原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

突然下腹を急降下する“下り龍”と貴方はどう闘っていますか?

2016年11月28日 | 医学・医療・介護
 おそらく高齢期に差し掛かった以降の人達は、便通の乱れと闘う日が増えている事と察する。

 子供の頃から慢性的に便秘気味で「下痢」とはほとんど縁がなかった私が、特段の理由が見当たらないのに「便秘」と「下痢」を繰り返すようになったのは今から5年程前、50代後半の頃からだ。

 特に午前中家で過ごしている日に「下痢」に見舞われる日が多くなった。 回復が早い時は朝の10時頃までに症状が収まるのだが、遅い時には午後2頃まで下痢症状が続いた。
 ただ私の場合不思議なのは、出掛けねばならない予定がある日には下痢症状が必ずやその時間までに収まる事だ。 これを自己診断するに、むしろ予定が無い時ほど症状が重いとなると、何らかの私なりの特異的なストレス等精神的要因が大きく作用していると結論付けている。

 それにしても、既に5年。 ほぼ毎朝「便秘」か「下痢」を繰り返す日々だ。
 2年程前にそれを郷里の母に話したところ、「直ぐに病院へ行って看てもらうべきだ。 年齢的に大腸癌も考えられるよ」と脅される始末……  (これを人から言われるのが嫌だから病院へ行かないのに…)

 そんな私も、母に言われたからという訳ではないが、2年程前に腰痛が激しくなった時に一度近くの医院を訪れて、ついでに便通の乱れに関して医師に相談した事がある。
 この医院は現在の住居地に引越して以来14年程の間に、3度程私の意思で訪れ診察を受けている。
 当該医院を経営するお医者さん、私より少し年上とお見受けしているが、私の評価では“出来る人”なのだ。  とにかく、病気の診断をすると言うよりも、患者の特質を見抜く能力に長けていて、患者が欲する回答を出してくれるのが素晴らしい!  私の場合、決して自分から医学経験があることを伝えた訳でもないのに、どうも医師はそれを嗅ぎ取っている様子だ。 しかも我が検査嫌い・投薬嫌いをとっくの昔からお見通しで、「出して欲しい薬があれば出しますが。」などと提案して下さる。
 その時の診察時の医師の回答とは、何らの検査もせずして「便通の乱れは年齢的な要因によるものでしょう。 下痢は食生活を気を付ける等で改善したらどうですか? 片や便秘で便が出ないのは辛いでしょうから便秘薬のみ処方しておきましょうか?」との事でそうして頂いた。


 さて、話題を変えよう。
 
 2016.11.26 朝日新聞別刷「be」 “between” 今回のテーマは 「便通の乱れが気になりますか?」だった。 
 (私見だが、おーー、そうか。 やはり便通の乱れを起こしている国民は私に限らず数多いのだな~。 などと妙に安堵する私だ。)

 その調査結果を以下に紹介すると。
 「はい」が39%。  (意外と少ないではないか…、と落胆する私… )
 ただし、やはり50代以降にそれを発症している人々が 31%と多い様子だ。

 この記事内に紹介されている「電車が生き地獄と化す」 なる実例が我が身とダブり、恐怖心を抱かされる。  早速以下にそれを紹介しよう。
 ドラックストアで買物をする時、某女性(57歳)は大人用の紙オムツの前で立ち止まり、「今度、遠出するから買っとかなくちゃ」。  それが必要なのは彼女自身。 履いていないとトイレの無い電車に乗れないからだ。 下腹を急降下する便意が起きても、履いていれば被害を最小限に食い止められる。 そう自己暗示をかければパニックに陥らずに済むという。
 某メーカーで働く女性(54歳)は、通勤電車は何があろうとトイレ付車両に乗り、そこで差し迫った「大きな用事」を済ませるのが日課だという。 苦痛なのは毎朝会社に辿り着くまでにその用事が繰り返し切羽詰まることだ。 「原因は仕事の重圧。 私がミスを犯すと社内全体のスケジュールを狂わせてしまう。でも会社は辞められないから下痢と付き合うしかない」
 (以上、朝日新聞記事より一部を要約引用したもの。)


 実は私も、娘小6の時に家族で北海道旅行を実行した際、バス乗車中に下腹を急降下する“下り龍”に襲われた経験がある。  おそらく私が50歳時、未だ現在のように日々便通の乱れに悩んでいない頃の話だ。

 レンタカーでも借りれば良かったのだろうが(何分亭主に遠出運転をさせると寝込むし、私も運転嫌いのため)、当該旅行は私の大の苦手の「団体バス旅行」におんぶした。
 これが大変! 旅程も4日目になると我が集団嫌いが既に爆発しそうな程のストレス満杯状態だった。
 4日目は早朝から小樽を訪れ、その後美瑛や富良野を訪れる旅程だ。 既に早朝バスに乗る前から集団行動ストレスによる下痢を発症していた私だが、当日夜には東京へ帰宅する最終日のため、団体バスに乗り込まねばそれが叶わない。 今思えば「オムツ」でも持参すればよかったものの、それさえ無かった時代背景だ。 
 やむを得ずバスに乗り込んだものの、既に乗車時点から「下り龍」が我が下腹を急降下する。
 小樽に到着するまで30分程だっただろうか? 我慢強い私があれ程までの苦しみに耐えたのは最初で最後だったかもしれない。 しかも到着後「体調不良のため、次なるバスの出発時まで団体行動から逸脱したい」と訴えるのも苦しんでいる私本人だし(亭主はこういう場面では元々役に立たないキャラ)、それに対するツアーコンダクター氏の回答にも愕然とさせられた。 何と彼女は「困りますね。これから集団写真撮影なのに!」
 (まずはツアー客の体調こそを気遣うべきなのに)と呆れ果てた私は、小樽でのバス集合場所・時間を確認した後、即刻近くのホテルのトイレに駆け込んだ。
 まあ少し救われたのは、その後の小樽での個人行動中に亭主と娘が下痢をしている私に優しく対応してくれた事だ。 要するに“役には立たないが優しい”家族に支えられ、我が家が現在まで成り立っている事実を付け加えておこう。


 突然、下腹を襲う「下り龍」被害に遭うとの経験は、誰しも少なくないのではなかろうか?

 特に現役世代で社会にて活躍している方々のそのご苦労の程を察し、懸念する。
 もしも都会の満員電車内でその被害に遭う事も十分に想像可能だ。 都会の場合、通勤時間帯の大混雑を思い起こしただけで、救いようの無さに愕然とさせられる。

 ただ、現在は「大人用オムツ」なる便利な商品が販売されている時代だ。
 上記朝日新聞内に紹介されている女性が、それに頼れば確かに“自己暗示”効果が発揮されると発言している通り、水面下でその種の商品を有効利用するとの方策も取れよう。
 
 とにもかくにも現在の過酷な社会情勢に耐えねばならない現役世代の方々こそが、便通の乱れなどに翻弄されず積極的に適切な対策をとり、その厳しい現状から脱出して欲しいものだ。

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