イケメン王宮の少し前のイベント、「Princess Wedding」
こちらはSecret End です
ゼノ様目線の話ですよー
↓以下ネタバレ
--------------------
ゼノ「待たせたな」
「ゼノ様・・・・・・?」
見下ろすと、カレンが頬を赤く染めている。
どこか夢を見るようなその瞳に、ゼノの胸の内が音もなくざわめいた。
(おかしな感覚だな)
ゼノ「ああ、悪かった」
名前も知らないその想いから意識を逸らし、ゼノが手を伸ばす。
そうしてカレンの身体を横抱きにすると、
腕や胸元にその柔らかな身体が触れた。
触れた場所から、わずかに痺れていくのがわかる。
(・・・・・・なんだ?)
ゼノ「とにかく、すぐ城に戻らねばならない。急ぐぞ」
告げると、カレンが戸惑いながらもぎゅっと腕に力を込めた。
その力に、鎖骨あたりの鼓動が跳ねるのに気づいていた。
城に戻ると急ぎ公務を終え、ゼノはダンスホールに向かっていた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
暗がりの窓には、礼服に着替えた自分の姿が映っている。
(自ら進んで、このような場に行くとは思わなかった)
(変わるものだな)
アルバート「・・・・・・ゼノ様、いかがされました?」
後ろを歩くアルバートを振り返り、ゼノがふっと目を細めて訊く。
ゼノ「・・・・・・アル、お前には俺が変わったように見えるか?」
アルバート「変わった?」
アルバートが眼鏡の奥の目を細め、わずかに首を傾げる。
アルバート「・・・・・・そういえば、アレが言っていましたが」
ゼノ「・・・・・・?」
ユーリ「カレン様と出会ってから、ゼノ様の表情が変わったと思わない?」
アルバート「なに?」
ユーリ「すごく、優しくなったよね」
アルバート「まあ、勘違いかもしれませんが」
ゼノ「・・・・・・なるほど」
前に向き直りながら、ゼノが呟きをこぼす。
(優しい、か。俺にとっては喜ばしい言葉ではないな)
(ただ・・・・・・)
ゼノ「悪くはない」
アルバート「・・・・・・?」
届かなかった呟きに、アルバートはただ首を傾げていた。
舞踏会会場の階段を、ゆっくりと降りていく。
するとその下に、見上げるカレンの姿を見つけた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
その姿は人ごみにも紛れることなく、ゼノの目にはっきりと映る。
(どうも俺には、カレンだけが特別らしいな・・・・・・)
ゼノが目を細め、カレンの目を見つめ返す。
その視線に、胸の奥を掴れたような感覚に陥った。
(その目に捕らえられれば、もう逃げ出すことは出来ない・・・・・・か)
そうしてカレンの手を取り、ゼノはダンスを踊り始めていた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
カレンのドレスの裾が翻るたび、辺りからため息がこぼれる。
その瞬間、ダンスの前のカレンの言葉を思い出した。
「ゼノ様が、綺麗で驚いてしまって・・・・・・」
(驚く・・・・・・?)
ゼノが視線を逸らし、辺りを見渡して思う。
(それは、こちらの台詞だ)
やがて音楽が止まると、ゼノはぴたりと足を止めた。
「・・・・・・ゼノ様?」
見上げるカレンの手を引き、何も告げないまま歩いていく。
「あの、どこへ・・・・・・」
ゼノ「約束していただろう」
振り返り告げると、カレンの頬に見る間に赤みが差していった。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
ゼノは自分で考えるより前にカレンの手をぐっと引き寄せていた。
「・・・・・・っ」
倒れ込んだカレンの額が、ゼノの胸に触れた。
そうして戸惑うカレンの身体をマントで隠すように歩いていく。
(カレンといると、喉の下辺りが軋む時がある・・・・・・)
(この感覚を、何というんだ?)
それはわずかに苦しく、甘い感覚だった。
その答えは出ないまま、けれど確かなことは一つある。
(あの表情は、俺だけに見せていればいい)
教会近くの森に辿りつくと、
ゼノはカレンの身体を馬から抱き降ろした。
その身体はふわりと軽く浮きあがり、白いベールを揺らす。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・ゼノ様?どうかしましたか?」
名前を呼ばれ、ゼノは微かに眉をぴくりと動かした。
(婚姻は、国や家同士の契約だ・・・・・・そう思ってきたが)
腰に置いた手に力を込め、ゆっくりと額を近づける。
そうして額をカレンの髪につけると、深くため息をついた。
(たとえ振りだとしても、繋ぎとめておきたいと思う)
(そうでもしないと・・・・・・)
ゼノ「飛んでいきそうだからな」
「え・・・・・・飛ぶ?」
掠れた声で尋ねるカレンに、ゼノがふっと笑う。
ゼノ「・・・・・・なんでもない」
(この姿のカレンを見ると、忘れていたはずの幼い頃を思い出す)
(側にあった大切なものが、すり抜けていくあの感覚・・・・・・)
幼い頃を思い出すだけで、背中がすっと冷えた。
教会で形ばかりの結婚の誓いを終えると、
ゼノはカレンと共に夜の湖を訪れていた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
湖には、満月が水面に浮かんでいる。
(綺麗なものは、やがて壊れる・・・・・・)
湖の月は風が吹くだけで簡単に揺らいでしまった。
(だが俺は、ただ黙ってみているわけにはいかない)
その時、見上げるカレンの視線に気がついた・・・。
見上げる視線に気がつくと、ゼノがわずかに唇を開いた。
(ああ・・・・・・この目だ)
ゼノ「カレン・・・・・・」
名前を呼ぶと、カレンの身体をそっと抱き寄せる。
(カレンが隣にいると、確かに温かさを感じる)
ゼノには、その感覚を言葉にする術はなかった。
(だが、同じくらい・・・・・・)
胸におしあてられるカレンの前髪の感覚に、ゼノの左胸奥が跳ねる。
ゼノ「・・・・・・婚礼が夢だとは、思ったことはなかった」
ゼノ「むしろ、通過点だと思っていたからな」
(カレンを離さないために、今俺はどんな非情にもなれる)
(・・・・・・恐ろしいな・・・・・・)
ゼノ「お前といると、新しく気づかされることばかりだ」
口にすると、ほうっとため息がこぼれた。
(なるほど、これが永遠を誓うということか)
「・・・・・・私もです」
背中に回る手を感じ、ゼノが口元に笑みをにじませる。
(道の先にあるものが『永遠』だとは限らない)
(それを見たければ、道は自分でつくらなければならないのだな)
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
やがてカレンの頬に手を触れると、その顔が見える。
眉も目も鼻も唇も、全てが愛おしくたどりたい衝動にかられた。
指先で頬をなぞり降りると、カレンがぴくりとまぶたを揺らす。
そうしてゆっくりと目を閉じるカレンに、ゼノは唇を重ねた。
(・・・・・・これは、誓いの印だ)
(俺はお前に、永遠を見せよう)
-----------------
以上です
ゼノ様・・・・・・
無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、彼目線の話が買えちゃう裏ワザ!
↓↓↓
イケメン王宮★裏ワザ1
イケメン王宮★裏ワザ2
イケメン王宮★裏ワザ3
こちらはSecret End です
ゼノ様目線の話ですよー
↓以下ネタバレ
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ゼノ「待たせたな」
「ゼノ様・・・・・・?」
見下ろすと、カレンが頬を赤く染めている。
どこか夢を見るようなその瞳に、ゼノの胸の内が音もなくざわめいた。
(おかしな感覚だな)
ゼノ「ああ、悪かった」
名前も知らないその想いから意識を逸らし、ゼノが手を伸ばす。
そうしてカレンの身体を横抱きにすると、
腕や胸元にその柔らかな身体が触れた。
触れた場所から、わずかに痺れていくのがわかる。
(・・・・・・なんだ?)
ゼノ「とにかく、すぐ城に戻らねばならない。急ぐぞ」
告げると、カレンが戸惑いながらもぎゅっと腕に力を込めた。
その力に、鎖骨あたりの鼓動が跳ねるのに気づいていた。
城に戻ると急ぎ公務を終え、ゼノはダンスホールに向かっていた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
暗がりの窓には、礼服に着替えた自分の姿が映っている。
(自ら進んで、このような場に行くとは思わなかった)
(変わるものだな)
アルバート「・・・・・・ゼノ様、いかがされました?」
後ろを歩くアルバートを振り返り、ゼノがふっと目を細めて訊く。
ゼノ「・・・・・・アル、お前には俺が変わったように見えるか?」
アルバート「変わった?」
アルバートが眼鏡の奥の目を細め、わずかに首を傾げる。
アルバート「・・・・・・そういえば、アレが言っていましたが」
ゼノ「・・・・・・?」
ユーリ「カレン様と出会ってから、ゼノ様の表情が変わったと思わない?」
アルバート「なに?」
ユーリ「すごく、優しくなったよね」
アルバート「まあ、勘違いかもしれませんが」
ゼノ「・・・・・・なるほど」
前に向き直りながら、ゼノが呟きをこぼす。
(優しい、か。俺にとっては喜ばしい言葉ではないな)
(ただ・・・・・・)
ゼノ「悪くはない」
アルバート「・・・・・・?」
届かなかった呟きに、アルバートはただ首を傾げていた。
舞踏会会場の階段を、ゆっくりと降りていく。
するとその下に、見上げるカレンの姿を見つけた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
その姿は人ごみにも紛れることなく、ゼノの目にはっきりと映る。
(どうも俺には、カレンだけが特別らしいな・・・・・・)
ゼノが目を細め、カレンの目を見つめ返す。
その視線に、胸の奥を掴れたような感覚に陥った。
(その目に捕らえられれば、もう逃げ出すことは出来ない・・・・・・か)
そうしてカレンの手を取り、ゼノはダンスを踊り始めていた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
カレンのドレスの裾が翻るたび、辺りからため息がこぼれる。
その瞬間、ダンスの前のカレンの言葉を思い出した。
「ゼノ様が、綺麗で驚いてしまって・・・・・・」
(驚く・・・・・・?)
ゼノが視線を逸らし、辺りを見渡して思う。
(それは、こちらの台詞だ)
やがて音楽が止まると、ゼノはぴたりと足を止めた。
「・・・・・・ゼノ様?」
見上げるカレンの手を引き、何も告げないまま歩いていく。
「あの、どこへ・・・・・・」
ゼノ「約束していただろう」
振り返り告げると、カレンの頬に見る間に赤みが差していった。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
ゼノは自分で考えるより前にカレンの手をぐっと引き寄せていた。
「・・・・・・っ」
倒れ込んだカレンの額が、ゼノの胸に触れた。
そうして戸惑うカレンの身体をマントで隠すように歩いていく。
(カレンといると、喉の下辺りが軋む時がある・・・・・・)
(この感覚を、何というんだ?)
それはわずかに苦しく、甘い感覚だった。
その答えは出ないまま、けれど確かなことは一つある。
(あの表情は、俺だけに見せていればいい)
教会近くの森に辿りつくと、
ゼノはカレンの身体を馬から抱き降ろした。
その身体はふわりと軽く浮きあがり、白いベールを揺らす。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・ゼノ様?どうかしましたか?」
名前を呼ばれ、ゼノは微かに眉をぴくりと動かした。
(婚姻は、国や家同士の契約だ・・・・・・そう思ってきたが)
腰に置いた手に力を込め、ゆっくりと額を近づける。
そうして額をカレンの髪につけると、深くため息をついた。
(たとえ振りだとしても、繋ぎとめておきたいと思う)
(そうでもしないと・・・・・・)
ゼノ「飛んでいきそうだからな」
「え・・・・・・飛ぶ?」
掠れた声で尋ねるカレンに、ゼノがふっと笑う。
ゼノ「・・・・・・なんでもない」
(この姿のカレンを見ると、忘れていたはずの幼い頃を思い出す)
(側にあった大切なものが、すり抜けていくあの感覚・・・・・・)
幼い頃を思い出すだけで、背中がすっと冷えた。
教会で形ばかりの結婚の誓いを終えると、
ゼノはカレンと共に夜の湖を訪れていた。
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
湖には、満月が水面に浮かんでいる。
(綺麗なものは、やがて壊れる・・・・・・)
湖の月は風が吹くだけで簡単に揺らいでしまった。
(だが俺は、ただ黙ってみているわけにはいかない)
その時、見上げるカレンの視線に気がついた・・・。
見上げる視線に気がつくと、ゼノがわずかに唇を開いた。
(ああ・・・・・・この目だ)
ゼノ「カレン・・・・・・」
名前を呼ぶと、カレンの身体をそっと抱き寄せる。
(カレンが隣にいると、確かに温かさを感じる)
ゼノには、その感覚を言葉にする術はなかった。
(だが、同じくらい・・・・・・)
胸におしあてられるカレンの前髪の感覚に、ゼノの左胸奥が跳ねる。
ゼノ「・・・・・・婚礼が夢だとは、思ったことはなかった」
ゼノ「むしろ、通過点だと思っていたからな」
(カレンを離さないために、今俺はどんな非情にもなれる)
(・・・・・・恐ろしいな・・・・・・)
ゼノ「お前といると、新しく気づかされることばかりだ」
口にすると、ほうっとため息がこぼれた。
(なるほど、これが永遠を誓うということか)
「・・・・・・私もです」
背中に回る手を感じ、ゼノが口元に笑みをにじませる。
(道の先にあるものが『永遠』だとは限らない)
(それを見たければ、道は自分でつくらなければならないのだな)
ゼノ「・・・・・・・・・・・・」
やがてカレンの頬に手を触れると、その顔が見える。
眉も目も鼻も唇も、全てが愛おしくたどりたい衝動にかられた。
指先で頬をなぞり降りると、カレンがぴくりとまぶたを揺らす。
そうしてゆっくりと目を閉じるカレンに、ゼノは唇を重ねた。
(・・・・・・これは、誓いの印だ)
(俺はお前に、永遠を見せよう)
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以上です
ゼノ様・・・・・・
無課金派の私も利用しているアバターが買えたり、
ガチャが回せたり、彼目線の話が買えちゃう裏ワザ!
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イケメン王宮★裏ワザ3