原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

客室乗務員こそ“私服”でいいんじゃないの?

2013年06月19日 | 時事論評
 最近、我が家の近くに位置する大手スーパーマーケット女子従業員が私服勤務となったようだ。

 それまでは巷のスーパー女子店員によくあるごとく、地味系色合いのベストとタイトスカートのスーツ、そしてやはり地味系薄色のブラウスにローヒールサンダルのいでたちだった。
 そもそも昼間スーパーの店員をしている女性達とは、そのほとんどが主婦のパートであろう。 (大変失礼ながら)“美しい”などとの言葉とは程遠いその女性達の外見スタイルこそが巷のスーパーマーケットの象徴とも言え、一般市民が食料品や生活必需品を買い求める中核的機能を果たす大規模店舗にして必要十分の制服とも表現できよう。

 ところがある日スーパーを訪れたところ、衣料・寝具雑貨売り場フロアーの女子店員の皆さんが制服を着用していない。
 よく観察すると、顧客に交じって首から名札をぶら下げている私服女性が店員氏達と認識した。 私服とは言えどもまさか絢爛豪華に着飾っている訳ではなく、皆さん、ジーパンにTシャツそしてスニーカー姿だ。  その動きを見ていると明らかに顧客とは異質だ。 軽装私服スタイルで快活に売り場内を移動しつつ、今までよりもずっと活気付いて勤務しているような印象を私は受けた。

 その後も度々スーパーを訪れるのだが、やはり私服女子店員の皆さんの働く姿が快活なのだ。  おそらく上記地味系スーツ姿よりも、軽装私服の方が実際格段に動き易いのであろう。
 そして(これは私の推測だが)、店舗側としてもスーパーで販売している普段着を店員氏達に(従業員特典安価で)購入してもらえるメリットもあろう。 今まで必要経費だった制服代金及びそのクリーニング代金も発生せず、経営者側にとっては一石二鳥の経費節減対策ではなかろうか?


 ここで一旦、原左都子の私事に入ろう。

 私は元々「集団・組織嫌い」体質であるのに加え、思春期頃より今に至るまでファッションにはこだわり抜いている人種でもあるため、基本的に“制服嫌い”だ。
 「原左都子エッセイ集」2013年3月バックナンバー 「セーラー服を脱ぎ捨てよう!」 に於いてもその辺の我が思いを綴り公開しているため、今一度エッセイ内容の一部を以下に反復させていただこう。
  中学校卒業以降「制服」を嫌い続けている我が人生だ。
  ただ、どうなんだろう??  先だって発表された今年の大学生就職率が80%少しに留まっている現在、「制服」がある企業への就職が叶いそれを着用することだけでも若年層にとってとりあえず“ハッピー”なのだろうか??  若者世代には少し発想を変えて欲しい思いだ。 「セーラー服(制服)などとっとと脱ぎ捨てて」本気でこの世に飛び立たねば、自分が真に欲する仕事になど巡り会えないのではなかろうか??  先進国の企業組織において「制服」を強制している国とは、(特殊作業を行う職種を除外すると)この日本だけではあるまいか?  「制服」が自分のプライドを保ってくれる時代など当の昔に過ぎ去っている。 それを重々認識し、若き世代には自分の意思と能力で自由に社会へ飛び立って欲しいものだ。
 (以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーより一部を引用)


 話題を表題に移すが、私が子どもの頃に一般女子があこがれるナンバー1の職種とは「スチュワーデス」だったものだ。
 それ程に当時の航空機客室乗務員とは、一見(あくまでも“一見”に過ぎないのが辛いところだが)、“美しさ”と“聡明さ”の象徴だったような記憶がある。  そんな庶民女子の憧れを一番煽ったのが、まさに航空機会社が採用している「制服」だったのではなかろうか??

 朝日新聞6月15日夕刊一面に、客室乗務員の制服に関する記事があった。
 「空飛ぶ制服 機能美モード」と題するその記事を以下に要約して紹介しよう。
 日本の空を飛ぶ客室乗務員の制服がJAL・ANA共に一新される。 そのスタイルは働く女性達の姿を映しながら時代に合わせて変化を遂げてきた。 機能性とファッション性を追究しつつ、クリーニング代を抑えたりエプロンを無くしたりするコスト削減も狙う趣旨だ。 JAL10代目新制服のコンセプトは「親しみやすさ」「動き易さ」そして、「経費節減」である。 片やエールフランスは有名デザイナー氏の制服を採用する等、常に最新モードを取り入れて来ている。 当該航空会社の制服採用において今も昔も変化がないのはエプロンがない事。「客室乗務員はお客様を招いてもてなす主人。だからエプロンはしない」これこそがエールフランスのモットーである。
 (以上、朝日新聞記事より一部を引用)

 一旦原左都子の私論に入るが、確かに日本の航空会社がずっと採用し続けてきた女性客室乗務員の「エプロン」の解釈が分かりにくい。
 現在少なくない男性客室乗務員が「エプロン」をしている場面を見たためしもない。
わずか1時間程の国内線においてたかが1杯の飲み物を出す時にも、女性乗務員は「エプロン」姿で登場する。 顧客の一体誰が、女性乗務員に「エプロン姿」に変身する事を望んでいるのか??  それを問い続けている我がエアフライト人生とも言える。
 このエプロン姿、天邪鬼の私に表現させてもらうと「卑猥感」すら漂うのだ… 結局、誰がエプロン姿を女性乗務員に課し続けたのかと言えば、航空会社で女性乗務員を採用している男性親分どもではないのか??
 それは冗談であることに期待して、JALの10代目制服採用により一体何が変化するのかと言えば、会社側のコスト削減効果しか望めないような気もする。


 最後に、原左都子の私論でまとめよう。

 国内、海外と航空機を利用して旅に出る機会が多い私である。
 そんな私が近年経験した航空会社の女子乗務員の制服の中で一番絶賛したいのは「大韓航空」である。 当該会社国際線の場合、制服に先立ってまず、女性乗務員が例外なく美人であるのに加えて170cm以上のスリム高身長なのだ! (単に我が趣味に過ぎないが)これ自体が素晴らしい。 ここまで女性乗務員の美的要因を揃えられてこそ成り立つ「制服美」であろう。

 他の航空会社は、そもそもここまでの「美女」を揃えられていない現実だ。 現在世界各国の航空会社はコスト削減観点から“契約社員”に依存している現状であろう。 そんな多様な客室乗務員に「制服」着用を強制したところで、顧客の印象は「でこぼこ・ちぐはぐ集団」でしかあり得ない。

 ここは発想を大幅に転換し、思い切って客室乗務員の制服を全廃して私服勤務にしてはどうか?
 胸や首から「名札」でも吊り下げていれば、顧客とて乗務員と判断可能だ。 しかもスニーカーでも履いてくれた方が、有事危機の際に救助態勢も取り易いのかとのメリットも思い浮かぶのだが……