こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今回は、2018年桜蔭中入試に出題された面積問題を取り上げます。
問題は、
「半径が3cmの円Aと、1辺の長さが6cmの正方形Bを用いてできる次の3つの図形をA+A、A+B、B+Bと呼ぶことにします。
このとき、次の問いに答えなさい。
① A+A、A+B、B+Bの面積はそれぞれ何 cm2 ですか。
② 同じように、AとBを組み合わせて10個用いて、下のような図形を作ります。
両端にAを使うとき、Bをできるだけ少なく使って面積が250 cm2 以上の図形を作るには、Bを何個使いますか。また、作った図形の面積は何 cm2 ですか。」
です。
早速、①から取り掛かりましょう。
各図形の面積は、2個の円または正方形の面積の和からそれらが重なっている部分の面積を引いたものになります。
A+Aの重なった部分は、図1の青色でマークした図形で、この面積は、1辺3cmの正方形から半径3cmの四分の一円の面積を引いたものの2倍を、1辺3cmの正方形の面積から引いたものです。
▲図1.A+Aの重なった部分を青色でマークしました
つまり、
(A+Aの重なった部分の面積)=3×3-(3×3-3×3×3.14÷4)×2
=5.13 (cm2)
です。
したがって、
(A+Aの面積)=(Aの面積)×2-(A+Aの重なった部分の面積)
=3×3×3.14×2-5.13
=51.39 (cm2)
です。
A+Bの重なった部分は、図2の青色でマークした図形で、この面積は、半径3cmの四分の一円の面積です。
▲図2.A+Bの重なった部分を青色でマークしました
つまり、
(A+Bの重なった部分の面積)=3×3×3.14÷4
=7.065 (cm2)
です。
したがって、
(A+Bの面積)=(Aの面積)+(Bの面積)-(A+Bの重なった部分の面積)
=3×3×3.14+6×6-7.065
=57.195 (cm2)
です。
B+Bの重なった部分は、図3の青色でマークした図形で、この面積は、1辺3cmの正方形の面積です。
▲図3.B+Bの重なった部分を青色でマークしました
つまり、
(B+Bの重なった部分の面積)=3×3
=9 (cm2)
です。
したがって、
(B+Bの面積)=(Bの面積)×2-(B+Bの重なった部分の面積)
=6×6×2-9
=63 (cm2)
です。
以上をまとめると、A+Aの面積 51.39cm2 、A+Bの面積 57.195cm2 、B+Bの面積 63cm2 で、これが答えです。
続いて②です。
Aを10個用いて問題図のような図形を作った場合、その面積は、
(A10個の面積)=(Aの面積)×10-(A+Aの重なった部分の面積)×9
=3×3×3.14×10-5.13×9
=236.43(cm2)
で、これからAをBに入れ替えることで図形の面積を250 cm2 以上にします。
ここで、A+BとA+A、B+BとA+Bの重なった部分の面積差を計算すると、それらは、
(A+BとA+Aの面積差)=7.065-5.13=1.935 (cm2)
(B+BとA+Bの面積差)=9-7.065=1.935 (cm2)
です。
つまり、AをBに入れ替える場合、
・A+Aの重なった部分がA+Bの重なった部分に入れ替わる
または、
・A+Bの重なった部分がB+Bの重なった部分に入れ替わる
とことになり、いずれの場合も重なった部分の増加する面積は1.935 cm2 です。
そして、これが1個のBに対して2ヶ所あるので、1個のAをBに入れ替えると、重なった部分の面積は、1.935×2=3.87 cm2 大きくなります。
したがって、10個のAからなる図形でn個のAをBに入れ替えた図形の面積は、
(10-n個のAとn個のBからなる図形の面積)=236.43-(Aの面積)×n+(Bの面積)×n-3.87×n
=236.43-3×3×3.14×n+36×n-3.87×n
=236.43+3.87×n
になります。
これが250 cm2 以上になる最小のnは、
236.43+3.87×n≧250
3.87×n≧13.57
n≧3.50・・・
からn=4で、このとき全体の面積は、251.91 cm2 です。
以上から、Bの個数は 4個、図形の面積は 251.91 cm2 で、これが答えです。
見通しがよい問題ですが、計算が煩雑なので注意しましょう。
今回は、2018年桜蔭中入試に出題された面積問題を取り上げます。
問題は、
「半径が3cmの円Aと、1辺の長さが6cmの正方形Bを用いてできる次の3つの図形をA+A、A+B、B+Bと呼ぶことにします。
このとき、次の問いに答えなさい。
① A+A、A+B、B+Bの面積はそれぞれ何 cm2 ですか。
② 同じように、AとBを組み合わせて10個用いて、下のような図形を作ります。
両端にAを使うとき、Bをできるだけ少なく使って面積が250 cm2 以上の図形を作るには、Bを何個使いますか。また、作った図形の面積は何 cm2 ですか。」
です。
早速、①から取り掛かりましょう。
各図形の面積は、2個の円または正方形の面積の和からそれらが重なっている部分の面積を引いたものになります。
A+Aの重なった部分は、図1の青色でマークした図形で、この面積は、1辺3cmの正方形から半径3cmの四分の一円の面積を引いたものの2倍を、1辺3cmの正方形の面積から引いたものです。
▲図1.A+Aの重なった部分を青色でマークしました
つまり、
(A+Aの重なった部分の面積)=3×3-(3×3-3×3×3.14÷4)×2
=5.13 (cm2)
です。
したがって、
(A+Aの面積)=(Aの面積)×2-(A+Aの重なった部分の面積)
=3×3×3.14×2-5.13
=51.39 (cm2)
です。
A+Bの重なった部分は、図2の青色でマークした図形で、この面積は、半径3cmの四分の一円の面積です。
▲図2.A+Bの重なった部分を青色でマークしました
つまり、
(A+Bの重なった部分の面積)=3×3×3.14÷4
=7.065 (cm2)
です。
したがって、
(A+Bの面積)=(Aの面積)+(Bの面積)-(A+Bの重なった部分の面積)
=3×3×3.14+6×6-7.065
=57.195 (cm2)
です。
B+Bの重なった部分は、図3の青色でマークした図形で、この面積は、1辺3cmの正方形の面積です。
▲図3.B+Bの重なった部分を青色でマークしました
つまり、
(B+Bの重なった部分の面積)=3×3
=9 (cm2)
です。
したがって、
(B+Bの面積)=(Bの面積)×2-(B+Bの重なった部分の面積)
=6×6×2-9
=63 (cm2)
です。
以上をまとめると、A+Aの面積 51.39cm2 、A+Bの面積 57.195cm2 、B+Bの面積 63cm2 で、これが答えです。
続いて②です。
Aを10個用いて問題図のような図形を作った場合、その面積は、
(A10個の面積)=(Aの面積)×10-(A+Aの重なった部分の面積)×9
=3×3×3.14×10-5.13×9
=236.43(cm2)
で、これからAをBに入れ替えることで図形の面積を250 cm2 以上にします。
ここで、A+BとA+A、B+BとA+Bの重なった部分の面積差を計算すると、それらは、
(A+BとA+Aの面積差)=7.065-5.13=1.935 (cm2)
(B+BとA+Bの面積差)=9-7.065=1.935 (cm2)
です。
つまり、AをBに入れ替える場合、
・A+Aの重なった部分がA+Bの重なった部分に入れ替わる
または、
・A+Bの重なった部分がB+Bの重なった部分に入れ替わる
とことになり、いずれの場合も重なった部分の増加する面積は1.935 cm2 です。
そして、これが1個のBに対して2ヶ所あるので、1個のAをBに入れ替えると、重なった部分の面積は、1.935×2=3.87 cm2 大きくなります。
したがって、10個のAからなる図形でn個のAをBに入れ替えた図形の面積は、
(10-n個のAとn個のBからなる図形の面積)=236.43-(Aの面積)×n+(Bの面積)×n-3.87×n
=236.43-3×3×3.14×n+36×n-3.87×n
=236.43+3.87×n
になります。
これが250 cm2 以上になる最小のnは、
236.43+3.87×n≧250
3.87×n≧13.57
n≧3.50・・・
からn=4で、このとき全体の面積は、251.91 cm2 です。
以上から、Bの個数は 4個、図形の面積は 251.91 cm2 で、これが答えです。
見通しがよい問題ですが、計算が煩雑なので注意しましょう。