旅行社エクスペディアのメルマガで世界各国の有給休暇取得率の調査結果が送られてきた。日本人の休暇取得は世界で最も悪いと言うことは知っていたが、全く改善されてないのには驚いた。
取得率45%も問題だが、有給休暇付与日数の少なさはあきれるほどだ。問題となっている躁鬱病とか過労死という言葉が連想される。過労死という日本語が英語に取り込まれ辞書に掲載され、karoshiをネットで検索しても「日本語由来の言葉でdeath from overwork」と出て来る。
東南アジアの友人達ですら、日本人は自分の休暇を何故とらないのか。賃金カットと同じではないかとよく質問された。「家にいるとうるさい人がいるから」などと混ぜ返したが、冗談では済まない事態だ。
旅行社の調査によると、先進国では25日~30日の休暇を与えられ、ブラジル、スペイン、フランスでは完全取得をしている。日本は11日というわずかな休暇のうち5日しか取得できず、外国人には謎だろう。厚労省の調査でも平均取得率は18日の有給休暇で、8.7日の取得、48.2%だ。1000人以上の大企業でも19日の有給休暇で、53.5%の取得率にすぎない。
この有給休暇には前年の繰り越し分が入っていないので実際は25%ぐらいではないだろうか、旅行会社の調査によると、取得率が低いのは上司がにらみをきかせているからという理由を挙げている。労働基準法では、100%取得が労働者の権利として認められており、管理者は季節変更権(取得の時期を変更)を持っているにすぎない。
現実問題として、職場全員が有給100%取得を実行するには、年初に取得計画を全員に出させることが気兼ねなく休むためには必要だ。私が金属労協の事務局長だった時にそうした運動を200万人労働者に提起したところ、大手H自動車労組ではほぼ100%取得という実績をあげた例もあった。
会社のトップや工場のトップが率先して休暇を100%取得することも環境作りとして必要だし、働きやすい職場として、厚労省も各社の取得率を公表すれば、学生の就活にも役立つことだろう。
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