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虚空の眼

2023年08月30日 | 読書
20世紀SF巻末の年表に沿ってフィリップ・K・ディックの作品を再読。

偶然世界の次は「虚空の眼」です。



あれ? 「宇宙の眼」になってます。ほう、↑は中田耕治訳。

プーが持っているのは…



大瀧啓裕です。その違いですかね。

 カリフォルニア州に建造された巨大な陽子ビーム偏光装置が
 突如暴走事故を起こし、八人の男女がまきぞえとなった。
 その一人、ジャック・ハミルトンは、ほどなく病院で意識を取り戻す。
 身体には何の異常もなかった。
 だが…そこは彼が知っている現実世界とは違った、
 奇怪な宗教に支配される世界だったのだ。
 八人はもとの世界に帰る方法を探り始めるが…? 高名な傑作初期長編。

 (裏表紙より)

ネタバレしちゃうとハミルトン一行はまだ意識を失った状態で
事故に遭った8人のうち最初に意識を取り戻した人物の精神世界に
入り込んでしまった、という設定。
そのことに気づいてそいつを気絶させ現実に戻れた!と思ったら
今度はまた違う人物の精神世界に移っただけだった…。

奇跡や呪いが日常茶飯事の世界、厳格な道徳観の世界、
すべてが陰謀めいている世界などなど
いやあ、狂信的/偏向的な独裁者のもとで生きるって大変だわぁ。
書かれたのは1957年。そういう危険性のある時代だったんですかねぇ。

4つの世界を経て(たぶん)現実に戻れた8人。
主人公ハミルトンは冒頭で解雇されてウジウジしていたけど
自分の生きる道は自分で切り開いて突き進んでほしいです!

というわけで、まだまだすんなりと読めるディック作品でした~。
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