tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

復讐 4

2017-02-15 12:57:04 | 50on 『 た~ 』
『フゥ依頼が来たぞ(笑) 取り合えずスーツ来てアンといけ…』
室内で寛いでいた二人へ指示をする。

『分かった(笑)アン?』
『遅い(笑)早く着替えたら?』
『凄く真面目に見える(笑)』
『フゥ(笑)見せてるの』
着替えた二人はチェックして貰い事務所を後にした。


『凄いね…これでセキュリティ関連はしてないって…ありえない』
『垂れ流し(笑) 頭悪い』
口で笑むフゥに笑う…ずっと待たされていて依頼書を眺めながら話をしていた。

『スタンプの方? どうぞこちらへ…』
一室へ案内された二人は待たされた。威張りながら入る男は面倒くさそうにソファーに座りこんだ。

『で?』
『そちらが呼んだのでしょう…。契約したら担当に伝えて下されば良かったのでは?』
『いやぁ…会いたくて(笑)
そう言って欲しいのか?』

『部長…』
『親父に言えばやるだろ?俺じゃなくても…』
『御社の担当者と話を…』
『いつの間にか俺になってたんだよね…。話はいいから飲みに行かない?』

『部下にやらせては?』
『頭いーねぇ(笑)早く行け!こいつが案内する』
お辞儀をして彼女らを部屋から出した。

『申し訳ございません…部長になり、まだ日が浅いので…』
『担当者も?』
『いいえ…ベテランです。ここですどーぞ』
案内され入ると、一人の男が部下を引き連れやってきた。

『ハンと申します。セキュリティは、ここ一年…』
『なぜ…』
『体勢が違ったので、動かせませんでした。やっと解放され起動させましたが…』
『たくさんいそう…』
嫌な顔をする二人。

『なぜ急に?今まで大丈夫だったのでしょう?』
『個人のセキュリティでは限界がきて…防ぎようがなく』
『あの上司じゃね…』

『彼には渡しませんから(笑)社長が許可を下さいましたので…。いつから使えますか?』
『サーバーを見ないと』
そういうと先へ案内してくれた。

『フゥ…』
『古い割には綺麗ね(笑)』
『社に秘密で時々動かしておりました…』
『…この数じゃ全職員までは無理よ?増やせるの?』

『…構わない』
『社長…』
頭を下げて出迎える彼らに驚き眺めていた。

『早めがいいんだが…徹夜してでも。こちらは有り難いんだ』
『大金が出ますよ…』
『それ以上の機密がうちには出来まして』
フゥがアンをみた。頷くと電話をかけ始めた。

『一度戻り機材とか全て、揃えてから参ります。一人か二人…人を立てて頂くと…』
『何をすれば…』
『何も(笑)ようするに見張りですよ。間違いないように(笑)
私達はプロですが、二人だけで作業して後に何かあれば責任問題になります…。

そちらのミスで情報漏洩しても、私達の責任ではありません。でしょ?目に見えない物の中の事、私達には、いえ(笑)互いの為ですから…。
お願い出来ます?交代でいいので…』

『分かりました…』
『では戻ります。私達だけで(笑)以外の偽物は無関係。間違わないで下さいね』
歩いて行ってしまった。


『彼女らで大丈夫なんですか?』
『知人の紹介だ…。その辺の会社より鉄壁だそうだ(笑) 中でも二人のチームがいいから指名しろと推薦された。あの金融庁も推薦していたんだ』
『名指しですか?』
頷く社長に驚いた三人だった。


隣の一室に全て運び込まれ、チェックしながら、サーバー室へ運ばれていく。
繋ぎ接続し組み立てて、ようやくしまいこんだ機材に笑む彼女達…

『終わりましたね…』
社員が呟いた。
『やっと始められるわ(笑)』
彼女の言葉に、驚き眺めていた。

『やっとスタートラインに行けるのよ? (笑)やーねぇ。こんな時間だし…食べに行こう』
『監視カメラはOKよ』
『帰っていいんですか?』
『徹夜って言われてるけど?』

『…食べたら戻るのよ(笑)貴方は交代する人が来るまでじゃなかった?』
笑みながら、彼らを押し出し厳重にロックして会社を後にした。


『あそこでいいわ(笑)近いし』
フゥが客を見たが、気にせずに椅子に座った。
『おばさーん(笑)食べたいの、色々持ってきてぇ…』
笑みながらアンはフゥの肩を抱く

『フゥ…(笑)一目惚れか?』
『それはアンでしょ(笑) Zで頼むから…』
ため息のアンに笑う。
不思議な顔をした彼に…
『終わりに話すって(笑)』
と説明してやった。



『あの…スタンプさんも この辺で?』
『秘密~(笑)』
『残念…』
『うちの社長は お馬鹿でね(笑) 秘密~って言うくせに作業着に会社のロゴを入れるのよ(笑)おたくは…。
ねぇ(笑)フゥ…どこのかなぁ(笑)』

『ゼロ(笑)』
『なっ…』
『バイクとパソコン(笑)』
『あ~』
彼の声が漏れた。会社のロゴがあったのだ…。


笑み食べながら彼をみた。
『ジン…』
彼の仲間が呼んだ。
『飽きたらうちへ(笑)…待ってますよ…』
と離れていった。
アンが耳打ちした。

『近いね…負けるかな』
『勝つ(笑)』
『フゥ最強~』
両手をあげ叫ぶアンに声をだしてハイタッチすると、笑いだすフゥだった。


『誰だ?』
『スタンプの社員ですよ(笑)どこに入ってるか気になって…』
『口は固いだろ…』
『はい…作業中は飲まないって本当だった(笑)女二人で凄いですよね…。ユキは何の仕事してるんだろうな…』

『似てるよな(笑)ユキに』
『髪も笑い方も違うけど…』
『フゥって言ってましたよ?』


携帯がなった。
『なんです?』
『侵入者…』
そう言い捨てると彼女がパソコンを広げた。

『あー馬鹿ボンだ(笑)』
『何をする気でしょう』
『フゥ(笑)やりたい』
かたかた操作して、アンにマイクを渡したフゥがみやる。
室内に入り込む姿があったのだ…

『侵入者発見、警察に連絡…カウント10でロックします。今すぐに退室して下さい』
隣で肩を揺らすフゥを叩くアン。10からカウントしていく。

『ロックしました。閉鎖します』
カチッっと押したフゥは大笑いする。じゃれあう二人に皆の注目が集まった。
静かにした二人は体を揺らし まだ笑っていた。

『早くしないとヤバくないんですか?』
『大丈夫…(笑)まだセットしてないもの…』
『出来上がってない(笑)』

『大丈夫なんですか?』
『悪さをするからよ…(笑)貴方は社長に連絡しといて…食べたら行くから(笑)』
慌てて飛び出して行った二人に笑うアン。

『アレは言い過ぎだよ(笑)』
『あ…気絶しちゃった』
『社長にバレたらクビ?』
『まっ(笑)中を守る為だし。食べよう』
笑む二人が食べ始めた。


『いいか?』
席に座り二人が眺めていた。
『ユキという女の子を知らないか? …探してるんだが』
『知らない…アンは?』
『知らない…写真ある?探してあげるわよ?』
『これだ…』
携帯を見せた彼が二人を探る。

『フゥ』
『転送して(笑)』
パソコンを広げたフゥが聞いた。
『いや…いいんだ(笑)見たらゼロに電話をくれ』
『人探しもするんだ(笑)』
『ね…頑張って。おばさーん代金置いとくね(笑)』
『じゃ(笑)』


『フゥ…あんたの妹に似てる?』
『少し…でも違う』
『そっか…。急ごう(笑)クビがヤバい』
走り出す二人の姿をアキ達が見ていた。

『ユキ?』
『妹って… アレはスタンプの社員だな』
『何の会社?』
『セキュリティ関連…』
『姉妹かな…』
仲好さげに走っていく彼女達を眺めた。

『きたな(笑)今の見たか?』
『何となく似てるが…』
『観察して聞いてみて…判断がつかなかった』
『そうだ、○△が潰れた…漏洩して発覚した。もともとは××の研究をしていたものらしい…』

『ズタズタよ…中味は』
『ユキが?』
『ジン…』
頭を撫でて肩を組むナツが微笑んだ。

『今の二人は2年前から腕を発揮しだしたらしい。守りは完璧らしいぞ(笑)、社長が自慢してた』
『ユキが消えた年だ…』
『カズが教えてくれたんだ(笑)』
『頑張ってますか?』

『なんとかな(笑)生きてるようだ。ジンも頑張れと言ってたぞ。
そうだ伝言、スノーは出てないそうだ。何の事だ?』
『SW…文字にするとスノーって英字になるんです。雪の結晶つきで…だから探してたんです』

『ユキか?』
『1年前にパッタリ…ネットに現れなくなったんです』
ため息をした社長がいた。



作業を始めた二人に睨む部長がいた。叱られふてくされていたのだったが…。出てこない二人に諦め帰っていった。


『さて試運転(笑)』
寝ているアンに笑み、彼らを見つめた。
『これから一週間(笑)試運転して全てをチェックしたら終了です。
大事なデータは全てコピーしてから動かして下さい。
アン…動かすよ(笑)出な…』

『じゃチェックは私が行くね(笑)皆つけて、話はこれで』
『不備はすぐに言って(笑)その場で直す。下からにしよう』

順にチェックしながら動作を確認していくのだった。


『常にコピーして全てクリアになったら使って下さいね(笑)』
『感謝する…』
『点検も忘れずに(笑)』
鍵を渡し
『終了(笑)』
フゥが呟いた。

会社から出た二人は バイクに飛び乗り公園に向かった。
『おちつく…』
『疲れたね』
『話は?』
『ない…』

『また見逃したよ?』
『目ざとすぎ…』
『いいから話せば?』
『まだ終わってない(笑) しかも盗み聞きしそうなやつがいる…』
『ゼロ?』
『そう…(笑)』
『フゥは目がいいな(笑)』
ため息をしたアン

『こっちに来い(笑)バレバレだから…』
『チッ…なんだよ』
『話は?』
『お前がスノーか?』
『フゥだ(笑)そんな可愛い名前じゃないけど?』

『ハンドルだ…』
『それはない(笑)まんま使ってるし…』
『ユキか?』
『違う…フゥだと言ったよ? どんだけ探してるか知らないけど…。アン……』

『アンタの名前は?』
『ジン…』
『ユキはジンのなに?』
『身内…姉で…妹で…』
『で?家出したの?』
『秘密だ(怒)』


『フゥと どんな関係?』
『…』
『私達は子供の頃から一緒にいるの(怒)紛れもなくフゥ。ジンなんて聞いた事ないけど?』
『会社に戻ろう(笑)じゃねジン』
アンは睨みながら歩き出した。

バイクに乗ると視線を感じたフゥが振り向いた。
『ジンと一緒にいた人だね(笑)』
『すまなかった(笑)』
『謝っといて(笑)ユキじゃなくてゴメンって』

走り出す二人を見送ったハルはジンをみた。
肩をおとし戻ったジンに笑み帰る事にした。



研究所が爆破された…連日の報道に食い入るように見るジンにため息をする。
『残るは××だ…』
呟くジンにハルは社長と目があった…悲しく笑むジンにため息をした二人がいた。

『本当に知らない感じだった。あの子はユキじゃない…』
『…諦めた?』
『それはない…探してるじゃないか。俺たちを知っている目じゃなかったろ…』
『だけど…』

なかなか見つからないユキを心配するジンに、皆は何も言えずにいた。


復讐 3

2017-02-15 12:13:26 | 50on 『 た~ 』
会議室で話し合う五人の姿を眺めるユキ…
「私…クビかなぁ」
悲しそうに呟くユキも不安そうに眺めていた。

『ユキのクビの相談じゃないんだ…新しく見つけたカメラの向きが問題なんだ…』
呟くジン…
『ユキちゃん?』
呼ばれた彼女は言った人に頷く

『うちの会社の出入口、窓を見張る奴がいると対策を考えてるのさ(笑) ん……いつからか とか、誰がとか』
「わかるよ?1ヶ月前まで…。デジタルならだけど」
『どーやって?』

「場所は分かるんだから、その向きにあるカメラを探す。録画するタイプだし…」
『やってみてよ…。俺のは復元出来なかった…』
笑み頷くユキは机に向かう。

「プリントする?」
「いや…回すよ、出たら俺がやるから回して」

モニターに写されていく画像に、驚いた。
「出来たよ?」
『了解(笑)』
ジンは回したあと、会議室を眺める。


「ジン(笑)あそこはお店?」
「何か欲しいの?」
「お水」
頷くユキに笑み お金を渡す。
「出るのは嫌なの!」
『出なきゃ買えないだろ(怒)』
ユキの手にお金を掴ませた。

手を見て、通りを眺めるユキはハルをみた…出れないのだと肩を落とした。
『ハルさんは会議中…頑張れ』
ジッと見ていたが、不安そうに事務所を出ていった。


『まだ下に立ってるぞ…』
『怖いのかな…』
『頑張れ(笑) おっ…歩き出した』
三人で窓から眺めていた姿を社長が気づいた。

『ユキは?』
『買い物に(笑)』
『ハル行け…』
走りだし、事務所を飛び出していった。

『…あれ、見張られてるのか?』
『ユキが?』
『慣れてるな…』
『可能性があるんだ。ジン、写真の奴等を探せ…』

急ぎジンは机に向かった。
辺りを見回しながら、歩くユキは事務所の窓を見た。
笑み見ていると、一人の女性がユキをみて驚いている事に気づいた。

鞄を落としかけ、後退りしていたのだ…。ハルは様子をみて近づかなかった。中にいた一人が電話をする。

『その女の後ろ50先に三人…』
『見えてる…。連れて店に入る。出たら 見張れ』
『ジン…』
頷きながらモニターを出した。

ハルが近づいた。
『ユキ(笑)買ったのか?』
首をふるユキに笑み呟く。
『早く買え…』
と手をひいて店に入った。
支払いをすませ、店を出ると女性の姿は見えなかった。

バイクの所へいき、イヤホンをつけヘルメットを被せた。目を潤ませるユキに笑み鞄を背負わせ、目を合わせた。

『仕事だ…つけられてる…我慢して乗れ』
バイクの鍵を差し込んだ。
手をひきユキは乗るとハルに抱きついた。

『大丈夫だ…』
頷くユキに笑みバイクを走らせて行った。


繁華街の外れのカフェを選び、入る二人。
一面ガラス張りの店内に、外まで見える席に座ると、鞄をとりパソコンをだした。

『誰をつけてるか、どんな奴かを調べてくれ…』
頷きさっきの通りを調べる。
『ユキなら出来る…』
震える手が止まった。
画面に写された人をジッと見つめる…

『見覚えは?』
聞かれたユキは首をふった。
『ジンに回せ…あとは時間を潰して帰ろう…。ユキ?』
寄りかかり眠る彼女に笑む。
ハルは携帯をだし社長と連絡をとった。
パソコンを動かしながら…。



『疲れたわね…爆睡よ(笑)』
『だろうな(笑)時間を潰す間も寝てたらしいぞ…』
『何よりハルに感謝だわね…』
『ジンも頑張ったぞ(笑)』
『ユキには ハルが兄(笑)ジンは弟みたいな感覚だわ、彼女にとって…』

『…初日にはあったんだ(笑)バレているだろうな…』
『ジンが調べた?』
『そいつらだ…。ユキはパソコンも改造できる。情報系の場所にいたんだろうな…』
『ありえるね…女は? やっぱり事故の時の?』
頷く彼に悲しく微笑んだ。

ユキの部屋から叫び声がした。
急いで行くと、布団の中で震えて泣くユキがいた。上から抱きしめるとビクッっと体が震えた。

『大丈夫…ユキ。ここは安全』
優しく囁いて抱き締めた。
ようやく落ち着き眠り始めたユキをナツは悲しそうに見つめていたのだった。
見守る彼のそばへいき、抱きついたナツは涙する。


それから数日は毎晩…悪夢をみたかのように叫び目を覚ました。
何も言わない彼女を ただ抱きしめるしかなかった。

『ユキ…話をしたら楽になるのよ?…言ってみな…』
「覚えてないの…ただ真っ黒な何かに追いかけられてるだけ」
そう言うと布団を被ってしまった。

仕事を始めても、前と変わらないユキにジンは安心し、的確に捕まえる彼女にスタッフは感心した。
ただ…社長とハル、そしてナツは前と違うユキに気づいた。



『思い出したんじゃ?』
『ありえるな…』
『なぜ言わないかな。こんなに心配してるのに』
『親の心、子知らず(笑) どっかの言葉にあったよな…』

『ハルにも言わない?』
『全く…。素直にバイクにも乗るし…機材もこなし始めた。時々、パソコンで何かしてるようだ』
『やっぱり…夜中に音がする』
『使わないパソコンをジンがやったみたいだが…』

『ノートよね(笑)鞄に入る小さなヤツ、喜んでたもの…。でも夜中の音はキーボードのヤツ、アレの音がするわ…』
『自分探しを始めてるのか?』
『たぶんね…』

『声…聞いた事はあるか?』
『ない…目覚めてから一度も。リハビリも拒否したわ…』
『始めから記憶はあったかもな』
『あの日の…カメラを見つけた日の女には気づかなかったようだが…。動揺も何の反応もなかった』

『確かか?』
『後ろから見た限りは…』
『先の三人は驚いて誰かに連絡はしていたな…』
『手元が見えず不明だ…』
『ユキは何をしてるの?』
ナツの呟きに二人は答えられずにいたのだった。



『出た!今日こそ(怒)』
二台のパソコンを使い、格闘しているジンの手助けを仲間達も始めた。
騒ぎ出す事務所に社長が出てきた。

『くそ!(怒)逃げられた…』
『なんだ…』
聞かれたスタッフは社長に答えた。
『ハッカーです。ジンの先回りをして、次に行った時には閉ざされて入り難くなってるようで』

『SWっす…。だいたいセキュリティの前に居るんですよね…。いない時はマークがあるんです』
『いつもか?』
『いえ…五社に見つけました…偶然ですか? …でも今日は違います、防犯会社のですから…』
『そのマークを調べろ(笑)どれについてるか』
頷くジン達は机に向かうのだった。




ユキが消えた…
探し始めて、だいぶ立っていた。
『なんでヒットしないんだ…』
『ユキが消してるからだろ』
『アレ買って下さいよ…』
『高すぎて買えん…』

『知り合いが警察にいるので、聞いてみますか?』
『出来るのか?』
『暇になれば、退屈だとこぼしてましたから…。国の金でゲームしてるんですよ(怒)使いましょう。ムカつきますし(笑)』
『極秘にするんだ(笑)』



病院で…
『先生(怒)本当に居なくなったんですか?警察に届けました?』
『したわよ(怒) 恩を仇で返すなんて…』
『深い訳があったのよ…。私も急かしてきますね(怒)』

看護師が怒りながら仕事に行ったのだった。
考えこむナツ…
既に半年がたつ。
一緒に運ばれた患者を調べたが、既に引っ越していて先も分からずにいた。



『お手上げね…』
家で体をなげ、天井を見つめ呟いた。
『諦める?』
『私には探しようがないって事よ…。ジン達は?』

『手がかり一つない…ありえないほどに』
『消してるのかしら…』
ため息をしたナツを抱き締めた。

『妹が出来たみたいで嬉しかったのに…』
彼は優しく口づけをした。
ナツの悲しみを受け止めた彼がいた。



『まだ探してるよな(笑)何か見つかったか?』
『一緒に探して貰ってる(笑)』
『誰にだ…』
『これの仲間ですよ(笑)一人より早い。マークをずっと追ってます。
絶対にユキと繋がってるはずだから…』
『根拠は…』

『あの事故関連の所へ何度も入ってるんです(笑) マークも毎回違う場所に…。気づいてないのかな(笑)』
『わざとじゃないのか?』

『気づいてるかな…。今は隣にマークを置いてるんですけと、ずらしたら俺のもずらして(笑) 分かるっつうの』
カタカタと動かす指が楽しそうだった。

『昨日分かったんですけど…。
これ…SWの次のマーク、変換すると…ほら(笑)これになるんですよ。

二重の変換(笑)ソフトを2つ持ったヤツだけが解読出来るんです。俺のは一つ違ってて…。

スンって奴がSWと同じソフトだったらしくて分かったんです。
で…仮説ですよ? 見てて下さいね…』
画面に文字を打った。

『可能性は…』
『考えられなくもないでしょ?ユキの腕なら(笑) ハルさんはどう思います?』
驚き何も言えなかったハルを見つめるジン。

二人は黙ったまま 長い夜を過ごした…。

復讐 2

2017-02-15 12:12:57 | 50on 『 た~ 』
病院を出たユキは、ナツの部屋をかり そこに住む事にした。
始めは、外に慣れるように 少しずつ外出時間を伸ばした。

たまにハルとジンが付き合ったが先に歩く彼女をみて、ジンが呟いた。

『こんな街に出るのも初めてなんですかね…。買い方一つ知らないなんて…』
「ここみていい?」
『いーよー(笑)待ってるから』
振り向き笑む彼女が言ったのだった。楽しそうに見つめているユキに笑むハルがいた。

『おっ…ハルさん笑うんすね』
『うるさい(怒)』

「帰ろ(笑)」
『お腹すきましたね(笑)』
『食べてくと?』
『お願いします~冷蔵庫は空で…』
『ユキ、あと少しでナツがくるから食べて帰れ…』
言われたユキは固まった。

『慣れだ(笑)』
行こうと先に歩く二人の後を歩き出した。
店に入ると、椅子に座りジンは注文しだした。ハルが気づき外に出ると不安な顔のユキが立って動けずにいた。

通りを歩く人の流れに怯えているようにも見えた。
ハルは仕方なく迎えに行き、手を繋いだ。

『仕事をするなら人に慣れるしかない…。顔見知りがいるんだ…大丈夫だろ…』
繋ぐ手が強くなった。
『歩け…』
ゆっくりと歩くハルの手を見ながら、店に入った。
奥の席に押し込んだが、固まるユキに笑みフードを被せた。

『とりあえず視界は消えるだろ』
頷いたユキにジンが笑う。
『ねっ(笑)兄貴は優しい…』
『お前は頼みすぎだ(怒)』
『優しいを心がけして下さいよぉ…』
笑うユキに一緒になり笑うジンがいた。

ナツがきて安心したのか、やっと食べ始めたユキに微笑んだ
『初めて食べる物を見てる感じね…』
『ずっとだ…』
『お嬢様だった?』
『箸が使えない…』
『それは始めからよ…』

自分の事かと、三人を眺めジンを見ながら箸を持ち始めた。
『ユキ…真似るならナツにしろ。参考にならないだろ…』
笑みながらナツは、持ち方を教えていた。

『社長(笑) 』
近づく彼にジンは笑った。
『いたな(笑)』
『ユキか?』
頷くユキはナツを見た。吹き出すジン…ユキを自分に向かせ、手話で教えた…

「彼は会社の社長でナツさんの彼氏だよ(笑)口は悪いけど、ハルさんと同じ(笑) 怖くない。優しいんだ。大丈夫だよ」
「分かった…我慢する」
肩を揺らしナツとジンが笑いだした。

『なんだ(怒)』
『怒るな…ユキがビビる』
ナツが言った。
そっと椅子をずらし、ジンの方へよった。

『一緒に食っていいのか?』
頷いたユキに笑み、椅子に座ったのだった。
ジンが肉を挟むと真似、葉に包み食べると食べ始めた。
その姿に笑う皆がいた。

飲んでいる三人は二人をみて笑う。
『寝るのも真似るのか…』
『ナツ…自分を探したいと言ってたが…。全く分からないのか?』
『届け出がないの…。人が一人居なくなって、しかも十代の子よ?探さないのが おかしいわ』

『なぜ十代だと? 骨よ(笑)怪我が治っても起きなかったから医院長が調べろと…』
『何か犯罪に?』
『可能性はある…。だいたいは出来るけど、一般的な事は初めてみたいな顔をする。
反面…パソコンの操作から他の事はやりこなしてしまう』

『ジンはハッカーなみだと驚いてたぞ?』
『事務的なものも計算も早い。頭がいいから覚えも早いの』
『ずっと一緒に?』
『子供を一人で出せないって感じよね…。思い出した記憶は気を失う瞬間みたい…たぶん事故の時のかもね…』

『俺…調べました』
『起きたのか(笑)』
『年数とか…性別とか…色んな事を検索してたらヒットして……
たぶんですけど…。

一般の車にトラックが突っ込んだみたいです。スピードの出しすぎで…。
死者は三名、トラックの運転手以外。…軽傷者は二名、そしてユキ。
どれに誰が乗ってたかは不明らしいです。
目撃者はいないらしいです、だから確認は…。
カメラは故障してて機能してなかったらしくて…』
というと黙りこんだ…。

『で?調べたんだろ?』
『すいません…』
『侵入したのか(笑)』
頭をさげ項垂れたジン…
『言え(笑)』

『……大破した車は、満月△社の運転手、横転したのは××の社長令嬢、木にぶつかったトラックの運転手は満月△の社員で…皆、繋がってるんです。
他は一般車でしたが研究所の職員だったらしくて…』
『どれも金はあるわね…』

『なぜ?』
『七年間ずっと入院代を払うのよ…個室にしても変わらず』
『退院した事は?』
『今日…連絡が来て話したらしいわ』

『今の場所を言ったのか?』
『家にとは言ってない…。近所って話を濁した。仕事するし、本人は一人で生活するってとか(笑)ごまかしたわよ…』
『聞いてきた?』

『いつ退院したかは聞かれたらしいわ…。元気にしてるとだけ話したみたい。医院長は以外と頭が回るの(笑)』
『見張るか…(笑)ユキの携帯だ、持たせろ。会社のだと言えよ(笑)仕事にも使う』

『サンキュー(笑) じゃ帰ろかな。家に行く? 今後の事もあるし…』
『だな…寮も替える(笑)』
『近くで良かったのに…』
呟きながら、後につき歩くジンの肩をくみ笑うハルだった。




「誰の引っ越し?」
「俺らのだよ(笑)」
「どこに?」
「隣(笑)」
「なんで?」
「社長が便利って…」

「二人で住んでるの?」
「寮だから…」
「寮って?」
「会社の社員の家」
「じゃ私も住むの?」
「住まないよ…(笑)男二人の中で一緒に住めるの?」

「だって会社の社員だから住むんでしょ?」
「そうだけど…ユキはナツさんの家があるじゃないか…」
「私の家じゃないもの…」
「出ろって言われた?」
首をふるユキに笑う。

「遠慮してる?」「何を?」
『えっ……』「何を?」
「ごめん、ソレは上手く説明出来ないや…」
二人で肩を落とした。
肩を叩くユキは振り向くジンの頬に人差し指でつついた。
ユキが笑う

「今度教えてね(笑)」
頷くジンにナツが笑う。
『読みました?』
苦笑いをしたジンに笑みナツが言った
『説明してあげたら?』
『上手く出来ないから困ったんですよ…』

『気にしないから大丈夫よ。ユキが気になってたら、居なさいと言っといて(笑)』
『分かりました…』
そういうジンの頭を撫でて片づけを始めた。




仕事初め…
暫くはジンとハルが交代で一緒に会社へ行く事になった。
「嫌だ(怒)乗らない。バスで行くから大丈夫…」
腕を掴み大丈夫だと説明するが、嫌がり歩き出そうとしていた。
前に立ちはだかり、彼女と目を合わせた。

「バイクは早いんだ。渋滞を避けられるし、早く着くからだ…。車やバスは遅刻する…早く行こう」
「絶対に乗らない(怒)先に行って。大丈夫だから…」

『何してるの?』
「バスの乗りかたを教えてくれない(怒)」
『ユキ…それはまた今度(笑)会社の近くへ行くバスの道は渋滞するからバイクなの…』

「怖いから乗らない…」
『大丈夫(笑)ソレを被るし目を閉じて少し我慢したらすぐ(笑)つくわよ』
黙ったままバイクを眺めていると、一台のバイクが近づいてきた。

『乗れ…』
首をふるユキを見て、ナツがヘルメットを被せた。
『仕事で乗る時もあるよ…(笑)大丈夫だから…』
『ジン…急用が入った。先に行け』ジンに叫ぶハルが言った。
急いで乗り込むとバイクを走らせて行った。

『ユキ、我慢して乗れ…会社がピンチなんだ…』
動きが止まる。ハルが手を伸ばすとナツが押し出した。

『ユキ…大丈夫だから(笑)』
ハルは腕を掴みバイクに近寄らせた。ナツが乗りかたを教えてバイクに乗せた。

『ちゃんと掴んどけよ。手は離すな…分かったか?』
頷くのを確認してバイクを走らせるのだった。
ため息をしたナツが電話した。

『やっと行ったわ…』
『多めにみてやる(笑)』
『今日は当番なの…大丈夫かな』
『何とかなるだろ…』
『じゃ頼むけど…本当に大丈夫?』
『ハルが何とかするさ』
『ん…じゃ(笑)よろしく』
ナツは仕事に向かった。



『早く来い…』
ぐったりしたユキに笑み、ハルが声をかけた。
「帰りたい…」
『手話は分からない…とりあえず事務所に行こう』
とハルは手を伸ばした。
素直に手を繋ぐが…動かなかった。彼は携帯をだしユキに向けた。

『怖いのか? 返事は打て…』
《…この通りは嫌だ》
『中に入れば、大丈夫だろう…』
《毎日通わなきゃダメじゃん…》
一台の車が後ろを飛ばして行った時…焦り振り向いたユキ…震えるユキを抱きしめた。

『大丈夫だ…皆がいるから事務所の中は安全なんだ…分かるか?』
泣きながら何度も頷くユキを連れ、事務所へ向かうのだった。
中へ入ると、ジンの隣に座らせる

『ジンを手伝え…』
まだ泣いている彼女を、皆は見つめていた。
「何があった?」
「帰りたい…」
「緊急なんだ…一緒に帰れないよ…。」

「それ…違うんじゃない?」
『マジ?あっ…サンキュ』
操作し続けるジンの手を見て、画面を見つめていた。
他のスタッフは社長を囲み、取調室のようになっていた。

『ユキ…。(笑)隣はお前専用だ』
呼ばれたユキはビクッっとし、ゆっくり振り向いたが専用と聞くと涙をふき、笑顔になった。
ジンのイヤホンを片方つけ、スイッチを入れた。
ガッカリしながら、ジンの肩を叩く。

「これ…古い。新しいのないの?」「ない…」
「改造していいの?内緒で…」
「部品は下にあるけど…必要なヤツ持ってくる?」
「…なんで作り方知ってるんだろ…気持ち悪い」

『急いでるから…じゃ変わって(笑)持ってくるよ』
笑み頷くユキを見て、ため息をした。

『社長~ユキと交代。パソコン古いらしいですよー』
叫びながら倉庫に下りていった。
素早く動く指に驚くスタッフだ。慌てたユキが目で助けを呼ぶ。

別室から飛び出たハルはイヤホンをつけマイクをつけた。
ユキに笑みパソコンに目を落とした。笑うユキが動かしはじめた。ハルは指示を出す。


ジンは二箱の段ボールを足下に置いた。
「ありがとう(笑) たぶん終わったよ…。確認してね」
ハルに笑み
「ありがとう(笑)」
そう呟くような手話だった。
『ありがとうって…』
ジンは訳して教えてあげた。



ユキは、窓を開けて謝り…それから二時間で作り上げたのだった。
出来上がり安堵したユキは、かたしながら眠り始めていた…。

床に置いた段ボールに寄りかかり、寝ている姿にため息をしたジンだが、社長は起こすなと皆に命じユキの状態を話す。

『特別扱いと思うだろうが、勘弁してくれ…』
『ナツさんの頼みじゃねー』
スタッフらは笑み、仕事を続けるのだった。

ユキのパソコンが勝手に動き出した。英数字の羅列にジンは驚いたが、ユキをつつき起こした。
『いい加減に起きろ…』
見上げたユキは、パソコンを見て微笑んだ。

「完成(笑)ジンのに負けないよ」
「競争する?」
笑み頷くユキを見て笑う。
「その前にチェック(笑)」
『社長~ちょっとだけ時間下さい…前のモニター借りていい?』
笑うスタッフが頷く。

「ユキはそっち。俺はこれ(笑)通りのモニターを全部写す」
「これに?」
『全部だからな(笑)』
何度も頷くユキは笑う。
『ゴー!』

二人の指が動く。二人の後ろに立ち眺め始めるスタッフだった。
モニターに出される数に皆が驚いた。

ユキはジンをつついた。
「終わった?」
驚くジン…
『映せば終わりだ…』

笑みカチッっと音がすると、次々と画像が増えて行くモニターを驚き眺めていた…ユキの画面には地図が出されマークされていた。

「私の勝ち?負け? 足りない?」
『全部で46あるはずだ…』
「53あったよ?」
『えっ? 53?』
と驚きながら、ジンは社長をみた。

『カメラ…増えてます』
そう言うとジンは照らし合わせ、ユキの調べた箇所をチェックしたのだった。

復讐 1

2017-02-15 12:12:27 | 50on 『 た~ 』
『…大丈夫ですか?病院ですよ。良かった(笑)先生を呼んできますね…』

看護師は急いで部屋を出ていく。
それからは、あらゆる検査をし病院のスタッフは笑み 休憩の合間に何故か看護師が見舞いに来てくれた。


『7年もの間…眠ってたのよ(笑)今度は体を動かせるように頑張りましょう…』

彼女の頑張りで体を動かせるようになった。
『先生…声は』
看護師は聞く・・・
『なぜリハビリしないのです…出せるようになれば話が出来るんですよ?これだけ拒否するなんて』
メモ帳に書き先生に見せた。

『貴女が病院に来た頃に、匿名で支払いをして下さると仰る方が…退院までと。だから安心して下さい(笑)

ただ…貴女の状態は秘密にしています。貴女の許可はいるでしょうからと医院長が申しまして』
また書き見せた。

『良かった(笑)ではこれからも、言いませんよ?』
頷く彼女に先生が笑み、看護師に指示をだし病室を出ていった。
腕をひきメモ帳を見せた。

『…婦長にも聞いた事があったんですけどね…。医院長も知らないようで…電話一本らしいです。

心当たりがあれば探せますが…。無理に思い出さないでね(笑)調子が狂うから…。
だって7年ですよ? 目を合わせて話がしたかった。スタッフの願いでもあったから(笑) …歳が分かれば探せたけど。二十歳前後かしら(笑)

本来は出されてしまう所を、入院費を出して貰えると医院長が…
でも良かった(笑)』
見せた手帳に笑み返した。

『お礼はいいの(笑)仕事だもの。
私は新人で入ったの…若い貴女の世話を始めた(笑)大丈夫…絶対に練習はしてなかった。
ただ…愚痴をね…貴女に』
苦笑いをしながら呟くと、フフッっと笑う彼女

『ごめんね(笑)笑顔が見れて嬉しいわ。たくさん話しましょうね。嫌ならソレで(笑) そうだ…名前。
身元を調べられなくて…警察に頼んだけど全然ダメ…。覚えてる?』
首をふる彼女に肩を落とした。

『粉雪ちゃーん(笑)』
ガラッと勢いよく開けた女医に二人は驚いた。
『ごめんなさい…』
『心臓が飛び出ます(怒)』
『動く彼女が見れて嬉しいの』

『女医のナツ先生よ(笑)
実はね…ずっと名前を知らないから、看護師達の間で付けちゃったの。
粉雪が舞う日に病院に来たから、ユキちゃん(笑)先生だけは、なぜか粉雪なのよ…』

『だって小さくて可愛かったから…』
『今も可愛いですよ?笑顔が見れて嬉しいんです』
『貴女の子供みたいね…』

《ありがとう。そう呼んで下さい…思い出すまで》
『(笑)じゃ仕事に戻りますね』
頷く彼女に手をふった。

《思い出さなくても、病院は出なきゃ駄目ですよね…。どうやって暮らして行けばよいのか…》

『医院長が途中から長いしと別室に移動させろと言ったわ…。料金の相談もしたそうよ。
だから、話せて、仕事を見つけて、住む場所を見つけるまでは居なさい(笑)
ただ…見舞いにくる予定はないみたい。…貴女は誰なんでしょうね…。入院費を出し続ける人との関係が知りたいわね…』
彼女は頷きながら 悲しそうに微笑んだ。

『そいつには黙ってるんだから、ついでに甘えてリハビリしな』
驚き苦笑いした彼女に笑み手をふり出ていった。


彼女は変わらず、仕方なく医師は手話を習わせた。驚いた事に吸収も早く覚えてしまう彼女に驚く。
お金は大事と、病院で仕事をさせてみると何でもこなす彼女にまた驚いた。

『事務でも、何でもいけるわね。警察に相談して役所にも行ってきたわ(笑)とりあえずの身分証とか色々ね。これで自由(笑)いつでも始められるわ』
「ありがとう」

『いいえ(笑)出たいなら家を貸す。もちろん部屋代は貰うけど…
それから…仕事だけど。一人PCに強い人を探してるの…メインは事務(笑)面接に行く?』
笑み頷く彼女を見つめる
『じゃ仕事終わるまで寝てなさい(笑)迎えに来るわ。服を持って』
「ありがとう(笑)」



夜に…
彼女と似たような服を着せられ、看護師がため息をした。
『なんでよ…(笑)』
『可愛いのが…もぅ(怒)言ってくれれば準備しましたよ…妹の服がたくさんあるのに…』

『被服科だったわね』
『今度持ってくるからね(笑)』
「ありがとう(笑)」
『頑張って(笑)』
笑み頷くユキに微笑み見送ってくれた。

ユキはナツの腕を掴み歩き出した。その姿に笑み先を歩いた。
静かなカフェに着くと、迷わず隣の椅子を近づけ座る。

『怖い?』
頷くユキは不安そうに彼女の腕を掴み回りを見回した。
『前の記憶もないか…』
呟くナツに悲しく笑む。彼女の頭を撫でて微笑んだ。

『待ったか?』
『たぶん(笑)』
『悪かったな…仕事の途中だ(笑)』目をユキに向けた。
『筋はいいわ。覚えも早い』
『ユキといったか?』
頷くユキは彼をジッと見つめる。

『今から一人来る。やり方を聞いて動かしてみろ…』
ユキはナツを見て両手を見せた。
『彼は出来ない。あの子は少し知ってるみたいよ?』
『なんだ?』

『手話(笑) あまり威嚇しないでよ。久々に外に出たんだから…』
『どのくらい?』
『7年…』
『マジか…』
『眠り姫だった(笑)さっ、始めて…』
あとから来た彼が説明し、パソコンをユキの前においた。

「先生…これ、犯罪じゃないの?侵入したり、カメラ押さえたり」
声に出して笑うナツ。
『大丈夫(笑)合法。逃がさないように見張って、対象者を守るの。
証拠掴んで、捕まえて警察に逮捕して貰うのよ…』
ふぅ~んと言うかのように笑み、ユキは手をふり指の体操をしパソコンを動かし始めた。

『はえぇ~(笑)』
言いながら、イヤホンをユキにつけた。急ぎながらもう一台のパソコンを指さした。
『ハルさん…出せって』
彼がナツを見た。

『やらせてるんだから、やらせてみれば?(笑)』
ハルは彼を見て指示を出した。
「どこまで出すの?」
イヤホンを一つ渡し、二人で動かした。
「なるほどね…」
笑み彼をみたユキが微笑んだ。

『ハルさん名前って…』
『ユキ』
へぇ~と彼女を覗きこむと驚き立ち上がった。
呆然として佇むユキに謝る。

『思い出した?』
ナツを見つめたユキが涙した。
抱き締めるナツは、ハルを見返して言った。
『帰るわ(笑)』
『いつでも連れてこい(笑)』
『じゃね。貴方のせいじゃないわ。少し驚いただけよ…』
そう言って店を出ていった。

『すいません…』
『言ったろ、ジンのせいじゃない(笑)あの子は記憶がないらしい。病院で7年寝ていたそうだ…』
『すげぇ…。でもこれ…続けて出来ますかね。もともと出来た感じでしたよ? あの動かしかたは半端ない…。
ハッカーだったかな』

『来てくれたら お前が助かるしな…(笑)』
『来てもクビにはしないで下さいよ?』
『社長が決める(笑)』

『呼べよ(笑)見たかったのに』
言いながら椅子に座った。
『今ので片づいた?』
『完璧だ…(笑) 』
『だが録画しときゃな…』
『あの~してありますよ?写した物全て…』
二人が見合う…。

『お前が呼べ(笑) ナツに会って相談してこい』
『マジか…』
『怖がってましたね…』
『ジンも一緒に行くんだ…』
口をあけて、驚くジンに二人は笑うのだった。



病院で…
『おちついた?』
ナツに聞かれ頷くユキに笑む。
「髪の色が血に染まった顔に見えたの…」
『顔も一緒?』
「怖くて見れなかった…」
『…仕事をすれば、記憶も湧いてくるのかも…。それでもユキは外へ出る?』
考えこむがユキはナツをみた

『決心したのね…(笑)早すぎ』
「あの人達は先生の友達?怖い人?会社にもいるかな…」
『他をあたる?』
「また面接は怖い…先生の知り合いで我慢する」
『我慢って…(笑)』

「手話出来る人がいたし(笑)」
『ジンと言うの。たぶん貴女と同じ位の歳だわ…』
「私はいくつかな…」
『ん…一応、病院に入った日を誕生日にしたわ』
「私は初めから記憶はなかったの?」

『分からないわ。居なかったから…。聞いた話よ。
貴女は交通事故に巻き込まれて入院したの。
ココに運ばれたのは二人、もう一人は軽症ですぐに帰ったわ。貴女は気を失ってた。

警察によると車に跳ねられてたか…巻き込まれたみたい。
だから赤い顔は貴女の血が目に入り、意識を失う前に見た光景じゃないかと思うの…』

「体の傷…」
『大変だったわね。消せるわよ?消したい?』
「記憶が戻ったら考える(笑)」
『全ては記憶?』
「自分探ししてもいいかな(笑)怖いけど…知りたい」

『必要以上は止めときな』
「私が壊れる? ただの交通事故なら大丈夫よね?家族がいるか知りたいから…」
『ごめんユキ…。いたら警察に届けはあって、今頃は家族と一緒にいるはずよ…』

「そうだね…。一人だったんだね、きっと。親戚も友達も…誰も居なかった…」
『これから作ればいいわ(笑)姉なら二人は出来たわね(笑)』
「先生と看護師さんだね(笑)」
『もう寝なさい。私は夕方からよ(笑)じゃね』
「おやすみなさい(笑)」



数日後…
『ユキちゃん…ハルさんって人とジンくんて人…知ってる?』
「先生の知り合い(笑)私が面接に行った時の会社の人…」
『お見舞いに来てるけど…大丈夫?断る? 仕事中で一緒にいれないのよ…』
「…頑張ってみる」
『嫌になったら押して呼んで(笑)』笑み頷くユキに微笑み、彼らを招き入れた。


『大丈夫そうだ…』
真顔で頷くユキに笑う。
「ハルさんは怖くないよ…。ごめんな…驚かせて…」
「大丈夫(笑) 私こそ…ごめんなさい」
『俺にも話せ…』

『謝ったんですよ…気になってたから』
「平気(笑) ハルさんは笑わないから怖いだけ…」
吹き出すジンを眺めハルが睨むと、ジンは真顔で謝った。

『笑わないから怖いと…』
『楽しくないのに笑うのか?』
『それが怖いんですって…』
『にやけろと?』
『睨むのを止めたらいいんですよ…』
彼は、ため息をした。
笑みながらみたユキがいた。

「何か用があった?」
『用はですね…』
ハルをみた。
『知ってるんだから話せばいいだろう…』
また、ため息をした。

『ユキは仕事をする気はあるのか? ウチに来るのか?』
「会社ですからね」
彼女が加え笑みがこぼれた。

「仕事はしたいです。時間があいたら自分を探したい…。やってもいいですか?」
ジンをみていた。

『あぁ~通訳ね(笑) えっと…仕事はしたいと言ってます。あいた時間は自分探しに使ってもいいかと聞いてますが…』

『嫌な結果でも自分を探したいのか? 辛いかもしれないぞ?』
何度も頷くユキに微笑み呟く。
『分かった。他に質問は?』
首をふるユキ。
『知りたい事があれば連絡しろ。番号だ…』

「…それ持ってないです」
『携帯ないって…』
『ナツに言っておくから、聞け』
彼は立ち上がり部屋を出ていった。