Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●ニッポンの「トイレなきマンション」を核発電「麻薬」患者・管理無能者に永久(とわ)に管理させる…

2017年07月15日 00時00分22秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【肺から2万2000ベクレル…作業員にこれから出る健康被害】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207007)。

 《「半端な被曝量ではなく、事態は軽微なものではない。被曝限度を超えるのはほぼ確実だ」――。7日、原子力規制委員会の伴信彦委員が絞り出すような声でこう言った…検出されたのはプルトニウム239。長崎の原爆で使用された毒性の高い放射性物質として知られている。驚くのは、ちっとも危機感が感じられない原子力機構の対応だ…こんな状態で原発再稼働なんて論外だ》。

 アサヒコムの【(社説)作業員の被曝 想定外ではすまない】(http://www.asahi.com/articles/DA3S12977533.html?iref=comtop_shasetsu_01)によると、《50代の作業員は、肺から2万2千ベクレルのプルトニウムが検出された。1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をするのに相当する。原発作業員の被曝限度を上回るのは確実とみられ、内部被曝としては国内で過去最悪のケースだ》。

 その後、プルトニウムは検出されなかった、いや、やはり検出されたなどなど、情報が錯そう…。

 東海村JCO臨界事故を彷彿とさせるし、唖然とさせられる…。

   『●悲劇を回避してほしい・・・
   『●「鼻血問題」: 「原発関連死」と「死の街」発言
    「小出裕章さんが良く取り上げておられる
     『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』……
     JOC臨界事故で何が起きたでしょうか? そして、
     「二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族」に
     何が起こったでしょうか?」

   『●反省なき自民党を体現:
      「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」
   『●烏賀陽弘道さん
      『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
   『●原子力「推進」委員会であり、
       「規制」委でもなく、「寄生」委員会(2/2)
   『●立ち止まるなら今・・・「原発政策を福島第一原発事故以前に
                    先祖返りさせたのが自民党安倍政権」
    《■東海村JCO臨界事故――脱原発への伏線》

 《原子力規制委員会の田中俊一委員長はこの日、「プルトニウムに慣れすぎているとこういう事故が起きる。経営陣も含め、もっと真剣に反省するべきだ」と指摘》って、田中委員長がどの口で言うのだろうか? 3.11東京電力核発電所人災について、《真剣に反省》した結果が、川内・伊方・高浜核発電所の再稼働なのか? 「規制」をしない、「寄生」委員会の委員長。

 ニッポンでは、高濃度核廃棄物を10,0000年以上100,0000年以上管理するそうです。数十年すら管理できない核発電「麻薬」中毒患者の皆さんによって、永久(とわ)に管理…冗談のような話です。
 また、国内の大量在庫=48トンのプルトニウム…《こんな状態で原発再稼働なんて論外だ》。

   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
     …私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに
     十二兆円をドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢
   『●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、 
     目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???
   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
       《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン

==================================================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/207007

肺から2万2000ベクレル…作業員にこれから出る健康被害
2017年6月8日

     (記者会見する量子科学技術研究開発機構の
      明石真言執行役(C)共同通信社)

 「半端な被曝量ではなく、事態は軽微なものではない。被曝限度を超えるのはほぼ確実だ」――。7日、原子力規制委員会の伴信彦委員が絞り出すような声でこう言った。

 日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(茨城県大洗町)で6日、男性作業員ら5人が被曝した前代未聞の事故。当初、機構は3人の鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質が検出されたと説明していたが、この日、1人の肺からナントその916倍の2万2000ベクレルが検出されたと発表した。検出されたのはプルトニウム239。長崎の原爆で使用された毒性の高い放射性物質として知られている。

 驚くのは、ちっとも危機感が感じられない原子力機構の対応だ。すでに全員に放射性物質を体外に排出する薬剤を投与したというが、日刊ゲンダイが作業員5人の健康状態について質問すると、「現時点では本人たちから急性症状が出たという訴えはありません。将来的に影響が出る可能性は否定できませんが、詳しい検査結果を待って慎重に対応していきたい」(報道課担当者)と説明した。

 しかし、5人が搬送された放射線医学総合研究所が所属する量子科学技術研究開発機構の明石真言執行役は、「内部被曝で発がんリスクが上がることが科学的にはっきりしている」と指摘。5人の健康は大丈夫なのか。

   「放射性物質は体内に入ると細胞の遺伝子を傷つけ、
    長期的にがんなどを引き起こす恐れがあります。しかも
    今回は2万2000ベクレルという前代未聞の高い値ですから、
    もっと早期に別の症状が表れるかもしれません。
    免疫低下による感染症、多臓器不全などが懸念されます」
    (医学博士の米山公啓氏)


■規制委も呆れる原子力機構の大失態

 それにしても、どうして今回の事故は起きたのか――。作業員たちは約300グラムの核燃料物質が入った金属容器の点検作業をしていたところ、容器を包んでいるビニール製バッグが破裂し、プルトニウムなどを含んだ粉末を吸引したという。

 これについて、原子力規制委員会の田中俊一委員長はこの日、「プルトニウムに慣れすぎているとこういう事故が起きる。経営陣も含め、もっと真剣に反省するべきだ」と指摘した。彷彿させるのが、作業員2人が死亡、住民666人が被曝した18年前のJCO東海村の臨界事故だ。

   「JCOの臨界事故は、作業員が沈殿槽にバケツで高濃度の
    ウラン溶液を入れる混合作業中に起きました。放射性物質は
    常に慎重に扱う習慣が大切。今回の事故も、原子力機構の
    管理体制が適切だったか、厳しく検証されるべきです」
    (日本環境学会元会長の畑明郎氏)

 こんな状態で原発再稼働なんて論外だ
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

2016年09月24日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事【もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html)と、
社説【もんじゅ、廃炉へ 大転換の時代に移る】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092202000181.html)。

 《「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す》。
 《「もんじゅ」がようやく廃炉に向かう。高速増殖原型炉。使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの要の石だ。日本の原子力政策は転換すべきである》。

 東電核発電人災からでさえ5年以上、《九五年にナトリウム漏れ事故》から20年以上、無為な月日を費やし、お金をドブに捨ててきました。予想に反して、プルトニウムを燃やしつつ「増殖」させるという「悪夢」から、ようやく目覚め、「閉じない環」である第2の「環」が終わりを迎えることになりそうです。
 一方で、「閉じない環」である第1の「環」を継続し、プルトニウムを取り出す六ヶ所村の再処理工場の稼働を目指すことを続けるそうだ。恐ろしいリスクを抱えつつ、瀕死の「ホワイト・エレファント」にエサを与え続け、エサ代を支払い続けるつもり。「もんじゅ」という悪夢に目覚めるのにこれだけの月日を費やし、誰も責任をとらず…、「第1の閉じない環」の悪夢からいつ目ざめるのだろうか? あまりに愚かすぎる。

   『●原発人災、犯罪者を追求すべし:  
      なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?
   『●原子力ムラは土台から腐ってる
    「河野太郎氏のブログより…」
    《やっぱり日本の原子力の土台は腐っていた
     自民党本部に九大、東工大のエネルギー、原子力関係の教授を
     招いて、原子力関連の人材育成についてのヒアリング…
     あきれるというよりも、その象牙の塔ぶりに笑いが出た…
     シビアアクシデント対策とか、放射性物質の除去とか、
     核のゴミの処分や廃炉のために必要な人材を供給しよう等
     ということは一言もない
     もちろん、使命感や倫理感に欠けた人材を供給してきたこと
     に対する反省など全くなし
     こういう人間達に、原子力を任せたくないし、こういう人間達に、
     原子力に関わる人材育成を任せたくない。
     日本の原子力、根底の根底からおかしい

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに十二兆円を
       ドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢

   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、 
      「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!
   『●もんじゅ「エサ代」の無残さ: 《ナトリウムを使う
      原子炉の解体技術は確立されておらず》…無責任過ぎる
   『●全く知恵の無い「もんじゅ」は発電もせずに、
      「年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上る」
   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント… 
     私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?
   『●「夢の高速増殖炉」もんじゅ、「夢から覚める時が来た」
                 ……とっくに目覚めの時は過ぎている
   『●談合: 原子力「ムラ寄生」規制委員会から運営交代を
             申し付かったあの日本原子力研究開発機構
   『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
       原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人
   『●高速増殖炉もんじゅ…ニッポンでは、
       巨額の「エサ代」を支払い続けるつもりらしい
   『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と
                   …ドブガネという巨額の「エサ代」は続く
   『●ナトリウムを取り扱う技術を持つ日本原子力研究開発機構…
                   ナトリウムを使う原子炉の解体技術は?
   『●NHK解説委員長、原発は人間の手に負えないモンスター…
                 「アベ様のNHK」発の核発電政策への波紋

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html

もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持
2016年9月22日 朝刊



(↑すいません、コピペさせて頂きました
  『もんじゅを巡るこれまでの主な動き』
  【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/images/PK2016092202100047_size0.jpg】)

 政府は二十一日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について関係閣僚会議を開き、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す。もんじゅにはこれまで国費一兆円以上をつぎこんだ。再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。

 菅義偉官房長官は閣僚会議で「高速炉開発は、原発の新基準の策定など大きな情勢変化がある。本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」と述べた。

 核燃料サイクルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する。プルトニウムを燃やすもんじゅはサイクルの柱だもんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉「常陽」(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討される

 廃炉も容易ではない。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の試算によると、三十年の期間と三千億円の費用がかかる。地元の福井県には、松野博一文部科学相が陳謝し、直接出向いて事情を説明した。

 もんじゅは、消費した以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」とされた。半面、危険なナトリウムを冷却材に用いる必要があり、構造も複雑。一九九四年に本格稼働したものの九五年にナトリウム漏れ事故を起こして停止した。その後もトラブルが相次ぎ、稼働日数は二百五十日にとどまる。停止状態でも一日あたり約五千万円の維持費が必要だ。

 原子力規制委員会は昨年十一月、約一万点の機器点検漏れなどを受け、所管する文部科学省に新しい運営組織を示すよう勧告した。運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団に始まり、すでに二回変更されている。文科省は新しい受け皿を探したが、電力会社は難色を示し、引き受け手はなかった。


◆核燃、既に12兆円 本紙調べ

 高速増殖原型炉「もんじゅ」を中心とした核燃料サイクルには、少なくとも十二兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明している。施設の維持・運営費で年間約千六百億円が新たにかかる

 本紙は一九六六年度から二〇一五年度までのもんじゅや再処理工場、取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料工場、高レベル廃棄物の管理施設の建設費や運営費、必要になる廃炉・解体費などを積算した。立地自治体への交付金も足しているが、通常の原発向けと判別が難しい場合は、全額を除外している。

 その結果、判明しただけで総額は計約十二兆二千二百七十七億円。主なものでは、もんじゅは関連施設なども含めると約一兆二千億円。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブル続きで稼働していないが、七兆三千億円かかった。

 核燃サイクルのコストを巡っては、電力会社などでつくる電気事業連合会が〇三年、建設から最終処分までの総額は約十九兆円と試算している。


<もんじゅと核燃料サイクル> 普通の原発は、主な燃料に「燃えるウラン」を使う。それに中性子をぶつけて、核分裂の連鎖反応を起こし、生じた熱を取り出し、タービンを回して発電する。

 もんじゅでは、主な燃料がプルトニウム。中性子を高速でぶつけ、燃料周囲に置いた「燃えないウラン」をプルトニウムに変える。燃料が増えるので、「高速増殖炉」の名がある。

 中性子を減速させないよう、炉内は水ではなく、高温の液体金属(ナトリウム)で満たされている。ナトリウムは水などと激しく反応し危険だ。

 核燃料サイクルは、原発で燃やした使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、もう一度高速炉で燃やそうという試み。青森県六ケ所村に、巨費を投じて再処理工場が建設されている。だが高速炉がいつまでもできないので、普通の原発にプルトニウムを含む燃料を装填(そうてん)する「プルサーマル」が行われている。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092202000181.html

【社説】
もんじゅ、廃炉へ 大転換の時代に移る
2016年9月22日

 「もんじゅ」がようやく廃炉に向かう。高速増殖原型炉。使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの要の石だ。日本の原子力政策は転換すべきである。

 原発停止、火力による代替が長引くと、石油や天然ガスの輸入がかさんで「国富」が消えていくという。

 だとすれば、展望なき核燃料サイクル計画による長年の国費の乱用を、どのように説明すればいいのだろうか

 原発で使用済みの燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理を施して、新たな核燃料(MOX燃料)にリサイクルして、もんじゅでまた燃やす-。それが核燃料サイクル計画だった。


◆色あせた原子力の夢

 もんじゅは、計画の要とされた新型の原子炉で、理論上、燃やせば燃やすほどリサイクル燃料が増えていく“夢の原子炉というふれ込みだった。

 現在の運営主体は、文部科学省が所管する独立行政法人の日本原子力研究開発機構、正真正銘の国策である。

 一九七〇年代の計画当初、もんじゅにかかる費用は、三百五十億円という見積もりだった。

 ところが、ふたを開けると、深刻なトラブルが相次ぎ、費用もかさむ。本格稼働から二十二年、原子炉を動かせたのは延べわずか、二百数十日だけだった。

 そんな“夢”というより“幻”の原子炉に、政府は一兆円以上の国富を注ぎ込んできた止まったままでも、もんじゅの維持には年間二百億円という費用がかかる

 冷却材として、水ではなくナトリウムを使うのが、高速炉の特徴だ。ナトリウムは固まりやすく、停止中でもヒーターで温めて絶えず循環させておくことが必要だ月々の電気代だけで、一億円以上になることも


◆飛べない鳥のように

 発電できない原発が、日々大量に電気を消費する。むだづかいを通り越し皮肉と言うしかないではないか。

 米国や英国、ドイツは九〇年代に、高速増殖炉の実験から手を引いた。もんじゅでナトリウム漏れ事故が発生し、当時の運営主体による隠蔽(いんぺい)が指弾を浴びた九五年、日本も夢からさめるべきだった

 青森県六ケ所村の再処理工場も九三年の着工以来二十三回、完成延期を繰り返し、建設費用は当初の三倍、二兆円以上に膨らんだ核燃料サイクルという国策も、ほとんど破綻状態なのである。

 二〇一〇年策定の国のエネルギー基本計画は、高速増殖炉を「五〇年より前に実用化する」とうたっていた。ところが一四年の計画からは目標年が消えていた。

 政府の中でも、もんじゅは終わっていたのだろうか。

 それなのに、廃炉の決断は先延ばし。科学の夢を塩漬けにする愚を犯しただけでなく金食い虫の汚名を着せて放置した。その責任は軽くない。

 プルトニウムは核兵器に転用できる。日本は日米原子力協定で、非核保有国では例外的に、プルトニウムを取り出す再処理を認められてきた。政界の一部には「特権を手放すべきではない」との声も根強くある

 日本は現在、四十八トン、長崎型原爆六千発分とも言われるプルトニウムを国内外に保有する。

 核不拡散を主導する米国も、再来年に迫った協定の期限を前に、日本の「核の潜在力」に対する警戒感を強めている。

 プルトニウムは増殖どころか、そもそも減らすべきものなのだ。

 日本はおととし、ランスが、核廃棄物の減量や無害化をめざして開発を進める高速炉「ASTRID(アストリッド)」への技術協力に合意した。核燃料サイクルのシステム自体、減量に軸足を移すべきである。

 3・11を経験した日本で、もはや原発の新増設などあり得まい。これ以上ごみを増やさないように脱原発依存を進めるべきである。しかし、最終処分場の選定が容易ではない以上、保有するプルトニウムや、一時保管されている、すでに出た使用済み核燃料を減らす技術は必要だ。

 先月に再稼働した四国電力伊方原発3号機のような、MOX燃料を通常の軽水炉で燃やすプルサーマル発電だけでは、とても追いつかない。


◆雇用や経済は維持を

 廃炉にしたもんじゅの設備を核廃棄物減量の研究拠点に転用できれば、地元の雇用や経済は維持できる。もんじゅと共生してきた自治体も納得できるに違いない。

 いずれにしても、もんじゅがなければ、核燃料サイクルは根本的に行き詰まり、日本の原発政策の大前提が崩れ去る。

 それは、核のごみを増やせない時代への転換点になる。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない

2016年05月27日 00時00分30秒 | Weblog


東京新聞の記事『ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050902000237.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016051202000152.html)。

 《被ばくに関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を奪われた…》。
 《<目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/…>(『脱原発・自然エネルギー218人詩集』)》。

 長年こつこつと、この問題に取り組んでこられた「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん、「『ビキニ事件』は終わっていないんです」。

   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん
               「『ビキニ事件』は終わっていないんです」

 <目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/…>その典型が、正にアベ様ら。

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
    《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を
     「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
     論ずることはタブーになった》

   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
       《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン
   『●アベ様ら「貧しい人」=「ぜいたくな暮らしを際限なく求め、
                欲の奴隷となって」政を行い、人殺しへと誘う
    「ホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領は、《日本政府が憲法解釈を変更し、
     他国を武力で守ることを可能にした安全保障関連法を制定した
     ことについて「日本が先走って大きな過ちを犯していると思う」と批判》、
     《私たちには戦争を終わらせる義務がある。それは世界の若者が
     完成させなければならない大義であり、可能なことだ》。
       涙が出ました…《日本に来て広島を訪れないのは
     日本国民の皆さんに対して敬意に欠けるのではないか》…とまで言う、
     貴重な「先輩」「真の友人」の助言には、耳を傾けるべき。」

   『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
       原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人

 広島や長崎で核兵器が使用され、ビキニ事件で多くの船員の皆様が亡くなり、福島では核発電所が人災を起こしても、何も変わらないニッポン。「核の非人道性」を訴えることもしません。それをタブー視しつつある、とさえ感じます。ヘレン・ケラーが指先で感じ取った《「戦争の早期終結に寄与したと米国が主張する核兵器の真の姿》や《人類の不条理》…ニッポンが主張せずして誰がするのでしょうか? そのためには、まずは、アベ様らがやることは何? 出来ないのならば、分からないのならば、分からないフリをしているのならば、政権から降りてもらうしかありません。

   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
          参加者だということがわかっているのだろうか」?
   『●黙殺される東電原発人災『X年後』: 
     「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」
   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となった
      ハンフォードと東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…
   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
      元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長
       山下正寿さん「『ビキニ事件』は終わっていないんです」
   『●「教訓を学ばないアベ様ら」を教訓に選挙を:
       戦前を忘れて壊憲し、東電人災を忘れて核発電所再暴走

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016050902000237.html

ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初
2016年5月9日 夕刊

 一九五四年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験の際に周辺海域にいた元漁船員やその遺族ら四十五人が九日午後、被ばくに関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を奪われたなどとして、元船員一人当たり二百万円の慰謝料を求める国家賠償請求訴訟高知地裁に起こした。 

 原告側によると、ビキニ実験を巡る国賠訴訟は初めて。被ばくした第五福竜丸(静岡県焼津市)の元船員らには五五年に米側から見舞金が支払われており、提訴で国の責任を追及するとともに、救済実現を目指す

 訴状などによると、高知県選出で共産党の故山原健二郎元衆院議員が八六年、衆院予算委員会で実験による被ばくに関する過去の調査結果の開示を求めたが政府側は「見つからない」として拒否した。

 しかし支援者らの度重なる求めに応じ、国は二〇一四年に当時周辺海域にいた漁船延べ五百五十六隻の検査結果を開示。うち延べ十二隻に一定線量以上の被ばくがあったが「健康被害が生じるレベルを下回っているとの見解を示した。

 原告は主に高知県の漁船の元船員とその遺族らで、高知、神奈川、兵庫の各県在住。訴訟では、国が事前に実験について知っていたのに漁船に周知しなかったと主張。さらに被ばくに関する調査結果を意図的に隠し、実験から六十年もたった後に開示した結果、元船員らは米国への賠償請求権などを時効で失い、精神的打撃を被ったと訴える。また五五年の米側の見舞金で政治決着して以降一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為についても追及する。

 提訴を前に高知市で開いた原告団の結成会で、周辺海域にいて被ばくした漁船の元船員桑野浩さん(83)=同市=は「仲間の中には四十代で亡くなった人もいて、国の対応には怒りを感じる」と訴えた。

 ことし二月には、周辺海域で被ばくし、後にがんなどを発症したとして今回の原告のうち高知県内の元船員やその遺族ら十人が船員保険適用を全国健康保険協会(東京)に申請している。


◆1954年に6回、「死の灰」広範囲


ビキニ水爆実験> 米国は1954年3~5月、6回にわたり太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁などで水爆実験を実施、放射性物質「死の灰」が広範囲に降り注いだ。3月1日の水爆「ブラボー」の実験では静岡県焼津市のマグロ漁船、第五福竜丸の23人が被ばくし、半年後に無線長久保山愛吉さん=当時(40)=が死亡。日本で反核世論が高まる契機となった。
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016051202000152.html

【コラム】
筆洗
2016年5月12日

 ヘレン・ケラーは一九四八年の秋、広島を訪れた。見ることも聞くこともできぬ彼女は、原爆ドームを見ることも、被爆者の声に耳を傾けることもできなかった▼だが、一人の男性が彼女の手を自分の顔に導き、触れさせた。その顔に原爆が刻んだケロイドの感触が、「戦争の早期終結に寄与したと米国が主張する核兵器の真の姿を、ヘレン・ケラーにまざまざと伝えたのだ▼この逸話をもとに長崎の詩人・志田昌教(まさのり)さんは、こんな詩を書いた。<視覚も聴覚も失ったヘレンにとって/触れることが世界を知る唯一の術(すべ)であった/そしてヘレンの細いゆびさきは/健常者の目や耳の感覚を超えて/人類の不条理をあまねく読み取った…>▼<目はあっても何も見ることができず耳はあっても何も聞くことのできない/束(つか)の間の繁栄に執着するだけの/わたしたちの罪を受け止めるように/ヘレンのゆびさきは不条理と対峙(たいじ)する…>(『脱原発・自然エネルギー218人詩集』)▼米国のオバマ大統領が今月二十七日に、広島を訪れることになった。現職の米大統領による初の被爆地訪問だが、米政府の説明によると、被爆者と会う機会を持つかどうかは未定だという▼しかし米大統領は、その指で核兵器の発射ボタンを押すこともできる。だからこそ、ゆびさきで原爆の傷痕にじかに触れ核の不条理を読み取ってほしいのだ
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人

2016年04月13日 00時00分51秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016041202000141.html

 《米作家カート・ヴォネガットさんは晩年、人間の振るまいにあきれ果て、半ばサジを投げて…▼<そう、神ではなく悪魔がこの地球を創造し、「ろくでもない人類」というやつを創造したのだ>》。

   『●アベ様ら「貧しい人」=「ぜいたくな暮らしを際限なく求め、
                欲の奴隷となって」政を行い、人殺しへと誘う
    「ホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領は、《日本政府が憲法解釈を変更し、
     他国を武力で守ることを可能にした安全保障関連法を制定した
     ことについて「日本が先走って大きな過ちを犯していると思う」と批判》、
     《私たちには戦争を終わらせる義務がある。それは世界の若者が
     完成させなければならない大義であり、可能なことだ》。
       涙が出ました…《日本に来て広島を訪れないのは
     日本国民の皆さんに対して敬意に欠けるのではないか》…とまで言う、
     貴重な「先輩」「真の友人」の助言には、耳を傾けるべき。」

 《ケリー国務長官が広島市の平和記念公園、原爆ドームを初めて訪問した》というのは核兵器廃絶に向けての小さな一歩かもしれない。ただ、自公政権や政府の歯切れの悪さが、とても情けない。例えば、東京新聞の記事【広島宣言「核の非人道性」盛らず 政府、保有国に配慮】(http://www.asahi.com/articles/ASJ474HZHJ47UTFK004.html?iref=comtop_list_pol_f02)によると、《日本が国際会議の決議案でたびたび主張してきた「核兵器の非人道性」を盛り込まず、「核兵器の使用が壊滅的結末を想起させる」との表現にとどめる方針を固めた。核保有国の米英仏に配慮した》、とあります。一体どこに配慮しているのか、情けない。しかも、その配慮だけではないでしょう。核発電の再稼働や輸出、さらには、核兵器の保持です。

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
    《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人
     「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
     論ずることはタブーになった》

 核燃料サイクルに安倍政権や政府がこだわる理由は、核発電所は『プルトニウムをつくる装置』だからです。《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン。(アジアを侵略したという歴史的な後ろめたさも含めて)この点が、ニッポンの「核兵器廃絶」に対する歯切れの悪さを生んでいます。ブログ主は、核発電そのものが否定されるべきと信じます。

   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
       《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン

 いつも引用していますが……核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れています。内橋克人さんは、「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えました(『●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、「風船爆弾」が語ることにこそ真実はある ~川内原発再稼働問題~』)。

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016041202000141.html

【コラム】
筆洗
2016年4月12日

 軍拡や核兵器を痛烈に風刺した『猫のゆりかご』などの米作家カート・ヴォネガットさんは晩年、人間の振るまいにあきれ果て、半ばサジを投げていたのかもしれない。最後のエッセー集『国のない男』の中で悲観的な見方をしている▼<そう、神ではなく悪魔がこの地球を創造し、「ろくでもない人類」というやつを創造したのだ>。疑うのならと、こう続けている。<朝刊を読めばいい。どの新聞でもいい。いつの新聞でもいい>▼否定はしにくい。テロ、紛争、殺人。新聞を静かに閉じ、ため息をつきたくなる日もある。されど、被爆地・広島を訪れた経験もあるヴォネガットさんも昨日はほほ笑んでくれたか。原爆を投下した米国のケリー国務長官が広島市の平和記念公園、原爆ドームを初めて訪問した▼おわびや被爆した方と言葉をかわすことはなかった。それでもである。原爆投下から七十一年たって、足を踏んだ側の人間が、踏まれて傷つき今なお痛み続ける相手の足を直接見たのである▼「核兵器なき世界」に向けて小さな歯車が回る「カチャ」という音がかすかに聞こえた気がした。そう信じたい▼オバマ大統領の広島訪問もささやかれる。大統領退任前の「修学旅行」ではなく核廃絶という人類全体の「旅行」のスタートとしたい。そうでなければ、またあの作家から「悪魔」の話を持ち出されることになる。
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…《核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える》ニッポン

2016年03月29日 00時00分59秒 | Weblog


東京新聞の記事【減らぬ日本のプルトニウム 米、核再処理に懸念】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016032702000121.html)。

 《米国で三十一日に始まる核安全保障サミットを前に、原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する核燃料サイクル事業に米国が神経をとがらせている。背景にあるのはオバマ大統領が問題視するプルトニウムの大量保有だ。核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える日本は核燃料サイクル事業実現で減らすと強調するが、めどが立たない現状に米国が疑問を呈した形だ》。

 核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れている。内橋克人さんは、「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えました(『●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、「風船爆弾」が語ることにこそ真実はある ~川内原発再稼働問題~』)。

 アメリカ合州国大統領を目指すトランプ氏からニッポンは御墨付きを頂けたようです。東京新聞の記事【トランプ氏、日韓の核保有容認も NYタイムズ電子版】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016032701001147.html)によると「日本と韓国の核保有を容認することもあり得るとの考え」だそうです。ハハハッ、アタマダイジョウブデスカ? アベ様が泣いて喜びそう。歴代自民党の皆さんが核発電、核燃料サイクルに拘り続けたその成果でしょうね。哀しい国です。HIROSIMA・NAGASAKI・FUKUSIMAは一体何だったのでしょうか。

   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
     …私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?

   『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに
     十二兆円をドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢
   『●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、 
     目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???
   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
       プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れている

 「冷戦期に英米仏が日本に提供した研究用プルトニウム331キロ」は何のため? 何の「研究」なのか?

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
    《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を
     「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
     論ずることはタブーになった》

==============================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016032702000121.html

減らぬ日本のプルトニウム 米、核再処理に懸念
2016年3月27日 朝刊

     (研究用プルトニウムや高濃縮ウランを積み米国に向け
      出航した輸送船「パシフィック・イグレット」(中央)
      =22日、茨城県東海村沖で)

 【ニューヨーク=北島忠輔】米国で三十一日に始まる核安全保障サミットを前に、原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再利用する核燃料サイクル事業に米国が神経をとがらせている。背景にあるのはオバマ大統領が問題視するプルトニウムの大量保有だ。核兵器六千発分相当の四十八トンを抱える日本は核燃料サイクル事業実現で減らすと強調するが、めどが立たない現状に米国が疑問を呈した形だ。

 米上院外交委員会が十七日に開いた公聴会。国務省で国際安全保障や核不拡散を担当するカントリーマン次官補は「再処理事業に経済的合理性はなく、核の安全保障と不拡散に懸念をもたらす。すべての国の撤退が喜ばしい」と言い切った。AP通信は「異例の踏み込んだ発言」と報じた。

 オバマ氏は「テロリストの手に渡らないよう努力している分離済みプルトニウムのような物質を絶対に増やし続けてはいけない」と述べている。

 一九七七年に再処理事業から撤退した米国は他国の参入を止める一方、日本には一九八八年に定めた日米原子力協定で例外的に認めた。協定期限は二〇一八年七月。いずれかが再交渉を求めなければ自動更新される。米国には期限前に問題提起する狙いがあった。

 背景には事業を請け負う認可法人を設ける日本側の法制定の動きが指摘されている。鈴木達治郎・長崎大教授は「法律は、使用済み核燃料が出たら再処理費用を積み立てると規定。必要以上に持たないとの合意に反すると米側がみなした可能性がある」と話す。

 公聴会で民主党のマーキー上院議員は「(事業認可を求める)韓国の後追いを促し、北朝鮮の核保有を防ぐ米国の努力を台無しにする危険がある」と更新交渉の必要性を指摘した。


<米国のプルトニウム回収> オバマ大統領は2009年、「核なき世界」を訴えたプラハ演説で、各国が保有する核物質がテロなどに悪用されるのを防ぐため、管理を強化する考えを示した。日本やドイツ、ベルギー、イタリアなどにあるプルトニウムが対象となっている。

 日米は14年の核安全保障サミットで、冷戦期に英米仏が日本に提供した研究用プルトニウム331キロの返還に合意。今月22日に英国の輸送船が茨城県東海村を出港した。ところが運搬先のサバンナリバー核施設がある米サウスカロライナ州の知事が「住民の安全と環境保護のために受け入れられない」と反発。5月ごろに到着する輸送船が滞留する恐れが出ている。
==============================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする