原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

“開放感”に浸るつもりが、どっぷり病院通いの日々…

2018年01月13日 | 医学・医療・介護
 (写真は、現在入院中の亭主の体内から手術により摘出された“物体”。)


 前回エッセイの続編だが、我が亭主は上記写真の“物体”を摘出する目的で現在入院中だ。

 昨日、手術によりこの“物体”が亭主の体内より無事摘出され、亭主の入院生活も峠を越えた。

 
 一昨日、担当医との手術前面談のため病院(東大付属病院だが)へ出向いたところ。
 当該病院では患者の手術の際、必ずや家族が手術前より終了後まで病院内で待機せねばならない決まりとの事だ。 病院側の意図とは、手術時に想定外の事態に至った場合すぐ家族にその状況を伝え、家族の意思に従うとの意向のようだ。

 この話を手術前面談の際聞かされた私は、すぐさま異議を唱えた。
 「手術中に想定外の事態に陥ったとして、その場に家族が同席していても何らの役に立たないのではなかろうか? 同意事項はすべて今同意したのだから、手術中有事の際には医療スタッフの皆様に最大限の努力をして頂くしか方策がないだろう。 何も家族が無駄に同席せずとて、スタッフのご努力にお任せしたいが。 手術が終了する頃には必ず病院へ到着するようにするが、それでよいのではないか?」

 これを聞いた担当医師氏は、大いに意表を突かれたご様子だ。
 おそらく、こんな不謹慎は家族は私のみだろう。
 「一応当病院ではそのような決まりとなっておりますので、手術前より病院内で待機をお願いします。」 
 これがまた優秀かつ若きイケメンの良き医師先生で、その先生よりこう言われてしまったならば、それに従うしかない。


 そんなこんなで昨日は未だ暗闇の朝5時半に起床し、-2℃の厳寒の中、電車を乗り継ぎ病院へ向かった。
 病院からの指定時間に亭主の病室へ到着してみると、まだベッドで寝ている状態。
 「もうっ! こんな早い時間に来る必要なかったのに!!」と怒りつつ、亭主の体調を確認する。
 それから40分程が経過して、やっと看護師氏が手術用着替え補助のため病室へやって来た。(怒りは内面に抑え)ニコニコ作り笑いで挨拶と御礼を申し上げた。
 その後更に20分程経過して、やっと手術室へ向かう事となる。 手術室へ行くエレベーター付近で前日に面談したイケメン先生が待っていて下さり、合流する。
 (こんな朝早い時間帯から医療スタッフの皆さんが亭主の手術のために誠実に仕事をされているのに、家族の私がいつまでも不謹慎な心得では失礼だ。 心を入れ変えよう。)とやっと真摯な態度に戻れた私だ。

 その後、病院内で亭主の手術終了を待つ事となるが。
 暇つぶし用に書物を持参したのだが、なんせ眠いし身体がだるいし頭痛はするし目の奥が痛むし、到底読む気になれない。
 亭主の病室から東京スカイツリーがすぐそこのように展望できるため、しばらくボーッとそれを眺めていたのだが、時間はなかなか過ぎてくれない。

 少し歩こうと考え、病院内散策に移る。
 今回の亭主の手術の場合失敗例は極めて少数と聞いていたため、特段手術に関する不安感はない。 ただただ、だるい自分の身体を引きずりながら病院内を散策していると、緊急病棟のソファーが空いていたためそこに座って病棟内を行き交う人々の人間観察に入る。 スタッフ氏達の急ぎ足と患者氏達の足取りがまるで違う。 私同様に家族の手術終了を待っているのか、目的無くソファーに座っている人々も多い。
 しばらく座って落ち着いた後院内ショップを探索し、ミネラルウォーターとティッシュを亭主のために買った後、院内ラウンジで少し早めの昼食をとる。  このラウンジからもスカイツリーが間近に展望でき、また(何池かは不明だが)病院近くの大きめの池の周囲をジョギングを楽しむ人もいる。(私も手術の付添よりも、あの池の周囲をランニングする役割を担いたいものだ、と今は叶わぬ邪念が脳裏を過ぎる…) (先ほど地図を確認したら、この池は不忍池だ! 東大は上野からも近いのだと再確認、実感。)
 お昼近くまでそのラウンジで時間を潰し、病室に帰り亭主の手術終了を待つこととした。

 その後、亭主は体中ドレーンで繋がれ酸素マスク姿で病室へ無事生還した。
 手術は予定通り成功。
 イケメン先生より、プレゼントとして冒頭写真の“物体”を頂いた。 色目が透明に近く薄いのは珍しいとの説明だった。
 後は回復を待つのみだ。


 本日午後も病院へ出向き、亭主の回復具合を確認する我がスケジュールである。
 

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