acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜

2020年10月26日 16時48分29秒 | 山行速報(アルパイン)

2020/10/19 谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜

 

一ノ倉沢を望む(一の沢出合から)


新入会のkumさんと、アルパインクライミング。
数日前に山頂付近では降雪もあったようだけど、紅葉は今が見頃らしい。

kumさんとは日和田山で登攀システムなどの息合わせを行って、今日はツルベで行く予定。
目指すのは、谷川岳、一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜。
kumさん、初の一ノ倉ということで人気のクラッシックル-トをチョイスしました。


♪~

闇を切り裂いていく

道を見失うこともあるけどさ
弱さや過ちは必要なことだった
そう思えればいいことなんだよね

見上げるあの壁を目指そうぜ
そうして体が目を覚ましていく
目指す理由なんか、無いはずなのに

一ノ沢を下る


日が短いことを意識して早出にしたものの、闇中で一ノ沢に入り込んでしまい、時間ロス。

2020年9月の豪雨被害でロ-プウェイが運休中。
一ノ倉出合も河原が随分抉られている様子から、「なんか、ずいぶん渓相が変わったなぁ」などと思っていたんだけど、薄明るくなってから景色が明らかに違うことに気付いてル-ト修正。
大変失礼しました。

テ-ルリッジと紅葉

 

ヒョングリの滝から右岸リッジに乗って、沢床への下降は残置のフィックスロ-プ頼りに下る。
先般ガイドによる本谷通し~中央稜取付きまでの整備が行われたという情報通り、随所に真新しいフィックスが張ってあり、快適。
紅葉はテ-ルリッジ辺りが見頃で岩と彩葉が何とも言い難い美しさだ。

衝立岩を望む

 

衝立岩中央稜の取付きで靴を履き替え、烏帽子スラブのトラバ-ス。
kumさんに、各ルートの取付などを示しながら、慎重に南稜テラスへ。


♪~

陽で山が染まる

彩りと岩に囲まれたド真ん中で
過去のすべては今この時のために
さあ、楽しい岩登りの時間が始まるよ

岩壁をただ攀じ登ろうぜ
そうして頭はカラッポになっていく
面倒くさいことなんか忘れてさ


ポイントになる最初のチムニ-と最終ピッチはkumさんにトライしてもらうオ-ダ-。
1ピッチ目はル-トが屈曲しやすいので、半分に分けてsakから。

チムニ-をリ-ドするkumさん

 

2ピッチ、チムニ-をkumさんリ-ド。
最初の一歩が迷うとこだけど、テンションなくクリア。
お見事です。

その後もツルベ登攀。

草付きピッチの手前

 

馬の背リッジ

 

高度感ある馬の背、最終ピッチ手前の凹角から左のリッジに回り込むあたりは乾いた岩を美味しくいただく。
乾いた岩は、イイですなぁ。

最終ピッチをリ-ドする

 

最終ピッチのフェイスはkumさん。
順調にザイルは伸びて、ビレイ解除のコ-ル。
トラブルもなく、無事終了点に到着。
kumさん、ナイスクライミングでした。

6ルンゼ下降

 

下山は6ルンゼ下降。
安全を期して、烏帽子スラブとテ-ルリッジの要所でロ-プを出す。

最後は闇に追い立てられながらの下山。
ヒョングリの滝あたりは、本谷通しの真新しいフィックスを利用。
最後の右岸薮を抜けて一ノ倉出合まで。

振り返れば、一ノ倉は靄に消えていた。

ヘッデンで下る


♪~

闇に急かされて行く

焦る気持ちもあるけどさ
今の僕らには小さな灯りがあるんだ
それだけあれば充分じゃんか

ヘッデンを灯して歩こうぜ
なぜか気持ちは高揚していく
自分が強くなったような気がして


sak


日和田山・岩場トレ-ニング

2020年10月09日 13時02分50秒 | 会員日記

2020/10/6 日和田山


今日は、新入会メンバ-の岩場トレ-ニング。
道具の説明や使い方、支点構築、ザイルワ-ク、クライミングコ-ル、懸垂下降、自己脱出、人工登攀など。

山岳会に入会いただいた方から、「なんで、いろいろ教えてくれるんですか?」と聞かれる時があります。
たしかに、講習料金をいただく訳でもないし、交通費はワリカンだし。

「何かウラがあるんじゃない?」

そう思っても不思議ではありません。(笑)

でも、私たちの思いはシンプルです。
それは、、、

パ-トナ-が増えると、自分がいろんな山に行けるから、です。

自身憧れのル-ト踏破実現に向けてのパ-トナ-育成。
新たな登山スタイルとの出逢い、そして発見があるからなんです。

ですので、みなさん。
積極的にどんどん、いろんな山に行きましょう!

と、いうことで、今日のメンバ-はすでにクライミングやツリ-クライミングなど嗜まれていた方々でしたので、混乱もなく講習を終えることができました。


kumさんは、しなやかなクライミング。

マルチピッチクライミングに必要な知識と手順は得ていて、期待の新人です。

 


miyさんは、社会人まで野球を続けたスポ-ツマン。

ほかにツリ-クライミングやパラグライダ-はインストラクタ-もされているとのこと。

体躯・体力からしてACCJ茨城最強の山男になるかもしれません。

 

あとはとにかく、攀じるべし!

 

 

 

-小詩-


登れたら、楽しい。
登れなかったら、悔しい。

登れなかった壁に、登れた時感じるのが、喜び。

きっとあなたは雄たけびを上げたり、ガッツポ-ズで応えたり、泣けてしまったりするでしょう。

少し前の自分より上手くなれた。
それがなにより嬉しい。
容易に登れた「楽しい」を遥かに超えることでしょう。

ホンモノの喜びを手に入れられるのは、悔しさを乗り越えた人だけです。
諦めることはいつでもできます。

その繰り返しが、あなたを強くしていきます。


sak


巻機山・米子沢

2020年10月02日 12時14分37秒 | 山行速報(沢)

2020/9/15 巻機山・米子沢


集合時間、小雨舞う桜坂。
4日前の小三本沢と同じ感覚で寝袋を出る。
さて、どうしたものか。
沢から登山への計画変更も頭に浮かぶ。

そうこうしているうち、matさんと合流。
二人とも面識のない新入会のkudさんご夫妻を探す。
駐車場には車もまばらで、すぐに合流することができた。

1時間ほど出発を遅らせ天候の様子を見たい旨伝え、身づくろいや朝食を摂っているうちに鉛空だけ残して雨は止む。
こうなると、登山への計画変更は言い出し難い。
少しだけ装備を見直してお助け紐と捨て縄、カムをザックに押し込めた。

林道を少し歩いて、案内板に沿って米子沢。
広い河原に水流が一筋。
ここで水流があるということは、水量多めの予感。
今年の記録ではおおむね水量多し、とあった。おそらくは長梅雨の影響だろう。
出発も遅れたので、タイムキ-プにも気を配らねばならない。
少し急いで河原を詰める。

米子沢は「癒しの王道」ともいうべき人気ル-ト。
その白眉は後半のナメと草原にある。
なんとか後半天候が回復してくれればいいのだが。

kudさん夫妻はクライミング経験はあるが、沢は先月始めたばかり。
沢特有のヌメに苦戦したようだが、滝登りはソツなくこなしている。
matさんも入会1年経ち、安定して滝を登る姿に頼もしさを感じる。

序盤の滝場は概ね水流脇を行く。
念のため二か所ほどお助け紐を出し、一か所5mの懸垂下降。

トイ状滝は左クラックを半ばまで。
そこから水流を渡って右に移る場面が、水量多くちょっと怖い。
一段上がったところにカムとスリングで手がかりを作って後続通過。
このあたりが「ファイト!一発!」ってな感じだ。

それでもまだ滝場は続く。
特段困難な滝場こそないが、濡れたスラブ、草付きには用心が必要。

後半戦、大ナメ帯へと入る頃には、ガスは幾分晴れ、時折青空も覗く。
一気に開放的な景観が広がる。
ここでガスが晴れるなんて、私も神がかっているではないか。

内心そんなことを考えていると、matさんが訥々と語りだす。
matさんのおばあ様の言い伝えによると、”梅干しに念ずると晴れる!”ということらしい。
記録をしたためながら今になって思うと、天日干しした梅干しはその過程といい、形といい「お日様」の象徴的存在なのかもしれないなと合点もいく。

「だから私、さっきおにぎりの梅干しに祈ったんです」

私ごときが、神がかったなどおこがましい。
すでに、神の使いがここにいらしたのだ。(祈)

大ナメで小休止し、景色を堪能しながらゆっくりと歩く。
そのあとは滝場も規模が小さくなるので緊張する場面はない。
源流を右に左に進み、避難小屋への道には気づかずに詰めあがる。

水流も極めて細くなる頃、右岸の草原に乗る。

草原に佇み、大の字になって寝転ぶ。
草葉の間からは青空。
乾いた風が頬を撫でる。

心安らぐ時。
風になびく笹葉のサラサラという音が今は祝福の拍手にしか聞こえない。

去りがたきを去り、頂へ。
そして日常へと径を下る。


sak