東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

並べ方の問題(2)[桜蔭中]

2018-02-11 11:32:34 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2018年桜蔭中入試に出題された並べ方の問題を取り上げます。

問題は、
「同じ大きさの白と黒の正三角形の板がたくさんあります。図のように白い板を24枚すきまなく並べて正六角形を作ります。
 次に、24枚のうち何枚かを黒い板と取りかえます。
 このとき、正六角形の模様は何通り作れますか。
 ただし、回転させて同じになるものは同じ模様とみなします。また、正六角形を裏返すことはしません。



① 24枚のうち1枚を取りかえたとき
② 24枚のうち2枚を取りかえたとき」
です。

早速 ① から取り掛かりましょう。

正六角形を図1のように、AからFの6つの正三角形に分割すると、これらの正三角形は、60°、120°、180°、240°または300°の回転で、互いに重ね合わせることができます。


▲図1.正六角形を6つの正三角形に分割しました

つまり、ある正三角形のなかの小さな正三角形を黒に取りかえた模様は、他の正三角形のなかの同じ位置関係にある小さな正三角形を黒に取りかえた模様と、60°、120°、180°、240°または300°の回転によって同じになります。

したがって、24枚のうち1枚を取りかえたときの模様の数は、分割した1つの正三角形のなかの小さな正三角形の個数に等しく、答えは 4通り です。

続いて ② です。

まず、6つに分割した正三角形の1つのなかの4つの小さな正三角形の2つを黒に取りかえた場合を考えましょう。

この場合の模様は、残りの5つの正三角形で、同じ位置関係にある2つの小さな正三角形を黒に取りかえた模様と、60°、120°、180°、240°または300°の回転によって同じになります。

つまり、6つに分割した正三角形の1つのなかの2つの小さな正三角形を黒に取りかえた模様の数は、4つの小さな正三角形からの2つの選び方になるので、4×3÷2=6(通り)です。

次に、6つに分割した正三角形の2つから、それぞれ1つずつ小さな正三角形を黒に取りかえた場合を考えると、
・2つの正三角形をAとBとしたときの模様 = 2つの正三角形を、BとC、CとD、DとE、EとF、FとAとしたときの模様
・2つの正三角形をAとCとしたときの模様 = 2つの正三角形を、BとD、CとE、DとF、EとA、FとBとしたときの模様
・2つの正三角形をAとDとしたときの模様 = 2つの正三角形を、BとE、CとFとしたときの模様
です。

つまり、2つの正三角形をAとB、AとC、AとDとしたときのそれぞれの模様の数の和を勘定すればよいことになります。

●2つの正三角形をAとBとした場合
AとBの小さな正三角形の選び方は、それぞれ4通りなので、4×4=16(通り)です。

●2つの正三角形をAとCとした場合
AとCの小さな正三角形の選び方は、それぞれ4通りなので、4×4=16(通り)です。

●2つの正三角形をAとDとした場合
図2のように、AとDのなかの小さな正三角形をそれぞれP、Q、R、S、Dとp、q、r、sとします。


▲図2.AとDのなかの小さな正三角形をそれぞれP、Q、R、Sとp、q、r、sとしました

初めにAからPを選んだとき、Dからの選び方は、p、q、r、sの4通りです。

次にAからQを選んだとき、Dからpを選んだときの模様は、正六角形を180°回転させると、Pとqを選んだときの模様と同じになるので、Dからの選び方は、q、r、sの3通り になります。

同じように、AからRを選んだとき、Dからpまたはqを選んだときの模様は、それぞれPとr、Qとrを選んだときの模様と同じになるので、Dからの選び方は、r、sの2通りになり、AからSを選んだとき、Dからp、qまたはrを選んだときの模様は、それぞれPとs、Qとs、Rとsを選んだときの模様と同じになるので、Dからの選び方はsの1通りになります。

したがって、2つの正三角形をAとDとした場合の選び方は、4+3+2+1=10(通り)です。

以上から、24枚のうち2枚を取りかえたときの模様の数は、6+16+16+10=48(通り)で、これが答えです。


長くなってしまいましたが、簡単な問題です。