原題:IN THE VALLEY OF ELAH
公開:2008/06/28
製作国・年度:アメリカ、2007年、PG-12
上映時間:121分
アメリカが目を背けた衝撃作
監督:ポール・ハギス
出演:トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドン、ジョナサン・タッカー、ジェームズ・フランコ、フランシス・フィッシャー
STORY:退役軍人のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)は、イラクから帰還してくるはずの息子マイク(ジョナサン・タッカー)が脱走したという知らせを受ける。息子を探すために現地へ向かい、地元警察のサンダース刑事(シャーリーズ・セロン)と捜索を開始。真実が明るみに出るとともに、ハンクは知らなかった息子の素顔を知ることに……。(シネマトゥデイより)
監督・製作・原案・脚本とほとんど関わってつくられたポール・ハギス監督作品。イラク戦争から帰還した一人の兵士を巡る実話を映画化した作品。残念ながら予告編でもこちらでは見かけなかったくらい思いっきりスルーされた作品だったりします、、、
さすがポール・ハギスですなぁ。観ていくうちにどんどん引き込まれていく内容でした。これまた日本では宇宙人ジョーンズでおなじみのトミー・リー・ジョーンズがほとんど表情を変えない演技なのにしっかり胸の内が伝わってきたという・・・なんとも切ない演技がぐっときましたねぇ。くたびれた・・・いや哀愁漂う演技はピカイチのこのお方。
まずこれが実話だったことが何よりも衝撃的ですね。ほとんどというかノイズだらけのケイタイの動画でちょこっだけしかイラクでの戦争状態が映っていないのに、戦争の怖さ、狂気を感じました。
最初は行方不明の息子を探すというミステリーっぽい流れだったので、あまり深刻に観てなかったのです。しかし意外にも早く息子の行方がわかりまして、これがただの謎解きではなく、戦争を体験した人たちの心の傷や闇などがテーマになっとりました。
母親が息子の遺体を部屋のガラス越しに見てポツリと言うセリフが切なかったですねぇ。それでも気丈に振る舞う父親が余計につらいです。ラストのほうでの犯人を前にして怒りを必死でこらえている姿はすごく印象に残りましたね。
感動ものというわけではないのですが、ラストの逆さまの国旗が上がるシーンではぐっときちゃいましたねぇ。このシーンがすべてを現しているようで泣けてきたー。
逆さまの国旗は国家の緊急事態・・・
新しい大統領就任というめでたい日にこの作品を観たのもなんなんですが・・・大統領がチェンジしたからといってもこういった心の問題は山積みですなぁ。