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*おとぎの国のプリンセス ロベール編*

2015-12-04 16:10:17 | イケメン王宮☆おとぎの国のプリンセス

中世ヨーロッパの王宮で庶民なのに突然プリンセスに選ばれ、

国の王にふさわしい男性を選ぶよう命じられた主人公。

原作では描かれなかった王子様との秘密の恋物語とは?

この恋は、おとぎ話よりも甘くて切ない――。


そんなイケメン王宮の小説『おとぎの国のプリンセス』とのコラボイベント




おとぎの国のプリンセス ロベール編


以下ネタバレ


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女神様が現れるという噂の湖…―


私は近くに住むロベールさんと一緒に薪拾いをしているうちに、

湖の近くへと迷いこみ、大切なブローチを落としてしまった。

水音を立てて、ブローチが湖の底へと沈んでいく。

「あっ…」

湖の底へ手を伸ばそうとすると…

ロベール「カレンちゃん…!」

ロベールさんが、私を力強く抱きとめる。

ロベール「落ちたら大変だよ」

「すみません…」

(でも…あのブローチは…)

それは昔、ロベールさんにもらったものだった。

(どうしよう…)

すっと胸に悲しい気持ちが押し寄せるのを感じていると、

突然、まぶしいほどの光が湖から溢れる。

「えっ…!?」

ロベール「あれは…」

瞳を瞬かせていると、

湖からキラキラと金の髪をなびかせる女性が現れた。

(この人って…まさか……)

「女神様…?」

信じられない気持ちで見つめていると、女性はにこりと微笑む。

女性「あなたが落としたのは、このダイヤの真新しいブローチですか?」

女性「それとも、この銀製のブローチですか?」

そう言った女性は、両手のひらに2つのブローチを乗せている。

(どうしたら良いんだろう…)

目の前の光景に戸惑って、次第に速くなる鼓動を聞いていると、

ふと指先が大きな手に包まれた。

(ロベールさんのおかげで、少し落ち着いた…)

ロベール「カレンちゃんが正しいと思う方を選べば大丈夫だよ」

ロベールさんのその言葉に、胸が温かくなっていく。

私は息をついてから、銀のブローチをそっと示した。

「私が落としたのは、このブローチです」

すると、女性はふわりと微笑んでそのブローチを渡してくれる。

(良かった…)

大切なものを返してもらえて、ほっとしていると…

女性「正直者なあなたに、もう1つ良いことを教えてあげましょう」

「えっ?」

女性「あなたはもうすぐ、運命の人と…」

その時、女性はロベールさんにちらりと視線を向ける。

女性「いえ…もう出逢っているかもしれませんね」

(それって…)

けれど聞き返すことはできず、

再びまばゆい光と共に女性は消えてしまった。

(今、あの人が言ったことって…)

いつも通りの静かな湖を見つめていると、

隣に立つロベールさんに、ぽんぽんと頭を優しく撫でられる。

ロベール「返してもらえて良かったね」

「はい」

ロベール「そのブローチ、大切にしてくれてありがとう」

柔らかく微笑むロベールさんに、鼓動が甘く震えた。

(何でこんなにドキドキしてるんだろう…)

ロベール「そろそろ暗くなりそうだし、帰ろうか」

そう言ったロベールさんは、繋いだままだった手を優しく引く。

(あっ…)

ロベール「また大事なものを落としたら大変だから」

ロベール「今度は手を繋いでいようか」

指先から伝わる温もりに、鼓動が大きくなっていく。

「…はい」

(もしかして、あの人が言っていた運命の人って…)

甘い予感に胸を高鳴らせながら、

私はロベールさんと一緒に、暗くなり始めた森を歩きだした…―


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おわり


金の斧銀の斧ですね~

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