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火星のタイム・スリップ

2023年09月13日 | 読書
20世紀SF巻末の年表に沿ってフィリップ・K・ディックの作品を再読。

虚空の眼の次は「火星のタイム・スリップ」です。



うちにあるのは…



こんな↑感じ。

 たえず水不足に悩む不毛の地、火星植民地に住む人々は、
 国連から配給された水を頼りに細々と暮らしていた。
 しかし、水利労組組合長アーニイ・コットは、
 その貴重な水を思うままに使えるほどの絶大な権力を握っていた。
 だが、国連の大規模な火星再開発にともなう投機で
 地球の投機家に先を越されてしまった彼は、
 ある途方もない計画をもくろむーー
 時間に対する特殊能力を持っている分裂病の少年を使い、
 過去を改変しようというのだ。
 ところが、コットが試みたタイム・トリップには、怖るべき陥穽が…!?
 アメリカSF界の鬼才ディックがなまなましく描く、異形の悪夢世界。

 (裏表紙より)

ん? これだとアーニイ・コットが主人公のようですね。
プーとしては修理工のジャック・ボーレンだと思います。
それからその表紙に描かれている少年、マンフレッド・スタイナーですな。

ジャックも分裂病(統合失調症)を患っており(本人は完治したと主張)
マンフレッド少年と接することで悪化/感化され現実が歪みます。
アーニイ、ジャック、マンフレッド(+アーニイの愛人ドリーン)による
あるシーンが何度も描かれるんですが、どんどん描写がいびつになる。
単純に視点が変わるわけではないので「???」と
思わず読み終わってからまた最初から再読しちゃいましたっ。

いわゆるタイムトラベルものではなく、けっこう人間ドラマな感じ。
引き込まれる小説でした。
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