まさか「秘密のひととき」まで読み放題に入るなんて…
以前ポイントで購入した者としては複雑です…
それでは秘密のひととき、ルイ編です
以下ネタバレ
------------------------
窓から差し込む陽が、帯のようにキラキラと輝いている。
「…………」
私は目の前の光景に、短く息をついた。
プリンセスとして目を通さなければいけない書類が、
束となって机の上に積まれている。
(少しだけ、休憩したいな)
私は窓の外の日差しに目を細め、ゆっくりと立ち上がった。
庭へと出ると、私は腕を大きく上げて背中を伸ばした。
(やっぱり、外は気持ちいい……)
するとその時、庭の先にルイの姿を見つける。
「ルイ……!」
ルイ「…………」
私は思わず、ルイの元へと駆け寄った。
(最近会えていなかったから、すごく嬉しい……)
ルイ「カレン、どうしたの?」
「あの……」
口を開こうとした途端、どこからか私を捜すユーリの声が聞こえてくる。
ユーリ「カレン様ー、ジル様がお呼びだよー」
(あ……)
私は目を伏せ、小さなため息と共に口を開いた。
「……ごめん、ルイ。行かなくちゃ」
ルイ「……うん」
ルイはふわりと目を細めると、風で乱れた私の髪を撫でた。
ルイ「頑張って」
執務室に戻ると、ユーリが私の顔を覗き込み苦笑を浮かべた。
ユーリ「ごめんね、カレン様」
「ううん、私こそ。仕事の途中だったのに、ごめんね」
(息抜きは終わり。きちんとしないと……!)
笑みを浮かべて言うと、ユーリが目を細める。
ユーリ「……外出の後、時間を作ってあげる。自由にしていいよ?」
「え…本当!?ユーリ」
思わず声を上げると、ユーリがにっこりと微笑んだ。
ユーリ「うん。でもその代わり、ちゃんと夜のうちに帰ってきてね」
約束通りユーリがくれた時間を使い、
私はこっそりとルイの屋敷を訪れていた。
ティーカップを口に運びながら、ルイが言う。
ルイ「……カレン、なんだか疲れてる?」
「えっ?」
(この時間のために、急いで書類に目を通したりしたからかな……)
「大丈夫だよ」
ルイ「そう……」
ルイが呟き、テーブルにお茶のカップを置いた。
ルイ「俺は少し用事だあるけど……好きなだけ、休んでいっていいから」
「ありがとう、ルイ……」
ルイが部屋を出て行くと、私は息をついた。
(短い時間だったけど、ルイと話ができて良かった……)
(これで、もっと頑張れそう……)
思いながら、私はゆっくりとまぶたを降ろしていき…。
???「カレン……」
(あれ……ここは…)
誰かに揺り起こされ、私ははっと目を開けた。
ルイ「カレン?」
目の前にあるルイの姿に驚き、私は慌てて身体を起こす。
「眠っちゃってたんだ……もうこんな時間!?帰らなくちゃ」
慌てて部屋を出て行こうとすると、ルイの声が引き留める。
ルイ「待って」
ルイ「だめだよ、君が来ていることは誰も知らないから」
「…………」
部屋を飛び出していこうとした私は、ぴたりと足を止めた。
(そうだ……でも、早く帰らないと)
考えていると、ルイがぽつりと呟くように言う。
ルイ「あ……いいこと思いついた」
「え?」
(いいことって……)
着替えを終えた私を見下ろし、ルイが小さく頷く。
「ルイ、これって……」
ルイ「……大きいね」
別人になりすますためルイの服を身につけた私は、袖をまくりあげた。
(ルイって細く見えるけど、やっぱり男の人なんだな……)
まくりあげた袖ごと優しく掴み、ルイがふっと笑みを浮かべて言う。
ルイ「行こう」
ルイのお屋敷を無事に出発した私たちは、城の廊下を歩いていた。
「…………」
ルイ「…………」
人気のない廊下で、ルイが黙ったまま手を引いてくれる。
その時、後ろから声をかけられた。
???「……ルイ、こんな時間に何やってんだ?」
ルイ「アラン……」
振り返ったルイが、自然な仕草で私の身体をアランから隠した。
アラン「……そいつは」
ルイ「弟」
ルイはそれだけを言うと、再び私の手を引いて歩き出す。
残されたアランは、ルイと身体に合わない服を着た人物の後ろ姿を、
軽く眉を寄せて見送った。
アラン「……あいつ、弟なんていねーだろ」
そうして部屋の中に入ると、私はほっと胸をなで下ろした。
(誰にも見つからずに帰って来られて、良かった……)
私は髪の毛を仕舞っていた帽子を外しながら、ルイを見上げる。
「ありがとう、ルイ」
ルイ「うん……」
その時不意に、部屋の中にノックの音が響いた。
ユーリ「カレン様、帰ってる……?」
(ユーリ……!こんな格好を見られたら、大変)
私は慌てて、ドアに向け口を開く。
「か、帰ってるよ。でも今着替え中だから……」
ルイ「…………」
すると私を見下ろすルイが後に回り、背中越しに手を伸ばした。
そうしてシャツのボタンに指先を伸ばし、一つ一つを外していく。
「……っ…」
驚いて見上げると、そのまま唇をふさがれた。
舌を絡め取られ、吐息さえも奪われてしまった。
「ん……っ…」
ユーリ「帰ってるならいいんだけど……」
ルイの吸い付くような唇が、ゆっくりと離れていく。
ユーリ「カレン様、大丈夫?」
何かを察したのか尋ねるユーリに、私は必死に声をあげた。
「う、うん……」
答える間も、ルイの指先はゆっくりと私の肌をはだけさせていく。
ユーリ「……わかった。お休みなさい、カレン様」
「……おやすみ、ユーリ…」
そうして、ユーリの足音が去って行き…。
「ル、ルイ……っ…」
私は身をよじり、外されたシャツを握って振り返った。
見上げると、ルイがにっこりと笑みを浮かべる。
ルイ「着替えるって、言ったから」
ルイ「手伝ってもいい?」
「……!」
(手伝うって……)
ルイの低く甘い声音に、ぴくりと指先が震えた。
ルイ「……ダメ?」
「……は、恥ずかしいから」
私は赤くなった顔を隠すように、足下へと視線を向ける。
すると身体がふわりと浮いた。
「え……!」
ルイが私の身体を横抱きにして運び、ベッドの上に降ろす。
ルイ「じゃあ、俺のも外していいよ?」
ルイ「それなら、平等でしょ?」
「…………」
(びょ、平等って……)
ふわりと細められる瞳に、私は息をついた。
(この顔を見たら私が断れないこと、ルイは知らないんだろうな……)
ルイ「カレン……?」
「…………」
私はそっと指先をあげ、ルイのボタンに指をかけた。
鼓動が、痛いほどに耳の中に響いていた…。
------------------------
終わり
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それでは秘密のひととき、ルイ編です
以下ネタバレ
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窓から差し込む陽が、帯のようにキラキラと輝いている。
「…………」
私は目の前の光景に、短く息をついた。
プリンセスとして目を通さなければいけない書類が、
束となって机の上に積まれている。
(少しだけ、休憩したいな)
私は窓の外の日差しに目を細め、ゆっくりと立ち上がった。
庭へと出ると、私は腕を大きく上げて背中を伸ばした。
(やっぱり、外は気持ちいい……)
するとその時、庭の先にルイの姿を見つける。
「ルイ……!」
ルイ「…………」
私は思わず、ルイの元へと駆け寄った。
(最近会えていなかったから、すごく嬉しい……)
ルイ「カレン、どうしたの?」
「あの……」
口を開こうとした途端、どこからか私を捜すユーリの声が聞こえてくる。
ユーリ「カレン様ー、ジル様がお呼びだよー」
(あ……)
私は目を伏せ、小さなため息と共に口を開いた。
「……ごめん、ルイ。行かなくちゃ」
ルイ「……うん」
ルイはふわりと目を細めると、風で乱れた私の髪を撫でた。
ルイ「頑張って」
執務室に戻ると、ユーリが私の顔を覗き込み苦笑を浮かべた。
ユーリ「ごめんね、カレン様」
「ううん、私こそ。仕事の途中だったのに、ごめんね」
(息抜きは終わり。きちんとしないと……!)
笑みを浮かべて言うと、ユーリが目を細める。
ユーリ「……外出の後、時間を作ってあげる。自由にしていいよ?」
「え…本当!?ユーリ」
思わず声を上げると、ユーリがにっこりと微笑んだ。
ユーリ「うん。でもその代わり、ちゃんと夜のうちに帰ってきてね」
約束通りユーリがくれた時間を使い、
私はこっそりとルイの屋敷を訪れていた。
ティーカップを口に運びながら、ルイが言う。
ルイ「……カレン、なんだか疲れてる?」
「えっ?」
(この時間のために、急いで書類に目を通したりしたからかな……)
「大丈夫だよ」
ルイ「そう……」
ルイが呟き、テーブルにお茶のカップを置いた。
ルイ「俺は少し用事だあるけど……好きなだけ、休んでいっていいから」
「ありがとう、ルイ……」
ルイが部屋を出て行くと、私は息をついた。
(短い時間だったけど、ルイと話ができて良かった……)
(これで、もっと頑張れそう……)
思いながら、私はゆっくりとまぶたを降ろしていき…。
???「カレン……」
(あれ……ここは…)
誰かに揺り起こされ、私ははっと目を開けた。
ルイ「カレン?」
目の前にあるルイの姿に驚き、私は慌てて身体を起こす。
「眠っちゃってたんだ……もうこんな時間!?帰らなくちゃ」
慌てて部屋を出て行こうとすると、ルイの声が引き留める。
ルイ「待って」
ルイ「だめだよ、君が来ていることは誰も知らないから」
「…………」
部屋を飛び出していこうとした私は、ぴたりと足を止めた。
(そうだ……でも、早く帰らないと)
考えていると、ルイがぽつりと呟くように言う。
ルイ「あ……いいこと思いついた」
「え?」
(いいことって……)
着替えを終えた私を見下ろし、ルイが小さく頷く。
「ルイ、これって……」
ルイ「……大きいね」
別人になりすますためルイの服を身につけた私は、袖をまくりあげた。
(ルイって細く見えるけど、やっぱり男の人なんだな……)
まくりあげた袖ごと優しく掴み、ルイがふっと笑みを浮かべて言う。
ルイ「行こう」
ルイのお屋敷を無事に出発した私たちは、城の廊下を歩いていた。
「…………」
ルイ「…………」
人気のない廊下で、ルイが黙ったまま手を引いてくれる。
その時、後ろから声をかけられた。
???「……ルイ、こんな時間に何やってんだ?」
ルイ「アラン……」
振り返ったルイが、自然な仕草で私の身体をアランから隠した。
アラン「……そいつは」
ルイ「弟」
ルイはそれだけを言うと、再び私の手を引いて歩き出す。
残されたアランは、ルイと身体に合わない服を着た人物の後ろ姿を、
軽く眉を寄せて見送った。
アラン「……あいつ、弟なんていねーだろ」
そうして部屋の中に入ると、私はほっと胸をなで下ろした。
(誰にも見つからずに帰って来られて、良かった……)
私は髪の毛を仕舞っていた帽子を外しながら、ルイを見上げる。
「ありがとう、ルイ」
ルイ「うん……」
その時不意に、部屋の中にノックの音が響いた。
ユーリ「カレン様、帰ってる……?」
(ユーリ……!こんな格好を見られたら、大変)
私は慌てて、ドアに向け口を開く。
「か、帰ってるよ。でも今着替え中だから……」
ルイ「…………」
すると私を見下ろすルイが後に回り、背中越しに手を伸ばした。
そうしてシャツのボタンに指先を伸ばし、一つ一つを外していく。
「……っ…」
驚いて見上げると、そのまま唇をふさがれた。
舌を絡め取られ、吐息さえも奪われてしまった。
「ん……っ…」
ユーリ「帰ってるならいいんだけど……」
ルイの吸い付くような唇が、ゆっくりと離れていく。
ユーリ「カレン様、大丈夫?」
何かを察したのか尋ねるユーリに、私は必死に声をあげた。
「う、うん……」
答える間も、ルイの指先はゆっくりと私の肌をはだけさせていく。
ユーリ「……わかった。お休みなさい、カレン様」
「……おやすみ、ユーリ…」
そうして、ユーリの足音が去って行き…。
「ル、ルイ……っ…」
私は身をよじり、外されたシャツを握って振り返った。
見上げると、ルイがにっこりと笑みを浮かべる。
ルイ「着替えるって、言ったから」
ルイ「手伝ってもいい?」
「……!」
(手伝うって……)
ルイの低く甘い声音に、ぴくりと指先が震えた。
ルイ「……ダメ?」
「……は、恥ずかしいから」
私は赤くなった顔を隠すように、足下へと視線を向ける。
すると身体がふわりと浮いた。
「え……!」
ルイが私の身体を横抱きにして運び、ベッドの上に降ろす。
ルイ「じゃあ、俺のも外していいよ?」
ルイ「それなら、平等でしょ?」
「…………」
(びょ、平等って……)
ふわりと細められる瞳に、私は息をついた。
(この顔を見たら私が断れないこと、ルイは知らないんだろうな……)
ルイ「カレン……?」
「…………」
私はそっと指先をあげ、ルイのボタンに指をかけた。
鼓動が、痛いほどに耳の中に響いていた…。
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