花道

　風が強く吹く日々が続き、とうとう自宅近くの桜の花がほとんど散ってしまいました。

川沿いにある小径は桜の花びらで一面がピンク色に染まっていて、とても美しく、

川面も花びらで覆いつくされています。

　人々の目を一瞬の間だけ楽しませてくれた桜は来年の春を期待させながら、散り際も潔く

消えていきます。

　わたくしたち人は、桜のように美しく、そして潔く終焉を迎えることはできないかもしれません。

自分という人間がいたことを、ほんの少しでも愛する人たちの記憶の片隅にでも、

残していくことができればとてもうれしいことと思います。