tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

かぐや 6

2017-04-29 00:50:32 | かぐや < R >
悲し気な笑みで出てきたハルトがいて驚いた・・・視線に気づいたハルトは苦笑いをする。
こっちへ来る事もなく彼は静かに出て行った。
いつもと違うハルトだった事で、声もかけれず・・・出て行った姿を眺めていただけだった。





ドアへ頭を凭れノックすべきか悩む・・・・自分の繰り返す過ちに今回は戸惑い逃げ場がなくてココへ来てしまったと思えた。

求められたが・・・果てなく終わり呆れて戻ったはずだった・・・それを知ったレン・・・自分に項垂れた。
止めようもない疼きが収まらず、より求め行き 終わらせたくて貪った・・・応えず果てた身さえ構わずに続け・・・

一度は戻れた・・・無駄だと諦めた自分もいた・・・不味いと思えた自分・・・だからか新たに出ようとしたが引き止められた。
それでもいいと求められ、応えた自分がいた・・・事の終わりの状態でも、優しく笑み辛さは自分で消して抱き締めた人に戸惑った。


逃げるように出た彼は、夜の街を流し彷徨った・・・あてもなく、ゆっくりと足を進めた・・・
渇きが止められない・・・求める手を伸ばしたが、先は分かり過った顔に戸惑った・・・

今更ながら苦笑いをする・・・何処を歩いて来たかも分からない自分が辿り着いた場所だった・・・

携帯が鳴り・・・眺めた画面に出ていた名前に苦笑いをした・・・
そっと触れて耳へ運ぶ・・・何も言わない人・・・何も言えない自分・・・

『開いてるから来い・・・』
優しい声音が身に染み込むように入ってきた・・・・
『いいから来い・・・』
自分の迷い・・・気付かれたと苦笑する・・・自分から切った携帯をしまいながら敷地へ入り込んだ。


別世界のようで思わず立ち止まり辺りを眺めた・・・
目に止めた事のあるカナタが、目を閉じて居心地がいいと言いたげに微笑んでいた。

穏やかな笑みに、誘われるように足を向けたのだった。
声をかけ・・・カナタの驚く様子に苦笑いをする・・・・たった数分の出来事だったのに、これだけ怯えていたのかと胸が痛んだ。

締め付けられるような・・・心臓を捕まれた気がした。
詫びようと声にしようとしたが、カナタの姿に選ぶ言葉は見つからなかった。

ただ離れる事で精一杯の自分に呆れた。
しまったはずの携帯がなるが・・・それは誰か知る・・・そっと離れる事だけに頭は過りカナタから離れた。


誰も居ないリビングを素通りしてカグヤの部屋の前へ着く・・・
情けない自分を知るカグヤに、どの顔で会おうか悩んだ。

誰もしない忠告は静かな物言いで耳打ちするカグヤだった・・・後悔する前にと何度言われても耳を傾ける事はなかったが・・・少しずつ・・・思い出す瞬間もあり、手加減も出来るようになった自分もいたはずだった。

込み上げる寂しさは払えない・・・その感情だけで埋め尽くせる事も少なくなってきた・・・
だからか・・・カグヤの声に誘われるように来たのかと思えてならなかった。

それでもノックが出来なかった・・・消し去る自分の火種は既に解消はされていたが、燻りは残り瞬時に表へ出ようと待ち構えていると知る。
自分の中は冷えきっていて寒くて耐えられそうにも なかったのだ。

スッとドアが開く・・・・カグヤの笑み・・・それは自分の今の顔を笑っているのだろうと思えた。
笑みは消えずに彼を中へ引き入れたカグヤを見れなかった・・・

何も言わないカグヤ・・・ドアが閉まる音・・・全てはカグヤの中へ入れた事で優しさに包まれた気がした。
項垂れたままのレン・・・・そっと脱がされて行く事に戸惑った・・・自分よりも小さなカグヤに抵抗も出来ずにいた。

火種は甦る・・・言い様の無い自分の中から全てを 掻き出したい衝動がこみあげた。
全てが晒され連れて行かれた場所はバスルームだった・・・準備されていた浴槽に溜まる湯は柔らかな色で優しく香り温かな湯気が立ち上っていた。

その香りに静かに忍び寄る疼き・・・
浸かり揺れる乳白色の波・・・気づけば目の前にカグヤが微笑んでいた。

『どれだけ歩いた?』
怒るでもない・・・呆れた顔のカグヤに口を引く・・・
『(笑)強気のレンは?』

どこだと覗き込むカグヤを眺めた・・・タオルを手にして顔を拭く・・・温めたタオルをクビヘかけて微笑んだ。
自分の手を取り、掌をマッサージするように触れるカグヤの手・・・そして反対の手へ・・・少しずつ留まり始めた気がした。

『何で知った?』
『(笑)気づけば良かったろ・・・』
『 ・・・・』
『(笑)振り向けば温めて貰えたんだ・・・・』
『ずっと?』
痛む体を押して、自分を追っていたのかと胸が痛んだ・・・

『隙間へ入り込めてなかったと言ってた・・・だから助けろと言われたんだ・・・』
『馬鹿だな・・・』
『お前がな(笑)』
フッと苦笑いをするレンだった・・・カグヤが何かを口に含むと、そっと近付き飲めと口付けた。

有無もなく流し込まれる・・・焼け着くような純度の高い酒だった・・・
互いにアルコールには強い・・・弱ったレンの体には辛かった・・・数度の少量で飲み込めずに口から零れ落ちた。

笑うカグヤに苦笑いをする・・・それからは優しく湯の中でタオルを手にしたカグヤが全身へ巡らせた。

枕のような柔らかなモノを頭の下へ運ぶカグヤだった・・・身を解放するように下へ引かれる・・・足の隙間へ座るカグヤが優しく撫でていた。

心も温めろと笑うカグヤに身を預けてレンも体の力を抜いた。
少しずつ流れ・・・入り込む湯は、全部を熱くするように優しく注いでいた。


『あー(笑)湯だる、早く出ろ』
暫くして声にするカグヤに笑み返した。
されるがままに体は拭かれ頭さえ 擦られて水滴を消すカグヤに笑み返した。

ベッドへ入り込む・・・寄り添うだけのカグヤに戸惑った・・・
『俺を襲えよ(笑)』
『あーしたいのか?』
『んっ!』
不意に触れられたレンが小さく唸る・・・

『出来んのか?(笑)、これは別で使わない?』
『それは俺を煽ってんのか?』
ソコで撫でるだけのカグヤに言葉を返したレンだった。

『癒しはこっちじゃないだろ・・・痛みを押したヤツから癒さないと駄目だろ・・・』
違うかとレンを眺めるカグヤは、撫でていた手を胸へと流した。
迷うようなレンに口を引く・・・

『少しだけ寝かしてやる・・・それから帰れ・・・』
『 ・・・・』
戸惑うレンの目を閉じさせ瞼へキスをする・・・自分の頬にあるカグヤの手は優しく全身へ巡らせていった。

『起きるだろ・・・俺らは(笑)病気だぞ』
『だから出して爆睡してから行けよ(笑)、普通でいうと一休みだろ』

フッと笑うレン・・・伸びた先が昂り始めた自分に気づく・・・それでも手は投げ出したままに預けた。
頼むと言われたようでカグヤが笑ったろう熱い息が同じ場所に届いた。

互いに全てを知る・・・どうすれば解放されるかも、十分な程に身は互いを落とせた。

どの位耐えたのか、レンが震わせる・・・息の荒さで狙うカグヤもいた。
『ハッ・・・・っ!』
『こら(笑)も少し耐えろ!』
『待てなかった(笑)』
息も荒く笑うレンに笑み返したカグヤが呟く・・・そっと触れ始めたレンの手を止めた・・・

『いいから寝ろ(笑)』
フッと苦笑いをするとレンは早くも睡魔に襲われていった。





自宅へ戻り全てを脱げ捨ててベッドへ入り込んだレンだった・・・
『ん?』
微妙な違和感に気づくとフッと苦笑いをして、目の前で眠る人を優しく包むように引き寄せた。

『悪かった・・・体は大丈夫か?病院に・・・・ヒロ?』
『大丈夫だよ・・・』
笑みながら、いつもの場所へ入り込む姿にレンは優しくキスを落とした。

『何でハルトをベッドに連れ込んだ?』
怒りでもない優しい響きに驚いて見返した。
微笑むレンが口付けた・・・
『ココに染み込んでるぞ(笑)』
『ね、ねっ・・・』
『(笑)知ってる、寝てないと分かるが・・・な・・・ソファーでいいだろ』

『いっ・・・一緒・・・に・・・・』
『(笑)風呂に入れてくれたのか?』
何で分かると言いたげな目に笑み返したレンだった。

『一つ(笑)お前に教えてやる。
俺の使うモノ・・・それはカグヤも同じ場所で調達してる。
カグヤとは違う匂いがするが・・・同じモノで似てるが(笑)匂いは違うんだ。

ハルトはカグヤのソープもシャンプーも使うだろ(笑)
今のお前は俺の匂いだ・・・だが、ココに残る匂いはカグヤのモノだ(笑)』

ん?とレンの匂いを嗅ぐ人に苦笑いをした・・・
『同じのがカグヤの所にも置いてある・・・・それで洗ったからだろ(笑)
お前は俺の匂いだけでいろ・・・』

『出なくていい?』
『あぁ』
『本当に出・・・』
グッと顔を近付けて眺めるレン・・・
『お前に嘘はない。家へ入れてから・・・・・』
一度もないだろうと笑むレン・・・溢れた涙に呆れる顔をした・・・優しくキスをする。

『最初で最後に入れた俺を許せ・・・俺らは変わる事はない・・・無理だと知って、今がある・・・
お前だけが俺のモノを使え・・・俺だけの匂いを抱いとけ(笑)』
笑う顔に笑み返した・・・



『聞いてい?』
『(笑)なんだ・・・』
『それはハルトも同じなの?』
『 ・・・・・・(笑)お前は気づいてないか?』
何だという顔・・・・キスを落として笑うレンだった。

『カグヤの部屋から出た誰かの匂いを知らないのか?
(笑)カグヤと同じ匂いはしてないと思うぞ・・・ハルトは(笑)』
『(笑)いい匂いがしてるよ』

『だろ、だけど他は良い匂いはしても、他のヤツとは違うはずだ(笑)。
何で気づかない・・・・カグヤと同じ匂いはカグヤのモノだと言ってるのに・・・お前も気づけよ(笑)』
照れたように笑みレンへ巻き付くように抱き締めた顔に口付けた・・・

『で、出来るよ・・・』
『(笑)いい。俺を抱いて、あっためろ・・・今はそれでいい。
明日抱いてやる(笑)それまで体は休めろ』
ドキンと体が跳ね上がる・・・真っ赤な顔に笑うレンは優しく口付けを落とすと目を閉じて抱き締めた。

『レンだけを愛してるよ(笑)、だから必ずココに戻ってきて抱き締めてね・・・・待ってるから・・・』
『(笑)煽るな、我慢出来なくなるだろ・・・』
『ごっごめん・・・』
『寝ろ(笑)手が緩んでるぞ・・・』
焦りながらレンへ回した手を強め胸へ凭れて目を閉じた・・・


静かな寝息に変わる・・・・
『ヒロ・・・・俺を助けろ・・・これからもずっとな・・・・俺だけに・・・俺の為に・・・』
微かに笑むヒロの寝顔に優しく触れ・・・離すなと願いながら眠りに落ちていったレンだった。





力なく入り込むハルトだった。
やっと眠ったヒロを置いて静かに出てきたハルト。
その途中でレンの姿を見つけ思わず身を隠した・・・

姿が見えなくなるとハルトは家へと急いだ・・・・家へ入るが・・・思うように動けない自分がいた。

カグヤに触れたいのに、レンがいた場所に行きたくもないのだ。
他の人と違うレン・・・昔からカグヤに一番近い存在だと知る・・・自分の知らないカグヤもレンだけは知っているのだ。

勝てる訳もない・・・それでもカグヤと絡む事はある・・・レンの事も知って余計にカグヤに近づくレンに違和感があった。
手荒なレンに手荒に返すカグヤもいた・・・奥深い中で・・・誰も知らない闇で繋がっているからカグヤは離れないのだと思えた・・・

それ以上に拾った人を抱く・・・それはレンも同じだった・・・誰かと繋がり・・・家へ帰ればヒロを抱くと聞いた・・・
レンを求める人達も数多い・・・それはカグヤにもだったが、カグヤは近くへ寄せない人もいる事は知った。

助けられて、カグヤへ自分が浸り始めた事で余計に辛くもなった。
それでも離れたくない自分もいた。

底へ沈む度に、カグヤが温めてくれるという思い・・・その気持ちが強くなっていく事に、項垂れ・・・彷徨う自分に気づくと辛さが過った。

全部を受け止めてくれるカグヤ・・・それは誰にでも優しいが、自分は別だと思える事もあった・・・
一番安心して過ごせる場所だった・・・それでも離れないとと、外へ出る・・・・出逢い自分を愛してくれる人もいた。

それを言うと良かったとカグヤが、励ましてくれてもいた。
焼きもちさえ焼かないカグヤ・・・余計に自分に気もないのだと思い知る。
事の終わりにムカついて自分を落とす事もあった。

直ぐに暗闇が現れて辛くなり息さえするのも億劫になってくる・・・すると目の前にカグヤが現れるのだ・・・
諦めたはずの息をすると微笑んだカグヤが口付けをして頑張ったと誉めるように包んでくれる。

だけどレンが出た後だけは、ドアを開ける事に戸惑う・・・
触れないドアを眺めていると、涙が溢れた・・・・会いたいのに、抱いて欲しいのに入り込めないのだ。

静かに開くドア・・・カグヤの足元が見えると手がおいでと伸ばされた。
『ハル・・・泣くな・・・』
そう呟いても間にあるカグヤの部屋との境目からは出て来ない・・・ジッと自分が来るのを待っていてくれる事も知っていた。

自分に自信もない・・・これまでの勇気はカグヤだったから、カグヤの手が・・・声があったから出来た事なのだと身にしみた。

『ハルが来い・・・ハルトの全部を拾うから、ハルトから来い・・・』
『 ・・・』
『自分が変わる事はない・・・だから我慢してハルトは迷わずに来い・・・』
溢れて止まらない涙・・・カグヤの手が震える・・・微かに知った・・・・

広げたカグヤの腕の中へ入り込めた安心感は自分を温かくした。
優しく閉まっていく音・・・抱き締められた事に笑みが浮かぶ。
『迷うな・・・ハルトの場所でもある・・・』
カチャリと鍵がかかる・・・自分で閉めた事もないカグヤがしたのだ。

いつもなら二人きりが良くて・・・邪魔されないようにハルト自身が かけてからベッドへ潜り込んでいた。
『カグヤ・・・』
『(笑)なんだ』

『 ・・・・誰かを好きにならなくていい?』
『・・・・(笑)誰かを好きになりたかったのか?』
『ん・・・カグヤが楽になると思ったから・・・』
『ハルトが抱くから楽になってたぞ?』

そうなのかと驚いてカグヤを見つめた。
微笑んだカグヤが口付けた・・・・最初は優しく・・・・絡ませていく・・・早く返せと荒くなる・・・

『あー(笑)俺はカグヤだけを愛してるんだ・・・・』
脱がされカグヤの唇が下がった事で、ようやく呟けた。
フッと笑うカグヤ・・・・何だと見返したが・・・・

『声にした?出ちゃってた?』
『そんなに好かれてたのか・・・(笑)』
『 ・・・』
カグヤの口が笑う・・・言いかけた言葉はいらないとハルトから口付けた。
絡め離れない唇・・・・脇から滑り込むカグヤの手・・・滑り落ちて露になった自分・・・触れられる笑み・・・

前なら恥ずかしくて慌てカグヤを離した・・・今、脱がされた服を器用に押さえるカグヤに笑み自分で足を引き抜く。

互いに重なる唇・・・・同じ事を思い出したのか、カグヤの唇が笑った。
奮闘して脱ぐ中でカグヤの手に狙われていく・・・耐えながら頑張るハルトだった。