このところ薪作りに精を出している。今年の冬に焚く乾燥した薪を地下の部屋
(基礎部分)に窓から放り込み積み上げる。その空いた場所に昨年の秋と今年の
春に伐採した薪を割り積む作業、古希を過ぎ体力の衰えを感じてきた、休憩を
多く挟みながら、ちょっとした晴薪雨休の日が続いている。
瞬きしてる間にも木々の芽は膨らみ草花は成長している。耐えた冬の喜びが
一気に爆発しているかのようで我も元気をもらっている。
山菜のギョウジャニンニク・山ウド・クレソン・コゴミと次々と慌ただしく
恵みをいただき食するのに忙しく嬉しい。
一週間前のこと、前々から行きたいと思っていた新潟県の岩室温泉に泊して
植生豊かな角田山に登ってきた。海抜ゼロメートルから登る灯台コースは急登
でアップダウンが続く登り2時間下り1時間30分の結構なハードコースだった。
登りは歩を停め振り返れば海を望め、下りは足元に注意しながら海が望める
人生初めての山行体験、海無県の信州人には心躍る体験でもあります。
旅館の女将さんにお願いし作ってもらったオニギリが美味しいこと美味しいこと、
さすが新潟県のコメだ、お土産にと「新之助」という銘柄のお米を購入した。
この間のウグイスのおぼつかない初鳴き声が合図だったように、残雪が驚く
早さで消えていく。植物たちは急かされたのか?眠りから覚まされ迸るように
花を咲きせ芽を吹きだしている。年ごとに家族を増やしている我が家西側の
カタクリは思いっきり花びらを背中まで広げ気持ちよく夕陽を浴びている。
グラス焼酎を片手に「ありがとう!」と愛でてあげた。
棟梁Nさんが亡くなり心の一部に空白が生まれているのに、志賀高原時代から
40数年の親しき付き合いのあるTさんが亡くなった。穏やかなTさんは県外出身
なので我々夫婦は身内のごとく、病院に駆けつけてから火葬までお見送りさせて
いただいた。遅かれ早かれ死は避けられないと思いつつも寂しさを覚えてしまう。
屋外で薪作りや地下に乾燥薪を運び入れる作業をしていると、しばしの間だが
忘れることができる。
今季の締めくくりとなる黒姫の大ダルミで焼肉ツアー、総勢9人と甲斐犬1匹
道具や材料を小分けしザックに詰めシールをつけ、カラマツ林から明るいブナ林
とダケカンバ林を抜けると、視界が開け前方に妙高山と外輪山の三田原山が!
その左には火打山が!スコップでテーブルを作り枯れ木を集め火を熾す。快晴微風
の中、ワイワイガヤガヤと爺婆と甲斐犬だけの至福の世界2時間30分を過ごす。
帰りは立木に挨拶しないよう古池回りで滑り降りた。
帰宅し風呂に入った後、心地よき疲労感を感じながら喉越しのビール、この時しか
味わえない美味しさなんであります。