このブログで法科大学院関係の記事を書くと,コメント欄がまるで2ちゃんねるみたいになってしまいますね。黒猫の批判をするくらいならまだいいけど,品のない書き込みが多すぎる・・・。
ちなみに,前々回の記事で引用したコメントについては,明らかに釣りであるコメントを取り上げて云々と黒猫を非難する人もいる一方で,彼女を作ったりするのは当然の権利だなどと書いている人もいるので,黒猫としては,現時点では一概に「釣り」とは断定できないと考えています。
もっとも,ロースクール生といっても,実際には旧試験の受験生にも劣らないほど勉強している人もいれば,勉強は適当にやってあとは遊んでいるような人もいるようだし,個人差は相当激しいようなので,ロースクール生の実態について一概に論ずるのはおそらく不可能に近いと思われます(前々回の記事でも,別に「ロースクール生がみんな遊びまくっている」などという意味のことは一言も書いていません。もしそのような意味に取った人がいるのであれば,その人に文章の読解力がないだけです)。
個人差が激しいというのは,旧試験の受験生も実は同じことで,司法試験受験生といっても実際にはあんまり真剣に勉強していなかったり,法哲学や法社会学など司法試験とは全然関係のない本を読んで勉強した気になってしまったりして(こういう現象を,早稲田セミナーの成川学院長は「アンドロメダ現象」と名付けていました),何年やっても受からないという人も相当数いました。旧試験から法科大学院・新試験に変わっても,いきなり全員が大まじめになるということもないでしょうし,全員が不真面目になるということもおそらくないでしょう。
ただ,問題があるとすれば,合格者数の増員ばかりを優先するあまり,「こんな人を合格させていいのか」と言いたくなるような水準の人まで合格させざるを得なくなることでしょう。これは旧試験であろうと新試験であろうと,本質的には変わらない問題です。
さて,やっと本題に入ります。3月5日付けボツネタの記事(↓)
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20070305/p1
で紹介されていた,米倉明教授(現在は愛知学院大学に在籍されているようです)のコメントです。
出典が戸籍時報というマイナーな本であり,原文を探すのはかなり面倒なので,ここではボツネタで紹介されている内容について若干論評するに留めます。なお,ボツネタのタイトルの「司法試験合格者は5000人が相当」と書いてある部分については,敢えて無視します。
> 資格試験として,ロースクールでまじめに勉強した者は全員パスする程度とすべきとされています。
「まじめに」の定義が問題だと思います。旧司法試験だって,東大法学部の人が「まじめに」2年間勉強すれば8割は合格すると言われていましたし。
> また,司法試験の必須科目には,「法と経済学」,「法と文学」,「法哲学」などを入れるべきともされています。
司法試験は,別に法学者を養成する試験ではないんですけど・・・。
> また,現行の,ロースクールの3年制(真正未履修者)は,生徒が天才ばかりであることを前提しているとしか思えないとし,ロースクールを4年制にすべきとされています。
米倉教授は,たしか去年の12月ころには未修者を6~7年制にすべきということを述べておられた(↓)
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20061221/p1
はずですが,4年説に変えられた理由は何でしょうね。
ちなみに,黒猫としては,前半の「現行の,ロースクールの3年制(真正未履修者)は,生徒が天才ばかりであることを前提としているとしか思えない」という部分には賛成しますが,4年ではまだ足りないのではないかという気がしますね。
法学部卒業者が勉強する分を補うわけですから,理屈としては6年前後必要になるのではないかと思います。
> また,そのかわり,法学部は廃止すべきとしています。「現在の法学部生の圧倒的多数がやる気がなく,トコロ天式に卒業させる大量生産であること,企業や官庁にいる法学士は法律的な物の考え方が何もできていないこと」などを理由とされています。
ここが,一番問題の多いところですね。
「現在の法学部生の圧倒的多数がやる気がなく,トコロ天式に卒業させる大量生産である」というご意見については異議を留保しますが,仮にそうだとしても,それにはトコロ天式に学生を卒業させてしまう大学側にも相当問題があるわけで,平気でそういうことをする大学が,法曹実務家を養成する法科大学院の運営主体になってよいのか,という問題が生じると思います。
つまり,「現在の法科大学院生の圧倒的多数がやる気がなく,トコロ天式に卒業させる大量生産である」という状態にならない保障がどこにあるのか,という問題が生じるということです。
さらに,「企業や官庁にいる法学士は法律的な物の考え方が何もできていない」というくだりに至っては,もし米倉教授がそのようなことを断定的に言っているのであれば,偏見も甚だしいと思われます。普通の法学部卒でも,中には企業の法務部などで長年経験を積んで,弁護士に勝るとも劣らないほどの知識を身につけているような人も相当数いますからね。
現行の大学法学部については,司法制度改革審議会意見書でも,いわゆるジェネラリストを養成する場として相応の役割を果たしているものとされており,黒猫もそうだと思いますから,もちろん法学部廃止論には大反対です。というより,廃止論の理由が,ろくに理由になっていません。
ボツネタ経由の伝聞なので,あるいは米倉教授のコメントの趣旨を黒猫が一部誤解している可能性もあるかとは思いますが,少なくともボツネタでの紹介文を読む限り,「米倉先生,一体何を考えてるの・・・?」と言いたくなるようなご主張だと言う他はありません。
ちなみに,前々回の記事で引用したコメントについては,明らかに釣りであるコメントを取り上げて云々と黒猫を非難する人もいる一方で,彼女を作ったりするのは当然の権利だなどと書いている人もいるので,黒猫としては,現時点では一概に「釣り」とは断定できないと考えています。
もっとも,ロースクール生といっても,実際には旧試験の受験生にも劣らないほど勉強している人もいれば,勉強は適当にやってあとは遊んでいるような人もいるようだし,個人差は相当激しいようなので,ロースクール生の実態について一概に論ずるのはおそらく不可能に近いと思われます(前々回の記事でも,別に「ロースクール生がみんな遊びまくっている」などという意味のことは一言も書いていません。もしそのような意味に取った人がいるのであれば,その人に文章の読解力がないだけです)。
個人差が激しいというのは,旧試験の受験生も実は同じことで,司法試験受験生といっても実際にはあんまり真剣に勉強していなかったり,法哲学や法社会学など司法試験とは全然関係のない本を読んで勉強した気になってしまったりして(こういう現象を,早稲田セミナーの成川学院長は「アンドロメダ現象」と名付けていました),何年やっても受からないという人も相当数いました。旧試験から法科大学院・新試験に変わっても,いきなり全員が大まじめになるということもないでしょうし,全員が不真面目になるということもおそらくないでしょう。
ただ,問題があるとすれば,合格者数の増員ばかりを優先するあまり,「こんな人を合格させていいのか」と言いたくなるような水準の人まで合格させざるを得なくなることでしょう。これは旧試験であろうと新試験であろうと,本質的には変わらない問題です。
さて,やっと本題に入ります。3月5日付けボツネタの記事(↓)
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20070305/p1
で紹介されていた,米倉明教授(現在は愛知学院大学に在籍されているようです)のコメントです。
出典が戸籍時報というマイナーな本であり,原文を探すのはかなり面倒なので,ここではボツネタで紹介されている内容について若干論評するに留めます。なお,ボツネタのタイトルの「司法試験合格者は5000人が相当」と書いてある部分については,敢えて無視します。
> 資格試験として,ロースクールでまじめに勉強した者は全員パスする程度とすべきとされています。
「まじめに」の定義が問題だと思います。旧司法試験だって,東大法学部の人が「まじめに」2年間勉強すれば8割は合格すると言われていましたし。
> また,司法試験の必須科目には,「法と経済学」,「法と文学」,「法哲学」などを入れるべきともされています。
司法試験は,別に法学者を養成する試験ではないんですけど・・・。
> また,現行の,ロースクールの3年制(真正未履修者)は,生徒が天才ばかりであることを前提しているとしか思えないとし,ロースクールを4年制にすべきとされています。
米倉教授は,たしか去年の12月ころには未修者を6~7年制にすべきということを述べておられた(↓)
http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20061221/p1
はずですが,4年説に変えられた理由は何でしょうね。
ちなみに,黒猫としては,前半の「現行の,ロースクールの3年制(真正未履修者)は,生徒が天才ばかりであることを前提としているとしか思えない」という部分には賛成しますが,4年ではまだ足りないのではないかという気がしますね。
法学部卒業者が勉強する分を補うわけですから,理屈としては6年前後必要になるのではないかと思います。
> また,そのかわり,法学部は廃止すべきとしています。「現在の法学部生の圧倒的多数がやる気がなく,トコロ天式に卒業させる大量生産であること,企業や官庁にいる法学士は法律的な物の考え方が何もできていないこと」などを理由とされています。
ここが,一番問題の多いところですね。
「現在の法学部生の圧倒的多数がやる気がなく,トコロ天式に卒業させる大量生産である」というご意見については異議を留保しますが,仮にそうだとしても,それにはトコロ天式に学生を卒業させてしまう大学側にも相当問題があるわけで,平気でそういうことをする大学が,法曹実務家を養成する法科大学院の運営主体になってよいのか,という問題が生じると思います。
つまり,「現在の法科大学院生の圧倒的多数がやる気がなく,トコロ天式に卒業させる大量生産である」という状態にならない保障がどこにあるのか,という問題が生じるということです。
さらに,「企業や官庁にいる法学士は法律的な物の考え方が何もできていない」というくだりに至っては,もし米倉教授がそのようなことを断定的に言っているのであれば,偏見も甚だしいと思われます。普通の法学部卒でも,中には企業の法務部などで長年経験を積んで,弁護士に勝るとも劣らないほどの知識を身につけているような人も相当数いますからね。
現行の大学法学部については,司法制度改革審議会意見書でも,いわゆるジェネラリストを養成する場として相応の役割を果たしているものとされており,黒猫もそうだと思いますから,もちろん法学部廃止論には大反対です。というより,廃止論の理由が,ろくに理由になっていません。
ボツネタ経由の伝聞なので,あるいは米倉教授のコメントの趣旨を黒猫が一部誤解している可能性もあるかとは思いますが,少なくともボツネタでの紹介文を読む限り,「米倉先生,一体何を考えてるの・・・?」と言いたくなるようなご主張だと言う他はありません。
http://www.lograr.net
要らぬお世話かもしれませんが、あまりにひどい書き込みが続く場合、このサイトの健全な閲覧者さんたちが不快になるでしょうから、IPで制限して書き込めなくしてしまってはいかがでしょう?現実の世界ならきちんと納得行くまで議論を交わすのもいいですが、ネット上って、筋道を通した議論を交わせない方々も多いですから。
この点は、激しくうなずいた。
今の法科大学院は、能力のない学校が、学生をクイモノにしているようにしかみえない。
本当なら、あなたがもう一度教育を
受けなおされたほうが良いのではと
本気で思えてきますね。
そもそも資格試験の一つである
司法試験に何を求めているのか
非常に疑問を抱かざるを得ません。
それならばもう一方の修士・博士課程の
意味がなくなってしまいますよ。
馬鹿も休み休み言ってほしいと感じますね。
ほう,そうですか。「勉強した気になってしまったり」ですか?
私は大学時代・受験生時代・弁護士になって以降も法哲学の勉強をしていますが,。「勉強した気になって」いるだけなのですか?ほう,そうですか?
まずは,挨拶のみ。
別に法学者になるわけじゃないから…というのは何か違うと私は思いますね。
あっ…、釣りでも荒らしでもなく、マジメにそう思ってます。
人のことを「勉強した気になっている人」と
表現してるんでしょう。
それぐらい文章読んでて気付くと思いますが…。
それとそもそも資格試験に多種多様な科目を
組み込むのはあまり現実的ではないと私は
思うんですがね。
基礎もできていないロー生が多いなら
尚更だと思いますよ。
それにしても,自己の言説の権威付けとして「司法試験予備校経営者」の言葉を引用するとは・・・(涙)。
弁護士になって以降,「関川村村八分訴訟」「検察事務官による書類偽造-刑罰の本質論(適正処罰請求権)-」「朝鮮総連関係事件」,日常業務としての「イスラーム法学・神学を信奉しているお客さん」なんかは,基礎法学の知識がないと事務処理できません。