周藤 強  「もっと活き生き」

島根県 雲南市議会議員 

議員定数等検討委員会答申書 その1

2008-02-27 08:30:01 | Weblog

 議員定数等検討委員会の答申書を掲載します。 

 

 平成20年2月29日

雲南市議会議長 吾 郷 廣 幸 様

雲南市議会議員定数等検討委員会

委員長 吉 井  傳

「雲南市議会の組織・機能の充実強化」についての答申書

 平成19年3月22日付、雲議発第563号で諮問のあった「雲南市議会の組織・機能の充実強化」について、下記のとおり答申します。

                            記

1.議会の組織に関すること

 ①次期改選時の議員定数について

議員の定数は、そもそもその自治体の議会をどのように構成し、かつ自治体の意思決定をどのようにするかの根幹をなすものであり、地方分権一括法の施行により地方自治体独自の事務の増加や首長の権限が肥大化する中、二元代表制を基本として慎重に決定されなければならない。

 地方自治法第91条では、人口要件によって上限定数が定められているが、定数についてはそれぞれの自治体の条例で定めることとなっている。人口5万人未満の市では26名と定められているが、全国の5万人未満の市においては、75%の議会が定数を削減している状況下にある。

 本市においては、合併協議会で議員定数が決定されてきたが、合併協定書では、「6.議会議員の定数及び任期の取扱い」第1項において、雲南市議会議員の定数を26人と定め、新市の設置後最初に行われる選挙により選出される議会の議員の任期に相当する期間に限り、合併特例により38人とした。

 従って、次期改選時の議員定数は既に条例により26人と定めているところである。(「雲南市議会議員の定数を定める条例」平成16年12月6日 雲南市条例第326号)

 しかしながら、合併協定書「6.議会議員の定数及び任期の取扱い」第3項には、「将来において、社会情勢の推移によって議員定数を変更する必要があるときは、新市の議会において、これを定めるものとする。」とされている。「将来」をどう解釈するかは別として、合併後間もなく発せられた財政非常事態宣言や、予想を大幅に上回る人口減少、そして、全国的な市議会議員定数の削減が進展している中、「雲南市議会議員定数削減についての陳情書」や要望があった。

 一方、「市議会議員定数に関する意見書」では財政事情のみに偏らない幅広い判断基準を求められ、2月16日には「市民の意見を聴く会」を開催し、更に深く議論した。

 以上の経過を踏まえ、総合的に判断し、24名にする結論に至り、次期改選時の議員定数を24名とすることを決定した。

 なお、「合併後3年余りを経過したに過ぎず、未だ多くの行政課題や問題がある。」との指摘や、「周辺地域の声なき声を行政に反映させるためにも、執行権に対する監視や、調査機能を十分に発揮するために、財政コストのみで定数を論ずるべきではない。」、「次期改選時には合併協議を遵守し26人とし、その後削減を検討すべき。」との強い意見もあった。

 何よりも、雲南市が将来の発展に向かって、確実に歩み続けることに資する議会でなければならない。

  ~下へ続く~

 


 答申書 つづき その2

2008-02-27 08:28:30 | Weblog

 ②次期改選時の選挙区について

 地方自治法を適用した、現行の「雲南市議会議員の選挙区の設定及び各選挙区において選挙すべき議員の定数に関する条例」では、「合併後最初に行われる選挙により選出される雲南市議会の議員の任期に相当する期間に限り定められた議員の定数をもって行われる選挙につき、選挙区の設定及び選挙区において選挙すべき議員の定数」を定めている。これは、合併協定書の「6.議会議員の定数及び任期の取扱い」第2項に基づくものである。従って、この条例の適用期間は、条例施行後最初に行われる一般選挙により選出された議員の任期のみである。

 このことから、次期改選時の選挙区は条例上定めがないこととなり、公職選挙法第12条第4項により全市1区において選挙を行うこととなる。

当委員会では、次期改選時においても公職選挙法第15条第6項に定める条例で選挙区を設ける特段の必要性について検討を行ったが、

ア.合併協議会では、「新市の設置後最初に行われる選挙に限り選挙区を設ける」としており、市の区域を選挙区とすることを前提としている。

イ.地域人口が少ない周辺部では選出議員が皆無となる可能性があるとの意見もあるが、新市の一体感の醸成からも選挙区は1つであるべきである。

 との意見を集約し、全会一致で次期改選時には選挙区選挙を行わないこととした。

 

③議員報酬等のあり方について

 合併後の新市特別職報酬額等は、合併協議会の新市特別職報酬等審議特別小委員会で全国の類似団体及び県内市の報酬額を参考に定められたが、市議会議員については「合併特例法の規定による特例を適用する期間は、条例人数を勘案し定める。」とあり、「特例を適用する期間」に限り、合併協議会が算出した類似団体の平均議員報酬額360,800円から15%減額し、報酬額306,000円と議決している。

 その経過を踏まえ、定数特例の適用及び選挙区選挙がなくなる次期選挙後の議員報酬については条例改正により、合併協議会で算出した類似団体の平均議員報酬額360,800円とし、報酬カットなどは改選後の議会で審議されるべきとの意見が多いことを報告し、雲南市特別職報酬等審議会で慎重審議されることを望む。

 なお、期末手当の加算率についても、市議会の標準は140/100であり、現行の110/100の加算率は県内8市の中でも最も低い率である。県内市並みの加算率が望まれ、これについても雲南市特別職報酬等審議会で検討されたい。

   ~下へ続く~


答申書 つづき その3

2008-02-27 08:20:40 | Weblog

2.議会の機能の充実強化に関すること

 

①委員会制度における見直しについて

 常任委員会における審査は、専門・特化した様々な行政事務に対して、その専門性に立ち入りより深く審査することにその目的を有するのであり、地方分権の推進により地方自治体の権限が一層強化される状況下、所管事務調査の本来的な重要性と調査権限を改めて認識し、執行部からの説明を聴くばかりでなく、委員会が独自性をもって問題点を調査し、それをもとに委員間の闊達な自由討議が展開されるよう務めなければならない。

 常任委員会は、地方自治法第109条において条例で置くことができるとなっており、本来、必置の機関とはされていない。しかしながら、必置の機関ではないにもかかわらず従来委員会の設置数や委員の就任に制限が加えられており、法律上このような制約を課すことは、議会が自らの判断で必要性とその種別を定めて設置する常任委員会のあり方に無用な制約を課すことであることから、平成12年の改正により数の制限が廃止され、平成18年には1議員1常任委員会の就任制限も廃止された。

 今後、複数の常任委員会への所属が可能となることから、当面、予算・決算特別委員会を常任委員会とすることも想定されるが、合併後の3年間では、特に大きな問題は出なかったので、次期改選後、議員数が少なくなり、問題点がでれば、必要に応じて検討して行くべきと考える。

 

②会派制の導入の有無について

 会派は、地方自治法、委員会条例、会議規則において何らの規定がなく、地方自治法第100条第13項において政務調査費の交付対象の1つとしてその存在が規定されているに過ぎない。会派は、自然発生的な政策集団であることから、その存在は法的規制になじまず、政策集団としての高度な自主性が尊重され、会派内で活発な議論がなされることが必要となる。

しかしながら、会派制をとっている多くの地方議会では首長との関係で活動を自己規制したり、または、必要以上に対立的になったりする傾向があり、会派の政策集団としての本来の性質が失われているようである。

県内の状況は、雲南市、大田市を除く、6市が全て会派制をとっている。現在、雲南市議会では会派制をとっていないが、特別大きな支障は出ていないと思われる。今後、議会運営、議員活動の活性化の面で検討する余地もあると考えられるが、会派制により個々の意思を制約される面も考えられるので、会派の必要性については、時の議会において決められるべきである。

 

③その他、議会の権能の充実強化に関することについて

 地方議会のあるべき姿は、地方分権が進められる中、住民の安心・安全な生活を守り、教育の充実を図ることの重要性を根元とし、それに向かう行政運営のチェック機能の強化と政策や条例立案能力の向上を図ることが求められており、多くの研修の場に出席し、議会・議員の資質向上に向け、一層の努力をすべきである。

一方、議会運営や議会活動などの事務を司る議会事務局の一層の強化を図ることも同時に必要である。

 その他、合併特例法の議員定数特例もなくなることから、議員1人当たりに対する市民数が大幅に多くなり、より広範な市民の意見が反映されるよう議会活動報告会・懇談会などを定期的に行うことも考えて行くべきである。

 また、市議会議員選挙に係る選挙用の公費負担については、県内8市の中で本市のみが条例化されていない。選挙区が広範囲になることを踏まえ、条例化に向けて執行部で検討されることを望む。

 以上


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