原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「いつやるの?」 「私の勝手でしょ!」

2013年07月27日 | 時事論評
 私はそもそも「流行語」なる俗言葉が基本的に嫌いだ。

 特に、言葉としてさほどの意味をなさないにもかかわらずメディアが殊更取り上げ、故意に流行語に仕立て上げられたような言葉は断じて受け入れ難い。
 人が私的会話内で使うのは勝手かもしれないが、その種の言葉とは聞かされて“気持ち悪い”し、聞く側こそが恥ずかしい感覚すら抱かされる。

 一例を挙げると現在流行中の 「いつやるの?」 「今でしょ!」 などはその典型である。
 これを流行らせたのが東大出身の予備校塾講師というから、さらにアホらしさが増強される…

 「今でしょ!」 に関する話題は後回しにしよう。

 
 先程、年末に発表される「新語・流行語大賞」の歴代受賞語をウィキペディアにて調べてみたところ、中には、単なる“流行り言葉”の域を超えて、後々までも立派な「国語」として生き残っている言葉もあることを再認識させられた。
 その事例を挙げよう。
 1986年の「究極」「新人類」、 88年の「ペレストロイカ」、 89年の「セクシャル・ハラスメント」、 90年の「ファジー」、 95年の「無党派」、 2000年の「IT産業」、 03年の「マニフェスト」、 09年の「政権交代」……

 へえ~~、これらに関しては「原左都子エッセイ集」内でも多発している言語であるが、すべて元々の由来が“世の流行り言葉”だと知りプラスの意味で少なからず驚かされた。
 “流行り言葉”が時代の変遷に係らず受け継がれ、新たな時代にもマッチし続ける場合もあり得る事を再確認である。
 ちなみに、原左都子の予想では今年の流行語大賞は 「アベノミクス」 と結論付けている。 アベノミクス政策自体を肯定していない私だが、今年年間を通して世を一番揺さぶった現象がこれであることには間違いない。


 さて、話題を表題にも掲げた 「いつやるの?」「今でしょ!」 に戻そう。

 皆さんは既にご存知であろうが、この言葉を最初に発したのは、上述の通り予備校塾講師である林修氏であるようだ。 当講師が衛星予備校国語科授業内でこの言葉を使用したのが事の始めで、当該予備校内では林氏のことを「今でしょ先生」と呼んでいるそうだ。

 別に、この人物の経歴を「原左都子エッセイ集」内で殊更紹介する必然性など全くないのだが、東大関連記事が多い我がエッセイ集は、どうやら「東大」検索で数多くの人々に“愛読”?されているようでもある。
 そういった私的事情により、少しだけ林氏の経歴を紹介すると、確かに1988年に東京大学法学部を卒業されている。 新卒入社した銀行を半年で退社し、その後様々な商売にことごとく失敗後予備校講師に転身。 その後東進ハイスクールには1992年より所属。2009年からは当該予備校で東京大学・京都大学の入試現代文対策授業などを中心に授業を担当している。「いつやるか?今でしょ」の名言で、予備校講師としては異例の国民的有名人物となった。
 (以上、ウィキペディア情報より一部を引用。)

 どうでもよい話題を何故執拗に取り上げているのかと言うと、実は原左都子は過去において東進ハイスクールと多少の接点があるためだ。
 それは我が娘が高3直前の話である。 それまで美大進学目指して受験に励み美大予備校に夜な夜な通っていた娘が、突然、進路を大幅に変更したいと「お抱え家庭教師」である母の私に涙ながらに訴えた。(その理由等に関してはバックナンバーでも記述済みのため、ここでは割愛するが。)
 娘の嘆願を聞き入れ、今こそ進路変更ラストチャンス時と承知した私は、すぐさま変更進路先を視野に入れた対策を練った。 それこそが、娘の新たな進路希望先大学の秋の“公募制推薦”だった。 これにターゲットを絞り込み、まずは高3一学期の成績を確実なものにしようと志した。 幸い日頃より着実に努力を続けている我が娘のそれまでの学業成績は、志望大学の“公募制推薦”の最低条件をクリアしていた。

 母である私の懸念は、今まで「美大予備校」で過ごしていた高校放課後の時間帯を我が娘が如何に過ごせるかであった。 下手に家に帰宅してダラダラと過ごされては元も子もない。 ここは民間受験塾に頼り、娘を強制的に夕方の時間帯を塾ででも過ごさせようかと愚かな私は考えたのだ。 ちょうど娘の登下校道中のターミナル駅近辺に東進ハイスクールがあり、娘が通い易いであろうと判断した。 
 ところが娘は塾通いを当初から渋っていた。 「家で今まで通りちゃんと勉強するから…」と心細そうに訴える娘の思いを振り切って、私は東進ハイスクールへ娘を同行した。
 そうしたところ、東進ハイスクールでは(上記のごとく)「衛星授業」(要するにDVDによる授業)を中心としている事が判明した。
 担当者の話によると一応、担任を付けると言う。 ところがこの「担任制度」こそに失望した私だ。 バックグラウンド不明の担任とやらに、これまた生徒本人のキャラも志望先も不明の“ごっちゃ混ぜ”受験生集団の会合を月に1度持つとの事だ。
 この話で、娘お抱え家庭教師である私の決断も迷いなく下せた。 この実態ではある意味で個性豊かな娘は潰されるのみで、何らの有益性もない。 今後は娘の希望通り、自宅で“公募制推薦”に向けて自助努力させよう!!
 その判断は大正解だった。 娘はその秋難なく第一志望大学の“公募制推薦”合格をゲットして、現在大学2年生になり学業に励んでいる。


 だからこそ、たかが予備校一講師に「いつやるの?」と問われても、 「私の勝手でしょ!」と返すしかないのだ。

 あの時本当に娘の自主性を優先して大正解だった我が家だ。
 
 「いつやるの?」「今でしょ!」 なる一予備校講師がホザいた言葉を、メディアが殊更取り上げた実態に依存するしか今後の発展を望めない予備校塾に、あの後我が娘を託していたならば、明らかに娘は潰されていたであろう。
 あの時娘が私に訴えた、どこで勉強しようが「私の勝手でしょ!」の嘆願を結果として親である私が受け入れられたからこそ、娘の今があることを実感させられるのだ。

 現在東進ハイスクールの取締役にまで昇格しているらしき林修氏は、今後メディア上に出現する事を控えるとのコメントを(メディアを通して)発しているらしい。

 今後林氏が“芸能人”ではなく、東大卒業後に紆余曲折してゲットした現在の東進ハイスクール取締役の立場を死守したいのならば、受験に向けて頑張っている生徒達個々の希望に沿う事こそが、40代という若き貴方に残された今後の唯一の使命ではなかろうか??
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