もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

7 051 バートランド・ラッセル「ラッセル幸福論 安藤貞雄訳」(岩波文庫:1930)感想4

2018年04月29日 23時33分16秒 | 一日一冊読書開始
4月29日(日):    

294ページ     所要時間3:05     蔵書1995年10刷

著者58歳(1872-1970:97歳)。ノーベル文学賞(1950年)。

まともに読めば、読めない。1ページ30秒で、二日がかりで目を通した。感想4は、十分に時間をかければ、間違いなく感想5になる。二部編成で書かれとり、第1部で「不幸の原因」について、分析・対処法を説き、第2部で「幸福をもたらすもの」が解説されている。明晰で分かりやすく、ウィットの効いた文章、そこら中に名句、警句が散らばっている。

読み始めてすぐに感じたのは、三木清「人生論ノート」と書かれ方がよく似ているな!?ということだった。大きなテーマで大きく論じるのではなく、小さなテーマ・項目を挙げながら小刻みに論じていく感じである。そのほうが読みやすい。ただ最後まで行けば、ページ数が倍ほど違う分だけ本書のほうが全体像のはっきりした内容になっていると思った。

もっと腰を据えて読むべき本だが、そんなことを考えてるとご縁すら結べない。痛し痒しだが、本書が名著であることは十分に分かった。特に第2部が心に響いた。ラッセルは、やはり”天才”に分類される類(たぐい)の人だと思う。しかし、肌触りはすごく温かかった。

付箋はしたので、今後折にふれて断片読みを楽しもうと思う。最後10ページの翻訳者安藤忠雄による「解説」で、全章の簡にして要を得た解説文があるので、立ち読みをする人は本書の「解説」だけを読んでみたらいいと思う。

【目次】第1部 不幸の原因(何が人びとを不幸にするのか/バイロン風の不幸/競争/退屈と興奮/疲れ/ねたみ/罪の意識/被害妄想/世評に対するおびえ)/第2部 幸福をもたらすもの(幸福はそれでも可能か/熱意/愛情/家族/仕事/私心のない興味/努力とあきらめ/幸福な人)

【内容情報】自分の関心を内へ内へとむけるのではなく、外界へとふりむけてあらゆることに好奇心をいだくこと。偉大なるコモンセンスの人ラッセルは、これこそが幸福獲得の条件であり、それは自己説得によって可能なのだと説く。たくましく、しなやかに人生を生きるための知恵がこの幸福の処方箋にはたっぷりと書き込まれている。
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180428 酔っぱらいながら、ブラタモリ「京都・銀閣寺」編&「京都・東山」編を観て、幸せの極致!

2018年04月29日 00時30分50秒 | つぶやき
4月28日(土):

来週も、「京都・宇治」編! 今、とってもいい気分です!すっごくお洒落でセンスの良い番組です(。・ω・。)ノ♡。
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180428 「国民民主党」は生まれる前から終わっている。「前原詐欺師と一緒にやれる」というセンスが有権者をなめ切っていることの証明!

2018年04月28日 13時45分07秒 | 徒然・雑感
4月28日(土):  
今度できる「国民民主党」(略称「国民党」)は、「国民党」が蒋介石の中国国民党をイメージさせることを軽視する歴史的無知と、理念なく「国民」という言葉にしがみつく心根の卑しさが露骨に出過ぎていることに気が付かないのだろうか。

そもそもこの<国際化と多様性の時代>に、「国民(限定!)」という言葉は、<外国籍市民>を平気で切り捨てる、古臭くてあまり筋の良くない言葉だ。女性、「障害」者、被災者、LGBTなど<マイノリティの人権>にもあまり配慮できない冷酷でにぶいセンスを思わせる。世話になった在日朝鮮人のおばさんを平気で切り捨てて、恥をかかせられるご立派な保守政治屋の前原大先生には喜んでもらえるかもしれないが、俺はごめんだ!

あまりにも命名センスが悪過ぎると思っていたが、その上に前原詐欺師を受け入れるそうだ。おそらく、前原の子分で独り立ちできない立命館大学卒の泉健太あたりが(京都大学卒の前原の)忠臣ぶって後押ししたのだろうが、お里(おつむのレベル)が知れるとはこのことだ。もうこの政党は生まれる前から終わっている。同じ京都選挙区でもリベラルで京都大学卒の山井和則はもったいないので、何とか立憲民主党に移ってもらいたい。

「前原詐欺師と一緒にやれる」という精神構造が有権者をなめ切っていることの証明以外の何物でもない、といことになぜ気づかないのだろう。見たくない現実は見えないふりをするような政治屋集団を信用できるわけがないだろう。俺は、前原詐欺師がいなければ、今のところ俺の住む選挙区に社民党や立憲民主党の候補がいないので、「国民党」に投票をしてもいいかな…と思っていたが、これでさっぱりと野党共闘路線をとる「共産党」に投票することができる。

センスの悪い、卑しい名前の「国民党」さん、前原詐欺師と忠犬ケンタとともにさようなら。紛らわしいので、維新の党とともに早く消えて無くなってください。

岩上安身  @iwakamiyasumi 9:56 - 2018年4月26日
前原氏が、国民民主党⁉︎ さすがに、どのツラ下げて、と思う。民進党分裂劇を仕掛けた張本人が、その傷の修復のために合併しようという時にヌケヌケと加わるとは。国民民主党をどう評価するかは、この反共の権化を入れるか入れないかで決まる。前原氏のいる政党に、野党共闘は不可能。


京都新聞前原氏・泉氏、国民民主党に参加意向 希望の党分党  4/26(木) 23:09配信
 希望の党の両院議員総会で26日、民進党と「国民民主党」を結成するグループと、松沢成文参院議員らが新たに設立する「希望の党」への分党が了承されたことを受け、京都の所属衆院議員4人のうち、前原誠司氏(京都2区)と泉健太氏(京都3区)が国民民主党に参加する意向を示した。
 山井和則氏(比例近畿)は「地元の支持者と相談して決める」と態度を明らかにしなかった。
 井上一徳氏(同)は総会で「安全保障分野で公約に掲げた政策、理念を守っていくべきだとの思いで、(松沢氏らの)希望の党を選ぶことにした」と語った。
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7 050 養老孟子・池田清彦・吉岡忍「バカにならない読書術」(朝日新書:2007)感想5

2018年04月28日 01時45分49秒 | 一日一冊読書開始
4月27日(金):    

245ページ    所要時間5:15     ブックオフ108円

養老70歳(1937年生まれ)東大名誉教授。専門は解剖学
池田60歳(1947年生まれ)早稲田大教授。専門は生物学
吉岡59歳(1948年生まれ)作家。

表題は、「バカにならないための読書術」だと思っていたが、読み終わると「バカにできない(侮れない)読書術」という印象が強くなった。前半(5分の2)で養老孟子の読書論が展開され、後半(5分の3)で3人による鼎談形式で各自がテーマごとに3冊ずつ推奨図書を挙げて読書論を論じる。

まず養老の読書論は、読書対して否定的ともとれるような彼独特の逆説的な感じを受けたが、彼自身読書に親しんできているのだから「よく言うよ…」って思いにもなった。それでも、感想は5である。

次に3人の鼎談は、恐ろしく上から目線で語られるが、中身のない奴らがうそぶいてるのではなく、3人ともこれ以上ないほど中身のある人たちなので、あまり愉快ではないが、「そうなのか…」と度々納得させられ、影響を受けたので感想5である。

【目次】第1部 「養老流」本の読み方(「読み聞かせ」と子どもの脳/「読書脳」の仕組み/「唯我独尊」としての読書/「バカの壁」越える読書)/第2部 鼎談 バカにならないための本選び(米国がわかる本/価値観変える本/科学を楽しむ本/ミステリーと言えば/鴎外vs.漱石/勝手にノーベル文学賞/旅行記を手に…/京都でマンガ三昧/伝記は女が書く/太宰と安吾/居酒屋で哲学を/「時代小説」万歳/意外な詩人は…/唸る写真集…)

【内容紹介】*専門が解剖学の養老さん、生物学や進化論が得意の池田さん、そしてノンフィクション作家の吉岡さん。それぞれ独自の読書論をもつ3人が、「本の森に逃げ込め」をテーマに自らの愛読書を縦横無尽に論じた。「米国がわかる本」「ミステリーと言えば」「唸る写真集」などなど、14のテーマについて、126点を取り上げた。前半では、養老さんが、独自の読書論を縦横無尽に展開している。いままでにない、画期的読書術。この本で、あなたの本の読み方が変わる。
*読書とは、脳を使った、運動だ!バカにならないためには、読書で、脳を揺さぶれ!養老読書術の神髄がここに登場。後半は、博覧強記の三粋人が、初めて、自らの愛読書と書の接し方を、明かした。この本で、あなたの読書術が、ひっくり返る。
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180427 一年前:6 056 杉原泰雄「憲法読本 第3版」(岩波ジュニア新書:2004)感想 特5

2018年04月27日 19時55分02秒 | 一年前
4月27日(金):
6 056 杉原泰雄「憲法読本 第3版」(岩波ジュニア新書:2004)感想 特5
4月27日(水):  288ページ     所要時間6:20      蔵書著者74歳(1930生まれ)。旧制中学三年のとき、動員されていた軍需工場で「八月一五日」を迎え、......

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180424 129万PV超:斎藤貴男 麻生財務相の珍妙なギャングスタイルこそ現在の日本の姿 二極化・格差社会の真相

2018年04月25日 20時14分07秒 | 閲覧数 記録
4月24日(火): 記録ですm(_ _)m。ブログの開設から2390日。   

アクセス:閲覧 1,086PV/訪問者 216IP

トータル:閲覧 1,290,587PV/訪問者 332,975IP

ランキング:6,633位 / 2,819,756ブログ中   週別 4,290位
日刊ゲンダイ斎藤貴男 麻生財務相の珍妙なギャングスタイルこそ現在の日本の姿 二極化・格差社会の真相 2018年4月25日 
  北朝鮮が核実験と大陸間弾道ミサイル試射の中止を決めた。南北首脳会談やその後の米朝首脳会談を見据えて先手を打った形だが、この間の中朝首脳会談をはじめ、日本以外の関係諸国による粘り強い交渉の成果だったことは明らかだ。
  地球規模の歓迎ムードにあって、日本政府だけは不満タラタラ。アベ首相は一応、「しっかり注視していきたい」と述べるにとどめたが、河野太郎外相は、「国際社会の求める非核化のレベル、ミサイルの廃棄とは差がある」と、言わずもがなのイチャモンをつけていた。
  何のことはない。北朝鮮はもちろん、米中韓ロその他のいずれにも無視され、蚊帳の外に置かれた仕打ちに対する恨み節。だが、それは逆恨みというものだ。
  なぜって、世界のどこの誰が、ああまで下劣な集団を信用する? さすがのトランプ政権も、キャンキャン吠え立てるだけのスピッツ野郎が君臨できるような愚かな国には、米国の戦争を手伝わせる傭兵資源として以外の役割など与えられないと判断したのだろう。
  森友、加計、セクハラ……と、山積するスキャンダルを批判する世論や野党に、当のアベ政権やその応援団は、「政治にはもっとやるべきことがある」云々の御託を並べてきた。バカ言っちゃいけない。一連の問題で問われているのは、政権の正統性であり、正当性だ。何によらず、国家社会のありように関わる営みについて、アベ政権が舵取りする資格があるのか、否か。
  ない。公文書を偽造させ、官僚の証人喚問では偽証までさせる。民主主義の全否定に手を貸す官僚機構も同罪で、ここまできたら、もはや政権の正統性どころか、彼らがいいように動かしている日本そのものが、国家の名にも値しなくなった。
  そのアベ政権は一方で、あろうことか他人様の子どもに手前勝手な“道徳”の学習を強要している。働き方を指図したがり、何と税金まで取り立ててくる。狂気の沙汰だ。
  繰り返す。アベ政権は害悪であり、日本の恥である。何ひとつ行う資格がない。彼らに許される行動があるとすれば、それは直ちに消え去ることのみである。
  財務事務次官セクハラ事件のさなか、G20へと逃亡した際の麻生太郎副首相兼財務相は、例によって珍妙なギャングスタイルに身を包んでいた。家柄だけのボンボン爺さんのチョイ悪ぶりっ子ほどみっともないものはない。
  恥を知ろう。少しはまともな社会を築こう。あれが現在の日本の姿だ。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ早大商卒業、英国・バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。『日本工業新聞』入社後、『プレジデント』編集部、『週刊文春』の記者を経て独立。弱者の視点に立ち、権力者の横暴を徹底的に批判する著作を出し続けている。消費税の逆進性を指摘する著作も多数。「機会不平等」「安心のファシズム」「戦争のできる国へ 安倍政権の正体」「ちゃんとわかる消費税」など。
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7 049 藤原和博「人生の教科書〔人間関係〕」(ちくま文庫:2002、2007)感想3

2018年04月25日 01時12分27秒 | 一日一冊読書開始
4月24日(火):  

190ページ     所要時間1:20      ブックオフ108円

著者47歳、52歳(1955生まれ)

正直言って「何を今さら。当たり前のことを」とも感じたし、著者の根っこの価値観自体、まだ腑に落ちない。というか、俺はそれほど多くの人とのコミュニケーションを求めていない。かえって負担に感じる、ということ。こういう人生観に脅迫されながら生きてきたような気がする。

【目次】1 世界中に「自分ネットワーク」を広げる方法(「自分ネットワーク」を作るにはどうすればいいのか
人間関係を楽しむコツって? ほか) /2 お金でもなく名誉でもなく(「聴き上手」にどうすればなれるのか
初対面の人と打ち解けられない ほか) /3 あなたが「忘れられない人」になるために(相手の興味を引きたい
会話がかみ合わないときはどうするべきか ほか) /4 あなたが「リスペクトされる人」であるために(人間関係に、コツってあるんでしょうか?人間関係を豊かに保つために、犠牲にすべきことはあるでしょうか? ほか) /5 人間関係から生み出されるチカラとは?(情報処理力と情報編集力
情報編集力はどうしたらつくのか ほか)

【内容紹介】人間関係の達人、藤原和博が、自らの経験をもとに、良好な人間関係を築くための秘訣をまとめた1冊。「『自分ネットワーク』を作るにはどうすればいいのか」「『聴き上手』にどうすればなれるのか」といった質問に答える形でまとめられていて読みやすく、人間関係に悩む人にとっては、すぐに使えそうなコツが満載。塩田雅紀氏の、かわいいイラストを見ながら絵本感覚で楽しめる。文庫化にあたって、新たに第5章を書き下ろした。
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180422 一年前:170421 90万PV超:蟻川恒正「真実に生きる 自らの言葉と歩む天皇」

2018年04月22日 22時34分40秒 | 一年前
4月22日(日):
170421 90万PV超:蟻川恒正「真実に生きる 自らの言葉と歩む天皇」 

4月21日(金):  記録ですm(_ _)m。ブログの開設から2022日。  アクセス:閲覧 406PV/訪問者 165IPトータル:閲覧 900,057PV/訪問者 24......

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7 048 重松清「あの人たちの背中」(文春文庫:2014、2017)感想4

2018年04月22日 18時13分01秒 | 一日一冊読書開始
4月22日(日):  

402ページ     所要時間2:00      ブックオフ108円

著者51歳、54歳(1963生まれ)。岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。

1ページ15秒を励行しながら、最小限の付箋で眺めとおした。従って、細かいことはわからない。しかし、この本が俺にとって好もしい本であることはよくわかった。まず何よりもゲストの人選がよかった「人選は僕に任せてもらった。基準は、ただ一つ。インタビューの最初の質問で声が震えてしまいそうなひとに限る、とした。10ページ」俺が信頼する著者の人選は間違いがなかった。

感想4は眺め読みのせいである。じっくり時間をかけて味わえば感想5になると思う。今後折にふれ、パラパラと読み返したいと思う。

【目次】まえがき/狂気の流儀(伊集院静)/漂い、さまよう死者とともに(池澤夏樹)/巨大なるマイナー(浦沢直樹)/一万日で一万冊+α(鈴木成一)/テレビよ、おまえはー。(是枝裕和)/想像力はしぶといぜ、とDJは言った。(いとうせいこう)/深くあきらめたひとの、なおあきらめない思い(山田太一)/物語の中の少年(赤川次郎)/負け犬、オン・ザ・ラン(酒井順子)/そこにも人生はあるだろう。(ちばてつや)/我々はどこから来て、どこへ帰る?(吉岡忍)/家路にともる、灯りのように(木皿泉)/バトンを渡された者として(北村薫)/あとがき

【内容情報】*ずっと、ずーっと、いつも見ていた、追いかけていた、憧れのひとー。作家、映画監督、脚本家など各界の第一線で常に“次作が待ち望まれている”13人の人物ドキュメンタリー&対談集。生い立ちから死生観まで本音を引き出す。単行本『この人たちについての14万字ちょっと』を改題し、未収録の4人が新たに加わった完全版!
*重松清さんが尊敬する、各界の著名人へのインタビュー集。/「尊敬するひと」とは、すなわち、背筋をピンと伸ばして姿勢を正すために振り仰ぐ、遠くに見える背中――13人の皆さんは、重松さんにとって、まさにその解釈どおりの存在です。/もともと『このひとについての一万六千字』というタイトルで『en-taxi』に連載していたものが、『en-taxi』休刊によって、二冊目の単行本を上梓することができずに終了となりました。単行本にまとめられなかった4回分を加え、総勢13人の方々とのインタビューを収録。登場した方々は、伊集院静、池澤夏樹、浦沢直樹、鈴木成一、是枝裕和、いとうせいこう、山田太一、赤川次郎、酒井順子、ちばてつや、吉岡忍、木皿泉、北村薫。/重松さん自らインタビュアーとなり、ここに登場するひとたちがなぜ人より抜きんでた才能をもつにいたったのかがよくわかります。ときにはグッと感情をこらえ絞り出すような言葉だったり、絶望の中から希望が見える言葉などをゲストの方々から引き出していく過程にぐいぐい引き込まれていきます。


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7 047 司馬遼太郎「燃えよ剣 下巻」(新潮文庫:1964)感想5

2018年04月22日 03時21分30秒 | 一日一冊読書開始
4月21日(土):  

438ページ    所要時間5:45    蔵書(1990年の42刷)

著者41歳(1923~1996:72歳)

読み終わると、改めて司馬遼太郎の代表作であり、名作だったのだなあ、と思った。この作品の値打ち・本題は新選組が落ち目の時期にこそある。鳥羽・伏見に徳川が破れて、落魄していく新選組、多くの隊士が死に、消え去ってゆき、沖田や近藤らとも別れていく。その中にあって、土方歳三ただ一人だけが、最期の死の瞬間まで、いやがうえにも異常なまでの光輝を放ち続ける

政論や理屈を拒否し、戦うことだけを自己目的化し続けていく土方歳三の不屈の強靭さが見事に描かれている。幕末、戊辰戦争の新選組にまつわる伝説の多くが本書に発しているのがよくわかる。その点では、司馬さんの創作と史実の部分の境界が分からなくなってしまい戸惑う気分になることも多かった。しかし、司馬さんに騙されて悔いなし!の名作中の名作だと思う。

新選組崩壊・消滅後、土方歳三の存在感はかえって輝きを増し、多くの人々を引き付けてやまない。奥羽越列藩同盟や函館五稜郭の戦いの際にこれほど大きな存在になっていたとは知らなかった。

終盤は息もつかせず土方の格好良い戦いぶりが描き続けられている。最後の4ページ、本を閉じる直前まで目が離せない名場面が続いた。その意味では、頭からしっぽの先まであんこの詰まったたい焼きのような作品である。

【内容紹介】*幕末の日本で、敵からも味方からも最も恐れられたのがこの男。/幕末の動乱期を、新選組副長として剣に生き、剣に死んだ男、土方歳三の華麗なまでに頑なな生涯。武州石田村の百姓の子“バラガキのトシ”は、生来の喧嘩好きと組織作りの天性によって、浪人や百姓上りの寄せ集めにすぎなかった新選組を、当時最強の人間集団へと作りあげ、自身も思い及ばなかった波紋を日本の歴史に投じてゆく。人気抜群、司馬遼太郎の“幕末もの”の頂点をなす長編。
*元治元年六月の池田屋事件以来、京都に血の雨が降るところ、必ず土方歳三の振るう大業物和泉守兼定があった。新選組のもっとも得意な日々であった。やがて鳥羽伏見の戦いが始まり、薩長の大砲に白刃でいどんだ新選組は無残に破れ、朝敵となって江戸へ逃げのびる。しかし、剣に憑かれた歳三は、剣に導かれるように会津若松へ、函館五稜郭へと戊辰の戦場を血で染めてゆく。


・斎藤一が、函館まで来ていたというのは本当だろうか。確か、会津で別れたのではなったか…。
・土方歳三の死に場所は、今もわかっていなかったのではないか…。

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180421 野田総務相「女性を甘く見た日本、様々なひずみが発生」 ※首相候補として支持してます!(もみ)

2018年04月22日 02時29分48秒 | 時々刻々 考える資料
4月21日(土):    © 朝日新聞 野田聖子総務相
朝日新聞デジタル野田総務相「女性を甘く見た日本、様々なひずみが発生」  2018/04/21 19:30
■野田聖子総務相(発言録)
 国会にいると「この世に女性はいないんじゃないか」というような会合ばかり。これまでの日本は私たち女性の力を甘く見て、あてにせずに突っ走ってきたから、様々なひずみが発生している。
 日本で仕事をちゃんとやっていくには「男でなければならない」「男以上にやらなければならない」ということを背負わされている。政治と国技館(大相撲)は男の仕事だが、両方ともいま揺らいでいる。
 私たち女性は大変な目にあってきた。あまりにも大変な目にあう人が多くてまひしてしまっているが、これからの日本は多様性(が大切)だ。女性、障害者、高齢者、外国人、性的マイノリティー。そうしたマイノリティーの最大派閥である女性が、しっかりとした制度の下で幸せを実感できれば、他の人たちにもいい流れができる。いま起きていることは厳しい、不幸なことが多いけれど、世の中を大きく変える力を持っている。(岐阜県下呂市の講演で)
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180421 一年前:170420 語りつぐ戦争「妹に薬飲ませ… 失った記憶」無職 村上敏明(京都府 82)

2018年04月21日 18時46分20秒 | 一年前
4月21日(土):
170420 語りつぐ戦争「妹に薬飲ませ… 失った記憶」無職 村上敏明(京都府 82)
4月20日(木):※「のんきに介護」さんのサイト(4月19日)で紹介されていた記事。こういう記憶は大事にしたい。朝日デジタル:(声)語りつぐ戦争 妹に薬飲ませ… 失った記憶 ......

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180421 財務大臣、財務事務次官、財務省、セクハラ大国ニッポン。恥ずかしい…。今は何時代なのか。

2018年04月21日 11時28分12秒 | 時代の記憶
4月21日(土):

あきれ果てて物が言えない。アベ・アソウが作ったニッポン、チャチャチャッ!

文春オンライン:大山 くまお「福田次官セクハラ更迭 なぜかテレ朝の女性記者が叩かれる日本」
                             2018/04/21 07:00
 財務省の福田淳一事務次官がセクハラ疑惑で辞任した。事実上の更迭である。“最強官庁”と呼ばれた財務省だが、国税庁長官と事務次官が相次いで辞任するという異常事態となった。福田氏の発言を中心に一連の問題を振り返ってみたい。
◆ ◆ ◆
福田淳一 財務事務次官
「すいません、おっぱい触っていい?」
『週刊新潮』4月26日号
 福田淳一事務次官のセクハラ疑惑が報じられたのは4月12日発売の『週刊新潮』だった。記事では「胸触っていい?」「手縛っていい?」など、飲食店で一対一だった女性記者に対する福田氏のセクハラ発言が逐一報じられていた。
 © 文春オンライン 4月18日、セクハラ発言で辞任を表明し記者会見する福田事務次官

福田淳一 財務事務次官
「時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」
産経ニュース 4月16日
福田淳一 財務事務次官 
「自分の声は自分の体を通して聞くので、これが自分の声なのかどうかはよく分からない」
BuzzFeed NEWS 4月18日
 ところが事態は意外な展開を見せる。16日、財務省が福田氏のコメントを発表。「相手が不快に感じるようなセクシュアル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」とセクハラ疑惑を完全否定してみせたのだ。
 セクハラや労働問題に明るい板倉由実弁護士は「福田さんの認識は関係ありません。女性が不愉快に思う発言をすること自体が問題なのです」と断言(『週刊新潮』4月26日号)。
 しかし、福田氏は「週刊誌報道は事実と異なるものであり、私への名誉毀損に当たることから、現在、株式会社新潮社を提訴すべく、準備を進めている」とし、さらに財務省は「福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたい」とセクハラの被害に遭った女性からの申告を求めた(産経ニュース 4月16日)。

麻生太郎 副総理兼財務相
「相手(被害を受けた女性記者)の声が出てこなければ、どうしようもない」産経ニュース 4月17日
「こちら側も言われている人の立場も考えないと。福田の人権はなしってわけですか」
テレ朝News 4月17日
 17日、財務省トップの麻生氏は記者会見で、女性記者が名乗り出ない限り、セクハラの事実は証明できないとの認識を示した。福田氏をかばい、財務省の異例の要求を認めた形だ。
矢野康治 財務省・官房長
「弁護士に名乗り出て、名前を伏せておっしゃることがそんなに苦痛なのか」
東京新聞 4月20日
 財務省の矢野官房長は18日の衆院財務金融委員会で「女性記者は名乗り出ない可能性が高い」と指摘されて、こう返した。「中身がわからないことには処分に至らないのが世の常ですよ」とも発言している(J-CASTニュース 4月18日)。なお、矢野氏は福田氏の聴取を担当した人物であり、次の次官に就任すると目されている。
 ハラスメントや労働問題に詳しい寺町東子弁護士は、「ハラスメントの調査の手法として、財務省のやり方はセオリーを踏まえていない。逸脱している、稚拙なものです」と厳しく指摘。記者が名乗り出なければセクハラはなかったことにするという麻生氏の見解については「強者が弱者に、無理を押し付けている、暴力的な構造があります」とも語った(BuzzFeed NEWS 4月17日)。

安倍晋三 首相
「早く辞めてもらうしかない」
産経ニュース 4月19日
 福田氏のセクハラ疑惑に激怒したのが安倍晋三首相だ。菅義偉官房長官とともに15日の段階で福田氏の更迭を決断したが、麻生太郎副総理兼財務相が同意しなかった。安倍首相は福田氏に関する報道を読んで、「ほんとにくだらない会話して、許せないね。もう麻生さんに任せるよ」と語っていたという(『週刊文春』4月26日)。
 結局、福田氏は4月18日に辞意を表明した。 プチ鹿島氏の記事 にもあるとおり、19日の産経新聞は「福田財務次官 更迭」「確実に政権への打撃になっている」と大きく報じた。事実上の更迭であることに間違いない。

麻生太郎 副総理兼財務相
「そんな発言されて嫌なら、その場から去って帰ればいいだろ。財務省担当はみんな男にすればいい。触ってないならいいじゃないか」
『週刊文春』4月26日
 これは12日に行われた麻生氏の派閥「志公会」パーティー終了後の発言。これがこの国の大臣の認識ならば、セクハラは金輪際なくならないだろう。19日には野党6党が麻生氏の辞任を要求した。
福田淳一 財務事務次官
「好きだからキスしたい。好きだから情報を……」
『週刊新潮』4月26日号
 4月19日発売の『週刊新潮』(4月26日号)が福田氏のセクハラ発言についてさらに詳しく報じている。2016年11月には「お胸触っていい?」「すごく好きだって気持ちとぉ、胸を触りたいって気持ちとぉ、キスをしたいって気持ちが同時に湧き起こってる」などの発言をしていたそうだが、なんといってもこの発言にトドメを刺す。情報を提供する代わりにキスを要求しているのだ。同号には、ある民放記者の「アラサーの女性記者は、ほとんど被害に遭っています」との証言も掲載されている。
 なお、福田氏は辞任を表明した折も「あんなひどい会話をした記憶はない」、19日朝に自宅前で記者団の取材に応じたときも「全体としてみると、そういうことではないということだ」とセクハラそのものを否定(朝日新聞デジタル 4月20日)。今後は裁判で争う姿勢を示した。

篠塚浩 テレビ朝日・取締役報道局長
「社員からセクハラ情報があったにもかかわらず、適切な対応ができなかったことに関しては深く反省しております」
朝日新聞デジタル 4月19日
 セクハラを受けた女性記者が所属するテレビ朝日の対応も問題視されている。19日未明に開かれたテレビ朝日の記者会見では、女性記者が上司に相談しながらも「報道は難しい」と伝えられ、『週刊新潮』に連絡したことが明らかにされ、篠塚浩取締役報道局長は適切に対応できなかったことに対して反省の弁を述べた(朝日新聞デジタル 4月19日)。
 福田氏のセクハラは問題ではない、テレビ朝日がすべて悪い、という意見もネットには多い。代表的な意見として、経済評論家・池田信夫氏の次のようなものが挙げられる。「公平にみて、福田氏がスケベオヤジであることは事実だろうが、そんなことは事務次官の業務とは関係ない。こんなくだらない事件で行政を混乱させたテレビ朝日は関係者を処分し、全社員に報道倫理を教育すべきだ」(アゴラ 4月19日)。この人は何を言っているんだろう? セクハラが悪いに決まっているじゃないか。また、フリー記者の堀田喬氏が19日の民進党の記者会見で、質問の形であえて女性記者の実名を公表したことも話題となった。
 日本文学研究者のロバート・キャンベル氏は17日の『スッキリ』で、セクハラ疑惑を報じて「#MeToo(私も)」のムーブメントを起こしたニューヨーク・タイムズがピューリッツァー賞を受賞したことを引き合いに出し、「女優たちが一人ひとり実名を名乗って伝えられたのは、自分たちが不利を被らないという自信、社会が彼女たちを支えるという暗黙の了解があった」と指摘。昨年、伊藤詩織氏が当時TBSワシントン支局長だった山口敬之氏に性的暴行を受けたことを告発したが「葬られてしまった」ことを例に挙げて、「なぜ手を挙げなかったか、挙げられなかったのかは、けっこう根深いこと」と語った。
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150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)