連合政府;現在、日本社会が必要としている変革は・・・民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命である。五、社会主義・共産主義の社会をめざして;(一五)日本の社会発展の次の段階では、資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義の社会への前進をはかる社会主義的変革が、課題となる。



共産党の言う「民主主義」の意味

民主主義は最大多数の最大幸福を目指すことが根幹です。その達成のために、近代社会では間接民主主義の議会制度が採用されています。したがって、多数決によって、多数派の意見が反映されるのは当然のことなのです。

それにもかかわらず、安保法制反対の集会を見ると、「数の横暴」とか「多数決で政治が決まるなんて民主主義ではない」などと叫んでいました。小学生でも知っている民主主義の原理を否定しているのです【※5】。

【※5】10月22日訪韓中の志位氏は、韓国メディアの「安倍政権は衆参両院で過半数、民意の反映では?」の問いに対し「違う。日本の野党が分裂しているため、安倍政権への反対票を結集できなかったからだ」との詭弁を弄した。

しかし、共産党は党内では「民主集中制【※6】」なのです。「党の意思決定は、民主的な議論をつくし、最終的には多数決で決める」「決定されたことは、みんなでその実行にあたる」「行動の統一は、国民に対する公党としての責任である」と述べています。安保法制反対集会の発言とは明らかに矛盾しています。「民主主義」と言う言葉を自分たちの都合で使い分けているだけなのです。

【※6】2009年3月14日(土)「しんぶん赤旗」日本共産党の民主集中制とはどんなもの?に掲載。厳格な党規律と少数者の多数者への服従、下級機関および全党員にとっての上級機関の決定の無条件的拘束性の原則。


共産党戦略の真相

国民連合政府については民主党はやや警戒しているようですが、共産党の「選挙協力」という誘惑には揺れ動いているようです。

仮に、選挙協力を条件に民主党が共産党と連携すると、したたかな共産党に牛耳られてしまいます。一方、共産党構想に乗り気なのが小沢一郎氏です。両者は日本を破壊したいという共通した願望を持っています。国民連合政府が樹立されると、すべての権力を共産党が掌握し、憲法を停止させ、自衛隊や警察を使い共産主義革命を起こそうとします。

共産党が政治の主導権を握った途端、中国同様の悲惨な状況が日本国民の身に起きます。共産党は中国共産党と連動した形で動こうとしています。中国からせかされている今、最終的な自己実現に必死な共産党は、危険この上ない存在なのです。



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