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*ゼノと秘密のBirthday*

2013-11-24 00:16:16 | イケメン王宮☆ゼノと秘密のBirthday
こんばんはー


昨日は「ユーリと秘密のBirthday」をお届けしましたが、

今日はゼノ様との秘密のBirthdayのネタバレレポいきたいと思います


このお話も、ゼノ様の本編配信前だったので、出逢うところから・・・というかんじですね


それまでゼノ様は結構謎に包まれていたのですが、

このお話ですごく気になる方になりました



それではどうぞ




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冬の星座が空に浮かぶ、ある夜・・・-。

私はシュタインへ向かう馬車に揺られていた。

ジル「到着は、真夜中になりそうですね」

私は、ウィスタリアのプリンセスとして、

シュタイン王国国王ゼノ様の誕生祭に招かれていた。

ジル「誕生祭は三日後の夜です。国賓として招かれている以上、プリンセスとして恥ずかしくない行動を心がけてくださいね」

「・・・・はい」

ジルの言葉にうなずき、私は窓の外の空を見上げる。

謎に包まれたシュタインの情報は乏しく、

私はゼノ様に会ったことはおろか、顔を見たこともなかった。

(顔も知らない方のお祝いだなんて)

(城下にいるときには考えられなかったな・・・・)

(プリンセスとして、きちんとお祝いの言葉を準備しないと)



シュタイン城につくと、私はこっそりと部屋をでて庭へと下りていた。

(馬車から見えた星空を、もう少しちゃんと見てみたいな)

(星を見に行くくらいなら、大丈夫だよね・・・)

空を見上げると、そこには満天の星空が浮かんでいる。

「わあ・・・・」

(馬車から見ていた時も思ったけど、)

(ウィスタリアの星空とは、少し違うな。。。。)

「・・・・・・・・・」


そうして上を向いたまま、立っていると・・・-。

ゼノ「何をしている」

そこには、じっと私を見下す男性の姿があった。

「えっと・・・星を、見ていたんです」

すると黙ったまま私の隣に立ち、その男性は空へと視線を向ける。

ゼノ「そうか」

「・・・・・・・」

見上げると、男性の整った顔立ちに驚き息を飲んだ。

(どなただろう・・・?)

(国王様がこんなに若いわけはないし・・・・)

私の脳裏に、ウィスタリアの国王の姿がよぎる。

(王族の方かな・・・若いのに、すごく威厳がある)

ゼノ「あの星の名前を、知っているか?」

「あ、はい」

見惚れていた視線を慌てて夜空へと戻し、

私は指を指しながら星の名前を並べて行く。

ゼノ「・・・よく知っているな」

関心したような男性のつぶやきに、私は笑みを浮かべた。

「ありがとうございます」

(昔、子どもたちに、星の物語を読んであげたから・・・)

そして私たちは名前も身分も明かさないまま、

真夜中まで、一緒に夜空の星を見上げていた・・・。




そして、翌日・・・。

プリンセスとしての公務をこなす中、

シュタイン王国の騎士アルバートと挨拶をかわしていた。

アルバート「ゼノ様はお忙しい身ですので、私が代わりにご挨拶させて頂きます」

「はい」

誕生祭まではゼノ様の顔を見ることはできないという言葉に、

私は静かに頷いて答える。

(すごく優秀で国民からの信頼も厚い方なんだよね・・・・・)

(いったい、どんな方なんだろう・・・)




そして、その夜・・・ー。

冷たい風が頬を撫でるなか、私は昨夜の場所へと向かっていた。

(もしかしたら、また会えるかもしれない・・・)

鼓動をわずかに高鳴らせながらその場所を覗くと、

やはり昨夜の男性の姿が見える。

ゼノ「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

私は白い息をつき、空を見上げるその姿に、目を奪われてしまった。

ゼノ「・・・どうした?」

声をかけられるとはっと顔を上げ、私は挨拶を口にする。

「こんばんは」

そうして、その隣に立った。

(なぜ、こんなにドキドキするんだろう・・・)

男性の、ぽつりとした低い声を聞くたびに鼓動が跳ねる。

(それなのに、この時間がすごく居心地がいい・・・)

(明日で帰らなくてはならないのが、寂しいくらいだな)

黙ったまま空を見上げていると、男性が口を開いた。

ゼノ「今夜は、元気が無いようだな」

「そ、そんなことはないです」

私は寂しさを隠そうと声を上げ、星空に手をかざす。

「この星空を、もっと近くで見れたらいいのにと思っていたんです」

ゼノ「・・・・・・」

すると男性がふっと目を細め、つぶやいた。

ゼノ「そうだな」

そして私へと視線を落とすと、手を伸ばす。

「・・・・えっ・・・」

ゼノ「これで少しは、近づけたか?」

突然、男性に抱き上げられ、私は驚きに声を上げた。

「あ、あの・・・」

戸惑うまま前を覗きこむと、男性の綺麗な瞳と目があう。

吐息がかかりそうなほどの距離に、鼓動が痛いほど跳ねた。

「・・・っ・・・」

(もう少しで、触れてしまいそう・・・)

「・・・・・・・」


やがで男性が、優しく低い声音でささやくように告げる。

ゼノ「せっかく近くなったのだから、星を見たらどうだ?」

「・・・星・・・?」

私は赤く染まった頬を隠すように、ゆっくりと顔を空へ向けた。

「あ・・・」

私は思わず、男性の腕のなかで息をのむ。

「すごい・・・」

高い目線で見る星空は、吸い込まれそうなほど輝いて見えた。

(こんな綺麗な星空、もう見れないかもしれない・・・)

黙ったまま星を見上げる私をちらりと見下ろし、

男性もまたゆっくりと、その片目に星空を映していった・・・。


やがて地面へと足を降ろすと、私は男性を見上げ笑みを浮かべる。

「ありがとうございました」

ゼノ「ああ」

その時、真夜中を告げる鐘の音がなった。

(もう、部屋にもどらなくちゃ・・・)

私は男性を見上げ、静かに口を開く。

「また会う事ができたら、お話をさせてくださいね」

ゼノ「ああ・・・そうだな」

そして小さく頭を下げると、踵を返し、私は庭を駆けていった。

部屋へと戻る廊下の途中で、私はふと立ち止まる。

「・・・・・・」

(もう二度と会えないかもしれないけれど)

窓の外を見ると、先ほどよりも遠く星空が見えた。

(きっと夜空を見上げるたびに、あの方を思い出すんだろうな・・・)

やがて視線を戻すと、まっすぐに廊下を歩いていった。



そしてついに、誕生祭の当日を迎え・・・ー。

舞踏会に招かれていた私は、その会場を訪れていた。

(わあ、すごく華やか・・・・)

絢爛豪華な世界に、私は思わず息をのむ。

ジル「プリンセス」

すると隣に立つジルが、小さな声で告げた。

ジル「・・・シュタイン王国国王、ゼノ様がいらっしゃいます」

「え・・・・?」

私は緊張を隠せないまま、近づく国王の顔を見上げた。

「・・・・・」

ゼノ「・・・・・」

ゼノ様と顔を合わせると、私は言葉を失ってしまう。

(そんな、まさか・・・・・)

目の前に立ったのは、昨夜一緒に星空を見上げた男性だった。

ゼノ「・・・お前が、ウィスタリアのプリンセスか?」

あの低い声で、ゼノ様が訪ねる。

「はい・・・・ゼノ国王、ですか?」

同じように訪ねると、ゼノ様がふっと目を細めた。

「あ・・・」

口を開きかけたその時、不意に音楽が流れ出す。

ゼノ「・・・・・」

一瞬だけ楽隊に視線を寄せたゼノ様が、目の前の私に手を差し出した。

「・・・・・」

私は戸惑うまま、その手に指先で触れた。

そして、小さい声で言う。

「あ、あの・・・・私、ダンスが下手で」

ゼノ「・・・・・」

私の言葉を聞き、不安を拭うようにぎゅっと手を握ると、

ゼノ様が足を踏み出し、私の不器用なダンスをリードしてくれた。

(すごい・・・こんなに踊ることができるなんて)

滑らかな動きに感動していると、ゼノ様がぽつりとつぶやく。

ゼノ「・・・まさか、お前がプリンセスとはな」

(え・・・?)

やがて曲が終わり、ゆっくりと足が止まった。

耳に届かなかったゼノ様のつぶやきを、聞き返すことはできなかった。

ゼノ「・・・・・」

つないだままの手を一瞬だけぎゅっと握り、ゼノ様が告げる。

「・・・っ」

ゼノ「また会う時も、あるだろう」

そして私の手を離すと、ゼノ様は一度も振り返ることなく去っていった。

(ゼノ様・・・)

私は、慌てて口を開く。

「お誕生日、おめでとうございます・・・・!」

ゼノ「・・・・・」

小さくなる後ろ姿を見つめ、私はつないでいた手をみおろした。

(きっとまた、会えるよね・・・・)




その頃、ゼノはアルバートとともに、舞踏会会場を後にしていた。

アルバート「・・・・・」

少し後ろを歩くアルバートが、ゼノを見上げちらりと口を開く。

アルバート「珍しいですね。何か、良い事でも?」

ゼノ「いや・・・」

珍しく口元をほころばせたゼノが、窓の外へ目を向ける。

そこには、満点の星空が浮かんでいた・・・。



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ゼノ様素敵・・・


以上です




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