ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

これって義理人情、それともドライドランク?

2019-06-14 06:11:32 | 病状
 自助会AAのミーティングでは、当然ながら常連の人の方が多いです。そんな常連の人が欠席や遅刻をしたら何か異変があったことを意味します。

 前の週に欠席していた D さんですが、その日も遅れてミーティング半ばになってやってきました。ミーティング後に話を聞いてみたら、こんな事情があったのだそうです。

● このグループの会計を任されているので、発熱を押してミーティングに
  出て来た。
● 誤嚥性肺炎に罹ってまだ38℃近い熱がある。自宅の隣が病院なので
  点滴を毎朝受ける約束で入院せずに凌いでいる。夜勤の仕事も続けて
  いる。
● AAに繋がって12年になるが、いまだにSLIP (再飲酒)を繰り返してソー
  バー(飲まない生活)が長続きしてない。
  酒を飲んで参加しても気持ちよく受け入れてくれたのはこのグループだけ
  だったので恩義を感じている。だから今日も出てきた。
● 今日はホスピスに入院している仲間の見舞いも予定していた。予定の
  時間が迫ってきたので勝手に点滴スピードを上げて早めに切り上げた。
● ホスピスに入院しているのは同じ時期にAAに繋がった仲間。ソーバーを
  12年も続けてきたのに末期がんのためホスピスで死にかかっている。
  仲間の不憫さと自分の不甲斐なさから思わず涙が出てきた。

 すべてがドライドランクを思わせる危なっかしい話なのですが、新薬の臨床開発をやってきた私としては特に点滴の話は危険だと思いました。そこで、二つのことだけを忠告しておきました。

○ 点滴で使う薬は点滴でこそ最も効果が発揮され、代謝・排泄が速くて
  効果の持続しない薬が多いので過信しないこと
○ 点滴スピードを勝手に速めたりしたら命にかかわるので大変危険なこと

 D さんは、最後にSLIPしてから1年8ヵ月になるそうです。
「自分でも無理しているとわかっているんだけど止められない」
こうも語っていました。

 無茶をしていると自覚していても自制できない、これもドライドランクに特徴的です。さすがに彼もこれはドライドランクかも、と薄々考えているらしかったので、これだけ伝えて後は自重しました。

「無理をしちゃーダメですよ!
 “自分を大切に” って、決して無理しないことだそうですよ!」

 1週間後、D さんは元気になってミーティングに出て来ました。平熱に戻り、内服薬だけでうまくいっていると笑顔で話していました。

 危なっかしい綱渡りをしてでもどうにか凌げる、世の中にはこんな剛の者もいるものだと感心させられました。



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