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20世紀SF読了

2023年08月07日 | 読書
40年代&50年代そして60年代&70年代を読んだ20世紀SF。
最後の80年代と90年代を読み終わりました。



 電脳文化が急速な発展をとげた時、
 のちにサイバーパンクと呼ばれる一大連動が生まれた…。
 英語圏のSFを年代別に集大成したシリーズ第5巻は、
 新時代の胎動が力強く始まった1980年代編!

 (裏表紙より抜粋)

70年代は作品として成熟した、と感じましたが
80年代はより現代的というか、プーにとってcomtemporaryと感じました。
そしてどれも映像化できそうな、映像が目に浮かぶような作品でした。
ああ、ディックの「アンドロイドは電子羊の夢を見るか?」が原作の
映画「ブレードランナー」の公開が1982年かぁ。ふむふむ。
特に印象的だったのはジェル・ライマンの「征たれざる国」でした。
ポルポト/クメールルージュ時代のカンボジアをイメージした舞台のようです。
家や武器が有機的。ハウルの動く城みたいに家が動き回り住人を守ります。
あ、「ハウルの動く城」の原作も1986年の作品かぁ。
貧しい女性は子宮を工業用にレンタルして家電やときには兵器体も産んだ。
(なんという発想!)
主人公の「三女」は国に、隣国に、大国に、反政府軍に翻弄される。
ファンタジーな世界なんだけど悲しい、いたたまれない気持ちになる作品でした。
そうそう小説(84年作)の最後に
「ジョン・レノンに、フィリップ・K・ディックに、ウォルターに」
とありました。レノン80年没、ディック82年没。
はて、ウォルターとは? ライマンのパートナーかな?
いろいろ読み応えありました。



 (1990年代の)世界はかつてのSFが描いたとおりの場所となった。
 大げさにいえば、世界がSFと化したのである。

 (中村融による解説より)

読み終わってすぐにまた読み直したくなる作品ばかりでした。
特に印象に残ったのはジェフリー・A・ランディスの「日の下を歩いて」。
月面に不時着し地球からの救助が来る30日間を1人で生き延びなければならない女性。
ちょっとサンドラ・ブロックの映画「ゼロ・グラビティ」のようでもありました。
孤独の中で正気を保つのは大切な人の幻影との対話、というところも似てます。

それからダン・シモンズの「ケンタウルスの死」ですね。
教師が子供たちに聞かせる物語がなんともほろ苦いのです。

いやそれにしてもいろんな作品がありました。
SF作家なんてディックとハインラインくらいしか知らなかったけど
なんかもっといろいろ読みたくなりました!

そうそう中村融氏は6巻すべての解説を書いています。
1940年代「現代SFの基礎が築かれた時代」
1950年代「SFブームとその終焉」
1960年代「変革の嵐が吹き荒れた時代」
1970年代「高揚と幻滅のはざまで」
1980年代「レーガン・サッチャー時代のSF」
1990年代「リミックス時代のSF」
こちらも読み応えがありました。







Comments (2)
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