行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

山中教授のノーベル賞受賞で判った基礎研究費の重要性

2012-10-13 17:42:30 | Weblog

山中教授のノーベル賞受賞は日本に久しぶりの明るい話題をもたらした。七転び八起きの人生の中から、ここまで到達したというドラマみたいな話が日本国民の感動をもたらした。特にノーベル賞受賞に至るiPS細胞実現への決定的な場面がほんの一瞬の面接であったことが興味深い。

山中教授は20003年8月、iPS細胞の基礎研究に手応えを感じ、国の大型研究費を申請した。しかし、当時は本人の強い自負とは裏腹に、iPS細胞研究はまだ模索の段階だった。そこで、研究費配分の審査では、世界的に研究が先行していたES細胞(胚性幹細胞)の問題点をイラストにまとめ、「ES細胞に代わる新たな細胞を作る必要がある」と訴えた。

審査担当だった岸本忠三・元大阪大学長は「iPS細胞はできるわけがないとは思ったが、熱心に説明する若い山中教授に『百に一つも当たればいい。こういう人から何か出てくるかもしれん。よし、応援したれ』という気になった」と評価し、約3億円(5年分)という巨額の研究費を獲得するきっかけとなった。

この3億円がなければiPS細胞の研究は不可能だった。まさに岸本忠三という審査担当との出会いが運命を左右したわけだ。
それにしても訳もわからない基礎研究への国の支援(研究費)の重要性が今回の授賞で再度あぶり出された。岸本忠三氏が言ってるごとく、百に一つ当たれば良いぐらいの気概がないとだめで、当然無駄遣いも出てこよう。それを許容する世論も必要だ。

 

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民主党と野田政権はもう限界

2012-10-11 11:12:41 | Weblog

各種のデータから景気が悪くなりつつあるのは明らかだが、政府民主党は本年度予算執行に必要な赤字国債発行へ臨時国会開催を決定できない。臨時国会を開催しないと来年1月の通常国会まで法案1本も成立しないことになる。
これは偏に総選挙を延ばしたいためで、10月末には予算残がなくなり、経済の悪化に拍車がかかる。各種の世論調査でも野田内閣の支持率は20%以下で、起死回生をねらった内閣改造後も更に支持率は下がっている。

来年に選挙を延ばしても、細野さんを政調会長にして選挙の顔にしようとも今のままでは支持率が回復することはない。むしろ景気の悪化で来年の選挙は不利になるくらいだ。代わる野党の自公も国民が積極的に支持していないため、倒閣運動が盛り上がらないだけだ。

早急に解散して政界再編成で、文字どおり前に進む、仕事が出来る政治構造を作り上げるのが野田さんの仕事で、死中に活を求めるべきだ。大所帯だった民主党も泥舟からネズミが逃げ出すごとく過半数割れも時間の問題で、議員職にしがみつきたい衆議院議員には日本全体のことを考える余裕はなくなった。自分一人のことだけを考え、水の上から顔を出してキョロキョロしている見苦しさを国民は肌で感じている。

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昭和記念公園のコスモスだよりⅡ

2012-10-09 21:20:33 | Weblog

西花畑が見ごろでいろいろな種類のコスモスが楽しめる。結構初めて見たものもあった。

八重のコスモスが数種類

珍しい貝殻が縁取るコスモス名前もシーシェル

サンセットイエローの東花畑は対照的に単調で地味そのもので北側のコスモスの丘は今週末からようやく見られるかも

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iphone5のマップ、アップルの体質が出た

2012-10-07 23:30:50 | Weblog

新製品はすぐに買うなという哲学があるが、iphone5でも当てはまることになった。ios6のマップはこれまでのグーグルマップでなく自社製品をのせたが、未完成のアプリで新宿駅が出てこないとか羽田空港に大王製紙があるとか日本だけでなく米国でも同じ問題が起きている。利用者はサファリからグーグルマップを呼び出せば問題ないのだが、アップルの体質が判る問題だ。

アップルはあくまでもハードメーカーでアプリには弱いまたは重きを置いてないと言うことだ。スマホでも携帯でも地図ほど便利になり重宝してるアプリは無いといっても良いくらい重要だ。だからアップルは自社製品にこだわってios6に組み込んだのだろう。しかし誰が見てもグーグルマップやストリートビューはそのきめの細かさとデータの豊富さは一朝一夕で出来るものではない。我が家に来たこともない友人からお宅の車はブルーで、小型車の○○と車種まで言われてびっくりしたことがあり、グーグルのすごさを感じた。

昨年今頃、iphone4Sが発表され、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなったらスモールチェンジかとこのブログで批判した。今回もジョブズが生きていたらお粗末なマップは載せなかっただろう。反面、iphone5のハード面は最先端の部品が使われていることが朝日新聞で昨日報道され、しかもその半分以上が日本製品ということで、ここでは完璧主義が貫かれている。ハードとアプリの落差が大きいのには驚かされる。

 

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海外ボランティアに興味のある人行くべし

2012-10-06 22:24:43 | Weblog

今日と明日6日、日比谷公園で官民の組織によるグローバルフェスタが開催される。年々充実し、今年はフードコーナーに綺麗な食卓も隣接され、各国の料理も楽しめる。ものよりソフトへという国際協力に頭の固い政府も本腰を入れだしたことは喜ばしい。今回の展示には外務省以外に農林省、内閣府国際平和協力本部、そして防衛省運用企画局国際協力課が出展し、民間に貸し出す防弾チョッキを試着させている。

アジア、中南米、アフリカで活躍するNGOが大集合しているので、海外ボランティア希望者はじっくりと活動内容が聞ける。青年海外協力隊へ入隊希望者も各地の協力隊OBが展示しているので様子も聞けるし、協力隊支援する会も店を出している。

ボランティアは出来ないが寄付で貢献したいという人は、例えばアフリカの貧困と闘っているNGOの会員になれば良い。下の写真、「100円あれば家族4人の1日分の食費がまかなえる」と書いてある。

NGOで変わり種を見つけたが、節電とせっかち日本にふさわしい活動だ。その名は「ナマケモノ倶楽部」ナマケモノを保護するのが目的でなくナマケモノを人間が見習えば環境に負荷がかからず、省エネも達成できるという理念で、ナマケモノのいるエクアドルやメキシコの無農薬コーヒーを販売していた。
ナマケモノはスローに動き省エネの見本で、自分の糞は穴に埋め落ち葉をかぶせ自分の食用の木を育てている完全循環型生活をしている。これを人間は学ぶべしという話を聞いて思わず笑ってしまったが、車でも無理なスピードを出さず省エネ運転をすれば環境にも負荷が掛からないわけだ。
ナマケモノ倶楽部は効率優先の社会を見直し、価値観やライフスタイルを変えようという『スロームーブメント』を提唱し、節電運動やマイカップ運動をしている。

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インドネシアのゼネスト

2012-10-04 23:23:58 | Weblog

3日はインドネシアで200万人が参加したというゼネストとデモが発生し、日本の新聞にも報道された。かつてジャカルタの日系企業が争議を起こし、金属労協事務局長の職にあった私はジャカルタに出向き、何とか解決したが、ストの集会で現地の労働者に何とか雇用を確保してくれと必死に頼まれたのを思い出した。その時、日本の中学生並みの体躯で女子労働者の華奢なのに驚いた。立ち作業が出来ないという訴えももっとだと感じた。

報道の写真ではたくましい男子の労働者のデモ姿だが、女子労働者の実態は異なる。今回のストは普段いがみ合っている3つのナショナルセンターが一緒になって組織したゼネストで、これまでは高速道路やジャカルタの目抜き通りを占拠したが、今回は交通渋滞が起きないように工場のある地域でデモを行った統制の取れたものだった。

彼らの要求は最低賃金をジャカルタで月2万円にとか、違法な派遣労働や請負労働を取り締まれといったごくささやかなものだ。指導者も国際労働組合総連合(ITUC)に加盟しているナショナルセンターの会長で私もよく知っているサイド・イクバル氏で正常な労働運動の一環で政治色はない。

人材移住相と交渉中のデモで、圧力をかけるのが目的だろう。日系企業も被害を受けているがきちんとした意思疎通と賃金は安ければ良いという態度をとらないことだ。

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運動会シーズンぎょぎょとする話

2012-10-03 15:30:25 | Weblog

今月に入り、小中学校の運動会が行われている。昔にはなかったが、運動会会場の外側に喫煙所が設けられ大勢の母親が黙々と煙を上げている。その光景が健康志向の運動会とかけ離れ、思わずぎょぎょっとした。

厚生労働省は2010年までに日本の喫煙率を20%以下(男32.0%、女8.0%以下)とする目標を掲げ、2010年にこの目標が達成された。そのため今後は12.2%という目標値を設定した。ところが女性の年代別の喫煙率を見ると、2010年平均では8.4%だが30代、40代の喫煙率はそれぞれ14.2%、13.6%と高く10年前とあまり変わらない。つまり小学生を持つ母親の年代はほかの年代に比べかなり喫煙率が高い。

知人で肺癌で亡くなった人も多く、中には、ご主人の煙草にやられた受動喫煙が原因の方もいる。煙草を運動会の喫煙所で吸っている母親は家ではどこで吸っているのだろうか?放射線にはかなり厳しく注意を払うようになったが、煙草に関してはかなりおおらかだ。運動会では禁煙ということに何故ならないのか、学校も喫煙所を設け配慮をしている。放射線と同じく子供の健康に注意を払うべきだ。

喫煙と肺癌の因果関係は、多くの研究によりほぼ確立され、全肺癌の80 - 90%は喫煙が直接の原因といわれている。また、喫煙による発癌リスクが男性で4から5倍、女性で2から3倍といわれている。(日本肺癌学会)

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労働者派遣法の改定はいまいち

2012-10-01 15:08:40 | Weblog

1日から労働者保護を正式名称に入れた改定労働者派遣法「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」が施行された。リーマンショック後の派遣切りといわれた非人道的な行為が世論に指弾され、民主党政権の目玉的な改正であるが中身は製造業への派遣禁止が盛り込めず真に労働者保護が可能か疑問が残る。

1985年に労働者派遣法ができたときの理念は労働者が豊かで充実した労働生活を送れるように専門的な労働者(13業種)に限って認めるという規制法であった。それが1999年に原則どの業種でも派遣を認めようということになり、2003年には製造現場への労働者をも認めることになった。当初、85年の時に、交渉力のない労働者が製造現場に派遣されたらどうゆう扱いになるか危惧していた故に付帯決議で「製造現場への労働者は対象としない」としたのだ。国会の付帯決議とは何なのか国会の権威を自ら貶めている。

今回の改定で、問題となった日雇い派遣に制限を課し、派遣の形態で労働者を保護しようと試みている。一歩前進だが、例外職種が下記のごとくわんさとあり、首をかしげるものや、名を借りて製造現場に日雇いされるケースも出て来るのではないか。例外職種に挙げられているが日雇いで研究開発や機械設計が出来るとは考えにくい、製造現場に隣接するだけに疑問が残る。

経営側の使いやすい派遣労働という思想に妥協した改正で、法に謳ったように賃金や処遇の均衡待遇(均等待遇でない)、有期雇用の派遣労働者(雇用期間が通算1年以上)の希望に応じ、期間の定めのない雇用(無期雇用)に転換する機会の提供等が実際に行われるかモニタリングが必要だ。

雇用期間が30日以内の日雇派遣は原則禁止になったが、以下は例外

イラスト

その他の例外

  • 60歳以上の人
  • 雇用保険の適用を受けない学生
  • 副業として日雇派遣に従事する人(生業収入が500万円以上)
  • 主たる生計者でない(世帯収入が500万円以上の場合に限る)
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