ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

回復の邪魔:「“古い考え” を引き摺る」って?(上)

2017-04-14 05:58:23 | 自分史
 アルコール依存症者にとって、回復の邪魔をするのも、否認や再飲酒に誘うのも “認知のゆがみ” が黒幕なのだそうです。

 鶏が先か卵が先かはわかりませんが、“認知のゆがみ” と先入観との関係も同じようなものだろうと思います。どちらも成長過程で育まれ、偏って刷り込まれたものの見方・考え方(思考パターン)のことです。今回テーマとした “古い考え” とはこの偏った思考パターンのことです。

 毎日の晩酌が欠かせなくなり、1本の大瓶ビールが2本以上に増えたのは一体、いつ頃からだったのか思い出せません。どうも会社で業務の独り立ちせざるを得なくなった30代半ばからだったような気がします。そんないい加減な記憶ながら、その頃私が引き摺っていた思考パターンの癖についてはしっかり覚えています。

 何か新たに始めてみようとするとき、誰でも先ずやるのがゴールまでの行程をシミュレーションしてみることだと思います。私がシミュレーションする場合は、念頭にゴールはあるものの、最初の一歩から一つひとつ積み上げて行く方に比重を置きがちでした。

 積み上げ方式の思考パターンでは、先ず土台(基礎)から固めなければならないという考え方が支配的になります。基礎から積み上げて万全を期する受験勉強のやり方と同じ教科書的な考え方で、まさしく保守的思考パターンです。

 オーソドックスで着実と言えば聞こえはいいものの、はっきり言って融通の利かない頭でっかちな石頭の発想です。こんなタイプは、発想を変えて抜け道を探すなどの器用さを持っていないのが普通で、私もまさしくこのタイプでした。

「先ずやってみてから考えよう」という前向きな発想はまれでした。
「やる前に先ずよく考えてみてから・・・」が幅をきかせていたのです。
そのためどうしても埒の開かない堂々巡りの循環思考に陥りがちでした。

 万事がこの思考パターンでしたから、日常生活ではぐずぐず屁理屈を捏ねては選択肢を狭めるばかりで、結局、面倒くさがりのやらずじまいが多かったように思います。条件が揃えさえすれば、容易く引き籠もりになる一歩手前の危うい状態だったと思うのです。

 ところが、会社で担当した臨床開発業務では真逆の発想が求められていました。開発計画を立てる際の実践的な考え方と手順はこうです。

 先ず、ゴールまでの必要十分条件を詳細に分析した上で達成目標を明確にすることから始めます。これをマスタープラン(基本計画)とも言います。次に、ゴールから順に逆算して各段階に必須な課題を想定して行きます。最後に、各段階について効率よい手順とスケジュールを決めるというわけです。ゴールまでのビジョンがしっかりしてないと希望的観測のいい加減な計画になってしまい、経営が立ち行かなくなるからです。

 それに気づいたのは一通り仕事をやり遂げた後のことで、当時の私はそんな教育も訓練も受けたことがなかったのです。
(この項つづく)



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