acc-j茨城 山岳会日記

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谷川岳一ノ倉沢、一・二ノ沢中間稜

2019年03月02日 18時30分17秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2019/2/25-26 谷川岳一ノ倉沢、一・二ノ沢中間稜


一ノ倉は独特な場所。
山ヤなら、誰でもそう思うのではないだろうか。

その険しさ、
その登攀史、
谷川岳という評判、
そして数あるエピソ-ド。

佐瀬稔氏による、登山家・森田勝氏と長谷川恒男氏を追った物語に私自身、唸らされたものだ。
山を舞台にした人間模様。
その歴史、人間模様の一端に触れたような気がして昂るのだ。

ココロして臨まなければなるまい。
「都合の良いこと」は考えない。
kozくん。覚悟はいいかい?


2019/2/25

3:10発。
なんとか1時間半ほどは寝れた。
眠い筈だが、sakもkozくんも速やかな出発準備。

登山指導センタ-で計画書を出したら、センタ-脇の雪壁を一段登って一ノ倉へ。
この先の急斜面トラバ-スを意識して、早めにアイゼンを装着。

4:36、一ノ倉出合。
ぼんやりと小さな明かりが本谷に見える。
先行のヘッドライトだ。
姿見ぬ者同士だが、同日ここに入るというだけで連帯感を感じる。

出合で装備を付けたら月光に導かれ、一ノ沢を少し登った所から中間稜を目指す。
ヘッドライトの明かりに照らされたデブリの陰影が少し不気味だ。

6:20
尾根に乗ると、末端からのトレ-スがあった。
正直に告白するなら、大いに安堵した。

淡々と薮尾根を詰め、緩傾斜の雪壁を詰めると次第に傾斜が増してくる。
時にお助けスリングを利用する。
本谷に入ったパ-ティ-は3ルンゼに入って行くように見えた。

8:07
枯れ木のピ-クから小コルまでは10mほど懸垂下降。
小コルからロ-プを出す。

概ね薮尾根を縫うように進む。
薮が多いので、手がかりや支点は豊富だが太陽が昇ってきたためか、雪の踏み抜きに苦慮する。

だんだん小岩壁が混じるようになり、左からの岩峰と合流する。
小コルから7ピッチ位だったと思う。

13:30
一・二中間稜のハイライト、ピナクル群に到達する。

「いやぁ、これですか。」
と言いながら、二人してニヤニヤ。

踏み跡もあり、心理的な不安もなくsak先行。
「怖えぇ---」とかいいながら、笑顔。
振り返ればピナクルに立つkozくんも、たぶん笑顔だ。

ピナクルをいくつか越え、ビバ-ク予定地で休憩。
行く先の雪壁も結構な傾斜に見えるので、スタカットで雪壁上まで。

ここからはロ-プを解いて雪壁と雪稜を行く。
しかし、このころからガスに覆われ、風が出てくる。
雪稜切れ目の判別も怪しいが、幸いトレ-スが明確なので、不安はなかった。

15:49
東尾根に合流し、雪稜をカニ歩き&直上で進む。
一カ所、表層がピキピキ鳴りながら亀裂進行中の場所があって、肝を冷やす。

16:23
第一岩峰は右巻き。
抜け口はホ-ルドとなる岩にベルグラが張っていて、ちょっと怖かった。

午前中は雪もゆるむ暖かさで、今は手袋も凍るほど。そして、この強風。
濡れた後の凍結は命取りになりかねない。
第一岩峰あたりはビバ-ク適地でもあるが、二人とも疲労度は低いのでこのまま肩の小屋まで行くことにした。

淡々と行くと、トレ-スは小雪庇に向かっていく。
それをダブルアックスで越えると国境稜線。

17:02
オキノ耳山頂。

国境稜線はこれまで以上の烈風となっており、記念撮影だけしたらトマノ耳へ。
ガスと烈風に巻かれながらもクラストした雪面にトレ-スが明瞭だったため、難なく肩の小屋も見いだせた。

肩の小屋は冬季小屋のみ解放となっているのだが、入口を入って右側の客室がそのまま「冬季小屋」として使える。
とても清潔、かつ快適。
強風下のテント生活を思えば、天国のような空間だ。

タップリの水を作り、食事はキムチ鍋(軽量化ver.)
ささやかながら、祝杯を挙げる。

「都合の良いことは考えない」
その思いで臨んだ山行であったが、トレ-スといい、天候といい、泊場といい、「都合の良いこと」に助けられた。
寝袋に入り、そんなことを考えながらあっという間に眠りに落ちる。


2019/2/26

6:30起床

強風は止まない。
視界も良くない。

そんな中、いつもの起床時間に目が覚める。

今日は下山だけなので、気も楽だ。
強風とガスが止まないので天神尾根への下山とする。
ゆっくり朝食を取り、ゆったりと準備。

8:46発
天神平まで一時間半、ロ-プウェイで駐車場まで。

 

最後の最後。

「都合の良いことは考えない」
そう誓っておりましたが駐車場出口に、まさかの「本日駐車料金無料!」の文字。

なんという、好都合!!!
こういう日がたまにはあっても、いいよね。

 

sak


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご無沙汰です。 (現場監督)
2019-03-21 15:24:33
さかぼうさん、こんにちは!
ウチらも行ってきましたよ。
天気に恵まれ充実の山行でした。
Re:ご無沙汰です。 (sak(さかぼう))
2019-03-23 23:33:55
現場監督さん。
ご無沙汰です。

記録拝見しました。
中間稜は天気がイイと最高ですね。
ヒロイさんも結構なお手前で、脱帽です。

またどこかでお会いできることを楽しみにしております。

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