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*White Day Fantasia ルイvsゼノルート ゼノ編第2話*

2014-03-31 09:28:15 | イケメン王宮☆White Day Fantasia
イケメン王宮のホワイトデーイベント、「White Day Fantasia」

ルイvsゼノルート ゼノ編の第2話です



以下ネタバレ




------------------------------




私は廊下を駆け戻ると、

再びゼノ様の部屋のドアをノックした。

「…あの、たびたびすみません」

「ゼノ様、ちょっといいですか?」

しばらくすると、ゼノ様がすっと顔を出した。

ゼノ「…ん、どうした」

「あの、さっき言い忘れたことが…」

「パーティーで、一緒に踊ってくださいませんか?」

私が、おずおずとそうお願いすると、ゼノ様はにっこりと笑って頷いた。

ゼノ「…もちろん」

ゼノ「喜んで」

私はほっと胸をなで下ろすと、ゼノ様に微笑んだ。

「…良かった!では当日、楽しみにしています」

私はゼノ様にお辞儀をして、今度こそ部屋に戻って行った。


嬉しそうに去って行くカレンを見送るルイに、

ゼノがゆっくりと近づいてきた。

ルイ「…カレンは、何の用だったのだ?」

そう問われて、ルイはくるりと振り返る。

ゼノ「パーティーでダンスを申し込まれました」

ゼノ「ゼノ様と一緒に、踊りたいそうです」

ルイがそう伝えると、ゼノは少し驚いた顔をした。

ルイ「…そうか」

ルイ「…まあ、それまでには、この姿も戻るだろう」

すぐにいつもの冷静な顔に戻ると、

ゼノは部屋の中へ引き返していった。



交流会も数日目の朝…―。

私は今日もサロンに赴くため、部屋で身支度を整えていた。

傍らでは、いつも通りユーリが手伝ってくれている。

ユーリ「ゼノ様、今回は長めに滞在してくれて良かったね」

私のコルセットの紐を締めながら、ユーリはそんなことを言った。

「え?う、うん」

突然ゼノ様の話をされて、私はしどろもどろになってしまう。

ユーリ「やだなあ。もうみんな知ってるんだよ」

ユーリ「カレン様が、ゼノ様にバレンタインのチョコレートを渡したの」

ユーリ「二人は半ば公認みたいなものだよ」

「…そ、そうなの?」

思ってもみなかったことなので、私は少し驚いてしまった。

ユーリ「うん、だからそんなに秘密にしなくても大丈夫」

と、ユーリは私ににっこり笑ってみせた。

ユーリ「せっかくゼノ様が滞在しているんだし」

ユーリ「ダンスのレッスンをお願いしてみたら?」

「それは…」

(是非お願いしたいけど…)

(でも、迷惑じゃないかな?)



その後、交流会に出ると、ルイがこちらへやってきた。

「おはよう、ルイ」

「あの…ゼノ様は一緒…?」

この前二人が一緒にいたこともあって、

私はつい辺りを見回してしまう。

ルイ「まだ部屋にいるみたいだけど…」

ルイ「どうかした?」

ルイは不思議そうな顔をする。

「実は…」

私は迷った末、ルイに先ほどのユーリの提案を相談してみることにした。

「ホワイトデーのパーティーに備えて…」

「ゼノ様にダンスのレッスンをお願いしようかと思ってるんだけど」

「ご迷惑じゃないかな?」

ルイ「……」

「…あと、直接頼むの、ちょっと恥ずかしくて…」

私がそう呟くと、ルイはふっと目尻を緩めた。

ゼノ(…恥ずかしいなど、可愛いことを思っているな)

「ルイ…?…どうかした?」

ルイ「いや…」

ルイはふと我に返ったように、ふるふると首を横に振った。

ルイ「大丈夫。俺から話しておく」

ルイ「レッスンを楽しみにしているといい」

ルイはそう言い残すと、ゆっくりとサロンを出て行った…―。



その後…―。

交流会が一段落して、空に月が昇り始めた頃、

私はゼノ様に呼び出されて、ダンスホールへ急いでいた。

(ゼノ様…)

ホールに足を踏み入れると、

そこではゼノ様がひとり、私を待っていてくれた。

嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。

「ありがとうございます」

ゼノ「…どういたしまして」

ゼノ様は私に片手を差し出し、

私たちは早速ダンスを踊り始めたけれど、

しかしなんだか、私は妙な気分だった。

(なんだろう…)

(この感じ…?)

私のぎこちない様子をおかしく思ったのか、

ゼノ様が顔を覗き込んできた。

ゼノ「どうした?」

「すみません、なんだか、不思議な感じがして…」

(気のせいかな…これ、なんだか…)

(いつもレッスンをつけてもらってる、ルイみたいな感じ…)

そして、違和を感じたまま、ダンスのレッスンが終わり、

私はゼノ様へお礼を言って、ホールを後にした。


(ゼノ様にレッスンをつけてもらえて嬉しかったけど…)

(やっぱり、変な感じだったな…)

私が、腑に落ちないまま廊下を歩いていると、

向こうからやってくるルイの姿が目にとまった。

「あ、ルイ…!」

ルイ「…カレン」

ふっと顔を上げて微笑んだルイに、私は歩み寄る。

「いま、ゼノ様にレッスンをつけてもらってたの」

ルイは、笑顔で頷いた。

ルイ「そうなのか」

ゼノ(ハワード卿は代わりに行ってくれたのだな、ありがたい)

「ルイ、ゼノ様に伝えてくれて、ありがとう」

私はルイにお辞儀をすると、

その拍子につけていた指輪が指から転がり落ちてしまった。

「あっ…」

私が拾おうとしゃがみ込むと、

同じく咄嗟に身を屈めたルイと目が合った。

ルイ「……」

ルイは私の瞳から目をそらさない。

(……ルイ、どうしたの?)

私もルイの顔を見つめていると、

ルイはそのままゆっくり片手を上げて、私の頬に手を伸ばした。

「……ルイ?」

私が呼びかけると、

ルイははっという顔をして、即座に手を引っ込めた。

ルイ「…それじゃあ、おやすみ」

ルイはごまかすようにそう言うと、急いで踵を返した。

「おやすみなさい?」

(ルイ、どうしたんだろう…)

去って行くその後ろ姿を、私は不思議な気持ちで見送っていた。



ゼノ様のダンスレッスンの二日目…―。

時間になってホールへ向かうと、そこにはルイがひとりで待っていた。

「…あれ、ルイ?」

ルイ「ゼノ様、今日はお忙しくて無理らしい」

ルイ「だから、俺が代わり」

ルイは私に歩み寄って、そう伝えた。

「そっか…」

少ししょんぼりしてしまったのを隠すように、

私はルイに笑顔を向けた。

「…じゃあ仕方ないよね、ルイも忙しいのにありがとう」

ルイは私に片手を差し出し、

私はその手を取って、ダンスのレッスンを始めた。

しかし……

(あれ、ルイ…)

(いつもと少し違う…)

私はルイのダンスにちょっとした違和感を覚えていた。

(ルイ、今日のダンスはいつもより少し親しげな感じがする…)

(まるで、守られているみたいな気分…)

私が思わずルイを見上げると、

ルイは私を見つめて、とても優しい表情で微笑んでいる。

ゼノ(…こんなに近くにいるのに)

ゼノ(抱きしめることもできないとは…)



ルイ「……カレンは、ゼノ様のどこが好きなの?」

「えっ」

ルイは踊りながら、突然そんなことを聞いてきたので、

私は思わず、顔が熱くなってしまった。

(ゼノ様の、好きなところ…?)

ゼノ様のことを思い浮かべるだけで、

私は胸がいっぱいになって、顔が熱くなってきてしまう。

「…それは、たくさんあるけど……」

なんだか恥ずかしくなって、ルイをうかがうように見上げると、

ルイはにっこり笑って私を促した。

「えっと、優しくて誠実なところとか…」

(でも、そんなの一つに決められない…)

(私はゼノ様の…)

「……どんなところも好き」

はにかみながら、そう答えた。

ルイ「そうか…」

ルイは私の言葉ひとつひとつに、微笑みながら頷いた。

ルイ「…例えば、の話だけど」

ルイ「ゼノ様とこの間、こんなことを話したんだ」

ルイ「もしも俺たちが入れ替わってしまったら…」

ルイ「プリンセスはどうするのだろうかと」

「え…?」

(入れ替わる…?)

私はルイの言うことがいまいち理解できなくて、

首を傾げて聞いていた。

ルイ「ゼノ様はきっと打ち明けたくて仕方なくなる、でも…」

ルイ「カレンのことを考えると…迷ってしまう」

ルイ「カレンは、入れ替わった自分を愛してくれるだろうか…?と」

(それは…いったい、どういうこと…?)

私はダンスを踊りながら、

ルイの言葉を心の中で繰り返していた…―。



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ここで分岐

プレミアエンドorスイートエンド


*White Day Fantasia ルイvsゼノルート ルイ編Premiere End*

2014-03-30 14:57:56 | イケメン王宮☆White Day Fantasia

イケメン王宮のホワイトデーイベント、「White Day Fantasia」

ルイvsゼノルート ルイ編のプレミアエンドです



以下ネタバレ




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私は部屋で一人、悩み続けていた…―。

(もし入れ替わってしまってたら、ルイは…)

(誰にも何も言えずに、心細いだろうな…)

「やっぱり…」

(あの時のゼノ様の様子、変だった…)

私は胸の前で手を握りしめて、心を決めた。

(確かめに行こう…)

そして、ゼノ様の部屋へ急いだ…―。



真夜中…―。

私は、ゼノ様の部屋をそっとノックした。

ゼノ「…どうした」

ゼノ様がそっと顔を出す。どうやら眠っていなかったようだった。

「…あの、ごめんなさい、やっぱり気になって…」

「変なことを言うんだけど…気にしないでください」

ゼノ「……」

私はゼノ様の顔をじっと見つめる。

いざゼノ様を前にすると、

自分の考えが馬鹿馬鹿しい気がしてきたけれど、

私は思いきって口を開いた。

「…ひょとっして、ルイなの…?」

ゼノ「……」

ゼノ様は、黙ったまま、私を見つめている。

「…ご、ごめんなさい、やっぱり変ですよねそんなの」

(馬鹿なことを言ってしまった…)

恥ずかしさに慌てて顔を伏せ、私はゼノ様にわびた。

「戻ります。お邪魔しました…」

しかし、急いで去ろうとする私の手を、

ゼノ様が掴んで引き留めた。

「……!?」

(ゼノ様…?)

ゼノ「……もしそうだとして」

ゼノ「カレン、このまま俺のことを愛せる…?」

ゼノ様はそう言って、私の手を強く握った。

「やっぱり、ルイ……?」

「そうなのね……?」

ゼノ「俺の体の方の中身はゼノ様になってる」

私がその顔を深く覗き込むと、

ルイは深く頷いた……。

「……そんな」

私は驚いて、ルイの額に手を当てる。

(黒い髪に眼帯、その見た目はゼノ様なのに……)

「どうして……」

ルイは、一瞬苦しそうな表情をして、

私の肩に手をかけて、抱き寄せようとする。

それから少し躊躇して、その手を離した……。

ゼノ「……触れられない」



「え?」

ゼノ「だって、今の身体はゼノ様だから」

そして、ルイは私の身体をそっと遠ざけた。

「ルイ…」

ゼノ「辛いけど、しばらく我慢して」

そして、ルイは半ば強引に部屋のドアを閉めた。

(ルイ…)

(いったい、どういうことなの…?)

私はしばらく閉じられたドアを見つめて、

廊下に立ち尽くしていた…―。



そうして迎えたホワイトデー当日……―。

私は昨日のショックから立ち直れずにいた。

(まだ夢みたい…)

(ルイがゼノ様と入れ替わってしまってるなんて…)

そんなことを思いながら身支度をしていると、

ドアをノックしてユーリが現れた。

ユーリ「おはよう、カレン様」

「おはよう、ユーリ…それは?」

ふと見ると、ユーリの手には綺麗にラッピングされた箱が携えられていた。

ユーリ「これ、今朝カレン様の部屋の前に置いてあったんだ」

ユーリ「なんだろうね?」

手渡されて、ラッピングを解いてみると

中には可愛い靴が一足、入っていた。

「素敵…」

(ルイだ……)

開けた途端に、私にはピンときた。

(バレンタインのお返しをちゃんと用意してくれてたんだ…)

(でも、姿はゼノ様だから、部屋に入らずに置いていって…)

私はその時のルイの気持ちを想像すると、

素直に喜べずに、また悲しくなってきてしまった。

ユーリ「履いてみて、カレン様」

傍らでユーリが無邪気な声を上げている。

私は頷いて、靴を履いてみた。

サイズも好みも私にぴったりで、

私のことをとてもよく知ってる人が贈ってくれたものだと分かる。

(ルイ……)

ユーリ「今日はこれで、ダンスを踊るんでしょう?」

「うん…」

ふと見ると、箱の中に靴と一緒にメッセージカードが添えられていた。

『どんな時も、君を愛している。 ルイ=ハワード』

と、そこには書かれていた。

(ルイ…)

ルイの気持ちが嬉しくて、私は胸がじんわり温かくなってきた。

(うん、どんな時でも、私もルイが好き…)

(それは、いつだって本当だもん…)

なんだかルイの真心に触れた気がして、

さっきまでの悲しさが、だんだん薄らいでいった。

(ルイが一番辛いんだもん、がんばらなくちゃ…)

私は気を取り直して、仕度を済ませると、パーティー会場へ向かった。



パーティー会場に着くと、

たくさんのお客様に混じって、ルイが私を待っていた。

ルイ「…カレン、ダンスの約束を覚えてる?」

ルイはそう言って、私に手を差し出す。

「…はい」

(でも、このルイは…)

(ルイじゃないんだ……)

私は緊張した面持ちで頷くと、その手を取った。

やがて、曲が始まり、私たちはダンスを踊り始める。

ルイ「…靴、履いてくれたんだね。やっぱりよく似合う」

私に顔を寄せて、嬉しそうにルイは微笑んだ。

その様子に、なんだか私は胸が苦しくなった。

「あの、私…知ってるんです、無理しないで大丈夫ですから」

「ゼノ様……」

私がおずおずと周りに聞こえないようにそう囁くと、

ルイはふっと笑みを漏らした。

ルイ「……無理なんかしてない」



ルイ「この通り」

ルイはさらに顔を寄せると、私の唇に軽くキスをした。

「えっ、ルイ……!?」

(まさか…)

「ルイなの…?」

ルイ「うん」

私が小声で尋ねると、ルイは笑顔で頷いた。

「なんで、どうして…?」

私は踊りながらも、訳がわからず混乱してしまう。

ルイ「今朝、目が覚めたら戻ってた」

ルイ「心配させて、ごめん」

「そうなの…?」

(本当に…?)

私はほっとして、ルイの頬に手を当てる。

(ルイが戻って来た……)

すごく驚いたけれど、

何より安心して胸のつかえがすっと取れていくのが分かった。

「良かった……」

私がそう呟くと、ルイは優しい笑顔で頷いてくれた。

私たちは、そのまま微笑みあってダンスを踊り続けた…―。



その後…―。

パーティーが無事終わって、私はルイと部屋に戻ってきた。

ルイは、ほっとした表情で、ソファでくつろいで紅茶を飲んでいる。

「…良かった。もうちゃんと、ルイなんだね?」

私はその様子を、にこにこして見つめていた。

ルイ「そうだよ」

なんだか、こうしているとルイがゼノ様と入れ替わってしまったなんて嘘みたいに思える。

(でも、あの時のゼノ様は、確かにルイだった…)

「どうして、そんなことが起こったんだろう?」

ルイ「さあ…不思議だね。星の気まぐれかな」

ルイはくすりと微笑んだ。

私はその笑顔がたまらなく愛しくなって、

ルイにそっと歩み寄る。

「…もう、触れてもいい?」

ルイ「いいよ」

そう言って、ルイが手を広げてくれたので、

私は思わずその胸に飛び込んだ。

ルイは私を抱き留めて、自分の膝の上に乗せた。

ルイ「嬉しい、やっとカレンを抱きしめられる…」

ルイは私を抱きしめて、頬にそっとキスをした。

(ルイ……)

ルイ「…カレン。ちゃんと渡せなかったから」

ルイ「もっとよく見ていい?」

「うん、いいよ…?」

私がよく分かってないまま返事をすると、

ルイは私のドレスに手を添えて、裾を膝上までたくしあげた。

「あっ…」

ルイ「やっぱり、靴、よく似合ってる」

ルイは私のあらわになった足を眺めている。

「ルイ…」

恥ずかしくて、俯いている私の耳元で、ルイは囁いた。

ルイ「…俺、カレンにもっと触りたい」

ルイ「いい?」

(ルイ…)

私は照れくさくて、顔を伏せたまま、頷いた。

すると、ルイは身体を起こして、私の靴とタイツを丁寧に脱がせて、

跪くと、くるぶしにキスをした。

(くすぐったい…)

恥ずかしさに身をよじると、

ルイは私の足を押さえて、更にドレスをまくり上げた。

ルイ「逃げないで」

ルイはそう言って、足先から膝に唇をゆっくりと沿わせると、

太ももの間に、冷たい手を滑り込ませた。

ルイ「カレン…」

ルイ「触れられなかった分、触らせて…」

そう呟いたルイの指が、私の太ももの内側を這っていく。

(ルイ…)

服の隙間に指が入り込み、身体の芯をそっとなぞった。

(…っ)

思わず、私は小さく震えて身体を反らした。

ルイ「もっと見せて。たくさん…」

ルイがそう囁いて、私の身体に覆い被さる。

「うん……」

ルイの肩越しに見えた窓の外には、星が変わらず瞬いていた…。



---------------------


おわり


今回のはルイゼノルートが一番好きですー

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*White Day Fantasia ルイvsゼノルート ルイ編Sweet End*

2014-03-29 10:32:59 | イケメン王宮☆White Day Fantasia

イケメン王宮のホワイトデーイベント、「White Day Fantasia」

ルイvsゼノルート ルイ編のスウィートエンドです



以下ネタバレ




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私は部屋で逡巡していた…―。

(でも確かに、あの時のゼノ様の様子、変だった…)

(確かめに行ってみよう…)

私は身支度を整えると、ルイの部屋に急いだ…―。


客室のドアをそっとノックすると、しばらくしてルイが顔を出した。

「ねえルイ…明日のダンスのことだけど」

ルイ「光栄です。プリンセス」

ルイは、私を迎え入れて微笑むと、突然跪いて、手のひらにキスをした。

「ル、ルイ?」

ルイ「明日は、どうぞよろしく」

「こちらこそ…よろしく…」

ルイの勢いに押されて、そのまま私は部屋を後にした。

(やっぱりなんか変な気がするけど…)

(…でも、ルイだよね…?)


そのしばらく後…―。

ルイもまた、ゼノの元を訪れていた。

二人は部屋で向かい合って、ルイの手には、綺麗な箱が携えられている。

ゼノ「…これを、明日の朝、カレンにプレゼントしてほしい」

ルイがそう言って箱を広げると、

そこには白い花がつま先にちりばめられた、靴が入っていた。

ルイ「…カレンには白い色が映えるからきっとよく似合うだろうな」

ゼノがそう言うと、うっすらと笑って、ルイは頷いた。

ゼノ「それから、ダンスを踊ったら、俺の思いを伝えてほしい」

ゼノ「…愛していると」

ルイ「……」

ゼノは目を細めて、しばらくルイを見つめていたが、

やがてその思いを受け止めたように口を開いた。

ルイ「……了解した」



そして迎えた、ホワイトデーのパーティー当日…―。

私は部屋で身支度を整えていると、

ドアをノックする音がして、ルイが顔を出した。

ルイ「プリンセス」

「あ、ルイ。おはよう」

その手には、大きな箱が携えられている。

不思議に思っていると、ルイはそれを私に差し出した。

ルイ「今日は、これを履いてくれないか?」

言われるままに開けてみると、箱の中身はきれいな靴だった。

「わあ……!」

早速履いて、その姿をルイに見てもらう。

「ありがとう…ルイ」

お礼を言うと、ルイはにっこりと頷いた。

ルイ「どういたしまして」

そのままルイに手を取られて、私たちはダンスホールへ向かった。


ホールでは、たくさんのお客様が私たちを迎えてくれた。

ゼノ様もその中にいて、私たちを見ると眩しそうに目を細めた。

ゼノ「…カレン、靴、よく似合ってる」

ゼノ様は私を見ると、ぽつりとそう呟いた。

「ありがとうございます」

ゼノ「カレンは白い花が映えると、ルイも言ってた」

ゼノ「本当だね」

ゼノ様はとても靴を褒めてくれているのに、

なんだかその表情はとても切なく、辛そうに見えた。

「ゼノ様…?」

(どうして、そんな辛そうな表情をするの…?)

私が気がかりでいると、不意にホールにワルツが流れてきた。

お客様たちが、急かすように私とルイをホールの真ん中へ促す。

(ゼノ様…)

ゼノ様は私たちの様子を、やはりどこか寂しそうな表情で見つめていた。

ルイ「さあ…」

傍らのルイが、私の手を取る。

しかし、私はゼノ様から目が離せないでいた。

(なんだか名残惜しいけど、行かなきゃ……)

「では…」

お辞儀をして、ゼノ様に背を向けたとき、

ふと誰かに腕を掴まれた。

「あ……」

振りかえると、

ゼノ様が、とても切なげな顔をして、私の手を掴んでいた。

ゼノ「カレン……」

(どうしたんだろう…)

「ゼノ様…?」

私が問いかけると、ゼノ様ははっとした様子で、慌てて手を離した。

ゼノ「ダンス、期待してるぞ」

「はい……」

(なんだろう…)

(この変な感じは…)

私は後ろ髪をひかれる思いで、ルイとダンスを踊り始めた。

ルイ「…上手だ」

ルイ「カレンが俺とダンスを踊りたいと言ってくれて、嬉しいよ」

ルイは私の目の前で微笑んで、そう言ってくれるけど、

私はやっぱり、どこか違和感を感じていた…。

(やっぱり、なんだか変…)

「ルイ…」

(本当に、ルイなの…?)

そこで私はふと、ルイに問いかけた。

「ねえ、ルイ。覚えてる…?」

「バレンタインデーに私が言った言葉」

私とルイしか、知るはずのない出来事を……。

ルイ「………」


一方、その頃…。

ルイはひとり、バルコニーに出て行った。

そして溜息をついて、ひとり夜空を見上げ、

慣れない眼帯に手を当てた。

ルイ(これから、どうしたら…)

ルイ(カレンを、失いたくない……)


「ねえ、ルイ。覚えてる…?」

「バレンタインデーに私が言った言葉」

私がそう尋ねると、ルイは驚いたように目を見開いた。

ルイ「戻った…」

「え……?」

私が首を傾げると、ルイはまた微笑んで、目尻を緩めた。

ルイ「うん…もちろん覚えてる」

ルイは耳元でそう囁く。

ルイ「カレン、どんな俺も好きだって」

その言葉を聞いて、私は思わず笑顔になった。

「ルイ……」

「そう、私…どんなルイも好き」

(不思議…この感じ)

(やっとルイが戻ってきたみたい…)



「覚えててくれて、嬉しい」

ルイ「うん」

ルイは頷くと、私の身体を引き寄せて、

ダンスの足を止めて、抱きしめてキスをした…。

(ルイ…)

(みんな、見てるのに…)

周囲から、お客様のざわめきが聞こえてくる。

しかし、ルイは気にせぬ様子で唇を離すと、

にっこり笑って、私の手を取った。

ルイ「行こう、カレン」

「え?うん」

ルイに連れられて、私たちはホールを後にした…―。


私はルイに手を引かれて、庭園まで小走りでやってきた。

ホールの喧噪はここまでは届かず、辺りはひっそりとしている。

(みんな、大丈夫かな…?)

私はお客様を置いてきてしまったのを、少し気にしていた。

「ルイ…どうしよう?」

ルイ「大丈夫。カレンが俺にチョコをくれたのはみんな知ってる」

ルイ「公認の関係になっただけ。少しなら平気だよ」

ルイはそう言うと、歩み寄って私の顎に手を添えた。

ルイ「…キス、してもいい?」

「うん」

ルイは両手で私の頬を挟み、優しく唇を重ねた。

(ルイ…)

やがて顔を離すと、ルイは私の額に自分の額をつけた。

ルイ「カレンが俺じゃない誰かを見ているのは、耐えられなかった……」

ルイ「もう二度と、離したくない……」



そう言って、ルイは私を強く抱きしめた。

(どういう意味だろう…)

(もしかして本当に…あの時のゼノ様はルイだったとか…?)

私はふと、ルイを見上げる。

「まさか、ね…」

ルイは私と視線を合わせると、優しい笑顔で私の瞳を覗き込んだ。

ルイ「ねえカレン、ずっと俺の側にいて…」

「…うん」

ルイに抱き締めだれながら、私は幸せな気持ちで夜空を見上げる。

見上げると、空には満点の星が瞬いていた…―。




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おわり


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*White Day Fantasia ルイvsゼノルート ルイ編第2話*

2014-03-28 09:44:07 | イケメン王宮☆White Day Fantasia
イケメン王宮のホワイトデーイベント、「White Day Fantasia」

ルイvsゼノルート ルイ編の第2話です



以下ネタバレ




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私は急いでゼノ様の部屋へ引き返し、再びドアをノックした。

しばらくして、ゼノ様がひょっこりと顔を出す。

「…あ、度々申し訳ありません。ゼノ様」

ゼノ「え…?」

ルイ(…あ、そうだ。俺は今、ゼノ様だった)

ゼノ様はこほん、と咳払いすると、背筋を正した。

ゼノ「…どうかしたか?」

「あれ、ルイはもういないんですか?」

私は、部屋の中を覗き込む。

ルイ(カレン、俺を探してるんだ…)

ゼノ「いや…、でもその辺にいると思うから」

ゼノ「彼に用なら、代わりに伝えておくが…」

ゼノ様がどこかたどたどしく答えた。

「いえ、そんなっ……」

私は恐縮して、首を横に振る。

「たいした話ではないので、自分で探します」

ゼノ「…そうか」

「では…」

私はお辞儀をすると、ゼノ様の部屋を後にして、

ルイを探しに出かけることにした。

ルイ(…カレン、俺に何を伝えるつもりなんだろう?)

ルイ(ちょっと、様子を見に行ってみようかな…)



私は廊下を歩いていると、

部屋に戻ろうとしているルイの後ろ姿を見つけた。

「いた…ルイ!」

私が小走りに駆け寄ると、

ルイは振り返って微笑んだ。

ルイ「…ああ、お前か」



「え、…ルイ?」

ゼノ(しまった…)

「…ごめん、突然話しかけて驚いちゃった?」

ゼノ「あ、ああ。どうかした?」

「実は、ホワイトデーの日のパーティーで…」

「一緒に、ダンスを踊ってほしいなって思って…」

(思い切って頼んでみたけど、やっぱり少し恥ずかしいな…)

自分の顔が火照っていくのがわかる。

ルイはそんな私を見つめて、目を細めた。

ゼノ(そうか、ハワード卿はたしか…)

ゼノ(カレンのダンスのレッスンをしていた…)

ゼノ(二人は、恋人同士なのだろうか…)

ゼノ(返事は、確かめてからした方がいいかもしれないな)

ルイは、しばらく何か考え込んでから、不意に口を開いた。

ルイ「…カレンは俺のことが、好きなの」

「えっ……?」

(そ、それは……)

(もちろん好きだけど…)

「う、うん…」

私は、ぎこちなく頷くと、恥ずかしくなって俯いた。

(ルイ、急にどうしたんだろう…?)

すると、背後からすたすたと足音が聞こえてきた。

(……?)

顔を上げると、

ゼノ様が歩み寄ってきて、私たちの間に入ってきた。

ゼノ「……失礼、ちょっと、ハワード卿」

ルイ「あ、ああ」

ゼノ様は、ルイの袖を掴んで、何事か視線を送っている。

ゼノ「ごめん、プリンセス。また後で」

「え?あ、はい…」

(なんか…)

(変だなあ、二人とも……)

私はやはり首を傾げながら、二人を後にして部屋に引き上げた。


カレンを見送った後も、ルイとゼノは廊下で立ち話を続けていた。

ゼノ「…チョコレートをもらったんです」

ルイ「ん?」

そう告白するルイに、ゼノが片眉を上げて問い直す。

ゼノ「バレンタインに」

ルイ「あ、ああ。なるほど、そういうことだったのか」

ゼノ「いや…俺も言わなかったから」

ルイは言いにくそうに口ごもる。

ルイ(本当は嫌だけど、俺がカレンと踊りたいけど…)

ゼノ「ゼノ様、俺の代わりにカレンとダンスを踊って頂けますか?」

ルイ「…分かった」

ゼノはふっと微笑むと、頷いた。




そして、ホワイトデーの前日…。


私はサロンで交流会に出席して、

ゼノ様と紅茶を飲みながら、話をしていた。

ゼノ「…パーティー、楽しみだな」

朝から城の中をメイドたちがせわしなく準備に駆け回っているのを見て、

ゼノ様はそう言った。

「いよいよ明日ですもんね」

楽しみで、私も自然と口元が綻んでしまう。

すると、ゼノ様は何か言いたげにじっと私の顔を見つめていた。

ルイ(カレン、可愛いな…)

ゼノ様は、微笑みながらゆっくり私の方に手を伸ばしてくると、

そっと頬に触れた。

ゼノ「そういう顔は、俺以外には……」



「…えっ」

私は少し驚いて、かぶっていた帽子を落としてしまった。

(ゼノ様…?)

ゼノ「……いや」

ゼノ様は、ふと視線を落として軽く首を振ると、床から帽子を拾ってくれた。

ゼノ「すまない、なんでもない」

そんなゼノ様の様子を見て、私は何故か胸が詰まる思いがした。

「ルイ……?」

どうしてだろう、思わずその名を口走ってしまった。

ゼノ「………!」

ゼノ様は驚いたように目を見開いている。

「…そんなわけないですよね」

私は慌てて首を振る。

「今、一瞬ルイと話しているみたいな気がして…」

「すみません、変なこと言ってしまって…」

(ゼノ様に失礼をしてしまった…)

私が反省していると、

ゼノ様は目を細めて、こちらをじっと見つめている。

ゼノ「……」

ゼノ「そうだと言ったら、どうする?」



「えっ…?」

ルイ(気付いてほしい、カレン…)

ゼノ様はどこか悲痛そうな表情をして、私から視線を逸らさない。

(ゼノ様…?いったい……)

私が戸惑っていると、

ゼノ様はやがてふっと溜息を漏らした。

ゼノ「…冗談だ」

悲しげな顔のまま、ゼノ様は席を立つ。

「……」

(ゼノ様……)



その日、交流会を終えて…

私は部屋で一人、ゼノ様との出来事を思い出していた。

(あの時のゼノ様の台詞…)

―ゼノ「そうだと言ったら、どうする?」

(どうしても気になる…)

(あの言葉は…いったい、どういう意味…?)

私は、落ち着かず一人で部屋の中を歩き回って、

ゼノ様の言葉ひとつひとつを思い返していた。

―ゼノ「そういう顔は、俺以外には……」

「……」

「まさか、本当にルイ……?」

(そんな馬鹿な…)

突拍子もない考えが頭をよぎって、慌てて首を振って打ち消す。

「でも、あの時のゼノ様のすごく真面目な表情…」

(もし、万が一…)

(ゼノ様とルイが入れ替わっていたとしたら…)

(私はどうすれば……?)

私は、ルイの気持ちを想像してみた…―。




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ここで分岐

プレミアエンドorスイートエンド


*White Day Fantasia ルイvsゼノルート 共通第1話*

2014-03-27 09:34:23 | イケメン王宮☆White Day Fantasia

イケメン王宮のホワイトデーイベント、「White Day Fantasia」

ルイvsゼノルート 共通第1話です



以下ネタバレ




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冬の寒さも和らぎつつある暖かなとある午後…―。


ウィスタリアでは、国内外の要人を招いて、

他国交流会が開催されていた。

(こうしてかかわり合いを持つことで)

(ウィスタリアと良好な関係を持ってもらおうという狙いなんだけど…)

あたりを見渡すと、シュタインの国王ゼノ様や、

国内でも有力な貴族であるハワード卿、ルイをはじめ、

お客さんが沢山訪れて、思い思いに談笑している。

(楽しんでいただけてるみたいで、良かった…)

ユーリ「すごいねえ」

会の盛況ぶりを見て、ユーリは感嘆の声を上げた。

ユーリ「これなら、最終日のパーティーもきっと盛り上がるね」

「パーティー?」

ユーリ「あれ、まだ聞いてなかった?」

ユーリ「交流会の最後の日はホワイトデーでしょ?」

ユーリ「すごく盛大なパーティーを予定してるって、ジルが言ってたよ」

「そうなの?」

(ホワイトデー…)

(あの人も、パーティーに出席してくれるかな…?)


私がバレンタインデーのことを思い出して、

胸をときめかせていると、

そんな私を見て、傍らでユーリがくすっと笑みを漏らした。

ユーリ「ねえ、カレン様」

ユーリ「あの方も、来てくださって良かったね」

と、私に目配せをする。

「えっ」

心を見透かされたようで、私はちょっとどきっとした。

ユーリ「あの人から、チョコのお返しもらったら、教えてね」

ユーリは私の耳元でこそっと呟くと、自分の持ち場へ戻って行った…―。


私はサロンを見渡すと、

そこにゼノ様の姿を認めて、傍に歩み寄った。

「ゼノ様、お変わりなく」

ゼノ「お招き感謝する、プリンセス」

傍らにいたアルバートにも、会釈をする。

アルバート「数日間、お世話になります」

「どうぞ、ごゆっくりしていってください」

「めったにない機会ですから」

私はにっこりと二人に微笑んだ。

「これを機にウィスタリアに親しんでいただけると嬉しいです」

ゼノ「そうさせて貰おう」

ゼノ様は私に笑みを返し、持っていたグラスを掲げた。

「では……」

私はまた会釈をするとその場を離れ、改めてサロンを見渡した。

(あ、ルイ…!)

窓際で一人佇んでいるルイを見つけて、軽く手を挙げて近づいていく。

ルイ「ん…」

ルイ「忙しそうだね、カレン」

ルイは振り返って、小さく手を振った。

「うん、ねえルイ。最終日にはパーティーがあるんだって」

私はルイに、さっき聞いたパーティーのことを話してみた。

「楽しみだね?」

ルイ「うん。カレンも、準備頑張って」

ルイはにっこりと微笑んだ。

ルイ「何か力になれることがあったら言って」

「ありがとう、ルイ」

私は次のお客さんの元へ行くために、ルイの元を離れた。

(さあ、もうちょっと頑張ろう)

そのとき、窓の外で夜空の星が何かを告げるように瞬いた…―。




交流会も数日目となった気持ちのよい朝のこと…―。


ゼノはいつものように目覚めると、

服を着替えようと、ベッドから身体を起こした。

ルイ「さて、今日の予定は……アルバート、いるか?」

ルイ「アルバート…?」

その呼びかけに応えて、部屋のドアがノックされた。

メイド「お呼びですか、ルイ様」

ルイ「…? アルバートは…」

メイド「…お目覚めでしたら、ご朝食をお持ちいたしましょうか?」

ルイ「……」

ルイ「…ああ、たのむ」

不思議そうな顔をしたまま、ルイは運ばれてきた朝食に手を付けた。

その時、手にしたナイフに映った自分の姿を見ると…

ルイ「………?」

ルイは、驚いた顔をして、足早にスイートルームへ向かい、

鏡に映った自分の姿を見て絶句した。

ルイ「なんだ、これは……?」


一方、同じ頃……。

別の客室で、ルイもまたむくりと起き上がると、

目をこすりながら、バスルームへ向かった。

ゼノ「……」

そこへドアをノックする音が聞こえて…。

アルバート「お目覚めですか?」

アルバート「お仕度がすみましたら、今日の予定をお話しますのでお呼びください」

ルイは呆然とその場に立ちつくす。

ゼノ「………誰?」


そのしばらく後…―。

身支度を整えたルイが、ひとりドレッサーの鏡を見つめていると、

部屋のドアが静かにノックされた。

ゼノ「どうぞ…」

ゆっくりとドアが開くと、そこには『ルイ』の顔が覗いていた。

ルイ「…少しいいか」

ゼノ「はい」

ゼノ「俺も貴方に会いにいこうと思っていました」

ゼノは、部屋の中に身体を滑り込ませると、まっすぐにルイを見つめた。

ルイ「…率直に聞こう」

ルイ「貴公は、ルイ・ハワード卿か」

ゼノ「…はい」

ルイは深刻な顔をして頷いた。

ゼノ「貴方は…俺の中身は、ゼノ=ジェラルド様?」

ルイ「ああ……」

ゼノ「……」

二人はどちらともなく黙り込み、互いの顔を見つめていた。

ルイ「どうにも信じられんことだが…」

ルイ「…なぜか、我々の中身が入れ替わってしまった、ということか?」

ゼノ「どうやら、そうみたいですね……」

そう言ったきり、二人は再び口をつぐんで、

鎮痛な面持ちで、黙りこんでしまった…―。




交流会にも慣れてきた、天気の良い、晴れた日の朝…―。


朝食を終えた私は、ホワイトデーのパーティーのことを伝えようと、

ゼノ様の部屋に向かっていた。

(ゼノ様、いらっしゃるかな…?)

ドアをノックすると、しばらくして、ゼノ様が顔を出した。

「ゼノ様、よろしいですか…?」

「ちょっとお伝えしたいことがあって…」

ゼノ様は頷いたけれど、

その向こうに、意外な人物の姿が見えて、私は驚いた。

「あれ、ルイもいたの?」

(ゼノ様の部屋で、ルイが話し込んでいるなんて珍しい…)

私が驚いていると、ルイは曖昧に頷いた。

「ルイとゼノ様、二人で一緒にいるなんて…お二人は親しいのですか?」

ルイ「…ああ、今回話してみて妙に気があってな」

ルイがちらりと、ゼノ様に目配せしたように見えた。

ゼノ「…それでカレン、何の用…だ?」

「実は最終日のホワイトデーにパーティーをすることになったので」

「準備がいると思って知らせにきたのですが…」

そう言いかけた私を、ルイが遮った。

ルイ「わかった、わざわざありがとう」

ルイ「申し訳ないが…、今少し取り込み中なのだ」

「え?は、はい」

ルイ「詳しい話は、また後ほど…」

そして、ルイはドアに手をかけた…―。


(なんだか二人ともいつもと様子が違うみたい…?)

(私、何かしちゃったのかな…)

私が少し気にしていると、去り際にゼノ様に引きとめられた。

ゼノ「…カレン、そのネックレス、可愛い」

ルイ「本当だ。よく似合っている」

ルイもそう言って、にっこりと微笑んだ。

「そうですか?ありがとうございます」

(気のせい…なのかな?)

二人にお礼を言って、ひとまず私は部屋を後にした…―。



カレンが去っていくのを見送って、

ルイとゼノはほっと胸をなでおろした。

ルイ「にわかには信じがたいことだが…」

ルイ「入れ替わったのが事実である以上、受け入れざるを得ないな」

と、ゼノはため息をつく。

ゼノ「そうですね…」

ルイもまた、困り顔で頷いた。

ルイ「嘆いても仕方ない。今後の対応を考えなければ」

ゼノ「…でも、どうすれば?」

ゼノ「こうして、入れ替わっていることを…」

ゼノ「カレンや周りの人たちに、どうやって説明すればいいのか…」

ルイ「…ありのままに話したところで」

ルイ「まず、頭がどうかしたと思われるだろうな…」

ゼノは悩まし気に眉根を寄せる。

ゼノ「……」

二人はしばらく黙り込んだあと、申し合わせたように目を合わせた。

ルイ「…黙っているのが得策だな」

ゼノ「俺も、そう思います」

ルイとゼノは、そう言って互いに頷き合った。

ルイ「しばらく、それらしく振る舞おう」

ルイ「頼んだぞ」



ゼノ様の部屋を後にして、

私は一人、廊下を歩きながら、やはり首を傾げていた。

(ネックレスを褒めてもらえて嬉しかったけど…)

(二人とも、やっぱりどこか変だったな……)

「…あっ!」

(肝心なことを言い忘れてた!)

私は大事なことを伝え忘れたと思いだして、

急いで部屋へ引き返した…―。



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ここで分岐

ルイorゼノ


つづきます


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