夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

ハワイアンウェディングソング

2017年07月12日 | 映画


学生時代アルバイト先で知り合ったU君からは随分影響を受けた
田舎者の劣等生の私からは都会生まれの彼は常に前向きで眩しい存在だった

競馬、麻雀、パチンコ、トランプ、将棋、と何をやらせてもそつ無くこなし一家言持っていた
アルバイトで貯めたお金で二週間ほど白馬へ一人で旅するのが若い都会人の息抜きだった

そんな彼が部屋に置いていく大人向けの漫画雑誌に「釣りバカ日誌」が連載されていて、いつしか私もファンになっていた
鈴木建設の平社員ハマちゃんと社長スーさんの釣りを介しての痛快破天荒なドラマが当時のサラリーマンにウケた

やがて映画化されてみれば漫画のオリジナルとは別物ではあるもののこれはこれで面白い
西田敏行演じるハマちゃんはもとより三國連太郎のスーさんが映画の魅力を押し上げている

尾崎紀世彦さんがシリーズのどれかに出演していることは知っていたが、これまで映画を見たことはなかった
16作2005年の作だそうだが、動画配信サービスのおかげで今になって繰り返し見ることができた

ミュージシャンが映画に出ると大方歌っておしまい、みたいなことが多いのだが、これはストーリーの中にきちんと入っているではないか
基地の町佐世保のバーのマスター、歌うこととお店しかできない人という設定が尾崎さんにはまっている

尾崎さんが二階から降りて来てLPレコードに針を落とし、タバコをくゆらすシーンがある
LPレコードから流れる曲はどうやらハワイコールズあたりのコーラス「Old Plantation」だ

お店でバンドと歌うシーンがいい、テンガロンハットやカントリー風の衣装はもちろんウエスタンギターが似合う
お約束のハマちゃんや娘さん役とのデュエットもさりげなくコーラスをつけていて素晴らしい

開店前のお店でギターを爪弾きながら歌うのが「Hawaiian Wedding Song」、尾崎さんはこの曲をキー「E」で歌う
一般には「C」で歌うことが多いので2音高いことになる

キー「E」はギターの鳴りがいいオープンコード、確か「Pupu Hinuhinu」でも使われていたと思う
私の好きな彼の歌う「サマーラブ」はキー「F」だった

ネットで見つけた尾崎さんのインタビュー記事に寄れば「九州弁を五線譜に落としてメロディとして覚えて演じた」という
まさに尾崎さんらしい発想ではないか、少年のようにコメントしている姿が眼に浮かぶようだ

稀代のボーカリストが場末の酒場を経営しているという皮肉な設定は、彼が一曲歌えばどこかへ吹き飛んでしまう
娘の結婚を象徴する「Hawaiian Wedding Song」が長崎の海を背景に流れるシーンを見て、大阪のスタジオでの尾崎さんを思い出してしまった

嗚呼、「Hawaiian Wedding Song」

釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪♪


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