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茨木のり子詩集 「おんなのことば」

2006年06月12日 | これ読んでます。
私の寝る前の愛読書、

茨木のり子さんの詩集 「おんなのことば」童話社 です。

中学時代、彼女の有名な詩「自分の感受性くらい」を読んで
感動ではなく、衝撃を受けました。
それ以降この詩は、私にとって自らを叱り、戒める。そんな存在と
なりました。

この詩集は、彼女の6冊の詩集から35編を選んだ詞華集です。
初心者向けといった感じですが、どれも本当に素敵な詩ばかりです。

今、一番いいなぁ~と思ってるのがこの詩です。

 

     「落ちこぼれ」   茨木のり子

    落ちこぼれ
      和菓子の名につけたいようなやさしさ
  
    落ちこぼれ
      いまは自嘲や出来そこないの謂

    落ちこぼれ
      ばかばかしくも切ない修業

    落ちこぼれにこそ
      魅力も風合いも薫るのに

    落ちこぼれの実
      いっぱい包容できるのが豊かな大地

    それならお前が落ちこぼれろ
      はい 女としてはとっくに落ちこぼれ

    落ちこぼれずに旨げに成って
      むざむざ食われてなるものか

    落ちこぼれ
      結果ではなく

    落ちこぼれ
      華々しい意志であれ



今年2月、残念なことにお亡くなりになりました。
そして翌月の読売新聞の夕刊に彼女の死亡通知が掲載されたそうです。



「このたび私 '06年2月17日 クモ膜下出血にて
 この世におさらばすることになりました。
 これは生前に書き置くものです。
 私の意志で、葬儀・お別れ会は何もいたしません。
 この家も当分の間、無人となりますゆえ、弔慰の品は
 お花を含め、一切お送り下さいませんように。
 返送の無礼を重ねるだけと存じますので。

 「あの人も逝ったか」と一瞬、たったの一瞬
 思い出して下さればそれで十分でございます。
 あなたさまから頂いた長年にわたるあたたかな
 おつきあいは、見えざる宝石のように、私の胸に
 しまわれ、光芒を放ち、私の人生をどれほど豊かに
 して下さいましたことか・・・。

 深い感謝を捧げつつ、お別れの言葉に
 代えさせて頂きます。

 ありがとうございました。

          二〇〇六年三月吉日」


亡くなったことは本当に残念でショックだったのですが、
この記事を読んで、感心してしまいました。最後の最後まで
シャンとした人だったんだなぁ~と。

茨木さんの言葉は、どれも私の背中をポンっと叩いて
こう言ってくれる感じなのです。

「ほら、あなたもシャンとなさい!!」

茨木さんありがとう。ご冥福をお祈りします。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も好きです。 (honey*honey)
2006-06-22 01:28:47
私も茨木のりこさんの 「自分の感受性くらい」という詩が大好きです。落ちこぼれもいいですね。特に最後の「華々しい意志であれ」というところが。亡くなられたことはyumyumさんのブログではじめて知りました。まさか手作りのブログで茨木さんの最後の言葉に出逢えるとは思いませんでした。私もシャンと生きようと思います。yumyumさんどうもありがとう!
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コメントありがとうございます♪ (yumyum)
2006-06-23 20:40:18
茨木さんの詩は本当に素敵なものばかりですよね。

この記事に、最初は「汲む」という詩を載せるつもりでした。この詩もすごく大好きです。



茨木さんの最後の言葉は、なんだかやっぱり詩のように、心に響いてきます。



honey*honeyさん、こちらこそコメントいただきましてありがとうございました。
返信する
Unknown (you)
2006-06-28 18:10:43
初めまして、youと申します。

受け取ったバトンを追いかけて辿りつきました。

茨木のり子さんの詩に反応(*^_^*)

“汲む”私のブログに載せましたよ。(5月13日の記事)何となく親近感がわいちゃいました。

私もいつも

「自分の感受性くらい自分で守ればかものよ」

って自分を叱っていますよ。

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嬉しいです♪ (yumyum)
2006-06-29 12:49:29
コメントありがとうございます。

バトンでつながってた上に、「汲む」をブログに

載せてたなんて・・・すごい偶然じゃないですかぁ!



彼女の詩は、本当に優しく、厳しく語りかけて

くれますよね。



大切にしたい1冊です。
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