tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

メモリー -2

2017-11-09 07:57:23 | 50on 『 ま~ 』
彼が探りを入れている間に、彼女は残りを消化し証拠を消した。
全部を確認し、持たされたであろう携帯・・・財布や手紙さえ眺め確認した。


彼女の特技・・・それは見たモノ全てを記憶する事が出来た。
どの時に誰が、何が・・・思い出しながら呟ける。
確認さえ意識して眺めずとも、視界に入っていれば記憶に止まっていた・・・辺りの景色や建物の形、色までも・・・



鞄から全部の現金を取り出して、それで性能のいい携帯を買った。
一先ず使い方を習うべく取説を読む・・・それはバスの移動中にすませた。

全部の彼女の足取りは、公園のトイレで終わっていた。
無いのは現金とカードだけ・・・誰かが見たら事件の後のように見える・・・

警察が全てを調べて持ち去った事に驚き眺めていた人がいた。
『バレてたのか?』
『まさか・・・言葉さえ選んで内緒にしてたのは知ってたろ・・・』
『取り合えず報告だ・・・』
そっと離れた二人だった。

その場の誰かへ報告していた声にホッとした。
『あー俺らが記録さえ出来てたらな・・・』
『先輩は知ってるでしょ・・・無理だったって(笑)』
『真面目に働いてて信用されて無かっただろ』
『何処から監視されてるか知らなかったから・・・それに可哀想だったし』

『そうじゃなく・・・手紙に書いてあったんじゃ?』
彼の言葉に可笑しくて二人は彼に笑って濁した・・・・
『大丈夫と信じてこうぜ(笑)』

『何処まで真面目だった(笑)、手紙さえ読んでなかったのか?』
『書いてあったろ、見たら消せ。読んだら途中で捨てて手にしとくなと・・・彼女は何処に送ってるんだ?』
『知るかよ・・・部屋から出て、やっと外に出れたのに』

『あーお前の給料が終わったな・・・残念だよな(笑)』
『なんで盗まなかったんだよ・・・』
まだ言うのかと、責めるような先輩の物言いに彼がムッとした。



居酒屋が所狭しと並ぶ一角に、比較的に若者が集まる飲み屋があった。
若い店主が客と楽し気に会話して賑わいをみせていた。

料理は旨く二人のシェフが舌を唸らせていた・・・オーダーすれば飲み物さえ自由が聞くほどにだ。

三種類ほどのグラスで居酒屋だからと笑みで誤魔化しカクテルさえ小さなグラスで出す。
値段も手頃なので回転率も他よりは多かった。

ある日、調査会社からという一人の男が来て話をされた。
給料の良さに先輩から受けろと言われて頷いてしまった。

誰かの世話をする迄の十日間で、家になる場所を作り日々を忙しくした。

写真を見せられ覚えさせられた・・・女だった事に驚き、自分よりも年下の子の世話かと苦笑いをする。

どんな事も全て世話をする条件だった為に最初の2日だけ女性の家政婦が来て教え込まれた。

『そんな照れた顔は駄目です・・・負担なく世話をするのだから・・・当然だと思い込んで、世話をする方へ・・・恥ずかしいと思わせないように』

そうかと頷いて理由付きで習った。
まじで職替えも出来そうだと自負する・・・比較的に嫌いじゃない家事・・・写真の子ならと笑みは溢れた。

始まる頃にメールをするが携帯が使えない事を知った・・・即座に室内の電話がなり、監視されている事を知った。

買い物と外へ自由に出れる事で仲間へ連絡して、話ながら買い物をする日々を過ごした。

大事な博士の娘なのか、情報を集める先輩・・・世話をして初めて人形のように生きる彼女に戸惑った事も話してみた。

声にはするが、投げた言葉にだけだ・・・聞いてくるが、何かをさせられ疑問に思った事だけだった。


迎えに行く先は遥か山奥で、個人病院であり精神病の専門病棟でもあったが…。
精神病院と書いてあって戸惑った・・・博士から話は聞いていて目を欺く為にとは聞いていたが真実は知らないだけに恐る恐る待っていた。

違和感はあっても指示された事をさせろとだけ言われている。
色んなリストは書いてあり自分は実行するだけで高額の手当ては貰える・・・だから仕事だけ徹底すればいいかと、出迎えた女を中心に頑張ろうと思った。

始まってから・・・ひたすら眺めても、何処の国の言葉かも分からない・・・知るのは数字や記号だけ・・・それが羅列する意味さえ理解出来なかった。

全てに従う彼女への戸惑いは、いつしか消え 普通の女の子と変わらない事に気づいた。
精神病院に居た理由・・・ひたすら隠し通したい博士の言葉・・・時おり荒れる門付近の事は彼だけは知っていた。

警察さえ割り込むが中までは私有地の為に入れなかった。
自分から鍵の解除さえ出来ずにいた・・・彼もまた監視の対象の中にいたのだ。

下手な言動は危ないとさえ思え友人とは連絡を断った。
それは買い物に行く自分に警護がついてから知った。

理由は教えて貰えないが危険なのだという雰囲気は分かった・・・人が増えるからだ。

そして・・・荷物が届く・・・指示書の通りに運ぶ・・・事が済め上手く行けば倍の給料を貰え終わりだと知った。

それでも、その間にモノを盗もうとする先輩・・・それ以外に博士ではない人からの別の指示があり・・・誰を信用すべきなのかと迷うほどだった。

怖さもない彼女に驚く・・・全部に声だけという怖さが自分に沸いた。

時々、世間話だと彼女自身の話を聞いていた・・・真実かと思える彼女が体験した話に戸惑った。
それでも笑みは悲し気で、そっと静かに笑みに変えていく彼女と知った。

騙されたふりをして、そうかと呟き話を変える・・・
それでも膨大な量を見続ける日々を眺め、体を壊さないように生活管理は物申して徹底して暮らして貰った。

言わなければ止めない・・・集中して見いる彼女は数度の声がけで気づく事は無かった事に最初は驚いた。

寝入ってからフゥと力が抜ける・・・物音はしても飛び起きる事もなく爆睡すると知った。

嵐のように稲光は激しく雷雨の音に焦るが、一つも起きない彼女に驚いた。

眩しいと布団まで被る彼女に逆に驚いた・・・翌日に、眩しさの理由を聞かれて初めて、音の事ではなく光る眩しさの方だった事に驚いた。

理由を聞き、彼女の言葉でそうかと納得した彼・・・それでも自分の驚く姿に笑う彼女が可愛いと・・・自分の妹のような錯覚さえ覚えた。




元の生活に戻る彼・・・
見知らぬ人達が時々やって来る事に気づいた。

彼女を逃がしてから半年以上が立つのに・・・未だ近づく人達・・・そして待ち合わせの日付は、誰かに見張られているのかと思える気もした。

紅奈は知らない・・・当時、使っていた携帯は新機種と交換させられ持っていなかった。
彼女が持っているはずもなく連絡さえ取りようがないのだ。

『俺ら、見張られてる?』
店を閉めて片付ける颯慈に呟く碧・・・だよなと紅奈までが頷いて二人を眺めた。
賄いを出して食べさせる颯慈を眺めると苦笑いをして自分の分もテーブルに置き食べ始めた。


『あの・・・』
恐る恐るというドアの開け方に、可笑しくて口を引く颯慈・・・碧が笑って促して中へ招き入れた。
コートを着込んだ彼女達の姿を眺めながら笑み紅奈が仕方ないと声にした。

『営業は終わったけど、(笑)食べたいなら出すよ?』
『いいえ』『お願いします』
重なる彼女達に笑む彼ら・・・どっちだと笑う碧が二人を覗き込んだ。

『下さい、払いますから・・・』
口を引いて苦笑いをした彼女が声にして、了解という声にホッとした彼女は拒否した彼女に口を引いて微笑んだ。

さりげなく外の様子を眺め、鞄の中を眺めながら見合っていた。
食べながら様子を眺める彼ら・・・皿に盛り彼女達へ出してやる颯慈を眺めた彼女が礼をした。

そっと携帯を出し、外からは見えないように鞄もテーブルに置いて食べ始めた。
数度のやり取り・・・食べながら携帯に触れる彼女の方を眺めた。

『時間は気にせずに食べれば?』
食べながら携帯に触れる彼女へ呟く颯慈・・・気になって声をかけたのだ。
苦笑いをした彼女は隣の彼女を見つめ考えていた。

『アキ・・・大丈夫なはずだから、話して帰ろ・・・』
『ハルヒ・・・』
『フユキが持ってるし・・・場所は合ってる・・・』
『どの人か・・・』

何だと彼女達の会話が気になった彼らが眺めた・・・
『すみません、聞いてないふりをして私達の方は見ないでくれますか?』
『追われて探されてもいるので・・・無関係と、普通の客扱いをして貰えたら』

『急に言われて、何だって君達を見るだろ(笑)』
『すみません、外の看板・・・赤の文字の看板向こうに見張りが居て・・・
さっきから行き来して探られてて』
『俺らを知る?』
『だから見張られてますけど?』

苦笑いをした颯慈は、静かに表の店じまいを始め 辺りを眺めつつ看板を敷地部分へつめた。
戻り食べ始める颯慈に苦笑いをして、碧達も食べ始めるのだった。

電話がなり、彼女は声を出さずにカウンターの中の彼を見て食べ始めた。
何だと彼女を見返したが・・・

『ごめんなさい・・・名前も聞いてなくて、やっと探せて彼女達に頼みました。
待ち合わせの場所・・・行けそうにないので、貴方も行くのを止めて下さい』

『ん?あの時の?』
『はい、見張りが近すぎて出れません・・・電話で話してない感じにして下さいね?』
『し・・・してる・・・』
『(笑)ありがとうございました。逃げれて良かったです』

『君は?』
『 ・・・』
『捕まった?』
『大丈夫です(笑)』

ノックされた音がした・・・少しのノイズが交じり携帯は隠された事に気づいた。
彼女達は声にするなと小声にして静かに食べる。

『フユキ、解読はすんだか?』
『出来ません、私はプロではないので・・・』
『方法を知るのだろう?』
『それは次のモノで出来るとありましたから。
貴方が捕まえに姿を見せたから、私へ運ばれていないと思えませんか?』

『他の資料を出せ』
『それは出来ません。博士からの最後の部分を貰えないと・・・
順番に受け取っていなかった事は言いましたよ?』
『次で最後と、前は言ったろ』

『前回ので最後の場所に使える暗号、それと何ヵ所か抜けた場所を見なければ完成もしないと(笑)素人の私でも分かりましたよ?』
『知る部分を紙に起こせ』

『それは博士の許可を頂きます、会わせて下さい・・・』
『何故、奴に会いに行かないんだ』
『あの方は私の世話をしていただけで、中味は知らないと調べたのでしょう?』

『フユキ、お前が雇った業者が(笑)呟いたぞ。
取り外しを頼んだそうだな(笑)』
『真面目に働いている方へ、盗聴や盗撮をすべきではないと思いますけど?』

驚いた碧が思わず声にしそうになり、彼女達が焦った。
話していた様子で大丈夫だったとホッとした彼女達もいた。

取り引きのような やり取りを繰り返し、諦めたように出て行った気がした。
ため息の声にホッとした人達・・・

『ごめんなさい、定期的に個人で外して下さい。
ハル(笑)アキも・・・ありがとう・・・』
プツッと切れた電話に、ホッとした彼女達は急いで食べた。

『焦るな(笑)。飲む雰囲気にして出すから待ってろ。紅奈は表を完全に閉めとけ』
『駄目です、関係者扱いになるので対象の中になりますから』

ハルが言って笑み、お金を出して帰る準備をした。
碧が笑み素早くレジでメモし、レシートのように彼女へ返し微笑んだ。

『俺の番号(笑)、近い内に会おう。彼女を心配してきた颯慈に話をしてくれ』
『偶然を装って外で会おう。(笑)それを繰り返す・・・』
『(笑)大丈夫です。彼女から繋がる事は危険だと聞いてますから』

返事は待たずに彼女達は店から出て行った。
出ようとした碧を引き留める・・・

『見張りと言ってたろ(笑)。本当の偶然を待とう』
そうだったと苦笑いをした碧・・・トントンと笑み背を叩く紅奈だった。