不整脈の身にとって負荷の少ないゲレンデでのスキーは大丈夫と判断、空いている昼の時間帯を
狙い1本のリフトで長いコースを滑れる妙高のお気に入りスキー場へ出かけた。
360度見渡す限る雲一つなき暖かな晴れ渡る好天気、眼下には碧き野尻湖が!右遠から八ヶ岳・
そこから左に上信越の山々が連なる眺望、正に心も晴れ渡ること、たった2本だけの滑りだが怠けた
体には良き快眠薬となった。
我々のスタイルに反応してか?帰りに、隣に駐車している奈良ナンバー車、バーナーを取り出して
食事の準備をしている50代らしき2人組から声をかけられた。なんでも昨日、雨飾山のP2から荒菅沢
を滑ってきたとか!ほんに羨ましい限りだ!いつまでも若さは維持できない。人生は一度だ!後悔
しないよう思いたったら先ずは行動することだ!
4月上旬並みの暖かさにつられ籠ってはいられない。風がない暖か日は不整脈の
影響による息切れの心配は少ない。今日は我が啓蟄日と勝手に決め、昼食は外で
食べようと戸隠の小鳥が池へテレマーク散歩に出かけた。
久し振りの革ブーツにウロコカットの細長スキーは、身も心もフリーとなって
軽快に行動できる。
右に戸隠連峰を眺めながら凍った池面を横断し20分ほど登ると、南面に180度の
展望が開ける硯石に出る。蕎麦ガレットとドリップコーヒーのランチをとる。
左から八ヶ岳・霧ヶ峰・美ケ原・南アルプス・中央アルプス・鉢盛山・北アル
プスと二人占めの贅沢な小一時間を過ごした。
西陽を強く受ける土手や水路沿いは雪解けが早く、フキノトウが顔を出してくる。
感心にも、目ざとき妻は車内からでも直ぐに焦点を当て採ることができる。
今年最初の恵みはフキ味噌にしてアツアツごはんで食した。この早春の苦みが
体内の老廃物を排出しリフレッシュしてくれる。
ひときわに冷え込んだ晴れた朝、時おり、自然は芸術家になる。その一つに
和室のペアガラスに不思議な文様を描いていた。
こんなウキウキする日は家にはいられない。近くの湿原へテレマーク初散歩
に出かけた。例年ならば小川は雪に埋もれているが今年は顔を出してスイスイ
とはいかない。それでも飯縄山を望みながら気持ち良く歩き、怠けている体に
心地よい刺激を与えることが出来た。
刺激を受けた体が久し振りのワインを欲しがっている。昨年、釜石の親戚から
いただいたホタテとホヤ、解凍したホヤでリンゴ酢の和え物を作り、初採りの
天然クレソンなどを肴にして渇いた喉を潤してあげた。
寝室のカーテンを開ける、東稜線の遠くに浅間山が望める、今日太陽が昇って
くる、雲一つなき清々しい朝だ!体調は良い!そうだ!今シーズンの初滑りに
行こう!
昼時で空いている時間を狙い妙高のスキー場へ足慣らしに向かった。このスキ
ー場はリフト一つで幅広く長いコースを滑れる。贅沢にも2本だけ滑っただけ
だが、体内の隅々まで清浄な空気を取り入れると別人のごとくリセットされた。
長野県では二つの酒店しか置いていない、前々から気になっていた日本酒の
「伯楽星」、その一つが古間駅近くの小さなM酒店にある。なかなかのこだ
わりを感じる店構えだ、スキーの帰りに立ち寄り購入した。
テレマーク仲間で高校の2年後輩であるS君から手打ち蕎麦をいただいた。
彼は長野市内と群馬県の前橋で「山故郷(やまざと)」という蕎麦店を経営
している。山きのこ蕎麦と日本酒、妻の眼を気にしながらも飲み過ぎないよ
うにしよう。
3日前のこと、テレマークの滑り納めに鍋倉山に出かけた。連休前に峠下の沢まで除雪して
あるので麓の温井集落からの行動開始より楽に登ることができる。若くはない、この時期が
ベストである、当日も除雪車が峠に向けて放物線を描き豪快に残雪を飛ばしていた。
ブナの新緑と残雪、眩いほどに眼に入り素晴らしいと発するのみ、入山者が少なく我々二人
だけブナ林の中を、小鳥の鳴き声を聞きながら、小汗をかきながら、ひたすらに登るだけ、
稜線に出て頂上までの最後の登り、歩を停め眺めると日本海はもとより遠くの山々まで望めた。
1時間以上も山頂で過ごした、下山は華麗なターンを控え、雪面に多くあるブナの空実ブレーキ
に注意しながら、斜滑降・横滑りを交えながら無事に駐車場まで戻ることができた。