東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

等積変形を利用した作図問題

2018-02-22 12:06:48 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、近隣の中学校の学年末試験用プリントにあった、等積変形を利用した作図問題を取り上げます。

問題は、
「下図の四角形ABCDで、辺BC上の点Pを通り、四角形ABCDの面積を2等分する線分PQを作図しなさい。ただし、点Qは辺AD上にあるものとします。」


▲問題図


三角形の辺上(頂点を含まない)にある点を通り、その三角形の面積を2等分する直線の作図方法や、四角形を面積を変えないで三角形に変形する作図方法は、中学校で使っているワークなどに載っています。

この問題は、これらの2つの作図方法を組み合わせれば解決できそうです。

そこで、まず四角形ABCDを等積の三角形に変形しましょう。

図1のように、ACと平行でDを通る直線を引き、この直線とBCの延長との交点をEとします。


▲図1.四角形ABCDを等積の△ABEに変形します

すると、△ACDと△ACEの面積は等しくなるので、四角形ABCDと△ABEの面積は等しくなります。

次に、点Pを通り、△ABEの面積を2等分する直線を作図します。

図2のように、線分BEの中点をMとすると、△ABMと△AEMの面積は等しくなります。


▲図2.点Pを通り、△ABEの面積を2等分する直線を作図します

ここで、APと平行な点Mを通る直線を引き、この直線とAEとの交点をFとすると、△APMと△APFの面積は等しくなります。

つまり、△ABMと四角形ABPFの面積は等しく、四角形ABPFの面積は、△ABE、すなわち、四角形ABCDの1/2ということです。

最後に、もう一度、等積変形して辺AD上の点を見つけましょう。

図3のように、MFの延長と辺ADとの交点をQとするとAP//MQですから、△APFと△APQの面積は等しくなります。


▲図3.辺AD上に点Qを作図します

つまり、四角形ABPFと四角形ABPQの面積は等しく、四角形ABPQの面積は、四角形ABCDの1/2ということです。

以上から、四角形ABCDを2等分する線分PQを作図することができました。

図4に、図1から図3までをまとめたものを示します。


▲図4.図1から図3までをまとめた図です


平行線を利用した等積変形を3回使うので、中2生にとっては少し厄介な作図かもしれませんが、これができたら学年末試験の等積変形は問題ないでしょう。