イケメン王宮のイベント、「Loss of memory-忘れたくない君との約束-」
永遠の絆ルート、ルイ編のスウィートエンドです
第二話からのつづきです
以下ネタバレです
----------------------
ルイ「・・・行かないで、カレン」
ルイ様のまつげが、切なげに揺れる。
「えっ・・・・・・」
戸惑っていると、馬車の外から私を呼ぶ声が聞こえた。
(あっ・・・・・・)
声のする方を思わず見やると、ルイ様は手を離した。
ルイ「・・・・・・」
部屋に戻る途中、私は馬車での出来事を思い出しながら歩く。
ルイ「・・・行かないで、カレン」
(どうしてルイ様、あんなことを言ったんだろう・・・)
すると前からレオがやって来た。
レオ「おかえり、カレンちゃん」
「レオ・・・」
レオ「体調大丈夫?」
頷くと、レオはすっと楽譜を私に渡す。
レオ「これオペラ座で演奏される曲なんだけど、カレンちゃんにと思って」
レオから楽譜を受け取り部屋に戻ると、ユーリが鞄を運んでくれていた。
ユーリ「カレン様、鞄ここにおいておくね」
「ありがとう、ユーリ」
お礼を言ってもらった楽譜を見ると、私は小さく首を傾げる。
(あれ・・・この曲・・・・・・)
「知ってる・・・・・・」
楽譜を見つめると、頭にもやもやとしたものが浮かぶ。
(なんだっけ・・・でもすごく好きだった気がする)
今にも浮かびそうな何かをじっと考えるも、やがて私は息をついた。
(分からない・・・・・・)
思って楽譜から目を離すと、不意にチェストに目がとまる。
(あれは・・・・・・)
近づいて手に取ってみると、私の胸がざわめく。
(ルイ様の部屋にあったオルゴールだ)
「ユーリ、このオルゴールって・・・」
尋ねると近づいてきたユーリが、ぱっと目を開いた。
ユーリ「ああ、それはね」
ユーリ「オペラ座の記念を祝して、カレン様のためだけに作られたオルゴールだよ」
ユーリは言うと、私が持っているオルゴールのねじをまく。
かわいらしい音色が部屋に響く。
ユーリ「綺麗な曲だよね」
私はオルゴールの音に耳を澄ますと、はっとした。
(あっ・・・・・・)
(楽譜と同じ曲だ・・・・・・)
なぜか、ルイ様の顔が頭に浮かぶ。
(それに・・・ルイ様の部屋にも私と同じオルゴールがあった気がする・・・)
(ユーリは私のためだけに作られたものって言っていたのに・・・)
何かを知らせるようにざわめく胸に、私は手をあてる。
(良く分からないけれど・・・思い出さなきゃいけない気がする)
と、その時・・・―。
「そうだ・・・・・・」
ぼんやりとしたものが、私の頭の中にひとつひとつ思い出されていく。
(約束をするために・・・)
(私がルイに贈ったオルゴールだ・・・)
すべてのことに気がつくと、私は思わず自分の口に手をあてた。
ルイ「・・・こんなにも近くにいるのに」
ルイ「・・・行かないで、カレン」
(それなのに私は約束すら忘れて・・・)
(一番大切なルイの事も忘れてしまった)
私の胸がぎゅっと締め付けられる。
(どうしたらいいんだろう)
考えると、ユーリの方を向く。
「ユーリ、ルイってもう帰っちゃった・・・?」
尋ねるとユーリが不思議そうに答えた。
ユーリ「え?ルイ様ならジルと話してから帰るとか言っていたけど・・・」
「良かった・・・」
(それだったら、まだ間に合うかもしれない)
「ありがとう、ユーリ」
ユーリにお礼を言った私は、急いで扉の方に向かい・・・。
部屋を出ると、私は城中を探し回った。
(執務室にジルもルイもいなかったし・・・・・・)
辺りを見渡すと、近くにいたメイドさんに尋ねる。
「ここに、誰か来なかった?」
メイド「いえ、私は見ていません・・・」
「ありがとう・・・」
(ここにもいないなんて・・・)
私は困ったように考えると、ドレスを翻した。
やがて空中庭園まで足を運ぶと、足を止める。
(もう帰っちゃったのかな・・・・・・)
優しい風が私の髪を揺らす。
(ここでよくルイと話をしていたっけ・・・)
そう思って、歩き出したその時・・・。
(あれは・・・・・・)
向こう側に、思い描いた人の姿がある。
(ルイ・・・・・・?)
私は瞳をはっとさせると、駆けて行く。
(早く側に行きたい、伝えたい・・・・・・)
「ルイっ・・・・・・」
ルイ「・・・カレン?」
振り返るルイに、私はふわりと抱きついた。
「ごめんなさい、ルイ・・・・・・」
(ルイは何度も私に伝えようとしていたのに)
(それなのに私は・・・何ひとつ気付いてあげられなくて・・・)
自分のしてしまったことに、どうしようもなく胸が痛む。
するとルイが首を横に傾けてカレンの顔を覗きこんできた。
ルイ「・・・こっち向いて、カレン」
私の顔を覗きこむルイが、ふわりと目を細める。
「・・・・・・」
私がゆっくりと顔を上げると、ルイは親指で優しく私の涙をぬぐった。
「ルイ・・・・・・」
何て言ったらいいのか分からずそうこぼすと、ルイがふっと笑う。
ルイ「・・・分かったから」
その優しさに余計に私の胸が痛む。
「だけど・・・・・・」
言いかけるとルイの指先がカレンの唇にあてられた。
ルイ「もういい」
そう言ってルイは私に触れるだけのキスをする。
ルイ「カレンが側にいてくれるなら、俺はそれでいい」
「ルイ・・・・・・」
私とルイはお互いを見つめ合うと、引きよせられるように唇を重ねる。
「・・・っ・・・・・・」
ルイは私の頬に手を添えると、優しく深いキスを落とす。
その時、私はルイの唇を感じながらオルゴールの音色を思い出した。
(ルイとの約束はかなえてあげられなかったけど)
(どんなことを忘れても)
重なる唇のすき間から、ルイの舌が私の舌をゆっくりと絡め取る。
「ん・・・・・・」
私は応えるようにそっとルイの胸元に手を添えた。
(ルイの事だけは・・・もう絶対に忘れたくない)
そうして二人は気持ちを確かめ合うように、何度も何度もキスを重ねていった・・・。
永遠の絆ルート、ルイ編のスウィートエンドです
第二話からのつづきです
以下ネタバレです
----------------------
ルイ「・・・行かないで、カレン」
ルイ様のまつげが、切なげに揺れる。
「えっ・・・・・・」
戸惑っていると、馬車の外から私を呼ぶ声が聞こえた。
(あっ・・・・・・)
声のする方を思わず見やると、ルイ様は手を離した。
ルイ「・・・・・・」
部屋に戻る途中、私は馬車での出来事を思い出しながら歩く。
ルイ「・・・行かないで、カレン」
(どうしてルイ様、あんなことを言ったんだろう・・・)
すると前からレオがやって来た。
レオ「おかえり、カレンちゃん」
「レオ・・・」
レオ「体調大丈夫?」
頷くと、レオはすっと楽譜を私に渡す。
レオ「これオペラ座で演奏される曲なんだけど、カレンちゃんにと思って」
レオから楽譜を受け取り部屋に戻ると、ユーリが鞄を運んでくれていた。
ユーリ「カレン様、鞄ここにおいておくね」
「ありがとう、ユーリ」
お礼を言ってもらった楽譜を見ると、私は小さく首を傾げる。
(あれ・・・この曲・・・・・・)
「知ってる・・・・・・」
楽譜を見つめると、頭にもやもやとしたものが浮かぶ。
(なんだっけ・・・でもすごく好きだった気がする)
今にも浮かびそうな何かをじっと考えるも、やがて私は息をついた。
(分からない・・・・・・)
思って楽譜から目を離すと、不意にチェストに目がとまる。
(あれは・・・・・・)
近づいて手に取ってみると、私の胸がざわめく。
(ルイ様の部屋にあったオルゴールだ)
「ユーリ、このオルゴールって・・・」
尋ねると近づいてきたユーリが、ぱっと目を開いた。
ユーリ「ああ、それはね」
ユーリ「オペラ座の記念を祝して、カレン様のためだけに作られたオルゴールだよ」
ユーリは言うと、私が持っているオルゴールのねじをまく。
かわいらしい音色が部屋に響く。
ユーリ「綺麗な曲だよね」
私はオルゴールの音に耳を澄ますと、はっとした。
(あっ・・・・・・)
(楽譜と同じ曲だ・・・・・・)
なぜか、ルイ様の顔が頭に浮かぶ。
(それに・・・ルイ様の部屋にも私と同じオルゴールがあった気がする・・・)
(ユーリは私のためだけに作られたものって言っていたのに・・・)
何かを知らせるようにざわめく胸に、私は手をあてる。
(良く分からないけれど・・・思い出さなきゃいけない気がする)
と、その時・・・―。
「そうだ・・・・・・」
ぼんやりとしたものが、私の頭の中にひとつひとつ思い出されていく。
(約束をするために・・・)
(私がルイに贈ったオルゴールだ・・・)
すべてのことに気がつくと、私は思わず自分の口に手をあてた。
ルイ「・・・こんなにも近くにいるのに」
ルイ「・・・行かないで、カレン」
(それなのに私は約束すら忘れて・・・)
(一番大切なルイの事も忘れてしまった)
私の胸がぎゅっと締め付けられる。
(どうしたらいいんだろう)
考えると、ユーリの方を向く。
「ユーリ、ルイってもう帰っちゃった・・・?」
尋ねるとユーリが不思議そうに答えた。
ユーリ「え?ルイ様ならジルと話してから帰るとか言っていたけど・・・」
「良かった・・・」
(それだったら、まだ間に合うかもしれない)
「ありがとう、ユーリ」
ユーリにお礼を言った私は、急いで扉の方に向かい・・・。
部屋を出ると、私は城中を探し回った。
(執務室にジルもルイもいなかったし・・・・・・)
辺りを見渡すと、近くにいたメイドさんに尋ねる。
「ここに、誰か来なかった?」
メイド「いえ、私は見ていません・・・」
「ありがとう・・・」
(ここにもいないなんて・・・)
私は困ったように考えると、ドレスを翻した。
やがて空中庭園まで足を運ぶと、足を止める。
(もう帰っちゃったのかな・・・・・・)
優しい風が私の髪を揺らす。
(ここでよくルイと話をしていたっけ・・・)
そう思って、歩き出したその時・・・。
(あれは・・・・・・)
向こう側に、思い描いた人の姿がある。
(ルイ・・・・・・?)
私は瞳をはっとさせると、駆けて行く。
(早く側に行きたい、伝えたい・・・・・・)
「ルイっ・・・・・・」
ルイ「・・・カレン?」
振り返るルイに、私はふわりと抱きついた。
「ごめんなさい、ルイ・・・・・・」
(ルイは何度も私に伝えようとしていたのに)
(それなのに私は・・・何ひとつ気付いてあげられなくて・・・)
自分のしてしまったことに、どうしようもなく胸が痛む。
するとルイが首を横に傾けてカレンの顔を覗きこんできた。
ルイ「・・・こっち向いて、カレン」
私の顔を覗きこむルイが、ふわりと目を細める。
「・・・・・・」
私がゆっくりと顔を上げると、ルイは親指で優しく私の涙をぬぐった。
「ルイ・・・・・・」
何て言ったらいいのか分からずそうこぼすと、ルイがふっと笑う。
ルイ「・・・分かったから」
その優しさに余計に私の胸が痛む。
「だけど・・・・・・」
言いかけるとルイの指先がカレンの唇にあてられた。
ルイ「もういい」
そう言ってルイは私に触れるだけのキスをする。
ルイ「カレンが側にいてくれるなら、俺はそれでいい」
「ルイ・・・・・・」
私とルイはお互いを見つめ合うと、引きよせられるように唇を重ねる。
「・・・っ・・・・・・」
ルイは私の頬に手を添えると、優しく深いキスを落とす。
その時、私はルイの唇を感じながらオルゴールの音色を思い出した。
(ルイとの約束はかなえてあげられなかったけど)
(どんなことを忘れても)
重なる唇のすき間から、ルイの舌が私の舌をゆっくりと絡め取る。
「ん・・・・・・」
私は応えるようにそっとルイの胸元に手を添えた。
(ルイの事だけは・・・もう絶対に忘れたくない)
そうして二人は気持ちを確かめ合うように、何度も何度もキスを重ねていった・・・。