。*.☆ぱちょのイケメン王宮ブログ☆.*。

iPhone版イケメン王宮にハマりました!!現在攻略中ー(^^)

*嘘つき姫とオオカミ王子 ジル編 Sweet End*

2014-10-16 12:12:56 | イケメン王宮☆嘘つき姫とオオカミ王子
イケメン王宮のイベント「嘘つき姫とオオカミ王子」


ジル編のスウィートエンドです



以下ネタバレ



---------------------



ジル「お目覚めですか?プリンセス」

目を開けると、そこには笑みを浮かべるジルの姿がある。

「ジル、あの……」

説明をしようと身体を起こすと、ジルがふっと息をついた。

ジル「何も言わなくても、大体わかります。レオの嘘など、すぐに見抜けますからね」

そうして私の顔をのぞきこみ、目を細める。

ジル「こんな嘘をついて、どうするつもりだったんですか?」

「それは……」

言い淀んでいると、ジルが面白がるように言った。

ジル「……嘘をついても構いませんよ?」

ジルの視線を受け止めながら、私は思う。

(レオとユーリに言われたから、嘘をついたわけじゃない……)

視線をテーブルへ向けると、そこにはあの絵本があった。

絵本の中のお姫様は、最後に王子様のキスによって目覚めている。

(たぶん、私は……)

(あの絵本の王子様のように、ジルを待っていたかったんだ……)

「…………」

静寂が、夜の部屋を覆っていく。

やがて顔を上げ、私はジルに告げた。

「……私は、ジルに触れたかっただけです」

ジル「…………」

私がそう告げると、ジルがわずかに眉を寄せた。

そして私の耳元に手を添え、低い声で尋ねる。

ジル「……それは、嘘ですか?本当ですか?」

(え……?)

その声に、私はジルの言葉を思い出した。


―ジル「あなたの耳は、嘘を見抜くカギですね」

―ジル「すぐにわかります。感じているのか、どうか……」


(ジルには、すぐにわかるはずなのに……)

思わず顔を上げその顔を覗きこむと、

ジルが少し困ったように笑みを浮かべた。

ジル「あなたがそのようなことを言うと、疑ってしまいます」

「え……」

(どうして……)

耳元に触れていたジルの指先が、ゆっくりと髪をかきあげていく。

ジル「……私が、欲しがっている言葉そのものだからですよ」

そうして顔を寄せ、唇が重なる寸前で言った。

ジル「もし先程の言葉が本当なら、いくらでも叶えてさしあげますよ」

一度唇が触れると、ジルが熱くなった吐息をつく。

ジル「……私は今日ずっと、こうして触れたかったのですから」

「…っ……ん」

ジルの唇が、何度も触れては離れていく。

そのどこかもどかしい感覚に、腰元がじわりと疼いた。

「ん……」

静寂の中にキスだけが響いていくと、やがて私はジルの服の裾を握る。

(嘘から真実が見えるなんて、おかしな話かもしれない。でも……)

キスの合間、私は掠れた声で言った。

「ジル、もう少しだけ……」

(深く、触れてほしい……)

普段は言うはずのない言葉に、私はかあっと顔を赤らめる。

そっと視線を上げると、ジルもわずかに頬を染めていた。

ジル「……っ」

ジル「あなたという人は……」

ジルのその表情に、私は息を呑む。

「……ジル」

(嘘つきの日だからこそ、素直になれる……)

やがて笑みを浮かべ、ジルが私の顎に手を添えた。

私の肩が、ぴくりと揺れる。

ジル「あなたには、翻弄されっぱなしですね」

私の唇が、ゆっくりと開かれていく。

やがてジルの舌先が唇を割り、深くまで甘く触れていった…。

ジルの落とすキスが、深く長く続いていく。

「んぅ……っ…」

必死に応えようとする舌を絡め取られ、私はジルの身体にしがみついた。

吐息も奪われ、私の目にはいつのまにか涙が浮かんでいる。

「……ん…」

唇が離れると、私の身体が力をなくしジルの胸にもたれかかった。

するとそのまま、ジルの背中がベッドの上に倒れていく。

「……あ」

思わず声をあげると、ジルが私の腰に両手を添えた。

ジル「続きは、どうしますか?」

「……っ」

求められている言葉に気づき、私は思わず目を瞬かせる。

ジル「してほしいことが、他にあるのではないですか?」

「…いえ、そんなこと……」

思わず呟くと、ジルがくすっと笑みをこぼした。

そのどこか意地悪な響きに、胸がぎゅっとなる。

ジル「嘘ですね。では、身体に聞いてみましょう」

ジルの手が鎖骨をなぞると、私の身体が、びくりと跳ねた。

ジル「身体は、嘘をつけないですからね」

ジルの指先が鎖骨を降り、胸元の曲線を撫でていく。

「ぁ……っ…」

思わず声をあげると、耳に真夜中を告げる鐘の音が響いてきた。

(あ……今日が、終わったんだ)

ジルの背中に手をまわしながら、私は息をつく。

(もう、嘘はつけない)

首筋に顔をうずめたジルの唇が、耳の裏に触れていた。

ゆっくりとドレスを脱がされると、春の温かな夜風が素肌に触れる。

ジル「カレン……どうしてほしいのですか?」

私は涙の滲む目で、ジルを見上げた。

(ジル、何だかいつもよりも……)

身体が熱く火照り、繰り返されるジルの愛撫に息が上がっていた。

「もう……」

思わずジルの胸を押し返すような仕草をする。

ジル「…………」

するとジルが私の手を取り、その指先に音をたててキスをした。

ジル「嘘つきですね」

指先から走る甘い痺れが、全身を駆け抜けていく。

(嘘じゃない。でも……)

ジルの唇が、私の身体中に触れていった。

「ぁ……」

気持ちとは裏腹に、私の手は再びジルの背中を抱き寄せていた…。




-------------------------



おわり

無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、彼目線のストーリーが買える裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ1
イケメン王宮★裏ワザ2
イケメン王宮★裏ワザ3

*嘘つき姫とオオカミ王子 ジル編 第3話*

2014-10-15 13:03:30 | イケメン王宮☆嘘つき姫とオオカミ王子
イケメン王宮のイベント「嘘つき姫とオオカミ王子」


ジル編の第三話です



以下ネタバレ




---------------------



私はジルと共に高台から街を見おろしながら、

私はゆっくりと、その肩に頭を寄りかかった。

(このくらいなら、大丈夫だよね)

ジル「…………」

ジルの方の感触にほっと息をつき、目を閉じる。

(嘘の恋人じゃなくて……)

(堂々と、本当の恋人だって言える日が来るといいな)

考えていると不意に、ジルの肩がぴくりと揺れた。

(え……?)

見上げるとジルが、どこか苦しそうに視線を背けている。

ジル「……帰りましょうか」

「ジル?」

私の手を引き、ジルは高台を足早に後にした。




手綱を引くジルの前に座り、私は馬の背に揺られていた。

「ジル、疲れましたか?」

(あんなに突然、帰ろうだなんて……)

振り返り仰ぎ見ると、ジルがふっと目を細める。

ジル「いいえ……」

「…………」

ジルの顔を見上げ、私は軽く首を傾げた。

(今日は、嘘をついていい日……)

(何が嘘で、何が本当なのか……わからなくなってしまったな)

すると気づいたジルが、くすっと笑みをこぼす。


ジル「心配しなくてもいいですよ、カレン」

ジル「私はあなたに、嘘をついたことはありませんから」

ジルの言葉に、私は思わず顔を上げる。

ジル「あなたの前では何故だか、素直になってしまう自分がいます」


そしてちらりと私を見おろし、内緒話しをするように耳元に顔を寄せた。

ジル「先程も、疲れたのではなく……」

「……っ」

ささやかれた訳に、私はかあっと顔を赤くする。

(触れたくなったから、だなんて……)

私の素直な反応に満足したのか、ジルが真っ直ぐに前を向いた。

ジル「あのままでは、嘘ではまかり通らないことをしてしまいそうでしたからね」

ジルの言葉に、鼓動が高鳴っていくのがわかる。

耳元までをも赤く染めると、ジルがからかうように告げた。

ジル「あなたの耳は、嘘を見抜くカギですね」

ジル「すぐにわかります。何を考えているのか……」

ジルの吐息が、ふっと耳元に吹きかかる。

「ぁ……っ」

びくりと震え馬から落ちそうになった身体を、ジルが支えてくれた。

ジル「しっかりつかまっていてください」

「は、はい……」

(それが嘘でも本当でも、ジルには翻弄されっぱなしだな……)


そうして私はジルと共に、夕日の差し始めた森を通り抜けていった…。



そして城下から部屋に戻ると、私は部屋で息をついていた。

「…………」

(ジルには、あんなことを言ったのに……)

私は昼間の出来事を思い出す。


―「ジル、嘘に翻弄されないようにしてくださいね」


―ジル「その言葉、あなたにそのままお返ししますよ」


(ジルの言う通り、結局翻弄されたのは私だった)

そうして考えていると、部屋のドアが叩かれた。

ユーリ「お帰りなさい、カレン様。休日は満喫した?」

「ユーリ、ただいま……」

するとその後ろから、レオも顔を出す。

レオ「ちょうどお茶を出すって聞いたから、付いてきたんだよ」

そうして私はユーリに用意してもらい、レオとお茶を飲むことになった。


レオ「今日は『嘘つきの日』なんでしょ?城下には面白い風習があるね……」

ユーリ「レオ様にはぴったりなんじゃないかな」

レオ「さあ、どうかな」

二人の話を楽しく聞いていると、やがて視線が向けられたことに気づく。

(え……?)

戸惑いに目を瞬かせると、レオが訊いた。

レオ「で、ジルはどうだったの?」

レオの言葉に戸惑い、私は軽く首を傾げる。

「どうって……」

ユーリ「ジル様って、嘘とか通じなさそうだよね」

レオ「そうそう。冗談言っても、笑わないしねー」

レオとユーリの言葉に、私は思い出していく。


―ジル「あなたの耳は、嘘を見抜くカギですね」

―ジル「すぐにわかります。感じているのか、どうか……」


(確かに、ジルには嘘は通用しないみたい)

顔を赤く染めると、レオがにやりと笑みを浮かべた。

レオ「ねえ、カレンちゃん。ジルに嘘、ついてみたくない?」

「……え?」


そしてレオとユーリが部屋を去ると、私はベッドに横になっていた。


―ユーリ「じゃあ、この絵本を使うっていうのはどうかな?」


―レオ「いいね。じゃあ俺たちはジルを呼んで来るから、」

―レオ「カレンちゃんは……」


やがて耳に、静かにドアが開く音が響いてくる。

その響きと共に、鼓動が高鳴っていくのがわかった。

ジル「カレン……?」

眠る私の名前を呼び、ジルが髪飾りに触れる。

そして…―。

ジルが私の髪を撫で、顔を覗きこむ気配がする。

(でも、起きちゃだめなんだよね)

私は目を瞑り静かに息をつきながら、レオの言葉を思い出す。

―レオ「カレンちゃんは、ただ眠っていてね」

―レオ「ジルには「カレンちゃんが目を覚まさない」って嘘ついてくるから」


ジルの指先がゆっくりと、髪をすいていく。

ジル「カレン、目を開けてください」

「…………」

ジルの言葉にも反応を返さず、だまっていると…。

ジル「…………」

ベッドが軋み、私の枕元がわずかに沈む。

(え……?)

何が起こったのかもわからずにいると、唇に柔らかな感触が触れた。


「……っ」

触れるだけのキスが離れると、ジルの親指が私の下唇を開き、

再び包み込むようなキスを落とす。

そうして、油断していた私の舌を絡め取っていった。

「んぅ………」


吐息が混じり合い、次第に熱を帯びていく。

ようやく唇が離れると、私は静かにまぶたを開いていった。

すると目の前には、笑みを浮かべるジルの姿がある。

ジル「お目覚めですか?プリンセス」



------------------------




つづく


無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、シークレットストーリーが買える裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ1
イケメン王宮★裏ワザ2
イケメン王宮★裏ワザ3


*嘘つき姫とオオカミ王子 ジル編 第2話*

2014-10-14 11:21:37 | イケメン王宮☆嘘つき姫とオオカミ王子
イケメン王宮のイベント「嘘つき姫とオオカミ王子」


ジル編の第二話です



以下ネタバレ




---------------------



男「お前、知ってるぞ」

ジル「…………」

男の言葉に、ジルがぴくりと反応を返す。

男「プリンセスを選んだ教育係だろ!ということは、この女……」

男の人の大きな声に、広場で過ごす人々の視線が集まってきた。

(……どうしよう)

さあっと顔が青ざめるのを感じると、

この場にそぐわない笑い声が響いてくることに気づく。

「え……」

戸惑うまま見ると、ジルが男の人の言葉を遮るように笑っていた。

ジル「面白い嘘ですね」

そして私の腰元を抱き寄せると、ジルが口を開く。

ジル「これは、私の妻ですよ」



(え……っ)

ジルのついた嘘に、私は思わず小さく目を見開いた。

ジル「どうしました?カレン……行きますよ」

ジルが私の手を取り、男の人とすれ違うように歩きだす。

「は、はい……」

私は前のめるように、ジルの後を追ってその場を後にした。


ジルが黙ったまま私の手を引き、人気のない路地裏へと入っていく。

(ジル……?)

先程とは違い込められた痛いほどの力に、私は息をついた。

(怒っているのかな……)

やがて手を離すと、ジルが振り返り私を見おろす。

ジル「全くあなたは少し目を離しただけで……」

大きくため息をつくと、ジルが視線を逸らす。

「あの、ジル……ごめんなさい」

(私の不注意で、嫌な思いをさせてしまった)

思わず謝ると、ジルがふっと目を細めた。

ジル「……あなたは悪くありませんよ」

少し困ったように眉を寄せ、ジルが低く呟く。

ジル「目を離した、私が悪いんですから」

ジルがゆっくりと両手を開き、私を見おろした。

「……っ」

私はその目に誘われるように、腕の中に身体を寄せる。

するとジルの手が、私の背中を抱き寄せた。

ジル「……嘘だといえることにも、限度はありますね」

「え……?」

(どういうことだろう……)

ジルの指先が背骨をたどるように降り、私はびくりと肩を揺らす。

ジル「たとえば……」

「……っ」

甘く走った痺れに、私はジルの服の裾を掴んだ。

ジル「……こうして触れてしまえば、嘘だと主張出来なくなりますからね」



ジルの低い声が、耳元に吐息混じりに響く。

「……あ」

ジルの言葉に、私は指先にぎゅっと力を込めた。

(そうだ、今日は……)

背中を寄せていたジルの手が、ゆっくりと離れていく。

「…………」

(そうだ、今日は……恋人同士だって「嘘」を付ける日…)

(触れてしまったら、嘘ではないとばれてしまうから)

ジルは身体を離すと、くすっと笑みを浮かべた。

ジル「嘘を本当にするという話しは聞きますが、」

ジル「本当を嘘にしなければいけないとは……ややこしいですね」

私はジルの身体から離れ、その顔を見上げる。

すると視線に気づいたジルが、軽く首を傾げて私の顔を覗きこんだ。

ジル「……どうしました?」

「いえ、何でもありません……」

小さく首を横に振ると、ジルが手を差し出す。

ジル「手を繋ぐくらいなら、大丈夫でしょう」

「…………」

私は黙ったまま、その手を取った。

(嘘という言葉だけで、何でこんなに寂しいんだろう……)



そして、日暮れが近づいた頃…―。

私はジルと共に、街の様子を高台から眺めていた。

ジル「そろそろ、戻らなくてはなりませんね」

それだけを呟くと、ジルが私の顔を覗きこむ。

ジル「カレン……?」

ジルに顔を覗きこまれ、私は慌てて頷き返す。

「は、はい……」

ジル「…………」

するとふっと目を細めたジルが、どこか意地悪く口を開いた。

ジル「どうしました?随分素直ですね」

ジル「それとも、嘘ですか?」

「え……嘘なんかじゃ」

(私も、城に戻らなければと思っていたから)

その時、ジルの手が私の手の甲に触れる。

「……っ」

ぴくりとまつ毛が揺れると、ジルが誰にも見られないうちに手を引いた。

離れていく指先に、理由もわからないまま胸が痛む。

(何だか、自分の気持ちがわからない)

このままここにいれば、嘘の恋人でいられる。

城に帰れば、秘密の恋人に戻ることが出来る。

(……私は本当に、帰りたいのかな?)

考えていると、ジルがふっと目を細めて私を見おろした。

城下から吹き上げるわずかな風が、ジルの髪をサラサラと撫でる。

ジル「やはりこの祭りは、あなたには向いていないようですね」

(え……?)

思いもかけない言葉に目を瞬かせると、ジルが告げた。

ジル「嘘をつけないんですよ、あなたは」



ジルの声が、低く耳に届く。

「そんなこと……」

言いかけると、ジルの手が私の耳元に伸びた。

指先が優しく、ピアスに触れている。

ジル「隠すことは出来ても、嘘はつけていませんよ」

そうして唇に、淡く笑みを浮かべる。

ジル「思っている以上に、素直だと思った方がいいでしょうね」

「…………」

(そんなことない……)

ジルの言葉に、私は静かに瞬きを繰り返した。

そして、高鳴る鼓動の隙間で思う。

(やっぱり、私は嘘つきだと思う。だって……)

ジル「……城に、戻りますか?」

もう一度尋ねるジルに、私は今度は首を横に振った。

「もう少しだけ、ここにいてもいいですか?」

(本当は「ここにいたい」じゃない……)

ジル「…………」

私の言葉に目を細め、ジルが髪を撫でる。

ジル「……このくらいなら、許されるでしょう?」

その仕草が気持ちよくて、私はゆっくりと目を閉じた。

「……はい」

頭を肩にもたれかけさせると、息をつく。

(嘘の恋人のままいたい訳でもない)

(私はただ、こうやってジルに触れていたいだけだから)



---------------------


つづく


無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、シークレットストーリーが買える裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ1
イケメン王宮★裏ワザ2
イケメン王宮★裏ワザ3


*嘘つき姫とオオカミ王子 ジル編 第1話*

2014-10-12 22:53:36 | イケメン王宮☆嘘つき姫とオオカミ王子
イケメン王宮のイベント「嘘つき姫とオオカミ王子」


ジル編の第一話です



以下ネタバレ




---------------------

書斎のドアが叩かれ、私は絵本を手にしたまま振り返った。

(誰だろう……?)

静かにドアが開き、ジルが顔を見せる。

ジル「何をされているんですか?カレン」

ジルの笑みにほっと息をつき、私は絵本に目を落とした。

「寝る前に読むための本を、探していたんです」

すると近づいてきたジルが、同じように私の手の中の本を見た。

ジル「なるほど、絵本ですか。あなたらしいですね」

「ジルは、この絵本を知っていますか?」

ジルの指先が伸び、表紙をめくる。

ジル「……確か、眠り続ける姫の話でしたね」

開かれた表紙が手首にかかり、私は反射的に本を落としそうになった。

(あ……)

その瞬間に手を添え、ジルが支えてくれる。

ジル「気をつけてください」

「…っ…はい、ありがとうございます」

ジルの顔が間近に迫り、私は思わず息を呑んだ。

(ジルのまつ毛が、触れるかと思った……)

その反応に気づいたのか、ジルが面白そうに笑みを浮かべて言う。

ジル「ところで、カレン」

ジル「明日、あなたの望み通りに休日がとれそうですよ」

ジルの言葉に、私は顔を上げた。

「本当ですか?良かった」

ジル「……何か、あるのですか?」

開いていた絵本の表紙を閉じると、ジルが私の顔を覗きこむ。

「その日は……」

顔を覗きこむジルに視線を向け、私は口を開いた。

ジル「……嘘をついていい日、ですか」

書斎を出て話しをしながら廊下を歩いていると、ジルが私の話に目を瞬かせる。

「はい」

ジルの問い掛けに、私は笑みを浮かべながら答えた。

「城下ではそういう風習があるんですよ」

私は廊下の先を見据え、ゆっくりと思い出していく。

それは『嘘つきの日』という、城下では有名な行事だった。

「お祭りのように、市が活気づく日なんです」

「びっくりするような値段が書いてあったり、あり得ないものが売ってたり……」

(どれが嘘でどれが本当なのか、考えるのが毎年すごく楽しかった)

思い出しくすっと笑みを浮かべると、ジルが納得したように目を細める。

ジル「なるほど、全て嘘ですか。……興味深いですね」

「…………」

その言葉を聞くとジルを見上げ、私はそっと考えていた。

(今年も、見に行けたらいいと思ってた)

(でもそれだけじゃない。私は、一緒に……)

するとジルが、呟くように聞く。

ジル「私も同行してもよいですか?」

「あ……」

ジルの言葉に、私は頬を綻ばせた。

(私も、ジルと一緒に行けたらいいと思っていたから……)

「はい、もちろんです」



そして、『嘘つきの日』当日…―。

私はジルと共に、約束通り城下を訪れていた。

ジル「なるほど、賑やかですね」

辺りを見渡すジルに、私は声をかける。

「ジル、嘘に翻弄されないようにしてくださいね」

すると面白そうに、ジルが笑みを浮かべた。

ジル「その言葉、あなたにそのままお返ししますよ」

そうして市場を見て歩いていると、お店の人に尋ねられる。

店主「二人は、恋人同士かい?」

「……っ」

その問いかけに、私の鼓動がびくりと跳ねた。

(噂をたてられないためにも、否定しなくちゃいけないよね)

「あの……」

答えようと口を開いた時、隣に立つジルが口を開く。

ジル「……はい」

(え……!)

頷くジルを驚き見上げると、口元に悪戯っぽい笑みを浮かべて言った。

ジル「今日は堂々と恋人だと言える、唯一の日かもしれないですね」



ジルの言葉と悪戯っぽい笑みに、私ははっと息を呑んだ。

(そっか……今日だったら、みんな嘘だって思うかもしれない)

考えていると、目の前にジルの手が差し出される。

「あ……」

(今日だけ、だから)

私はそっと、その手を取った。


私はジルの手を握ったまま、街中を歩いていた。

(ジルの手、温かいな……)

普段は考えられないことに、私の鼓動が跳ねる。

「…………」

そっと見上げると、端正な横顔が見えた。

(こんな素敵な人を、恋人だって言うことが出来たら……)

(城下の人たちは、みんなびっくりするんだろうな)

その時、ジルの視線が私へと向けられる。

ジル「どうしました?」

「い、いえ……」

私は慌てて顔を背け、それから小さく声をあげた。

「ジルとこうして歩けるとは思わなかったので、嬉しいんです」

ジル「…………」

するとジルの手が私の指を絡めるように動いていく。

ジル「全て嘘だと思われるのは、あまり気分は良くありませんが……」

ジル「あなたが喜んでいるなら、それでいいということにします」

ジルが浮かべた柔らかな笑みに、再び胸がぎゅっと音をたてた…。


そして、ジルと手を繋いだまま城下を巡り…―。

広場につくと、私はジルの姿を探していた。

「…………」

(少し買いたい物があって、離れちゃったけど……)

(ジルは、どこにいるんだろう)

辺りを見渡していると、不意に後ろから声をかけられる。

男「こんなところで、何してるの?」

(……!)

振り返ると、そこには見知らぬ男の姿があった。

「あの……人を探しているので」

その脇をすり抜けようとすると、男の人の腕に阻まれてしまう。

男「嘘でしょ、どうせ」

男の人が私の顔を覗きこみ、腕を掴んだ。

男「少しだけ、付き合ってよ」

「……っ」

そうして連れて行かれそうになっていると、

後ろから、誰かに肩をぐいっと引き寄せられる。

(え……?)

背中が誰かの胸元に触れると、私は慌てて顔を上げた。

「ジル……!」

ジル「…………」

ジルの視線は真っ直ぐに、男の人へと向けられている。

ジル「何か、ご用でしょうか?」

男「……ジル?」

眉を寄せた男の人が、ジルを指差した。

男「お前、知ってるぞ」

ジル「…………」

ジルの眉が、ぴくりとわずかに上がった…。




---------------

つづく



無課金派の私も利用しているガチャがいっぱい回せたり、
アフターストーリーが買える裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ①
イケメン王宮★裏ワザ②
イケメン王宮★裏ワザ③

*嘘つき姫とオオカミ王子 アラン編 Sweet End*

2014-10-06 10:39:42 | イケメン王宮☆嘘つき姫とオオカミ王子
イケメン王宮のイベント「嘘つき姫とオオカミ王子」


アラン編のスウィートエンドです


画像は今回も行方不明のためなしです



以下ネタバレ



---------------------



「アラン、私……」

アランの服の裾を掴んで引きとめ、私はそっと口を開く。

アラン「なに。まだ具合悪いのかよ」

アランの言葉に、少し悩みながらも頷いた。

「……うん。だからもう少しだけ、ここにいてくれる?」

アラン「…………」

振り返ったアランは何も言わず、ただじっと視線を向けていた。

(嘘だって、ばれているかな)

「…………」

思いながらも、裾を掴む指先に力を込める。

(でももう少しだけ、側にいたいから……)

顔をうつむかせると、頭の上から大きなため息が聞こえてきた。

アラン「わかったよ」

「え……」

振り返ったアランがそのままベッドに膝を乗せ、私の方へと迫ってくる。

思わず、まぶたを閉じると…。

「……っ…え」

髪を掠めるようにして、アランの身体がベッドの上に横になった。

(アラン……?)

そっと目を開け見おろすと、アランが私を見上げている。

アラン「眠れるまでいてやるから」

そして手を伸ばすと、私の腕にその指先が微かに触れた。

「あ……」

アラン「ほら、来いよ」

「えっと……」

ためらっていると、腕にわずかに触れていた指先が促すように動く。

アラン「早くしろって」

「う、うん……」

ゆっくりと身体を傾けると、私はアランの胸に顔をうずめた。

アランの腕が、ぎゅっと身体を抱き寄せてくれる。

「……っ」

(何度この香りをかいでも……)

大きく息を吸いこむと、私は目を閉じた。

(こんな風に胸がぎゅっとなるのは、なぜなんだろう)

アラン「なあ。お前って、俺のこと……」

アランの低い声が、耳に届く。

「え?」

顔を上げると、アランと間近で目が合った。

すると頬がわずかに赤く染まり、アランが視線を逸らす。

アラン「…っ…なんでもねえよ」

アラン「……それよりお前、俺より優先するもの多すぎだろ」

突然のアランの言葉に、私は驚き目を瞬かせた。

「そんなことないよ」

アラン「……お前、すぐ嘘つくからな」

ドキッと鼓動を跳ねさせた私の顔を覗きこみ、アランが口を開く。

アラン「……嘘じゃねえなら、証明してみせろよ」

ベッドの中で私の身体を抱き寄せ、アランが告げる。

「……あ」

じっと目を覗きこまれ、何を求められているのかはすぐにわかった。

(恥ずかしい、けど……)

私はアランの服をきゅっと握り、小さく背伸びするように首を伸ばす。

そして、一瞬だけ唇を重ねた。

アラン「…………」

背中に回っていたアランの手が腰に降り、

離れようとした私の顔を、引き寄せる。

「……っ」

アラン「足りない」

(え……?)

戸惑いに目を瞬かせる私の顔を覗きこみ、アランが再び口を開いた。

アラン「……足りねーって」

「……ん…っ」

腰元を押さえていた手に力が込められると同時に、

今度はアランから唇を重ねられる。

一度唇が離れた瞬間に息を吸いこむと、

その唇の隙間に、甘くかむようなキスを落とされた。

「……んっ…」

繰り返される口づけに身をよじると、

伸ばした足先が、アランのふくらはぎに触れる。

アラン「…………」

やがて唇が離れると、アランがささやいた。

アラン「お前、やっぱり嘘ついたろ」

「え……」

キスの後で、アランがこつんと額を合わせる。

アラン「絶対、具合悪くねえだろ」

「……っ」

(やっぱり、ばれていたんだ……)

恥ずかしさに、頬から首筋までもが赤く火照っていった。

アラン「…………」

すると吹きだすように笑ったアランが、小さな声で呟く。

アラン「じゃなきゃ、こんなこと出来ねえよな」

「ご、ごめんなさい……」

思わず謝ると、アランが私を自分の身体の上に乗せた。

「……!」

慌てて見おろすと、アランがからかうように口を開く。

アラン「……バーカ」

そして私の頭の後ろを軽い力で引き寄せると、

触れるだけのキスを交わす。

「ん……っ…」

身体を預けながら目を閉じると、やがてアランの手が耳の裏を撫でた。

「……ぁ…」

思わずまつ毛を揺らし薄くまぶたを開くと、アランの顔が間近に見える。

(アラン……?)

アラン「…………」

アランがそっと、耳元に唇を寄せた。

アラン「お前の嘘なんて、すぐ見抜けんだよ」

「……っ」

驚く私の表情に気づき、アランが面白そうに笑う。

そして薄く唇を開くと、ついばむようなキスをした。

「ん……」

(もう、何も隠せない……)

アランの手がいつの間にか、私のスカートの裾に触れている。

(嘘も、つけない……)

「……っ…」

身体がびくりと素直な反応を返すと、アランが唇を離した。

アラン「……お前、今日はやだって言わねえの?」

「え……」

アランの問い掛けに、私はただ鼓動を高鳴らせていく。

(口にすると嘘をついてしまいそうだから、今日だけは……)

アランの肩に顔をうずめるように、私はその身体に抱きついた。

アラン「…………」

すると驚いたように小さく目を見開いたアランが、

やがて面白そうに、私の身体に触れる。

アラン「珍しく、素直だな……」

アランの指先が、脚を撫で上げていく。

「ん…アラ、ン…っ」

アラン「……っ」

目を閉じたままアランにしがみつき、私は声をあげていく。

アラン「……なんで泣いてんだよ」

やがて意地悪く目じりにたまった涙の訳を聞かれると、私は息を呑んだ。

「それは……」

(アランが、優しく触るから)

嘘もつけないまま、私は掠れた声で答えていった…。



-------------------------



おわり

無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、彼目線のストーリーが買える裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ1
イケメン王宮★裏ワザ2
イケメン王宮★裏ワザ3