こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
昨夜から雨が降ったり止んだりのパッとしない天気で、最高気温も10℃と寒い日になりました。明日もぐずついた空模様で、気温はさらに下がりますが、明後日は暖かく過ごしやすい日になるようです。
さて、今回は2017年ジュニア数学オリンピック予選に出題された場合の数の問題を取り上げます。
問題は、
「下図のような2×7のマス目の各マスに、1以上14以下の相異なる整数を1つずつ書き込む。次の条件をみたすような書き込み方は何通りあるか。
●それぞれの行について、書かれている7個の整数は左から小さい順に並んでいる。
●1以上6以下のすべての整数kについて、左からk+1番目の列に書かれた2つの数の差は、k番目の列に書かれた2つの数の差以上である。」
▲問題図
早速、取り掛かりましょう。
1つ目の条件から14はマス目の右端のマスに書かれます。
さらに、右端に書かれた2つの数の差がn(1≦n≦7)のとき、右端の列には14と14-nが書き込まれ、14と14-nの間にあるn個の数は大きい順に14の隣に書き並べることになるので、右端からn列目までに書かれる数は決まってしまいます。
これらに注意して、右端の列に書かれた2つの数の差で場合分けして調べていきましょう。
●図1のように、右端の列に書かれた2つの数の差が1の場合です。
▲図1.右端の列に書かれた2つの数の差が1の場合
・空いている6列に書き込まれる2つの数の差は1ですから、順に、(12,11)、(10,9)、(8,7)、(6,5)、(4,3)、(2,1)書き込むことになり、これらの2つの数は上下のどちらの行でも書き込むことができるので、この場合の書き込み方は
(14,13の書き込み方)×2^6=2×2^6=128通り
です。
●図2のように、右端の列に書かれた2つの数の差が2の場合です。
▲図2.右端の列に書かれた2つの数の差が2の場合
・空いている5列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11の書き込み方)×2^5=2×2^5=64通り
です。
・右から3、4番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11の書き込み方)×(10,9,8,7の書き込み方)×2^3=2×2×2^3=32通り
です。
・右から3、4番目と5、6番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11の書き込み方)×(10,9,8,7の書き込み方)×(6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2×2×2=16通り
です。
●図3のように、右端の列に書かれた2つの数の差が3の場合です。
▲図3.右端の列に書かれた2つの数の差が3の場合
・空いている4列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×2^4=2×2^4=32通り
です。
・右から4、5、6番目の列に書かれた2つの数の差が3で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×(8,7,6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2×2=8通り
です。
・右から4、5番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×(8,7,6,5の書き込み方)×2^2=2×2×2^2=16通り
です。
・右から4、5番目と6、7番目の列に書かれた2つの数の差が2になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×(8,7,6,5の書き込み方)×(4,3,2,1の書き込み方)=2×2×2=8通り
です。
●図4のように、右端の列に書かれた2つの数の差が4の場合です。
▲図4.右端の列に書かれた2つの数の差が4の場合
・空いている3列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7の書き込み方)×2^3=2×2^3=16通り
です。
・右から5、6,7番目の列に書かれた2つの数の差が3になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7の書き込み方)×(6,5,4,3,2,1の書き込み方)=2×2=4通り
です。
・右から5、6番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7の書き込み方)×(6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2×2=8通り
です。
●図5のように、右端の列に書かれた2つの数の差が5の場合です。
▲図5.右端の列に書かれた2つの数の差が5の場合
・空いている2列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7、6,5の書き込み方)×2^2=2×2^2=8通り
です。
・右から6,7番目の列に書かれた2つの数の差が2になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7,6,5の書き込み方)×(4,3,2,1の書き込み方)=2×2=4通り
です。
●図6のように、右端の列に書かれた2つの数の差が6の場合です。
▲図6.右端の列に書かれた2つの数の差が6の場合
・空いている1列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7、6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2=4通り
です。
●図7のように、右端の列に書かれた2つの数の差が7の場合です。
▲図7.右端の列に書かれた2つの数の差が7の場合
・(14,13,12,11,10,9,8,7、6,5,4,3,2,1の書き込み方)=2通り
です。
以上から、問題に与えられた2つの条件をみたす書き込み方は、
128+64+32+16+32+8+16+8+16+4+8+8+4+4+2=350通り
で、これが答えです。
楽しい問題です。
昨夜から雨が降ったり止んだりのパッとしない天気で、最高気温も10℃と寒い日になりました。明日もぐずついた空模様で、気温はさらに下がりますが、明後日は暖かく過ごしやすい日になるようです。
さて、今回は2017年ジュニア数学オリンピック予選に出題された場合の数の問題を取り上げます。
問題は、
「下図のような2×7のマス目の各マスに、1以上14以下の相異なる整数を1つずつ書き込む。次の条件をみたすような書き込み方は何通りあるか。
●それぞれの行について、書かれている7個の整数は左から小さい順に並んでいる。
●1以上6以下のすべての整数kについて、左からk+1番目の列に書かれた2つの数の差は、k番目の列に書かれた2つの数の差以上である。」
▲問題図
早速、取り掛かりましょう。
1つ目の条件から14はマス目の右端のマスに書かれます。
さらに、右端に書かれた2つの数の差がn(1≦n≦7)のとき、右端の列には14と14-nが書き込まれ、14と14-nの間にあるn個の数は大きい順に14の隣に書き並べることになるので、右端からn列目までに書かれる数は決まってしまいます。
これらに注意して、右端の列に書かれた2つの数の差で場合分けして調べていきましょう。
●図1のように、右端の列に書かれた2つの数の差が1の場合です。
▲図1.右端の列に書かれた2つの数の差が1の場合
・空いている6列に書き込まれる2つの数の差は1ですから、順に、(12,11)、(10,9)、(8,7)、(6,5)、(4,3)、(2,1)書き込むことになり、これらの2つの数は上下のどちらの行でも書き込むことができるので、この場合の書き込み方は
(14,13の書き込み方)×2^6=2×2^6=128通り
です。
●図2のように、右端の列に書かれた2つの数の差が2の場合です。
▲図2.右端の列に書かれた2つの数の差が2の場合
・空いている5列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11の書き込み方)×2^5=2×2^5=64通り
です。
・右から3、4番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11の書き込み方)×(10,9,8,7の書き込み方)×2^3=2×2×2^3=32通り
です。
・右から3、4番目と5、6番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11の書き込み方)×(10,9,8,7の書き込み方)×(6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2×2×2=16通り
です。
●図3のように、右端の列に書かれた2つの数の差が3の場合です。
▲図3.右端の列に書かれた2つの数の差が3の場合
・空いている4列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×2^4=2×2^4=32通り
です。
・右から4、5、6番目の列に書かれた2つの数の差が3で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×(8,7,6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2×2=8通り
です。
・右から4、5番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×(8,7,6,5の書き込み方)×2^2=2×2×2^2=16通り
です。
・右から4、5番目と6、7番目の列に書かれた2つの数の差が2になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9の書き込み方)×(8,7,6,5の書き込み方)×(4,3,2,1の書き込み方)=2×2×2=8通り
です。
●図4のように、右端の列に書かれた2つの数の差が4の場合です。
▲図4.右端の列に書かれた2つの数の差が4の場合
・空いている3列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7の書き込み方)×2^3=2×2^3=16通り
です。
・右から5、6,7番目の列に書かれた2つの数の差が3になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7の書き込み方)×(6,5,4,3,2,1の書き込み方)=2×2=4通り
です。
・右から5、6番目の列に書かれた2つの数の差が2で、それより左の列に書かれた2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7の書き込み方)×(6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2×2=8通り
です。
●図5のように、右端の列に書かれた2つの数の差が5の場合です。
▲図5.右端の列に書かれた2つの数の差が5の場合
・空いている2列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7、6,5の書き込み方)×2^2=2×2^2=8通り
です。
・右から6,7番目の列に書かれた2つの数の差が2になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7,6,5の書き込み方)×(4,3,2,1の書き込み方)=2×2=4通り
です。
●図6のように、右端の列に書かれた2つの数の差が6の場合です。
▲図6.右端の列に書かれた2つの数の差が6の場合
・空いている1列に書き込まれる2つの数の差が1になる書き込み方は、
(14,13,12,11,10,9,8,7、6,5,4,3の書き込み方)×2=2×2=4通り
です。
●図7のように、右端の列に書かれた2つの数の差が7の場合です。
▲図7.右端の列に書かれた2つの数の差が7の場合
・(14,13,12,11,10,9,8,7、6,5,4,3,2,1の書き込み方)=2通り
です。
以上から、問題に与えられた2つの条件をみたす書き込み方は、
128+64+32+16+32+8+16+8+16+4+8+8+4+4+2=350通り
で、これが答えです。
楽しい問題です。
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